ハルポリッシュ

ハルポリッシュ

刀の魂に触れることのできる少女・岡本春を主人公とした青春部活コミック。メインテーマは居合。刀の呪いなどのオカルト要素やコメディ要素も盛り込まれ、土塚理弘の作品としては珍しく、美少女の下着姿などのサービスシーンが頻出するのも特徴。土塚理弘とみなもと悠の共著となっており、土塚理弘がネームまでを手掛け、みなもと悠が作画を担当。一方で、ストーリーには居合の有段者でもあるみなもと悠の意見も取り入れられている。本編の合間には「一刀両断! 真剣ゼミ居合講座」が掲載され、文は『居合道虎の巻』の編集長である鈴木智也が執筆している。「月刊少年チャンピオン」に連載された作品。

正式名称
ハルポリッシュ
ふりがな
はるぽりっしゅ
作者
作者
ジャンル
部活動
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概要・あらすじ

四季ノ森学園のに進学した高校1年生の岡本春は、日本刀を愛する少女。彼女は、入学式の日に出会った片山若菜に天性の素質を見込まれ、居合道部への入部を決意する。しかし、居合道部は上級生の引退によって廃部の危機に瀕しており、存続させるには部員集めが必要不可欠な状態にあった。春は入部希望者を求めて奔走し、紆余曲折を経て拝桃路長谷川雛子館岡春を部員として迎えることに成功。

こうして、若菜を部長とした新生居合道部の活動が始まるのだった。

登場人物・キャラクター

岡本 春 (おかもと はる)

四季ノ森学園に通う高校1年生の女子。4月20日生まれのB型。アホ毛の立った亜麻色のショートカットで、6本のピンで前髪を留めている。また、眉毛が殿上眉(いわゆる麻呂眉)を思わせる独特の形状をしている。幼少期の体験から日本刀に並々ならぬ興味を持ち、マイ日本刀を手に入れて神棚に飾りたいと夢見ている。片山若菜との出会いを経て居合道部に入部すると、秘められた天性の素質を発揮してめきめきと腕を上げていく。 刀の魂に触れることができ、刀を振っているうちにトランス状態に陥ってしまうこともある。小学校、中学校と女子校に通っていたため重度の男性恐怖症を患っており、思春期の男子とまともにコミュニケーションを取ることができない。一方で、極端に年齢の離れた男性とは問題なく接することができる。

片山 若菜 (かたやま わかな)

四季ノ森学園に通う高校2年生の女子。今年度の始めに居合道部に残っていた最後の部員。膝まで届くほどの黒髪を白いリボンで括り、ポニーテールにしている。凛とした美人で非常に胸が大きく、やがて下級生男子の間で巨乳の先輩として話題を集めることになる。お嬢様育ちで言葉遣いも丁寧だが、刀は人を斬るための道具という理念のもと居合道に取り組んでおり、刀の本質を理解していない者に対しては厳しい態度を見せる。

拝 桃路 (おがみ とうじ)

四季ノ森学園に通う高校3年生の男子。居合道部の創設者で、片山若菜が居合を始めるきっかけを作った人物。整った顔立ちだが目付きが悪く、悪人と思われることが多い。前髪の下には刀傷のようなアザがあり、年々大きくなっている。侍に額を斬られる悪夢に悩まされており、拝桃路自身はこれを幼少期に手に取った日本刀の呪いと考え、それに立ち向かうべく居合の腕を磨き続けている。 勉強はからきしできないが、居合の実力は部内でも随一。腕っ節も強く、常に持ち歩いている短刀を抜くまでもなく暴漢を鎮圧したこともある。また、殺気を発して相手を威圧することもできる。一時は居合道部から退いていたが、岡本春に興味を示して居合道部へ復帰。再び呪いに立ち向かう決意を固め、部員らとともに自身に呪いをかけた刀が眠る岐阜へと旅立つ。 物語中盤までのキーパーソンであると同時に、作中屈指のギャグキャラとしても活躍する。

館岡 春 (たちおか しゅん)

四季ノ森学園に通う高校1年生の男子。3月20日生まれのA型。中学が男子校だったため女性に対する免疫がない。クラスメイトの岡本春が気になっており、不器用なアプローチを繰り返しては露骨に避けられてへこんでいる。当初は春と親しくなるために居合道部に興味を持っていたが、ある時、拝桃路の強さを目の当たりにし、自らも強い男になりたいと決意を新たに入部。 連載当初はさっぱりとした髪型だったが、物語の進行とともにデフォルメが進み、最終的にはスプレーで固めたかのような数本のトンガリを備えた奇抜な髪型へと変貌した。

