ドロンドロロン

ドロンドロロン

大須賀玄の代表作。モノノケと戦う資質を持っていない少年、佐々木ドラは、善良なモノノケであるクサナギとの出会いをきっかけに、モノノケと戦う力を得る。モノノケ討伐専門組織「イザナギ隊」の侍、柳生ギンチヨたちとの交流と共闘を通し、戦士として成長していくドラの姿を描いたバトルファンタジー。「週刊少年ジャンプ」2021年52号から2022年39号まで連載の作品。

正式名称
ドロンドロロン
ふりがな
どろんどろろん
作者
ジャンル
モンスター・異生物
 
バトル
レーベル
ジャンプコミックス(集英社)
巻数
既刊5巻
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あらすじ

個人奮戦編

モノノケに強い恨みを持つ少年、佐々木ドラは、モノノケを討伐する専門組織「イザナギ隊」に所属するになることを目指していた。しかし、血液検査で絶対に侍になれないと宣告され、意気消沈していた。そんな中、大猿天狗に追いかけられている子供を発見し、後先考えずに助けに飛び出していく。そこで目にしたのは、大猿天狗に対峙(たいじ)する小さなモノノケ、クサナギの姿だった。人間を守ろうとするクサナギとパートナーになり、ひそかにモノノケを討伐しようと決めたドラだったが、ある日、イザナギ隊に所属する柳生ギンチヨがやって来る。クサナギが善良なモノノケであることに納得したギンチヨは、ドラとクサナギを個人的な協力者としてスカウトするのだった。

イザナギ隊本部編

般若牛鬼を倒した佐々木ドラクサナギだったが、般若牛鬼の中から出てきたヒデヒサによって重傷を負わされてしまう。駆けつけた雲林院ヘイスケの活躍で命拾いしたドラたちだったが、イザナギ隊の本部に召喚されることになる。善良なモノノケの存在を否定し、クサナギを即刻処分しようとする研究者たちの前で、互いに庇(かば)い合うドラとクサナギの姿に感銘を受けた柳生ユウサイは、二人にヘイスケの部下として生活するよう命じる。そんな中、ドラは学生時代の知人でになっていた少年の冨田トウマと再会する。モノノケとの戦い方をまったく知らないドラに、トウマは口頭で戦い方を指南する。

登場人物・キャラクター

佐々木 ドラ (ささき どら)

モノノケと戦っている少年。短い赤毛を逆立て、額の右側に不等号型の傷痕がある。身長171センチ、誕生日は4月13日。好きなものは和菓子、風船ガム、「MIYAMOTO」ブランドの服。侍を志望していたが、試験前の血液検査において潜在妖力の量がゼロだと判明し、侍には絶対になれないと宣言された。しかし血液検査直後に、大猿天狗が子供を食べようとしている現場を目撃し、クサナギと共闘すればモノノケと戦えることが判明する。それ以降、クサナギとパートナーとなり、侍に発見されないようひそかにモノノケと戦っていた。しかし、柳生ギンチヨに露見したことをきっかけに、モノノケを討伐する専門組織「イザナギ隊」の本部に召喚された。雲林院ヘイスケの率いる部隊に研修生として編成されている。

クサナギ

人間を食べないモノノケ。青白い球体が二つくっついたような姿をしているが、どんな姿にも変形することができる。身長66センチ。好きなものはテレビ番組、どら焼き、ジャンクフード。人間を食べたことも食べようとしたこともなく、誰も傷つかない優しい世界を作るために、単体でモノノケから人間を守っていた。しかし佐々木ドラと出会ったことで、ドラのパートナーとしてモノノケと戦うことを決める。以前は雑草などを食べて飢えをしのいでいたが、ドラにどら焼きをもらったことで、どら焼きが好物になった。モノノケを討伐する専門組織「イザナギ隊」の本部に召喚された際は、怯(おび)えながらも落ち着き払い、柳生ユウサイと二人きりで会話もしている。柳生ギンチヨからは「クーちゃん」と呼ばれている。

