あらすじ
宇宙人がやってきた
調理師として働く園美は、長年付き合っていた彼氏の石川と別れ、アパートの自室で泣いていた。次の瞬間、突然窓が割れて宇宙人が部屋に不時着する。手のひらに乗るほどの大きさの宇宙人は、船を修理するまでのあいだ、アパートに留まることを告げ、園美の部屋に居座ろうとする。その騒ぎを聞きつけ、となりの部屋に住む由日子が園美のもとに駆け付ける。由日子は宇宙人のことを気にしつつも、園美が石川と別れたことを知って心配する。その話に興味を持った宇宙人は、園美の彼氏だった石川を呼び出す。石川は園美と別れたことは本意ではなく、お互い本音で語り合うことで二人は復縁。こうして宇宙人と園美たちとの奇妙なアパート生活が始るのだった。
料理は世界を救う?
宇宙人は宇宙船の修理が完了したものの、地球の料理が気に入り、なんだかんだ理由をつけて地球に留まっていた。そんなある日、彼らは敵対する黒宇宙人から攻撃を受ける。宇宙人は黒宇宙人に反撃し、アパートに追い詰めて彼らを捕らえることに成功する。しかし黒宇宙人たちは、宇宙人たちがおいしそうに食べる料理に興味を覚え脱走する。そして宇宙人そっくりの格好に化けた黒宇宙人は、園美を騙して彼女に料理を作らせようとする。園美は怪しいと思いつつも、料理が食べてみたいという彼らの思いを聞き入れ、誠心誠意料理を振る舞う。黒宇宙人はおいしい料理を食べたことで改心し、宇宙人と和平協定を結んで戦いを終わらせるのだった。
さよなら宇宙人
園美と同じアパートに住む篠原サツキは、宇宙人から妊娠したことを告げられる。母親になることに自信がないサツキは混乱してしまうが、3児の母であるミハルに説得されたことや、彼氏の棚橋に支えられことで事実を受け入れ、母になる決意を固める。また、由日子も美容師としてのレベルアップを目指し、ニューヨークに行くことを決意。一方の園美も石川が予定より早く帰国することになり、彼との新生活を始めることを決める。そして園美たちはそれぞれの道を歩むべくアパートを離れ、宇宙人に別れを告げるのだった。しかし、園美の後輩の北村スミレがアパートに住むことになり、宇宙人は変わらずアパートで地球人たちの暮らしを観察することとなる。
帰って来た宇宙人
宇宙人が居座るアパートは住人も変わり、新たな日々を送っていた。北村スミレは園美譲りの料理の腕前で、宇宙人たちの胃袋をつかんでいた。また、新たな住人のミコトは自分の毒舌を治したいと思いつつも、その口の悪さで周囲を振り回していた。絵本作家の兼松亜子は、最近反抗期となった子供たちに悩みを抱えつつも、子供のような姿をした宇宙人を気に入り、アパートに入り浸るようになる。一方、篠原サツキたち元住人も変わらずアパートに遊びに訪れており、宇宙人の周囲は相も変わらず賑やかな毎日を送っていた。
メディアミックス
テレビドラマ
2016年4月から7月にかけて、本作『ラブラブエイリアン』のTVドラマ版『ラブラブエイリアン』第1シリーズが、また2018年1月から3月にかけて第2シリーズがフジテレビ系列で放送されている。キャストは園美を新木優子、由日子を森絵梨佳、笠原チズルを久松郁実、篠原サツキを太田莉菜が演じている。宇宙人はCGで描かれ、声を三木康一郎が担当している。
登場人物・キャラクター
宇宙人 (うちゅうじん)
地球に不時着した二人組の宇宙人。手のひらに乗るくらいのサイズで、二人とも同じ見た目をしている。宇宙を探検および研究することを役目としており、故障した宇宙船の修理が終わるまでのあいだ、園美の部屋に居候することとなる。地球人をはるかに超える技術力を持ち、時間すらあやつることができる。地球人の30倍の知能、50倍の視力を誇る。その気になれば20分で地球を征服することができるが、メリットが全然ないため地球征服をする気はいっさいない。地球人とはまったく異なる価値観を持ち、種族柄雌雄の概念がなく、地球の男女の機微を不合理と感じながらも、興味を持っている。また、食料の類は機械を使うことでいくらでも作り出すことができるため、貨幣や労働の概念も存在しない。地球人を完全に見下しているが、地球人の料理を気に入っており、園美の作る料理のあまりのおいしさに心奪われ、船の修理が完了したあとも研究を名目に地球に居座っている。NASAに連絡されるのを極端に嫌がり、NASAに連絡しないことを条件に園美たちのお願いを聞き入れている。