長谷川 雛子 (はせがわ ひなこ)

四季ノ森学園に通う高校2年生の女子。生徒会長を務めているが、極端な幼児体型なので年相応には見えない。幼少期から正義感が強く腕白で、モットーは自分を貫き通すこと。居合道部の活動を査察した際に片山若菜の居合に魅せられ、入部することを決める。以後、居合道部のマスコット的な存在となっている。連載が進むに連れて髪型のデフォルメが進み、最終的には翼を広げた鳥のようなシルエットの髪型になった。

拝 杏香 (おがみ きょうか)

拝桃路の妹で中学3年生。ツインテールにした髪が特徴。幼少期は桃路に懐いていたが、思春期を迎えた現在は態度が一変。呪いに関する話を聞かされていないこともあり、兄の扱いがぞんざいになっている。居合道部の面々が岐阜へ向かうことになった際には、兄のお目付役として旅路に同行した。のちに四季ノ森学園へ進学し、居合道部に入部する。

久慈 梅凛 (くじ ばいりん)

拝杏香と同世代の女子。札付きのワルで一人称は「俺」。三白眼と頭の後ろで雑に結い上げた赤い髪、スケバンファッションを彷彿とさせるロングスカートが特徴。四季ノ森学園に入学すると、ただの喧嘩には飽きたと言い放ち居合道部への入部を希望。しかし、動機が不純であることから岡本春に入部を反対されてしまい、衝突することになる。 なお、未成年ながら喫煙者。

遠山 紗久羅 (とおやま さくら)

海ノ木高等学校3年生の女子。中学時代は剣道部に所属していたが、ただ強くなることに虚しさを覚えて引退。現在は居合道部の部長と主将を兼任している。前髪を真っ直ぐに切りそろえたロングヘアが特徴で、横髪の一部は編んで垂らしているが、刀を振る時には後ろ髪と合わせて括っている。怜悧で達観した印象だが、裏の顔は自己顕示欲が強く加虐的。 己の型に関して絶対の自信を持ち、試合すらショーに過ぎないと考えている。真剣を所有しており、殺気を放って相手のミスを誘うという技能を持つ。居合道とは別に抜刀術の心得もあり、巻藁の試し斬りなども行う。四季ノ森学園との練習試合では大将として、岡本春と相見える。

片桐 カスミ (かたぎり かすみ)

海ノ木高等学校2年生の女子で、居合道部に所属している。右目の下の泣きぼくろと前髪に留めた髪飾りが特徴。ウェーブのかかったロングヘアは刀を振る時だけ結い上げている。おっとりした性格で、語尾に「~ねぇ」が付くことが多い。四季ノ森学園との練習試合では先鋒を務め、片山若菜と技を競う。

井口 燕 (いぐち つばめ)

海ノ木高等学校2年生の女子で、居合道部に所属している。小柄な体格と気怠げでとろんとした表情、内側に跳ねた長い黒髪が特徴。後ろ髪は白いリボンで2本に結っている。涙を湛えた目をこする、欠伸をするなどの眠気をこらえているような仕草を見せることが多い。嗅覚に優れ、物の匂いを嗅いで所有者の居場所を当てるという人間離れした技能を持つ。 四季ノ森学園との練習試合では次鋒を任され、長谷川雛子と対決する。

早乙女 一花 (さおとめ いちか)

海ノ木高等学校2年生の女子で、居合道部に所属している。縁の赤い眼鏡と、毛先に近付くに従って赤みを帯びる外跳ねの長い金髪が特徴。髪は刀を振る時だけ結い上げている。居合の腕はイマイチだが、値の張る真剣を所有しており、まるで見せびらかすかのように刀を振っている。四季ノ森学園との練習試合では中堅に選ばれ、拝桃路と対戦する。

林田 光太 (はやしだ こうた)

海ノ木高等学校1年生の男子で、居合道部に所属している。少女のような顔立ちとおかっぱ頭が特徴で、遠山紗久羅に心酔している。気弱な性格を変えるために居合の修行に励んでいるが、持ち前の愛らしさが自然と女子部員の加虐心を刺激し、着替えを覗かれるなどのイタズラが恒常化しており、耐えかねて涙ぐんでしまうこともある。四季ノ森学園との練習試合では副将に選ばれ、館岡春と鎬を削る。