柳生 ギンチヨ (やぎゅう ぎんちよ)

モノノケを討伐する専門組織「イザナギ隊」に所属している侍の少女。階級は中士侍。一部だけ長い金髪を毛先でまとめ、カチューシャを付けている。身長159センチ、誕生日は8月13日。好きなものはかわいいもの、イチゴのショートケーキ。大富豪の令嬢で、広い屋敷に使用人たちと住んでいる。出世欲が強く、出世のために柳生ギンチヨ自身の管轄下で犠牲者を一人も出したくないと考えている。一般人ながらモノノケを退治するほどの能力を持つ佐々木ドラとクサナギを味方に引き入れるため、個人的にスカウトした。ドラに対しては高圧的に接しているが、自らの力不足でドラに救われた時には素直に感謝した。ぬいぐるみ好きで、クサナギのことも気に入っている。

アサヒ

モノノケを討伐する専門組織「イザナギ隊」のラボに所属している少女。茶髪ロングヘアを頭頂部で大きなお団子にしている。柳生ギンチヨに心酔しており、スキあらばギンチヨに抱き締められようとする。ギンチヨと結婚して生涯を共にしたいと願っており、ギンチヨのためならどんな汚れ仕事もすると公言している。そのため、ギンチヨがスカウトした佐々木ドラとクサナギに、強い嫉妬心を抱いている。

柳生 ユウサイ (やぎゅう ゆうさい)

モノノケを討伐する専門組織「イザナギ隊」の創設者の一人であり、大隊長を務めている男性。柳生ギンチヨの祖父でもある。肩までのウェーブがかった白い髪で顎ひげを蓄えており、左頰に大きな十字傷がある。クサナギが処遇について査問を受けた際、佐々木ドラとクサナギが会話している姿を目撃したことで、処分に猶予を与えることを決定した。雲林院ヘイスケに監視役を命じている。

雲林院 ヘイスケ (うじい へいすけ)

モノノケを討伐する専門組織「イザナギ隊」に所属している侍の少年。階級は上士侍。ツートンカラーのショートヘアをしている。身長180センチ、誕生日は12月24日。好きなものは敬い慕われること、犬、雨。イザナギ隊本部で2年連続モノノケの駆除数トップを誇っている。他人から慕われたいと強く願っているが、無愛想で恩着せがましく、さらに何事に対しても一言多いため、柳生ギンチヨからは嫌われている。佐々木ドラとクサナギのモノノケとの戦いぶりを見て、イザナギ隊本部に連れ帰っている。その結果、柳生ユウサイから二人の監視役に命じられ、渋々ながらも了承した。

冨田 トウマ (とだ とうま)

モノノケを討伐する専門組織「イザナギ隊」に所属している侍の少年。短い金髪を逆立てている。身長192センチ、誕生日は5月25日。好きなものは仲間、主に和食の料理、勉強。佐々木ドラとはイザナギ隊入隊前からの知人であり、ドラのライバルを自称している。毎回ドラに一撃で吹っ飛ばされるほど弱いが、人一倍頑丈な体を持っている。雲林院ヘイスケの部隊に所属しているが、誰に対しても愛想がよく隊のみんなから慕われているため、ヘイスケからは嫉妬されている。

小早川 イチハ (こばやかわ いちは)

モノノケを討伐する専門組織「イザナギ隊」に所属している侍の少年。額に傷痕があり、肩までの髪をオールバックにし、うなじでまとめている。身長165センチ、誕生日は10月18日。好きなものは戦隊ヒーロー、掃除、みかん。善良なモノノケの存在を夢見ていたが半ばあきらめていたところに、佐々木ドラとクサナギの交流と絆(きずな)の強さに感動し、友人になりたいと申し出た。

大猿天狗 (おおざるてんぐ)

