概要・あらすじ
専門学校で絵の勉強をしている宮本尚子は自分の進むべき道に迷っていた。クラスメートの横川修一の恋や、友人たちとの議論、アルバイトなどで知り合った大人たちとの交流を経て、絵本作家への道を歩み始める。1980年代の若者を描いた青春コミック。
登場人物・キャラクター
宮本 尚子 (みやもと なおこ)
つり目で方まで届くストレートヘア。スレンダーで童顔。大阪出身だが、普段は関西弁を使わない。高校時代はスケ番だった。家出同然で上京して島上デザイナー学院に通っている。ネコが苦手だったが、ボテになつかれてこれを克服している。目指す絵の方向性に迷っていたが、メルヘンを目指すと決意し、最終的には絵本作家となる。 横川修一と在学時から付き合ったが、愛し合いつつもお互いにズレた感覚の関係がつづく。
大原 五月 (おおはら さつき)
宮本尚子の友人で島上デザイナー学院の同級生。メガネで長い黒髪の理知的な美女。高校ではメイ=フラワーというチームを率いてメイ=クイーンと呼ばれたレズビアン。尚子を独占するため、尚子と横川修一の仲を妨害するために中林春菜をけしかけている。 人脈は広く、やり手で卒業後に島上デザイナー学院の同期生を集めて会社コラプサー・アート・スタジオを興す。
横川 修一 (よこかわ しゅういち)
宮本尚子のことが好きな島上デザイナー学院のクラスメート。同級生の中ではかっこいい方で、高校では弱小サッカー部と美術部を掛け持ちしていた。頑固だが、他人への気遣いから優柔不断になることもある。勝江美亜の写真展を訪れて写真に目覚めカメラマンを目指す。尚子とはケンカ別れ、やり直すを繰り返す。 中林春菜のアプローチから断続的に関係が続き、ついに春菜と結婚する。
ボテ
『ネコじゃないモン!』のキャラクター。宮本尚子になついて、部屋に居すわった真っ白いノラ猫。太めでボテッとしていることから名付けられた。おとなしく人見知りしないが、愛想はよくない。人間を見透かしたような行動をとる。
水樹 玲子 (みずき れいこ)
宮本尚子の友人で島上デザイナー学院の同級生。垂れ目とソバージュの個性的な人物。大原五月の飲み友達でもある。世話好きで客観的な助言をすることが多い。五月の性癖などを敏感に読みとるなど、観察眼が優れている。島上デザイナー学院卒業後、デザイン会社に就職したが五月の新会社に参加する。
飯塚 克也 (いいづか かつや)
島上デザイナー学院の学生で、留年して宮本尚子たちと同級生になり、友人に加わる。キザな優男でプレイボーイ。遊びすぎて留年を繰り返し、抹籍寸前に卒業した。大原五月の新会社に参加。リアルなイラストが専門。現実主義者で横川修一に説教くさい助言をする。
中林 春菜 (なかばやし はるな)
宮本尚子の友人で島上デザイナー学院の同級生で編集デザイン科。太めでセミロングの黒髪。思いこんだら一途で、狡猾な手段も辞さない。太っていたが、横川修一の「太っていたらそれだけでブス」のひと言で奮起。大原五月のアドバイスでダイエットに成功。猛然と修一にアタックを続け、安全日を隠して修一の子を妊娠、結婚にこぎつける。 絵の方面では芽が出なかった。
長谷川 (はせがわ)
横川修一の友人で島上デザイナー学院の同級生。尚子のことが好きな男の子。目が小さく、外見はさえない。修一と尚子が付き合いだしてからも、恋心はそのまま。ダイエットした中林春菜もちょっといいなと思っている。
勝江 美亜 (かつえ みあ)
プロのカメラマン。外見は宮本尚子とそっくりで、髪が黒くて少し短いくらいの違い。体型までもそっくり。尚子をモデルとしてスカウト。その写真をきっかけに横川修一がアシスタントになり、カメラマンを目指していく。小野満麿とは学生時代からの付き合い。
宮本 洋子 (みやもと ようこ)
宮本尚子の義姉。尚子の父方の叔父夫妻が相次いで死去したため引き取られた。優しくはかなげな美女。尚子の理解者で、自分が養子であることを知っていた。美咲悠二の初恋の相手。
横川 由加 (よこかわ ゆか)
横川修一の3歳下の妹。そばかす娘。高校時代から音楽活動をしていて、大学進学後も続けている。宮本尚子のことがお気に入りで、尚子の隣の部屋で独り暮らしを始める。
美咲 悠二 (みさき ゆうじ)
宮本尚子の1歳上の幼なじみで初恋の男性。大阪で美大に進学するが、翌年、東京の芸大を受験し直す。尚子のことは妹のように思っていて、宮本洋子のほうが好みだった。
小野 満麿 (おの みつまろ)
広告製作会社字音広告の社員で、横川修一と宮本尚子にカットのバイトを提供していた。本人もイラストを描き、字音広告を退社して、友人とイラストの会社を興した。勝江美亜とは学生時代からの付き合い。
集団・組織
島上デザイナー学院 (しまがみでざいなーがくいん)
『ネコじゃないモン!』の舞台になった専門学校。宮本尚子横川修一大原五月水樹玲子飯塚克也長谷川らはグラフィック科。中林春菜は編集デザイン科。専門学校としては厳しく、留年生が珍しくない。本作品の登場人物たちはほとんど卒業しているが、横川修一は中退した。