ヨリが跳ぶ

ヨリが跳ぶ

女子バレーボールの世界を舞台に、弱小チームに入った少女が仲間と共にVリーグトップチームの打倒を目標に奮闘するスポーツ漫画。主人公の大久保ヨリをはじめ、個性豊かな選手たちが多数登場する。作者にとっては2本目の連載作品となる。

正式名称
ヨリが跳ぶ
ふりがな
よりがとぶ
作者
ジャンル
バレーボール
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概要・あらすじ

高校卒業を間近にひかえた大久保ヨリに、Vリーグの強豪チーム国舞リップスから声がかかる。しかし、それは選手としてではなく、練習でスパイクを打つ「打ち屋」としてだった。納得しきれないまま国舞リップスへ出向いた大久保ヨリは、そこでトップチームの実力を目の当たりにする。監督の橋口から選手としては通用しないと烙印を押された大久保ヨリは、打倒国舞リップスを誓い、その場を後にする。

そして、伝手を使って実業団チームであるオグリ製菓バレー部に入部。国舞リップスがいるVリーグを目指し、実業団選手としての一歩を踏み出す。最初は自信だけが空回りしていた大久保ヨリだったが、ライバルたちとの闘いの中で、その才能を次第に開花させていく。

苦難の末、実業団リーグで優勝したオグリ製菓は、晴れてVリーグに昇格。ついに国舞リップスとの対決の日を迎える。

登場人物・キャラクター

大久保 ヨリ (おおくぼ より)

18歳。沼里女子高の3年生でバレー部。得意技は、183センチの長身から繰り出す強烈なスパイク。ポジティブシンキングの固まりのような性格で、どんな困難に当たろうと決して自信を失わない。そのぶん思い込みも激しく、天然ボケでトラボルを起こすこともしばしば。憧れのチームであるVリーグの国舞リップスから誘われるが、それは選手としてではなく、練習用の「打ち屋」としてだった。 選手としては使い物にならないと言われたに等しいこの仕打ちに、打倒国舞リップスを固く心に誓う。そして恩師、武田伸介の紹介で実業団リーグのオグリ製菓バレー部に入部。仲間と共にVリーグ昇格を目指す。国舞リップスのトップ選手で全日本のメンバーでもある梶容子を目標としている。

梶 容子 (かじ ひろこ)

25歳。Vリーグの強豪チーム国舞リップスの選手で、全日本のメンバーとしても活躍。天才的な実力の持ち主で、女子バレー界では雲の上の存在として知られている。長らく自分に匹敵する選手がおらず、やる気をなくしていたが、偶然出会った大久保ヨリの中に自分を超える可能性を見い出す。そして彼女を自分の領域まで引き上げるため、様々な方法で鍛えようとする。

高崎 恭三 (たかさき きょうぞう)

大久保ヨリが所属するオグリ製菓バレー部の監督。46歳。大久保ヨリが所属していた沼里女子校バレー部の顧問・武田伸介の大学時代の後輩で、彼に心酔している。武田伸介の紹介で、大久保ヨリをオグリ製菓バレー部に入れる。

阿久津 明美 (あくつ あけみ)

大久保ヨリが所属するオグリ製菓バレー部のキャプテン。総務部所属。真面目な性格で、破天荒な大久保ヨリに振り回され、苦労の日々を送る。チームメンバーの加代がチームから外れたため、セッターに転向する。

沢田 理佳子 (さわだ りかこ)

19歳。実業団リーグの選手で、大久保ヨリと同じオグリ製菓バレー部に所属。若いながら実力はチーム1。他のメンバーからも頼りにされている。派手な見た目とぶっきらぼうな口調のせいで、出会ったばかりの大久保ヨリから「ヤンキー」と呼ばれていた。クールな性格で、感情を表に出すことは少ないが、実は相当な熱血タイプ。 国舞リップスの監督、橋口からの移籍の誘いを断り、仲間と共に打倒国舞リップスを目指す。

観音寺 忍 (かんのんじ しのぶ)

22歳。実業団リーグの選手で、大久保ヨリと同じオグリ製菓バレー部に所属。大学時代は全日本ユニバのレギュラーとして活躍していた。大学卒業とともにバレーを止めるつもりだったが、希望の就職先が見つからず、かねてから誘いのあったオグリ製菓に就職を決める。堅実なプレーをモットーとしている。

