ポチごっこ。

サラリーマンの友寄友は寝る間も惜しみ、家に仕事を持ち帰っても期限までに仕事が終わらない。なんで自分はこんなこともできないのかと落ち込みながらバスを待っていると、上司から電話がかかってきた。焦っている様子を見たからか、バス停にいた女子高生から「出たくない電話なら出なくていい」と声をかけられる。友は資料が遅れていると正直に上司に伝えると、もういいよと電話を切られてしまう。張り詰めていた糸がプツンと切れてしまった友は、会社へ向かうバスには乗らず、兄に遺書を送信。ビルの外階段から飛び降りるため、身を乗り出した。目が覚めると友はなぜか女の子の部屋の床で寝ていた。そこはバス停で声をかけてきた女子高生、朝日花の部屋だった。花は自殺しようとした友を助け、人間として生きるのがつらいなら、犬として生き直せばいいと言うのだ。彼女は友に「ポチ」という名前をつけて、犬には必要ないと友のスマホを取り上げた。最初は反発し、出て行こうとする友だったが、花とかかわるうちに自分は他人の目を気にしすぎていたことに気づく。こうして天真爛漫な花の飼い犬になった友(ポチ)は、これまでの人間関係を断って、花の家の家事をして数日を過ごした。女子高生がなぜ一軒家に一人で住んでいるのか、不思議に思っていた友だったが、花から実は姉と中学生の妹の三人暮らしだと聞かされる。予定より早く姉と妹が帰ってきたため、押し入れに隠れる友。しかし、花が姉と妹を説得する前に、友が姉に見つかってしまう。