あらすじ
第1巻
新橋ふとん店に居候をする事になったメルモは、町内のくじ引き大会の2等を当てるようケートに言われたが、子供だからという事でコスチュームセットを貰う。コスチュームセットを持って帰ってもケートに怒られると思ったメルモは、亡くなったお母さんからの贈り物のミラクルキャンデーを食べて大人になり、くじ引きに再挑戦する。すると、そこにメルモがもらったコスチュームセットを着た少女マリアが現れる。メルモがコスチュームを返してもらおうとするも、通りかかった焼野矢八がマリアに魅了される。焼野にフィギュアのモデルになってほしいと言われたマリアは、メルモと共に焼野の家へ行き、フィギュア作りの手伝いを始める。マリアをモデルにしたフィギュアは無事に完成するが、「夕方」という言葉を聞いたマリアは、焼野の家を飛び出す。マリアを追いかけて事情を聞いたメルモは、マリアが間もなく溶けてなくなってしまう事を知る。(第2話~第4話「ヤケッパチとマリア」。ほか、2エピソード収録)
第2巻
メルモは、新橋ふとん店のお使いの帰りに、白いライオン・レオと出会う。レオには100万円もの賞金がかかっており、これを知ったメルモは、レオに家へ帰るよう促すが、レオはこれを拒否。メルモはなにか事情があるのかと考え、蒜谷真月に相談を持ちかけるが、そこに飼い主の紺河と、レオの捜索を依頼された間久部緑郎が現れ、レオは屋敷に連れ戻される事となった。そんな中、メルモは紺河がレオの毛皮でカーペットを作ろうと計画している事を知り、ホースケと共にレオの救出に向かう。ミラクルキャンデーの欠片を食べた事で、大人ではなくネズミになってしまったメルモは、その姿で屋敷に潜入するが、ライアに追いかけられて危機的状況に陥ってしまう。そこに、ミラクルキャンデーの作り主だと名乗る間黒男が現れ、メルモは九死に一生を得た。その後、人間の姿に戻ったメルモは、レオを助けるため、再び紺河の屋敷への潜入を試みる。(第8話~第14話「野生のライオンちゃん救出大作戦」。ほか、2エピソード収録)
登場人物・キャラクター
メルモ
母を亡くし新橋ふとん店に身を寄せるショートカットの髪型の女の子。ミラクルキャンデーで大人の姿になる事ができ、この力を利用して困った人を助けている。子供の時はトビオやホースケに、大人になってからは間久部緑郎に、それぞれ好意を寄せられている。
ケート
新橋ふとん店に住む高校1年生の女の子。ロングヘアで、きりっとした顔立ちをしている。気が強くわがままな性格をしている事から、町内では「悪魔の娘」というあだ名を付けられている。居候のメルモに対して最初は冷たく接していたが、母親が死んで一人ぼっちの身である彼女を内心では心配しており、なにかと気にかけている。
トビオ
メルモと同じ小学校に通う男の子。科学者の父親と私立探偵の兄・間久部緑郎と共に暮らしている。メルモのとなりのクラスに在籍しており、彼女に好意を寄せている。メルモが危険な目に遭っていると知ると、居ても立っても居られず行動を起こす。
間久部 緑郎 (まくべ ろくろう)
私立探偵をしている若い男性で、「ロック」の通称で呼ばれる。いつも黒スーツを身につけ、時々サングラスをかけている。大人の姿のメルモに一目惚れしてからは、メルモが困っている時に救いの手を差し伸べる。友人の蒜谷真月の天然ぶりにはいつも頭を悩ませている。
マリア
ショートカットの髪型で、油にまみれたグラマラスな体型の女の子。もともとは唐揚げで、細胞を増やす実験に使われていたが、失敗作としてゴミ捨て場に捨てられていた。メルモが落とした青のミラクルキャンデーに触れた事で人間の姿になると、焼野矢八にそのスタイルのよさを気に入られ、彼が作るフィギュアのモデルになってほしいと言われる。
焼野 矢八 (やけの やはち)
父子家庭で育った若い男性。日々プラモデルやフィギュア作りに励んでいるが、「ヤケッパチ」というあだ名を彼に付けた若松からは、アニメっぽいとその腕を評価されていない。大人の姿になったマリアを気に入り、彼女にフィギュアのモデルを依頼する。
若松 (わかまつ)
焼野矢八の高校からの友人で、彼に「ヤケッパチ」というあだ名を付けた男性。焼野と同じくプラモデルやフィギュアを作っており、自身の工房「タテヨコ工房」で販売している。焼野の事を見下している節があり、メルモからは焼野のよくない友達と言われる。
蒜谷 真月 (ひるや まつき)