橋口 (はしぐち)

Vリーグの強豪チーム国舞リップスの監督。大久保ヨリを、練習でスパイクを打つ打ち屋として採用しようとした。梶容子を中心とした最強チームを作り上げるため、大久保ヨリのチームメイトである沢田理佳子を、オグリ製菓から引き抜こうと企む。

鳴海 蘭 (なるみ らん)

実業団リーグの選手で、モンテル・ジャパンのバレー部キャプテン。大久保ヨリが所属するオグリ製菓バレー部のキャプテン、阿久津明美をライバル視している。独特の美意識を持っており、普段から宝塚の男役のような格好をしている。

鳴海 ユリ (なるみ ゆり)

実業団リーグの選手で、モンテル・ジャパンのバレー部キャプテン、鳴海蘭の妹。大学のバレー部に所属していたが、姉の薦めで大学を辞め、実業団入りした。メンタル面が弱く、大学時代は力を発揮できずにいたが、大久保ヨリとの対戦で自分の中の秘めた力に気づく。以来、大久保ヨリを憧れの対象として見るようになる。

福沢 花子 (ふくざわ はなこ)

実業団リーグの選手で、所属する明和生命バレー部ではプレイングマネージャーとして監督も務める。30歳で2児の母。実力は高く、もう少し身長があれば、全日本のメンバーに選ばれていてもおかしくなかったと言われている。対戦相手である大久保ヨリに、スパイクの極意をアドバイスする。

ガリーナ・チーホノワ

32歳。旧ソ連ナショナルチームのメンバー。ソ連崩壊後は、母国ウクライナのナショナルチームで、コーチ兼選手として活躍。愛弟子のアレクサンドラ・ポドゴルナヤの育成のため、来日し、アベノ引越社バレー部に所属。大久保ヨリが所属するオグリ製菓との試合でバレー選手として完全燃焼し、これを最後に現役を引退。 その後、ウクライナ・ナショナルチームの監督となる。

アレクサンドラ・ポドゴルナヤ

17歳。ウクライナ・ナショナルチームのメンバー。次代のエースとして期待されている。196センチの長身を活かしたダイナミックなプレイを得意とする。実戦経験を積むため、師であるガリーナ・チーホノワと共に来日。アベノ引越社バレー部の一員として、大久保ヨリが所属するオグリ製菓とリーグで戦った。 帰国後はイタリアのプロリーグと契約。

加代 (かよ)

実業団リーグの選手で、大久保ヨリと同じオグリ製菓バレー部に所属。ポジションはセッター。見た目は家庭的だが、実は家事が大の苦手。チームのVリーグ昇格を前に妊娠し、チームから離脱する。

藤木 明日香 (ふじき あすか)

23歳。兼通レイニーズの選手。梶容子を非常に尊敬している。全日本のメンバーだったが、チームがVリーグから実業団リーグに降格したため、メンバーからも外されてしまう。全日本で共に戦った梶容子に、全日本に復帰できるよう口添えを頼むが、その交換条件として、大久保ヨリに勝てと言われる。 最初は大久保ヨリを取るに足らない存在だと考えていたが、試合を通して彼女の中に世界に通じるものを感じ取る。

西丸 舞子 (にしまる まいこ)

18歳。実業団リーグの選手で、新田交通バレー部に所属。実家は老舗の和菓子屋。選手としての能力はあまり高くなく、高校時代はずっと控えだった。自分と同じように下手なのに、なぜか試合で大活躍する大久保ヨリのことを尊敬し、目標にしている。得意技は、体全体を使うだんごレシーブ。

内藤 ひかる (ないとう ひかる)

22歳。実業団リーグの選手で、明和生命バレー部に所属。チームメイトの門野真理の口車に乗り、個性を出そうとして頭をモヒカンにするが、これが原因で謹慎処分を受けてしまう。その後、反省のために丸坊主に。その頭のまま大久保ヨリが所属するオグリ製菓との試合に臨み、「お坊さんボーラー」として会場の注目を集める。

相原 邦彦 (あいはら くにひこ)

大久保ヨリが所属するオグリ製菓バレー部のコーチ。22歳。内定していた会社が倒産し、大学の先輩である高崎恭三がいるオグリ製菓の面接を受ける。会社まで案内してくれた親切な女性(阿久津明美)がバレー部のキャプテンと知り、入社を決意する。やる気は人一倍あるが、チームのメンバーからはあまり頼りにはされていない。 阿久津明美に幻想に近い憧れを持つ。