園美 (そのみ)
調理師として働く独身女性。黒髪をショートカットに整えている。女性専用アパートで暮らしている。石川と長く付き合っていたが、彼がタイに3年間出張に行くこととなり破局。失恋して悲しみに暮れる中で宇宙人が襲来し、宇宙人の計らいで石川ともう一度話し合ったところ、お互いを思い合いながらも、遠慮していたことがわかって和解し、彼が日本に戻って来るまで待っていると約束を交わした。アパートの住人の中では比較的まじめでおとなしい性格をしているが、怒らせると非常に怖い。篠原サツキに料理を教えた時も、あまりの手際の悪さにキレて、恐ろしい形相でサツキを叱りつけた。料理の腕前はかなりもので、宇宙人は園美の料理のうまさに驚き、滞在期間を延長しているほど。また宇宙人と敵対する黒宇宙人からも料理の腕前を絶賛され、それがきっかけで宇宙人と黒宇宙人の和平を実現させた。石川がタイから戻って来たのを機に籍を入れて結婚した。アパートを引き払って、自分の部屋と宇宙人を後輩の北村スミレに引き継がせた。
由日子 (ゆひこ)
美容師として働く独身女性。黒い髪を長く伸ばしている。女性専用アパートで暮らしており、となりの部屋の園美とは何かと交流がある。美容師としての腕前はかなりもので、ファッションセンスもいいが、異次元レベルの毒舌家。下世話な話題ばかりを口にするため、周囲からも匙を投げられているレベル。宇宙人に対しもぞんざいに扱い、何かと冗談を吹き込んではトラブルを巻き起こしている。自由奔放な性格に見えて、実はかなりの努力家で、陰でメイクやファッションの勉強を重ねている。そのため、その腕前は同僚や上司からも認められており、上司からニューヨークでスタイリストの勉強をしないかと提案される。合コンで知り合った吉江と付き合っていたため思い悩むが、吉江に背中を押されてニューヨークへ行く決心を固める。
笠原 チズル
歯科衛生士として働く独身女性。年齢は24歳。ロングヘアでゆるふわ系のパーマをかけている。女性専用アパートで暮らしている。明るく人当りのいい性格ながら、少々怒りっぽいところがある。レースゲームが大好きで、宇宙人の計らいで宇宙船を貸してもらい、惑星対抗レースに参加した。旧式の機体だったため周囲に期待されていながったが、予想に反して優勝をかっさらった。彼氏の仕事が忙しく、なかなか会えないことに悩んでいる。
篠原 サツキ
検事として働く独身女性。年齢は33歳。眼鏡をかけたクールビューティーのような外見ながら、中身はかなりズボラな性格をしている。女性専用アパートで暮らしている。学生時代からすべてを勉強に捧げて検事となったため、まともな恋愛経験もないことを後悔している。そのため、仕事は完璧にこなすが私生活はかなり荒れており、酒におぼれてアル中一歩手前の状態にある。家事全般が苦手で、部屋は散らかり放題となっている。このまま恋愛はできないとあきらめていたが、合コンで知り合った棚橋と付き合うようになる。付き合ってから料理の勉強を始めたが、要領よく作ろうとレシピを勝手にアレンジしては失敗している。そのあまりの料理の手際の悪さに、ふだん温厚な園美が怒り狂うほど。付き合い始めた当初は将来のことをまったく考えていなかったが、妊娠したのを知った時は衝撃を受けて混乱する。その後、棚橋やミハルに説得され次第に妻として、母としての未来を見据えるようになる。
北村 スミレ
園美の職場の後輩の女性。年齢は23歳。太っているため、自らの容姿がコンプレックスで暗い性格をしている。園美や宇宙人との付き合いでコンプレックスが限界に達し、ある日、急に外を走り出してしまう。その際、偶然痴漢に遭い、それを反撃したことをきっかけで自信を持つようになる。それからはランニングが習慣となり、ランニングイベントにも参加するようになったため、どんどん痩せていく。またランニングイベントを通じて気になる男性との出会を経て、性格も快活なものへと変化していく。園美が新生活のためアパートを引き払った際には、そのまま彼女の部屋を引継ぎ、宇宙人との同居を始める。
