概要・あらすじ
ある日、西園寺のあは道端でクレマチスの花を拾う。その花を育ててみると、つぼみの中からフェアリアルであるクレアが生まれてきた。のあは過去の事件の影響により、はじめはクレアに対して無関心だったが、しだいにクレアに惹かれていき、彼女を幸せにするためにどうしたらいいかを考え始める。
登場人物・キャラクター
西園寺 のあ (さいおんじ のあ)
かつて飼っていたフェアリアのルピーを失ったことで、フェアリアはもとより、すべてのことに対して無気力で無関心になってしまった少年。しかし、クレアが来てからはその性格が多少変わり、クレア、ひいてはフェアリアルに対しても強い関心を持つようになる。柳沢純とは悪友同士の関係で、クレアや純の突っ込み役に回っている。 父親の西園寺秀は研究者であり、母親も研究者でありながら、フェアリアを大事にしないことに対して、のあはあまり良い感情を持っていない。そのため、両親とはあまり話す機会を持とうとしない。
クレア
クレマチスから生まれたフェアリアルの女の子。豆サイズ、2頭身サイズ、普通の少女の3つのサイズに変化できる。天然で無邪気な性格。西園寺のあのことを慕っており、柳沢純に一時もらわれた時は、枯れそうになってしまったほど。カトレアとよくテレパシーで会話し、どうすればのあの役に立てるか相談に乗ってもらっている。 フェアリアの過去の記憶を見ることができる特殊能力を持っている。
柳沢 純 (やなぎさわ じゅん)
西園寺のあの悪友の少年で、フェアリアの雑誌を買っているほど、フェアリアやフェアリアルに強い関心を持っている。特にフェアリアのラヴチェーンに夢中で、彼女が出演している番組をよく見ている。フェアリアルについても詳しく、クレアの生育環境などにアドバイスを送りながら、洋服から家具まで色々作っている。
カトレア
妖精研究棟に隔離されているフェアリアル。長い髪の女型フェアリアルで、クレアが現れるまで世界で唯一のフェアリアルだった。遠く離れた場所で起きている出来事を見ることができる特殊能力を持つ。クレアのことを心配して、よくテレパシーで会話している。
マーガレット
カトレアとともにいる妖精型のフェアリア。明るく楽しい性格で、カトレアを楽しませている。人と会話ができるため、西園寺のあを妖精研究棟に連れて来た。犬型フェアリアの「スノー」とともに暮らしている。
桑原 真菜 (くわはら まな)
西園寺家のお手伝いさんで、特に西園寺のあ専属のお手伝いさんを自称しているお姉さん。アルカネットを育てた人物で、その育て方があまりに素晴らしいことから、柳沢純からは師匠と呼ばれている。また純から「フェアリア天才ブリーダー」の異名ももらった。本来、クレアのことを西園寺秀に報告しなければならないが、のあのことを一番に考え、クレアのことはのあとともに秘密にしておくことを誓った。
アルカネット
桑原真菜のフェアリアで、子犬型。のんびり屋の真菜に鋭い突っ込みを入れたり、真菜の仕事を手伝ったりしている。面倒見が良く、最初はフェアリアルだからとクレアと一線を引いた距離感を保っていたが、クレアがフェアリアである自分に対してまったく警戒しないので、距離を保つことが馬鹿らしくなり、面倒をみるようになった。
ルピー
昔、西園寺のあが育てていたフェアリア。身体検査の名目でのあが母親に預けたところ、母親に嘘をつかれ実験体にされてしまい、死亡してしまう。このことが原因で、のあはフェアリアとは関わりたくないと思うようになる。
みゅー
白いふわふわの毛に覆われた小動物のようなフェアリア。柳沢純が通販で買ったものの、自分で芽を出させることができずに、クレアに渡したフェアリアの種から生まれた。その後、クレアはみゅーを連れ歩くようになる。
幸弥・アンダーソン (こうやあんだーそん)
みゅーの親を飼っていた里桜に想いを寄せていた少年。祷鈴・アンダーソンの双子の弟。みゅーとともにいるクレアに一目惚れをし、クレアと同じ家に暮らしている西園寺のあに食ってかかる。クレアに会うために、転校までしてきた一途な少年。
祷鈴・アンダーソン (じゅりんあんだーそん)
幸弥・アンダーソンの双子の姉。里桜の体が弱いことを知っていたが、幸弥には黙っていた。幸弥を想うがゆえの行動だったが、このことから、幸弥には不信感を抱かれている。弟想いの優しいお姉さんで、幸弥がクレアを好きになってはいないかと西園寺のあたちの通う学校まで確認しに来たほど。
里桜 (りお)
みゅーの親を飼っていた女の子。バウムクーヘンの食べ方や笑顔など、クレアと似ているところがある。体が弱く、祷鈴・アンダーソンにはそのことを伝えていたが、幸弥・アンダーソンの笑顔を消したくないため、幸弥には伝えずにいた。
ラヴチェーン
妖精型で、可愛らしい服と顔立ちの今人気絶頂のフェアリア。柳沢純が熱狂的に応援しており、彼女のために服を何着も作っているものの、彼女の手元に届いたことはない。今は弱ってしまい、三ツ木柚の住む家に帰ってきている。
三ツ木 柚 (みつき ゆず)
ラヴチェーン(愛輪)を育てた、西園寺のあの同級生の女の子。ラヴチェーンを「愛輪」と呼び、可愛がっている。フェアリアマニアが嫌いなため、柳沢純のことも嫌っている。両親の金儲けのために愛輪が使われているのを知りながら、何もできない自分に嫌悪感を抱いている。
西園寺 秀 (さいおんじ しゅう)
西園寺のあの父親で、フェアリア研究の第一人者。フェアリアはもとより、貴重なフェアリアルに興味を示し、クレアも妖精研究棟に隔離して、観察したいと考えている。その考えをのあは嫌っており、父親との交流はほとんどない。
場所
妖精研究棟 (ようせいけんきゅうとう)
カトレアとともにマーガレット、犬の形をしたフェアリアの「スノー」が一緒に暮らしている場所。フェアリアルの研究のためにカトレアを隔離するための施設でもある。一般人はもとより、フェアリア研究の第一人者、西園寺秀の家族である西園寺のあでさえ立ち入ることが禁止されている。
その他キーワード
フェアリア
一般的な妖精のこと。普通は言葉を喋らないが、育て方によっては言葉を喋るフェアリアを育てることもできる。例えばアルカネットは一般的なフェアリアだが、育て方の上手い桑原真菜によって育てられたため、言葉を喋ることができる。フェアリアにとってフェアリアルは自分より上位の存在であるため、畏怖と脅威の対象となっている。 フェアリアの中にはメディアで取り上げられ、人気者になったものもいて、その代表格がラヴチェーン。
フェアリアル
フェアリアより妖精として格が上の存在。現時点ではカトレアとクレアしか存在していない。見た目は人間とほとんど変わらない。生育環境も一般のフェアリアと同様で問題ないが、研究のためカトレアは妖精研究棟に隔離されている。フェアリアルはフェアリアを見下すことはないが、フェアリアからすると、上位の存在であるフェアリアルは畏怖と脅威の存在でもある。