バリハケン

バリハケン

『Mr.FULLSWING』の作者である鈴木信也の連載第2作目。気弱でオタクな主人公が誤解により番長になってしまい、オタクであることを隠しながらさまざまな不良をまとめていくギャグコメディ作品。「週刊少年ジャンプ」2008年16号から2008年52号にかけて連載された。

正式名称
バリハケン
ふりがな
ばりはけん
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
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概要・あらすじ

不良が多いことで知られる首都高校へ入学した、アニメやゲームが趣味の御手洗団吾は、ある日番長の鮫島が要求したものと間違えて、コレクションの美少女フィギュアを渡してしまう。怒った鮫島がフィギュアを破壊すると、その行為に激怒した団吾は我を忘れて鮫島を叩きのめしてしまう。番長を倒したことで、団吾はそのまま首都高校1年の新たな番長に昇格。

気弱な性格の団吾は番長の座などまったく興味がなかったが、オタクを毛嫌いしている不良たちに本当のことを言えば何をされるかわからない。そんな恐怖心に負け、団吾は番長を演じることを決意。一方で、団吾のオタク仲間たちも不良を毛嫌いしているため、彼らに対しては自分が番長であることを隠し通さなければならない。

団吾は不良とオタク両方の仲間たちに、自分のもう1つの顔がバレないようにさまざまな事件やハプニングを回避していく。

登場人物・キャラクター

御手洗 団吾 (みたらし だんご)

首都高校に通う1年生男子。学校では1年生の不良を取りまとめる番長として、「覇権組」の組長を務めている。表向きは「派遣組」と名を変えて、他の部活動の助っ人をしている。番長時の風貌はリーゼントヘアで、傷シールを顔に貼り、周囲からは畏怖の目で見られている。私服時は髪を垂らして眼鏡をかけ、傷シールも剥がしているため、不良の仲間に会っても気付かれることはない。 番長時でも普段はケンカや諍いを避けているが、好きなアニメやゲームが関わると一転して豹変し、喧嘩っ早くなる。ちなみに、オタク仲間と作った同人サークル「ぷりん@あらも~ど」では、「まろん同盟」というハンドルネームを使用している。

茶漉 樽人 (ちゃこし たると)

首都高校に通う1年生男子。御手洗団吾とは中学からの同級生。団吾がオタクであることや誤解により番長になった事情をすべて知っている唯一の人物。正体がバレそうになった時や、トラブルが起こった時にはいつも手助けをしている。番長時の団吾とも気軽に会話しているため不良の舎弟に怪しまれていたが、団吾が「自分の補佐をする役目」と説明したことで、舎弟たちからも一目置かれる存在となった。

火讐 怜斗 (かしゅう れいと)

首都高校に通う1年生男子。目の周囲に赤い入れ墨がある。「覇権組」の幹部として御手洗団吾に忠誠を誓っており、命令には逆らわない。しかし、崇拝するあまり団吾に無茶振りをすることも多い。不良になる前はボクシング部に所属していたが、怪我によってその道を断たれ自暴自棄となり不良の道へ進んだ。「覇権組」の創設者であり、当初は他の部活動を潰して学校の制覇を目論んでいたが、団吾との戦いに負けたことで改心し、これまで潰してきた部への贖罪として「派遣組」と名前を変え、団吾を中心に他の部活を助ける活動を始める。 妹の火讐知世子を溺愛しており、知世子のことになると過保護な一面を見せる。

紋武 乱 (もんぶ らん)

首都高校に通う1年生男子。留年しているため、学年は同じだが年齢は団吾たちより1つ上にあたる。ポニーテールにサングラスをかけてあごひげを生やした、軟派なイメージの人物。だが実際は仲間を大切にしており、孤独を嫌っている。留年したことで2年生のグループから外され、再加入のために「覇権組」を潰すという条件を出されたが、団吾に敗北してしまう。 この時、敗れた自分に対して情け深い言葉をかけてくれた団吾に感動し、「覇権組」へ加入した。制服の中には多様な武器を隠して持っており、状況に合わせて使いこなしている。木刀と釘が打たれたバットを使うことが多い。

