ハスリンボーイ

ハスリンボーイ

奨学金制度で借金を抱えた大学生が主人公。東京の池袋の裏社会を舞台に、非合法(ハスリン)ツールを調達する「道具屋」の姿を描いたダークヒーローストーリー。「ビッグコミックスピリッツ」2018年23号より連載。

正式名称
ハスリンボーイ
ふりがな
はすりんぼーい
原作
漫画
ジャンル
ダークファンタジー
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あらすじ

episode.1「通り名、タモツ」

1日の乗降客数約270万人。新宿や渋谷と並ぶ三大副都心のひとつ池袋には、膨大な人間の欲望渦巻く裏社会が存在している。通称「タモツ」は、都内にある私立大学の4年生。この裏社会で非合法な「道具屋」を始めて半年になる。タモツが危ない橋を渡るのは、奨学金のせいだった。タモツが背負った借金(奨学金)は、4年間で総額510万円。返済期間は20年で、返済終了時には43歳である。しかも、大手企業でも破綻する時代に、完済できるのかも怪しい。すでに人生が詰んでいるのではないか、そう考えたタモツは、卒業までの半年間、裏の道具屋家業で稼ぎ、借金を返済してから社会人になろうと決めたのだ。半分大学生、半分裏社会の住人であるタモツは、今日も非合法(ハスリン)ツールで裏の住人達をつなぐのだった。ある夜タモツは、牛頭組及川興行組員の百瀬に、トバシ(他人名義の携帯)3台を用意するよう頼まれる。期限は明日というムチャぶりだったが、タモツは、闇ツールを扱う王(ワン)に話をつけて、なんとか携帯を用意した。翌日。百瀬の使いに荷物を渡し、注意として「2週間以内の使用」を伝えた。2週間後の夕方。大学ゼミの飲み会に出かけようとするタモツの携帯に、百瀬から連絡が入った。百瀬は大声で、「ぶち殺す」と怒鳴り散らした。「トバシ」が使えなかったというのだ。百瀬の使いが、使用期限の事を伝えていなかったのだ。しかし、覚せい剤で完全にラリっている様子の百瀬は、ぶっそうな脅し文句を連発するばかりで聞く耳を持たない。タモツは腹を括り、徹底的に百瀬に事情を説明し続けた。相手をかわし続けて、ひたすら疲れるのを待つ作戦だった。そして朝を迎える頃、衰弱仕切った百瀬から「今回の事は問題はなかった」という言質を取る事に成功する。タモツはベランダから、昇る朝日を見つめ、達成感に浸るのだった。

episode.2「村田のおっちゃん」

タモツは、偽造車検証などを受け取るために、偽造師(にんべんし)の天才、村田が居住するキャンピングカーを訪ねる。動く工場といった様子のキャンピングカーでは、3D銃なども製造されていた。村田は、リリという名のチワワと一緒に暮らしていた。リリはタモツをなめきっており、すぐ嚙み付く癖があった。リリの元の飼い主は、裏社会の道具屋だった間宮という男で、現在は刑務所にいる。タモツは自分のせいで間宮が捕まったと考えていて、間宮の残した道具屋のネットワーク繋いでおく事が、自分にできる償いであり、恩返しだと思っていた。キャンピングカーのバッテリーがあがってしまい、交換しようとしたところに、通りがかりの二人組の警察官が声をかけてきた。そのとき、間の悪い事に3D銃をくわえたリリが、窓からひょっこり顔をのぞかせた。車内を調べようとする警察官に先立ち、タモツはリリに手を差し伸べた。リリに嚙みつかれたタモツは大げさに騒ぎ、そのままリリを路上に投げ捨てる。走り去るリリを指差して、タモツは警察官に捕まえてくれるようにと急かした。突然の出来事に慌てた警察官は、リリを追いかけ、そしてなんとか捕獲して戻ってきた。改めて車内を調べた警察官は、犬がくわえていた銃を発見するが、それは水鉄砲だった。タモツがすり替えたのだ。村田はタモツの才能を認め、裏社会で間宮と自分の三人で組もうと誘う。しかしタモツは道具屋の仕事は奨学金の分を稼ぐまでと、固く決めているのだった。