藤崎 裕二 (ふじさき ゆうじ)

21歳。大久保ヨリが所属するオグリ製菓バレー部でコーチを務める、相原邦彦の大学時代の後輩。大学を辞めた後は、定職にもつかず自堕落な日々を送っていた。梶容子への対抗策を探していた大久保ヨリたちから打ち屋を依頼され、15分2万円を条件に引き受ける。必死に強くなろうと努力するオグリ製菓の面々と接するうちに、バレーへの情熱を取り戻していく。

カトリーナ・マーシャル

大久保ヨリのチームメイト。元アメリカ合衆国・ナショナルチームのセンタープレイヤー。オリンピック後、ナショナルチームから外され引退していたが、かつてのライバルであるガリーナ・チーホノワと再会し、復帰を決意する。大久保ヨリが所属するオグリ製菓のテストを受け、見事合格。 バレー選手として復活を果たす。

武田 伸介 (たけだ しんすけ)

大久保ヨリが在籍していた沼里女子校バレー部の顧問。「Vリーグの舞台に立ちたい」という大久保ヨリの熱意に打たれ、大学時代の後輩でオグリ製菓バレー部の監督をしている高崎恭三を紹介する。

坂口 (さかぐち)

大久保ヨリの後輩で、沼里女子校バレー部の部員。女性が好きで、大久保ヨリに恋している。大久保ヨリが実業団入りしてからは、彼女が所属するオグリ製菓の応援団員となる。

門野 真理 (かどの まり)

実業団リーグの選手で、明和生命バレー部に所属。根拠の無い自信にあふれており、補欠でありながら自らスーパーサブを名乗る。新人でありながらレギュラーとして試合で活躍する大久保ヨリに対抗心を燃やす。同期のチームメイト内藤ひかるとは犬猿の仲。

今井 美津子 (いまい みつこ)

地域リーグのノエル石油バレー部に所属。幼い頃、大久保ヨリと出会ったのがきっかけで、バレーを始めるようになった。大久保ヨリをライバル視している。

寛太 (かんた)

兼通レイニーズの選手、藤木明日香の幼なじみ。藤木明日香に想いを寄せるが、まったく相手にされない。大久保ヨリが所属するオグリ製菓と兼通レイニーズの試合を観戦に来て、大久保ヨリと知り合う。

神林 静江 (かんばやし しずえ)

大久保ヨリが通っていた沼里女子校の生徒会長。剣道部所属。2年の体育祭のとき、全校生徒の前で大久保ヨリにパンツをずり下ろされてしまい、以来彼女のことを恨み続けてきた。その恨みを晴らすべく、大久保ヨリの卒業式出席を邪魔しようとする。

大久保 ハナ (おおくぼ はな)

大久保ヨリの姉。22歳。大柄な妹と違い、小柄でぽっちゃりとした体型をしている。性格は温厚。大久保ヨリがバレーボールを始めるきっかけを作った。

集団・組織

オグリ製菓 (おぐりせいか)

『ヨリが跳ぶ』に登場する会社で、バレーボールチームを持っている。高校生だった大久保ヨリに内定を出し、卒業後は社員として採用する。大久保ヨリの活躍もあり、バレー部は実業団リーグで優勝。悲願のVリーグ入りを果たす。Vリーグ昇格に伴い、チーム名をオグリポピンズと改名する。

国舞リップス (こくぶりっぷす)

『ヨリが跳ぶ』に登場するバレーボールチーム。Vリーグのトップチームで、スター選手の梶容子をはじめ、毎年多くの選手が全日本メンバーとして選ばれている。大久保ヨリを、選手ではなく打ち屋として採用しようとした。

モンテル・ジャパン

『ヨリが跳ぶ』に登場する会社で、バレーボールチームを持っている。この会社のバレー部は、キャプテン鳴海蘭の影響で女性ファンが非常に多く、試合はいつも黄色い歓声で埋め尽くされている。

オグリポピンズ

『ヨリが跳ぶ』に登場するバレーボールチーム。大久保ヨリが所属するチームで、Vリーグ入りを機にオグリ製菓バレーボール部からこの名前に改名した。名前は社内から募集され、食堂のおばちゃんの案が採用された。

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