ベルベット・アーミー

ベルベット・アーミー

世間知らずのお嬢様・徳上鞠子と、アウトローなカメラマン・新田京介の恋を描いたラブストーリー。家を飛び出した鞠子が世間の荒波に揉まれながら成長していく姿が描かれる。「別冊マーガレット」に1986年6月号から11月号にかけて連載された作品。

正式名称
ベルベット・アーミー
ふりがな
べるべっと あーみー
作者
ジャンル
ラブコメ
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概要・あらすじ

旧華族の血を引くお嬢様の徳上鞠子は、親が決めた婚約者と無理やり結婚させられそうになり、家を飛び出してしまう。そして憧れていたファストフードの店に生まれて初めて入ると、そこにはスキャンダル写真を撮ろうと張り込んでいた新田京介がおり、彼が飛び出したはずみに、ハンバーガーをひっくり返されてしまう。その後、声をかけてきた千葉に誘われてディスコのVIPルームで過ごしていたところ、スキャンダル写真を撮っている京介と再び遭遇。

世間知らずな鞠子を放っておけない京介は、鞠子に下心を抱く千葉を追いやるが、その際にスキャンダルを狙っていたターゲットに見つかり、写真を取り上げられそうになってしまう。屈強なボディガードに追いかけられ、流れで京介と一緒に逃げ出した鞠子は、京介に不思議な縁を感じ、そのまま彼の家に転がり込む。

こうして身分を隠した鞠子の、庶民としての生活がスタートした。

登場人物・キャラクター

徳上 鞠子 (とくがみ まりこ)

旧華族の血を引く19歳のお嬢様。親が決めた婚約者と無理やり結婚させられそうになり、大学を中退して家出をし、自分の力で稼いだお金で幸せになる道を選んだ。世間知らずのお嬢様だが、意志が強く頑張り屋さん。偶然知り合った新田京介の家に転がり込んで生活をともにするようになり、京介を好きになっていく。

新田 京介 (にった きょうすけ)

カメラマンをしている青年。普段は雑誌社などの依頼でアイドルやタレントを撮影しているが、アルバイトで芸能人や政治家のスキャンダル写真を狙うこともある。そのせいで危険な目に遭うこともしばしば。破天荒だが情に厚く、偶然知り合った徳上鞠子のことも危なっかしくて放っておけない。そんな性格から、不特定多数の女性から人気がある。

(たもつ)

ディスコでアルバイトしている、きれいな顔立ちの青年。モデルになるのが夢で、男性ながら普段から化粧をしている。新田京介とは友達で、自分の働いているディスコで芸能人や政治家が逢引しているのを見つけると、京介に情報をリークしている。料理も上手で物腰が洗練されているが、女嫌いという一面もある。

桂木 (かつらぎ)

英集社で編集部の主任を務める女性。美人で知的な大人の落ち着きがあり、英集社で働き始めた徳上鞠子に対しても親切に仕事を教える。実はかつて新田京介と付き合っており、同棲までしていたが、仕事を優先させるために別れてしまった。今でも京介に未練を抱いている。

小暮 彬 (こぐれ あきら)

英集社の仕事を請け負っているカメラマンの青年。長髪で、いつも頭にバンダナを巻いている。女性に対して手が早く、徳上鞠子にも強引に迫ろうとしたが拒絶されてしまう。のちにいとこ同士だという鞠子と新田京介の噓を見破り、鞠子が家出して来たお嬢様であることを突き止め、そのネタを週刊誌に売ろうとする。

伊集院 (いじゅういん)

徳上鞠子の婚約者。イケメンのナルシストな男性で、自分以外誰も愛そうとも信じようともしない。人を人とも思わない態度をとるが、冷淡で合理的な野心家ということもあり、仕事はできる。女性に対しては優しく扱うが、これも見境なく女遊びをしていることへの、自分なりの罪滅ぼしのつもりにすぎない。鞠子を家に戻すために、圧力をかけて新田京介に仕事がまわらないようにしようと画策する。

千葉 (ちば)

徳上鞠子が家出して街をうろうろしている時に声をかけてきた男性。名のある大学の医学部に在籍していることが自慢で、他にも親が資産家であることや、いい車に乗っていることが、自分のアイデンティティーだと思っている。鞠子に下心を抱いて近づくものの、新田京介に追い立てられてしまう。

場所

英集社 (えいしゅうしゃ)

新田京介の紹介で徳上鞠子が働くことになった出版社。ファッション班の主任である桂木のもとで、鞠子は「ANON」という雑誌の編集のアルバイトをしている。カメラマンには新田京介、小暮彬などがいる。スタッフには気さくな人が多く、素性を隠して、慣れないながらも必死で働く鞠子を、優しく受け入れている。

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