バケルくん

バケルくん

宇宙人にもらった不思議な人形によって変身能力を手に入れ、その能力を自分の楽しみや人助けのために使う少年を主人公としたSF漫画。1987年には、フジテレビ系列にて『藤子不二雄のバケルくん』のタイトルで、畠田理恵主演でTVドラマ化もされている。

正式名称
バケルくん
ふりがな
ばけるくん
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
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概要・あらすじ

須方カワルは、怪しげなお化けやしき宇宙人から人形をもらい、自由にさまざまな姿に変身することができるようになった。精神的に未熟なカワルは身に余る能力のためにさまざまなトラブルを引き起こしていたが、やがては精神面でもそれなりの成長を遂げ、その能力を利用して人助けをするようになる。

登場人物・キャラクター

須方 カワル (すがた かわる)

小学生の少年。運動神経が悪く、頭もあまり良くない。趣味は野球であるが、下手の横好きであり非常に下手。偶然に出会った宇宙人から、姿を変えることのできる人形をもらう。のちに、独自の訓練を重ねて複数の人形を同時に並行して操れるようになる。

バケ田 バケル (ばけた ばける)

須方カワルが宇宙人からもらった人形の1つ。見た目はカワルと年回りの変わらない幼い少年の姿だが、運動神経が抜群で、野球がうまく喧嘩も強い。友人たちなどの前では、カワルの親友でバケ田一家の長男であると称している。

バケ田 ユメ代

須方カワルが宇宙人からもらった人形の1つ。少女の姿をしており、バケ田バケルの姉であると称している。頭が良く、小学生の宿題程度ならすらすらと解いてしまう。ゴン太に好かれているため、ゴン太をからかうために使われることが多い。

バケ田 バケ左衛門 (ばけた ばけざえもん)

須方カワルが宇宙人からもらった人形の1つ。中年男性の姿をしており、バケ田バケルの父親であると称している。中からいくらでもお金が出てくる不思議な財布を持っている以外は取り立てて特殊な能力はない。カワルが大人のふりをする際などに便利に利用されている。

ゴン太 (ごんた)

須方カワルの友人のガキ大将。近所の子供たちの野球チームの監督も務めている少年。カワルを野球チームに参加させるのを嫌がっているが、それは意地悪で仲間外れにしたいわけではなく、カワルが本当に野球が下手だから。バケ田ユメ代に本気で想いを寄せており、真剣に結婚まで考え、ユメ代との未来のために熱心に勉強をしている健気な人物。 実家は不動産屋を営んでいる。

木島 (きじま)

須方カワルの友人の少年。家が金持ちでキザでイヤミな性格の持ち主。服はいつもデパートで外国製の生地を買い揃え、仕立ててもらっている。子供にしては冷静沈着で、常識をわきまえた性格。しかし、カワルによって宇宙船に乗せられて星間旅行に連れて行かれた時は、流石にパニックを起こして暴れた。

ユミ子 (ゆみこ)

須方カワルの友人の少女。カワルをはじめ、友達からは「ユミちゃん」と呼ばれている。カワルから好意を寄せられているが、彼のことはただの友達としか思っておらず、ユミ子自身はバケ田バケルのことが好き。なお、バケルの正体やカワルとの関係については何も知らない。バイオリンを持っているが、演奏は下手。

カワルの父 (かわるのちち)

須方カワルの父親。丸の内に勤めるサラリーマンで、係長を務めている平凡な男性。詐欺師に引っかかるなど、人から騙されやすいお人好しな性格。カワルが財布から出したお金で買った高価な商品を自宅に持ち帰ったりすると、バケ田バケ左衛門に代金を返しに行くなど、常識人。

宇宙人 (うちゅうじん)

遠い星から地球を研究するためにやって来た、肉体を持たない魂だけの知性体。人形に入り込み、お化けやしきに暮らしていた。研究を終えて地球を去る間際、偶然お化けやしきにやって来た須方カワルと出会い、人形とお化けやしきをカワルに与えて帰って行った。その後もたまに地球に遊びにやって来ている。

場所

お化けやしき (おばけやしき)

空き地の隣に建っている、洋館風の建物。あちこちの窓が割れているなど、オンボロの状態であったため、「お化けやしき」と呼ばれていた。以前、宇宙人が暮らしていたこともあるが、建物自体はごく普通のものであり、のちに須方カワルがセカンドハウスとした。プールまであり、友達を招いて遊ぶこともあるが、広いので掃除が大変。 表向きは、バケ田一家が暮らしている家だということになっている。

空き地 (あきち)

ゴン太の率いる野球チームがいつも野球をしている近所の空き地。三階建ての駐車場を建てる計画が持ち上がったため閉鎖されそうになったが、バケ田バケ左衛門の人形を使った須方カワルが財布から出した多額の現金で地主から土地を買い取り、以後は子供のための遊び場として開放されている。

その他キーワード

人形 (にんぎょう)

スイッチがあり、そこに触れた人間の精神が入り込んで動かすことができる人形。ただし、触れた側の人間の身体は、元に戻るまで人形の状態になってしまう。宇宙人が地球に持ち込み、須方カワルに与えた。姿が変わるだけでなくそれぞれ固有の能力を持っていて、頭が良くなったり、運動神経が良くなったり、専門的な知識が身についたりする。 お化けやしきの戸棚の中に大量に置いてあって、全部で何種類あるのかは不明。変わったものとしては、両側にスイッチがあり、触れたもの同士の精神を入れ代わらせる「入れかわり人形」、触った人間そっくりのコピーを作り出す「コピー人形」などの他に、透明人間の人形、宇宙船の人形、自動車の人形などもある。

財布 (さいふ)

バケ田バケ左衛門が持っている財布。中からどんどん一万円札が出てくる。実際には、財布の形をした四次元ホールであり、四次元空間に物を収納するための道具で、入れようと思えば金以外のものも入れることができる。中に入っている一万円札は、宇宙人が地球にやってきた当初、研究資金とするために故郷の星から持ってきた宝石と交換した本物の日本円であり、偽札というわけではない。

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