磯辺 巻 (いそべ まき)

首都高校に通う1年生女子。スケ番グループ「覇那乃堕女組」の総長。団吾と同じ経緯で、誤解により番長となった。私生活では、団吾と同じく漫画やゲームが好きないわゆる「腐女子」。実は団吾とはネット上で交流があるが、ハンドルネームでの付き合いのためお互いの正体は知らずにいる。ちなみにハンドルネームは「虹橋しゃぼん」。

御宅田 萌留 (おたくだ もえる)

首都高校に通う1年生男子。御手洗団吾が番長をする前からオタク仲間として交流しており、同人サークル「ぷりん@あらも~ど」のメンバーでもある。太った体にニキビ顔、眼鏡をかけてヘアバンドをしているという絵に描いたようなオタク。その一方で反対勢力である不良たちと対峙する度胸はあり、時に狂暴になる。基本的には不良を毛嫌いしている。

鮫島 (さめじま)

首都高校に通う1年生男子。大きな体で「素手喧嘩(ステゴロ)最強伝説」と評される存在だったが、入学当初に御手洗団吾のフィギュアを破損したことで団吾の怒りを買い、その座を奪われてしまう。

善罪 真 (ぜんざい まこと)

首都高校に通う男子で、2年の番長を務めている。入学から1週間で学年をまとめた脅威の存在として知られている。外見は小柄な体で前髪を斜めにカットしている。御手洗団吾や他の不良のように殴り合いはせず、針を仕込んだ傘を武器にして戦う。団吾に宣戦布告をした際、善罪をはじめとする2年生の幹部たちは団吾がオタクであることを知ったが、それを口外することはなく、団吾の取り巻きたちの誤解を他人事のように眺めていた。 団吾が2年を制覇した後は紋武乱とも和解し、積極的に「覇権組」の手助けをするようになる。

庵洞 七津 (あんどう なつ)

首都高校に通う2年生男子。善罪真のグループの幹部。色黒で額には多数の傷がある。口数は少なく目立つ存在ではないが、火讐怜斗を蹴り一撃で倒してしまうほどの実力を持つ。善罪と行動をともにすることが多く、「覇権組」との戦いの際には最奥部の部屋で善罪と囲碁に興じながら御手洗団吾たちを待ち受けていた。

我藤 四羅 (がとう しら)

首都高校に通う2年生男子で、善罪真のグループの幹部。改造したローラーブレードを履いており、それを武器にしている。「覇権組」との戦いでは先陣を切って登場した。御手洗団吾がオタクであることを知っており、化けの皮を剥がそうと「ジェットブレードチキンラン」を提案するも敗北。戦いに決着が着いた後は紋武乱と和解し、からかって楽しむようになった。

靴木 白糖 (くつぎ はくとう)

首都高校に通う3年男子。生徒会の会長を務め、白い制服を着て活動している。男女問わず紳士的な態度で接しており、女生徒からの人気も高く、周りには常に取り巻きが数人いる。女生徒から「覇権組」への苦情を受けたことで、ホストクラブのような場所で御手洗団吾と女性への接客対決をして圧勝。しかし、「覇権組」を嫌っているわけではなく、あくまでも靴木白糖自身の目的は首都高校の生徒を守り、治安を良くすること。 そのため、「覇権組」に属する相手であっても、問題に瀕した際には手助けを惜しまない。

摩堂 蓮 (まどう れん)

東冥高校の1年生男子。東冥高校の番長。御手洗団吾とは小学生の頃からの幼なじみで親しく、「だんごっち」とあだ名で呼んでいる。小学生の頃は団吾と2人で日下開山にいじめられていた。団吾とは別の中学校に進学したが、同じ学校となった日下を中心にいじめは続行。しかし、隙を突いて日下を倒したことをきっかけに不良の道を歩み、「フード軍団」を作る。 高校でも勢いはそのままに番長として成り上がった。当初は「覇権組」と敵対していたが、のちに団吾と和解してもとの仲に戻る。

