概要・あらすじ
バーテンダーの修業のため単身パリの都にやってきた青年佐島蓮は、到着早々スリに遭い、財布はおろかパスポートまで失ってしまう。偶然知り合った日本人医師の紹介で、路地裏のさびれたバー、ラ・セーヌのバーテンダーとして雇われた蓮は、店を訪れるさまざまな客たちに、自分ができる最上のもてなしを続けていく。
登場人物・キャラクター
佐島 蓮 (さじま れん)
バーテンダー修業のためにパリへとやってきた日本人青年。さびれたバー、ラ・セーヌでバーテンダーとして勤め始める。若手のバーテンダーとしては十分な知識と技量を持つが、先人に師事した経験は無い。幼い頃に生母と離別しており、その消息を追うという目的もあってパリを修業の場に選んだ。
恩田 (おんだ)
城南大学病院の院長を務める日本医学界の重鎮。酒客としても有名であり、カクテルとバーに関する書籍も著している。若い頃にパリで学んでおり、その際に学生運動に巻き込まれた経験がある。蓮とはパリ行きの旅客機の中で知り合い、死んだ友人の店であるラ・セーヌを紹介した。実は、幼い頃心臓に欠陥があった蓮を手術で救った人物であり、蓮にとっては命の恩人であったことが後に判明した。
サラ
蓮が勤めることになったパリのバー、ラ・セーヌを兄マルコとふたりで切り盛りしていた女性。本来の主である祖父の死後にラ・セーヌを受け継いだが、バーマンとしての仕事には熱心ではなく、蓮にも厳しい言動が目立った。しかし、いつしか蓮の仕事ぶりを認め、同時に男性としても惹かれるようになっていく。
マルコ
サラの兄でラ・セーヌの厨房を預かる青年。筋骨隆々としており、初登場時には蓮にいきなり殴りかかるという粗暴な面を見せたが、根は純朴で情に篤く、蓮ともすぐに友人となった。本格的に料理の修業を積んでいた時期があり、腕も悪くないが、現在は妹と共に祖父が残したバーを続けることに満足しているらしい。
マリアンヌ
パリでアパートメントを経営するひとり暮らしの老女。蓮が暮らすことになったペントハウスの大家である。若い頃には学生運動に参加しており、その際に受けた怪我のため、足に障害を負っている。蓮のはからいで、学生時代に互いに思い合っていた恩田と再会を果たした。
ジャン
アルジェリア移民の子として生まれたパリ育ちの黒人青年。仕事に恵まれず、ひったくりなどの犯罪に手を染めていた。パリに到着したばかりの蓮の手荷物を盗んだが、後に許され、それがきっかけでラ・セーヌの常連となった。改心した後は花屋でアルバイトをしている。
ルノー
パリ警視庁勤務のコワモテ警部。捜査官としては優秀だが、恐喝まがいの捜査活動と高圧的な言動のため、犯罪者はもちろんラ・セーヌの客たちからも非常に評判が悪かった。しかし、蓮の接客に心を打たれ、まっとうに酒を楽しむためにラ・セーヌを訪れるようになる。
名倉 愛 (なぐら あい)
日本酒売り込みのため、パリにやってきた駆け出しのビジネスウーマン。熱意はあるが、経験が浅く、そのため商談に失敗しかけたところを蓮に助けられた。以後はたびたびラ・セーヌに顔を出すようになる。
三神 真一 (みかみ しんいち)
まだ若い日本人ながらパリの一流ホテル、ルノアール・ホテル内のバーでバーテンダーを務める男性。物語後半で蓮のライバルとなる。
守谷 昭雄 (もりや あきお)
三神真一の師である日本有数の名バーテンダー。独学でやってきた蓮の努力と才能を認め、銀座にある自分のバーでの修業を勧める。
クレジット
- 原作
前作
続編
バーテンダー a Tokyo (ばーてんだー あ とうきょう)
『バーテンダー』『バーテンダー a Paris』に続く、シリーズ3作目。続編に『バーテンダー6stp』がある。物語は基本的に一話完結形式。作画は、1作目のみ長友健篩で、以降は加治佐修が担当。原作者はい... 関連ページ:バーテンダー a Tokyo
バーテンダー6stp (ばーてんだーしっくすすてっぷ)
城アラキ原作の「バーテンダー」シリーズ4作目にして完結編。世界を放浪した末、日本に帰国した青年・酒井俊が、ひょんなことから銀座のとあるバーで働くことになった。新人バーテンダーの俊が多忙な接客の日々を送... 関連ページ:バーテンダー6stp