井沢 花也乃
美容師として働く女性。年齢は24歳。黒髪をベリーショートに整えている。ヒモの彼氏に嫌気が差して別れようとしたものの、自分の部屋に居座ったため、一時期、同僚の由日子の部屋に避難する。その際に宇宙人の力によって、彼氏をチベットに転送してもらったことで事態は解決した。その後、彼氏はチベットの奥地での暮らしで改心し、宇宙人に更生が認められたことで日本に帰還する。彼氏は日本に帰還後、自分の体験をもとに本を出版して賞を獲得した。その後、再び宇宙人の力を借りて彼と再会してからは、彼の謝罪を受け入れてよりを戻している。
ミコト
スタイリストの女性。由日子の友人で、由日子のニューヨーク行きが決定したあと、彼女に紹介されてアパートに住み始める。明るい性格ながら、由日子譲りの毒舌家。
兼松 亜子
絵本作家を生業とする女性。ミコトに紹介されてアパートに住み始める。2児の母で、子供が二人とも中学生になって育児がひと段落したため、絵本を作ったところ、賞を取って絵本作家となる。子供を構いたがるところがあり、反抗期の子供たちとの仲は良好とはいえないが、アパートにいた宇宙人を新しい子供として構い始めたことで丸く収まる。
石川
会社勤めをしているまじめな性格の青年。園美の彼氏で、タイに長期出張することが決まり、お互いの立場を慮(おもんぱか)って園美と別れようとする。しかし相手を思い合う気持ちは強く、宇宙人の力で再び園美と会ったことで思い直し、復縁する。宇宙人の力を借りればいつでも会えるが、それを「ズル」と考えてまじめにタイで働いている。その働きぶりを認められ3年を待たずに出張を終えて日本に帰国。のちに園美と籍を入れ、二人で新生活を始める。
野上
眼鏡をかけた誠実そうな男性。由日子が参加した合コンメンバーの一人で、参加した女子メンバーからはまじめそうな雰囲気から一番人気を集めたが、実は男色家。女性にまったく興味がないが、そのことを隠して不本意ながら合コンに参加している。合コンで、宇宙人が本音で語る仕掛けを発動したため、自分が男色であることを告白。その後はその特殊な立ち位置から、合コンの男性メンバーと女性メンバーの橋渡し役を務め、双方の仲を取り持っている。大らかでまじめな性格で、女性メンバーたちとは友人のような付き合いをしている。
吉江
体育会系の大柄な男性。スポーツ観戦が趣味で、合コンで由日子たちと知り合い、野球観戦をきっかけに由日子と付き合うようになる。由日子の夢を応援しており、彼女がニューヨークへスタイリストの修行に行くことを迷った際には、その背中を押して彼女を激励した。
ミハル
由日子の職場の先輩の女性。3児の母で子育てに忙しく、育児休暇を取って、生まれたばかりの赤ん坊を育てている。母親と美容師の両立に葛藤することもあるが、子供が成長していく姿に充実感を感じている。篠原サツキが妊娠した際、母親としての経験でサツキを元気づけ、サツキの中の迷いと怯(おび)えを払拭させる。
黒宇宙人
宇宙人と敵対する種族の宇宙人。黒い靄が人型となったお化けのような姿をしている。宇宙人の種族を攻撃したが反撃され、園美たちが住むアパートに追い詰められる。宇宙人たちに敗北するも、彼らが地球人の食事をおいしそうに食べるのを見て、宇宙人の姿に変装して園美の部屋に潜入し、地球人の食事を食べた。その正体を見破られたあとは、園美に最後においしいものが食べたかったという本音を語り、彼女から料理を振る舞われる。この出来事をきっかけに宇宙人の種族とも和解し、和平協定を結んだ。その後も、宇宙人の格好でたびたびアパートを訪れては地球の料理を楽しんでいる。
提督 (ていとく)
宇宙人の上司。宇宙人から地球人の報告を受けたが、地球人の食事を気に入って報告を聞き流していた。料理のおいしさに感激し、部下の宇宙人が毎日新しい食事を食べているのをうらやましく思っている。そのため、地球人にたくさん料理を作らせるために地球侵略しようとしたが、宇宙人から止められている。提督の上に「元帥」と「総長」と呼ばれる者も存在するが、彼らも同様に地球人の料理を気に入っている。