巨大な体と長い鼻、黒い翼を持ったサルのモノノケ。山伏のような衣装を身につけている。立ち入り禁止となった時計塔に誘拐した子供を連れ込んで、食べようとしているところをクサナギに邪魔をされる。その後、佐々木ドラも現場に駆けつけ、クサナギとドラが初共闘する。

邪馬鯨 (やまくじら)

美豆良(みずら)を結ったイノシシの頭部と、クジラの体を持つモノノケ。山の中を水中のように自由に泳ぎ回ることができ、土中から突然現れて人間を食べる。佐々木ドラとクサナギがひそかにモノノケと戦っていることを知った柳生ギンチヨが、ドラたちの戦闘力を知るために対戦させた。

般若牛鬼 (はんにゃぎゅうき)

般若のような顔で額から牛の角を生やし、巨大なクモに似た体を持つモノノケ。鋭い針状の爪を持ち、この爪に引っ掻かれた者は、しびれから体の自由を奪われてしまう。1年前に中士侍7名、下士侍12名、民間人46名を殺害して行方(ゆくえ)をくらませていた。また佐々木ドラの母親も、般若牛鬼によって殺害されている。手下のモノノケに人間を運ばせていたが、運ばれてきた子供をドラに奪われたことに激怒し、姿を現した。

ヒデヒサ

ヒト型のモノノケ。ハネ癖のある白い髪をオールバックにし、腰下まで伸ばしている。また上半身裸で袴(はかま)を身につけており、背中からはヘビのような8本の触手が生えている。妖力を使って身体を再生させることができる。腹の中が温かくて気持ちいいという理由から、さまざまなモノノケの腹部に入っては惰眠を貪っており、般若牛鬼の腹の中にも入っていた。しかし、佐々木ドラとクサナギが般若牛鬼を両断した際の呻(うめ)き声で目を覚まし、越豊前市に甚大な被害をもたらした。その際、対峙(たいじ)した雲林院ヘイスケに興味を持つ。

タメエモン

ヒト型のモノノケ。巨大な体軀にまわしを付け、黒髪を2本の角のように立てている。つねに酒を飲んで酔っ払っており、人間を捕獲してもすぐには食べずに、酒のつまみとしている。しかし、人間に対する力加減がわからないため、すぐに殺してしまう。

集団・組織

イザナギ隊 (いざなぎたい)

モノノケの討伐を専門に行う部隊。侍たちで構成されている。侍の階級は、下士侍(かしじ)、中士侍(ちゅうしじ)、上士侍(じょうしじ)の順に上がっていく。モノノケの駆除数や妖力値、身体能力値などを考慮して昇進試験を受けることができ、昇進すると地位に応じて賃金も上がっていく。

その他キーワード

(さむらい)

モノノケ討伐専門の組織「イザナギ隊」に所属している隊士の総称。月魄刀の帯刀を許可された公務員で、現場でモノノケの駆除を行うことができる。侍になるためには、血液検査で血中に潜在妖力が確認されることが最低限の資質とされている。

モノノケ

正体不明の怪異。さまざまな姿をしており、人間を捕食する存在として知られている。モノノケと戦えるのは侍だけで、一般人は戦うことができない。人間とはかけ離れた容姿をしているモノノケが多いが、ヒデヒサやタメエモンなど、モノノケの中でも群を抜いた力を持つ者は、ヒト型をしていることが確認されている。

月魄刀 (げっぱくとう)

侍が帯刀している、日本刀に似た武器。潜在妖力を増幅させる効果があり、月魄刀を自分の体の一部として認識し、所持者の妖力をまとわせることで、モノノケに対して強いダメージを与えることができる。また、モノノケからの攻撃を受けた際にも、妖力をまとった月魄刀で受けることでダメージを軽減させることができる。

書誌情報

ドロンドロロン 5巻 集英社〈ジャンプコミックス〉

第3巻

(2022-09-02発行、 978-4088832296)

第4巻

(2022-10-04発行、 978-4088833248)

第5巻

(2022-10-04発行、 978-4088833255)

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