episode.3「侘威蛾のボス」

タモツは半グレ組織「侘威蛾(タイガー)」のボス、アキヒロの誕生会にやってきた。誕生会に出席している田辺ケンゴに頼まれた板(他人名義の銀行口座)を届けにきたのだ。タモツは、ケンゴから代金を受け取るが、約束より1万円少なかった。その事を指摘するが、ケンゴは逆ギレしてまったく払う気がない。1万円を諦めたタモツは、代わりにアキヒロを紹介してくれと頼む。こうして首尾よくアキヒロと話す機会を得たタモツだが、「仕事の話はしたくない」と、アキヒロの態度はそっけなかった。そうこうしているうちに、ケンゴによるボトル3本一気飲みなど、パーティーはどんどん危ない方向に向かっていく。タイミングを見て抜け出そうとするタモツだが、ベロベロになったケンゴはタモツを帰してくれなかった。そしてチャリンコ(コカイン)大会が始まった。アキヒロからのプレゼントだという、大きなコカインの塊が登場。それをMCが、粉状に砕いて虎の模様を作った。人々は、蜜に群がる虫のように、そのコカインに集まってきた。タモツはこの機に乗じて、パーティーを抜け出そうとするが、ケンゴに突然抱きつかれて転倒する。そして手に持っていたシャンパンをコカインにぶちまけてしまう。コカインを台無しにされたアキヒロは、シャンパンまみれのコカインを全部飲んだら許すという。タモツは絶体絶命のピンチに陥ってしまった。

登場人物・キャラクター

タモツ

都内にある私立大学4年生の男子。池袋の裏社会で、非合法(ハスリン)ツールを扱う「道具屋」のバイトをしている。黒縁メガネが特徴。とある会社の内定をもらており、半年後には社会人になる予定。大学入試の際に、奨学金制度を利用している。社会人になる前に、貸与された奨学金510万円の完済を目指し、裏稼業の道に入った。通り名は「タモツ」で、本名は久保田。

百瀬

暴力団の牛頭組、及川興業組員の男性。武闘派ヤクザ。覚せい剤の常習者。短髪でエラが張った顔が特徴で、般若と天狗の入れ墨を入れている。いつもタモツにムチャ振りともいえる発注をしてくる。

村田 (むらた)

天才偽造師(にんべんし)の中年男性。オールバックに髭面、小太り体型で、全体的に小汚い。様々な道具を搭載したキャンピングカーを根城とし、証明書などの偽造を行う。裏社会の道具屋で、現在は刑務所にいる間宮が残したチワワを飼っている。

間宮 (まみや)

池袋の裏社会で、「道具屋」のネットワークを築いた男性。タモツは自分のせいで、間宮が捕まったと考えている。チワワのリリを飼っていたが、服役のため村田に預ける。刑務所からリリの世話の細かい指示を書いた手紙を寄こすほどの愛犬家。

田辺 ケンゴ (たなべ けんご)

半グレ組織「侘威蛾(タイガー)」に所属するヤンキー。男性。日焼けした肌とガッチリした体格が特徴。背中に虎のタトゥーがある。ボスであるアキヒロに懸命に媚びを売る一方、タモツに対してはゴリガンで横柄な態度を見せる。自分のミスを他人になすりつけようとする最低男でもある。

アキヒロ

牛頭組、神保会に並ぶ、池袋裏社会の第三勢力として台頭してきた半グレ組織「侘威蛾(タイガー)」のボス。アキヒロのボス就任後、オレオレ詐欺で組織を急成長させた。やせ型で、一見、気さくな雰囲気を持つ。

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