日下 開山 (ひのした かいざん)

東冥高校の1年生男子。かつて御手洗団吾と摩堂蓮をいじめていたが、現在は摩堂の舎弟として「フード軍団」の一員となっている。団吾も摩堂も番長として生活しているが、日下にいじめられた記憶はトラウマとなっており、危険が迫るとフラッシュバックしてしまう。団吾と対決した際は、履いていたローラーブレードが誤作動により爆発したため吹っ飛んで敗北したが、我藤四羅以外は団吾が実力で勝利したものだと信じている。

火讐 知世子 (かしゅう ちよこ)

火讐怜斗より2歳年下の妹で、「華秋チョコ」の名前で声優として深夜ラジオ番組に出演している。御手洗団吾は彼女のファンである。兄の怜斗のことはとても大事に思っており、不良になったことも特に気にせず彼のことを信じている。怜斗がアニメやオタクが嫌いなため、声優になったことを打ち明けられずにいたが、団吾の説得によりその事実を明かす。

集団・組織

覇権組 (はけんぐみ)

首都高校1年の不良グループ。もともとは火讐怜斗が他の部を暴力により制覇する「覇権組」として活動していたが、火讐が御手洗団吾に敗れてからは「派遣組」と名を変えて他の部を手助けする活動をしている。しかし、大抵の場合は人助けは団吾が1人で行っている。なお、「派遣組」と名を変えてからも、他の学年や集団と対峙する時には「覇権組」を名乗っている。

フード軍団 (ふーどぐんだん)

東冥高校の不良グループ。摩堂蓮が番長を務めている。全員迷彩柄のパーカーを目深にかぶっている。武器は主に鉄パイプなどを使用している。この迷彩柄のパーカーは東冥高校の制服ではなく、フード軍団のコスチュームである。

覇那乃堕女組 (はなのおとめぐみ)

首都高校のスケバン集団で、総長は磯辺巻が務めている。磯辺は首都高校に入学してから、イケメンを見ると股間を蹴り上げてしまう癖ができてしまい、そんな磯部の姿を見て憧れる取り巻きが増えたことで結成された。男に媚びることを許さず、ロングスカート着用で髪型はアイロンパーマをあて、ブラジャーではなくサラシを巻くことをモットーにしている。 また、彼氏を作ることは裏切り行為と見なされる。

生徒会 (せいとかい)

首都高校の生徒会。生徒会長は靴木白糖が務めている、靴木以外の生徒会構成メンバーは不明。靴木が指揮を執っているが、基本的に靴木が自ら単独で行動することが多い。

ぷりん@あらも~ど

御手洗団吾が所属する同人活動サークル。同人誌の制作や即売会への参加の他、メンバーとアニメについて話し合ったりする活動を行っている。即売会では行列ができるほどの人気サークルで、特に二次創作では大手として知られている。

場所

首都高校 (しゅとこうこう)

御手洗団吾たちの通う高校で、各学年A組からZ組まであるマンモス校。不良生徒ばかりが目立っているが、素行の普通な生徒の方が多い。制服は男女ともにブレザーだが、不良グループは色の違う学ランを着ている。部活動は特殊なものが多く、「派遣組」によく依頼が持ち込まれる。

東冥高校 (とうめいこうこう)

摩堂蓮の通う高校。首都高校と同じく不良が多い学校として知られている。摩堂たちのフード軍団は校内でも迷彩柄のパーカーをユニフォームにしているが、制服は別にある。

その他キーワード

ジェットブレードチキンラン

覇権組が2年生と対決した際、御手洗団吾と我藤四羅が行った勝負。我藤の持つ改造したローラーブレードを使用して校舎の廊下を走り、壁ぎりぎりまで行った方が勝ちというルールのレース。しかし、実際に使用する廊下の壁には穴が開いているため、停止できなければ転落することになる。

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