概要・あらすじ
アイドルを目指す女子中学生の野々原りんごは、日々努力を重ねていたが、なかなかオーディションに合格できず、夢を叶えられずにいた。そんなある日、料理番組のオーディションを受けた際、りんごは料理などろくにできないにも関わらず、得意であると噓をついてしまう。思いがけずこのオーディションを勝ち抜いたりんごは、「天才料理少女アイドル」という謳い文句のもとにデビューを飾り、料理番組のキャスターに抜擢される。
幼なじみの筒井一臣に料理を教えてもらいながら、何とか番組収録を乗り越えていく内に、りんごは食を通じてさまざまな発見をし、成長していく。
登場人物・キャラクター
野々原 りんご (ののはら りんご)
中学1年生の女子。優しく、人を疑うことを知らない性格。人気アイドルの石坂真人の大ファンで、自身もアイドルになって真人と親しくなることを夢見ている。食べることは好きだが、料理はしたことすらない。それにも関わらず、真人が選考に関わっているというよこしまな理由で、料理番組のオーディションに申し込んだ。選考過程で、料理が得意と噓をついたところ、思いがけずオーディションを突破。 「天才料理少女アイドル」として、真人とともに料理番組のキャスターに抜擢されることになってしまう。以後は、料理番組の収録を乗り切るために、幼なじみで隣に住む筒井一臣に料理を教えてもらっており、番組でも楽しそうに料理をする姿が、視聴者から人気を博している。一臣に恋愛感情を抱いているが、そのことに気づけずにおり、憧れと恋を混同して、自分では真人に恋をしていると思っている。
筒井 一臣 (つつい かずおみ)
中学1年生の男子。野々原りんごの隣に住む幼なじみ。父親を早くに亡くし、働いている母親を支えようと家事を引き受けている。そのため料理が得意で、凝った料理を作ったり、時にはオリジナルレシピを考えることもある。中学ではバスケットボール部に所属しており、大会で活躍していた。学校では硬派な男で通しているため、料理が得意ということは秘密にしている。 幼なじみのりんごに恋愛感情を抱いていて、アプローチをすることもあるが、なかなか気付いてもらえない。一方でりんご以外の周囲の人物は一臣の想いに気づいており、冷やかされることもある。料理キャスターに選ばれたりんごに料理を教えているが、番組の共演者である石坂真人とりんごの距離が縮まっていくことに嫉妬し、時にりんごにいじわるをしてしまう。
石坂 真人 (いしざか まひと)
人気アイドルの青年。年齢は16歳。15歳の時に映画に出演して華々しくデビューし、その後は歌にドラマにCMにと大活躍している。輝かしい人生を送っているように見えるが、実は事業に失敗した両親が作った巨額の借金を抱えている。所属している事務所の社長に借金を肩代わりしてもらっていることもあり、事務所の決定には絶対に逆らえない。 借金返済のためわき目も振らずに働いているため、過労で倒れることもある。料理番組に共演している野々原りんごが自身を慕って、時には栄養のある料理を作ってくれることに癒しを感じ、次第にりんごに惹かれていく。
花森 朱菜 (はなもり あやな)
中学1年生の女子。野々原りんごのクラスメイト。スポーツマンが好きで、中学に入学してすぐの頃に、バスケットボールの練習をする筒井一臣に出会って一目惚れした。一臣がりんごに想いを寄せていることを知っており、りんごに嫌がらせをしている。しかし、人を疑うことを知らないりんごは嫌がらせに気づくことなく、むしろ花森朱菜を褒めてくることすらあるので、調子を狂わされることが多い。
松岡 三千代 (まつおか みちよ)
中学1年生の女子。野々原りんごのクラスメイト。りんごとは親友同士で、何かと相談に乗っては助言をしている。筒井一臣に想いを寄せており、彼がバスケットボールの練習をしているのをこっそりと覗くこともある。しかし、りんごが無自覚的に一臣に恋をしていることや、一臣がりんごを想っていることを知っており、2人を傷つけてはいけないと、松岡三千代自身の恋心は胸に秘めたままでいる。 一方で、時に嫉妬にかられて悩むこともある。
ママ
野々村りんごの母親。非常におっとりした性格で、似た者同士のパパとはいい夫婦関係を築いている。アイドル好きで、娘のりんごと同様に石坂真人の大ファン。りんごのことを溺愛しており、可愛いりんごなら絶対にアイドルになれると信じていた。りんごがデビューした後は、彼女が出演する公開放送に「りんごLOVE」と書かれた横断幕を持って応援に駆け付けるなど、りんごが恥ずかしがることも平気でやってのける。
パパ
野々原りんごの父親。ほのぼのとした性格で、似た者同士のママとはいい夫婦関係を築いている。やや親バカなところもあり、娘のりんごを溺愛し、アイドルデビューしたりんごの、ちょっとした演技に感動して号泣することもある。菓子メーカー「ポーラーベア製菓」の宣伝部に勤めており、新製品のコマーシャルにりんごを出演させるなどして、娘のアイドル活動を応援している。
筒井 楓 (つつい かえで)
筒井一臣の母親。早くに夫を亡くし、女手一つで一臣を育ててきた。脚本家として活躍していて、人気のドラマを数多く手掛けている。仕事が忙しく、家事は苦手。特に料理はまったく駄目で、料理上手な息子の一臣に頼りきっている。石坂真人が出演するドラマの脚本を手がけることもあり、野々原りんごやそのママのために、レア物の番宣ポスターをもらってきてプレゼントすることもある。 りんごのことを自身の娘のように思って可愛がっており、脚本家のコネを使って、りんごの楽屋に潜り込んで激励することもある。
花森 白山 (はなもり はくざん)
花森朱菜の父親。有名な書道の先生で、テレビに出演することもある。国粋主義者で常に着物を着ており、竹刀を提げていることもある。そのため、バスケットボールなどの西洋のスポーツを毛嫌いしている。娘の朱菜には、日本人としてのたしなみを身につけるようにいつも厳しく言い聞かせ、茶道、華道、日本舞踊、三味線といった日本的な習い事を強制。 将来的には茶道の家元の息子と結婚させようと画策している。朱菜と筒井一臣が付き合っていると誤解して、一臣を一方的に罵りながら竹刀で攻撃し、大きな事件を巻き起こす。