ライトノベル作家をしている若い男性で、ペンネームは「緋夜月ルマ」。長い髪をポニーテイルにして眼鏡をかけている。少々天然な性格の持ち主で、親友である間久部緑郎からは、頭の部品が48個足りない男だと言われる。
磐牌屋 万代 (ばんぱいや まよ)
ライトノベル作家「緋夜月ルマ」こと蒜谷真月の大ファンの女性。蒜谷の家の鍵を見つけてからは、夜な夜な家に忍び込む。色白で細身の体型で、長い黒髪の若い女性だが、メルモが持つミラクルキャンデーを食べた事で、若くて綺麗な白髪の男性に変身してしまう。
ピノコ
トビオのクラスメイトの女の子。トビオを一途に慕う元気で優しい性格で、のちに間黒男に心惹かれていくようになる。一方で、トビオがメルモに好意を抱いている姿を見ると、嫉妬心をあらわにする。
ホースケ
メルモのクラスメイトの男の子。坊主頭でいつも学ランを着ている。メルモに対して好意を抱いているが、彼女とトビオがなかよくしている姿を見ると、積極的に声を掛ける事ができない。額には大きな絆創膏が貼られており、それを取ると、額にある目が開かれる。すると、穏やかで引っ込み思案な性格が豹変し、強気でアクティブな性格になる。
レオ
メルモに猫と勘違いされたが、本当は子供の雄ライオン。原因不明の病気で体毛が真っ白になっている。ライアに連れられて紺河のもとで飼われる事になったが、レオ自身がカーペットにされると知った事で、逃げだして来たところをメルモに助けられる。
ライア
茶色い毛の雌ライオンで、レオと共に紺河の家に飼われていた。ネズミに変身したメルモに襲い掛かったりしたが、メルモと和解をすると、レオの病気の事や紺河に飼われる事になった経緯を話し始める。
紺河 (こんが)
金持ちの中年女性。レオの毛を剝いでカーペットにするため、レオの体毛を治すいい薬があると噓をつき、レオとライアを捕獲した。レオが脱走すると、100万円の賞金をかけ、さらには探偵の間久部緑郎にも捜索を依頼する。
間 黒男 (はざま くろお)
黒いマントを身につけた男性。髪の色は右半分が白で、左半分が黒。本間教授と共にミラクルキャンデーを発明した人物で、火の鳥の指示でメルモの荷物にミラクルキャンデーを忍ばせた張本人。ミラクルキャンデーを狙う栖閑区から身を隠し続けながら、ミラクルキャンデーを持つメルモを見守っている。
本間教授 (ほんまきょうじゅ)
白髪で鼻の大きな初老の男性。レオの病気の治療薬を研究していた科学者で、間黒男と共にミラクルキャンデーを奇跡的に開発した。研究仲間であった栖閑区がミラクルキャンデーを手に入れようと目論んでいる事を知ると、間を研究所から逃がし、自身も姿をくらました。
アヤコ
黒髪でスタイルのいい若い女性。幼い頃から引きこもりで友達もいなかったが、アイドルのオーディションをきっかけに部屋から出るようになった。オーディションに参加するには年を取り過ぎている事に落胆していたが、メルモの持つミラクルキャンデーによって若返り、学生生活を楽しむようになる。しかし、ミラクルキャンデーで姿が変わった事を栖閑区に知られ、彼に誘拐されてしまう。
栖閑区
身体を再生させる技術を研究していた年配の男性。本間教授と間黒男がミラクルキャンデーの開発に成功した事を知り、その技術を盗もうとしている。また、ミラクルキャンデーを使って変身するアヤコやメルモを誘拐し、ミラクルキャンデーを手に入れようと目論む。
火の鳥 (ひのとり)
すべての命の生死を見届ける役目を担った不死鳥。亡くなったメルモの母からメルモを見守るよう頼まれ、間黒男を使ってメルモにミラクルキャンデーを託す。そして、メルモの持つミラクルキャンデーが栖閑区に奪われそうになると、姿を現してメルモに真実を伝える。
場所
新橋ふとん店 (しんばしふとんてん)
母が亡くなって一人になってしまったメルモが身を寄せている店。一階はふとん屋を営み、二階が生活をする住居となっている。ふとん店を営むのはケートの母親で、彼女のいとこの夫の妹の友人の娘がメルモである。
その他キーワード
ミラクルキャンデー
メルモが天国の母からもらった不思議なキャンデー。青いキャンデーを食べれば成長し、赤いキャンデーを食べれば子供に戻る。ほかにも、三角やバツ印の形をしたキャンデーがあり、それぞれ食べると姿や性別が変わってしまう。正式名称は「R・B剤」と呼び、間黒男が本間教授のもとにいる時に、奇跡的に完成させたものである。
クレジット
- 原作