概要・あらすじ
ある日、ハチャメチャラボで「空飛ぶ薬」を開発した田所源八郎は、その薬を飲んで、助手の森に空を飛んで見せる。だが、源八郎の悪ふざけに腹を立てた森も薬を飲み、空を飛んで応戦する。それを見ていたロボットのM-13号も薬を全部飲んでしまい、調子に乗って森をバラバラにしてしまう。あわてた源八郎は、再生装置を使って森を再生させようと試みる。
登場人物・キャラクター
田所 源八郎 (たどころ げんぱちろう)
ハチャメチャラボで研究に勤しむ初老の男性。悪ふざけが好きだが才能豊かな天才科学者で、研究には不眠不休で取り組んでいる。親友である織田島十郎の危機には駆けつけて力になるなど、情に厚い性格。なお、彼がかけている分厚いメガネの奥には、誰も知らない秘密が隠されている。
森 (もり)
田所源八郎の助手の青年。ともにハチャメチャラボで研究に勤しんでいる。源八郎に忠実で素直だが、突っ走りすぎて失敗することも多い。研究に没頭しすぎる源八郎に「努力だけでは発展はありませんよ」と休息を促すなど、たまに気の利いたことをいう。
M-13号 (えむじゅうさんごう)
自分のことを「アタイ」と呼ぶ男性ロボット。ハチャメチャラボで掃除や留守番など色々な手伝いをしている。力が強く、大のいたずら好き。青春の真っ只中であり、時には母親を恋しがり、時には失恋して家出をしてしまうなど、人間以上に人間らしい性格。
古いロボット (ふるいろぼっと)
ロボットの墓場で死を待つ旧型のロボット。墓場に現れた傷心のM-13号にオイル酒を勧める優しい性格で、「若く未来あるロボットがこんなところに来てはいけない」と、M-13号に元の世界に帰るよう促す。
ニコラス
天国の支配人を務める老人の天使。若い者が禁断の果実を食べて天国を追放されることがブームとなったため、天国が過疎化してしまったことを嘆いている。厳格な性格で、禁断の果実を食べた森とM-13号だけでなく、彼らの仲間である田所源八郎までまとめて地獄に送ってしまう。
メカちゃん
機械と生物の中間物質。田所源八郎が開発したメカ培養ガスにより発育した。かつて異星人に奴隷として働かされていたが、住んでいた惑星が5万年前に爆発し、メカ因子として地球にたどり着いた。親切にしてくれた田所源八郎たちに恩義を感じている。
マッチャン
宇宙人の中年男性。コト座の恒星系第四番惑星で大工をしている。関西弁のテレパシーで話すことができる。田所源八郎がUFOを呼び寄せる実験をしていた際、ハチャメチャラボの近くに降り立った。気が弱く、地球に来たのは「嫁が怖すぎる」というのが理由。
平助 (へいすけ)
貧乏な泥棒の男性。弟分のサブとボロ小屋に暮らしている。牛乳瓶の底のようなメガネをかけている。土壇場でもまったくたじろがないふてぶてしさがあり、田所源八郎にはよほどのバカか大物のどちらかだと思われている。ハチャメチャラボで実験のモルモットとなるアルバイトをしている。
サブ
貧乏な泥棒の男性。平助とボロ小屋に暮らしている。「ゲゲッ」というのが口癖で、ツギハギのある帽子をかぶっている。素直なお調子者で、平助に忠実。土壇場でオロオロするタイプ。ハチャメチャラボで実験のモルモットとなるアルバイトをしている。
織田島 十郎 (おだじま じゅうろう)
薬学会でトップクラスの天才学者と目されている初老の男性。田所源八郎とは40年来の親友。新薬作りに情熱を注いでおり、これまでも数々の新薬を開発した実績を持つが、自分は薬を受けつけない体質。普段から口が悪いが、人にものを頼む時はより一層口が悪くなる。
モクちゃん
ガス状生物。平助とサブが裏の空き地で見つけてきた。空間に電気的な落書きができる装置「ビームピクチャー」で作ったエネルギーの落書きを食べて大きく育った。勉強家で本を多読し、ついには自分の存在意義をも考え始める。
ブッタちゃん
田所源八郎が開発した「天才薬A」を投与された天才ブタ。主に芸術面に豊かな才能を持つが、挑戦してみたデッサンは下手だった。根が真面目で努力家。
場所
ハチャメチャラボ
田所源八郎が、助手の森やロボットのM-13号らとともに実験を行う研究室。実験室の他に資料室や寝室なども備えており、皆がハチャメチャラボで寝泊まりをしている。他に実験のモルモットとして、平助とサブを雇っている。