岡本 一蔵 (おかもと いちぞう)

岡本春の曾祖父。長い白髪に顎のひげ、鋭い目付きが特徴の老人。腕利きの刀匠だったが、春が産まれて間もなく死去しているため、春との面識はない。世を去る間際、春のために二振りの刀を打ち、それぞれを信頼に足る人物に預けた。

ハルの祖父 (はるのそふ)

岡本春の祖父。岡本一蔵から春のお守り刀を預かり、自宅に安置している。春が大人になるまでは絶対に刀を渡さないと決めていたが、当の春は日本刀マニアへと成長し、すぐにでも刀が欲しいと懇願されることになり、困り果てている。

ハルの父 (はるのちち)

岡本春の父親。妻の岡本佳子とともに春を優しく見守る平凡なサラリーマンだが、娘の危機と判断した場合には過保護な面が表出し、暴走を始める。春が貧血で倒れたと連絡を受けた際には、車を飛ばして旅行先まで乗り込んだ。

岡本 佳子 (おかもと よしこ)

岡本春の母親。春がそのまま大人に成長したような外見が特徴。春のことになると途端に見境をなくしてしまう夫のブレーキ役を務めているが、結局は止めきれずに押し切られてしまうことが多い。

拝の祖父 (おがみのそふ)

拝桃路の祖父。口ひげを蓄えた総白髪の老人。鞘師の家系に生まれ、岡本一蔵のもとで修行を積んで刀匠となった。刀の呪いに苦しむ桃路を気に掛けており、呪いに打ち勝てるように願いを込めて短刀を打った。腰を痛めた現在は一線を退き、小刀ストラップなどのオマケ製作に没頭している。自らの死期を悟った一蔵からハルの刀を預かっている。

校長先生 (こうちょうせんせい)

四季ノ森学園の校長。禿げ上がった頭が特徴。日本刀マニアで、一振り100万円ほどもする真剣も所有している。刀に関する蘊蓄を延々と語る悪癖があり、周囲からはやや煙たがられている。居合道部に顧問がいないことを知り、自ら顧問代理を買って出る。

剣道部部長 (けんどうぶぶちょう)

四季ノ森学園の女子生徒で、剣道部の部長と主将を兼任している。笑みを浮かべているような印象の細い目と1本に括った長髪が特徴。常に飄々と構えており、殺気を放つ拝桃路と相対してもその態度を崩すことはない。中学時代には遠山紗久羅と幾度となく刃を交え、一方的にライバル視していた。そのため、勝ち逃げの形で引退してしまった紗久羅のことを快く思っていない。

集団・組織

四季ノ森学園居合道部 (しきのもりがくえんいあいどうぶ)

四季ノ森学園に存在する部で、活動内容は居合道。部員は岡本春、片山若菜、拝桃路、館岡春、長谷川雛子の5人。当初は人数不足などを理由に廃部の危機にあったが、春たちが入部したことによって存続することになった。正式な顧問は存在せず、練習試合などの際には校長先生が同行する。道場の使用権を巡って剣道部と対立した過去があり、今なお軋轢を残している。 のちに拝杏香、そして問題児の久慈梅凛が入部する。

海ノ木高等学校居合道部 (うみのぎこうとうがっこういあいどうぶ)

海ノ木高等学校に存在する部活動で、活動内容は居合道。部員は遠山紗久羅、片桐カスミ、井口燕、早乙女一花、林田光太の5人。顧問は老境の道場主が務める。四季ノ森学園の近辺で居合道部を擁する唯一の高校であり、両校の練習試合はおなじみの行事となっている。

その他キーワード

ハルの刀 (はるのかたな)

岡本一蔵が岡本春のために打った二振りの日本刀。1つは春を加護する目的で打たれた刀で、ハルの祖父が保管している。もう1つは春自身を磨きあげるために打たれた刀で、拝の祖父が保管。こちらは研ぎの工程を経ておらず、日々の鍛錬に使用する居合刀として春に手渡されることになる。

呪いの刀 (のろいのかたな)

岐阜にある拝家の蔵に眠っていた日本刀。拝桃路は幼少期にこの刀を鞘から抜いてしまったことで呪いに囚われ、10年以上も苦しみ続けている。現在は拝の祖父によって隠されており、屋敷の何処かで再び鞘から抜き放たれる日を待っている。

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