概要・あらすじ
山を刈られている現代、同種同士では生き残れないと感じた化け狸のぽんこは、人間との婚活のため、セレブが通う盟琳学園に潜入し、つがいとなる男性を探していた。人間の姿に化けたぽんこは清楚でミステリアスな美人。「たぬ沢蘭子」と名乗って学園生活を送っていた。学園ではお金持ちで成績優秀、そしてイケメンという完璧な双子の二ノ宮兄弟が女子の人気を集めていた。ぽんこは兄の二ノ宮一からはあからさまな好意を持たれるものの、弟の二ノ宮真からは敵視されていた。ハイスペックな男子ではあったが、ぽんこは二人を怖がり、警戒していた。お昼のお弁当を忘れたぽんこは、変化が解けて狸の姿に戻ってしまう。狸姿でお弁当を置いた巣穴に向かうと、お弁当はすでにカラスに食べられており、そのカラスから攻撃を受けたぽんこは水の中に落ちてしまう。泳げないぽんこはこのまま死んでしまうかと思ったが、気が付くと二ノ宮兄弟の暮らす家にいた。真が溺れているぽんこを助けてくれたのだ。一が「狸なんて部屋で飼って糞尿をまき散らされては困る」と言うので、ぽんこは思わず「トイレは決まった一か所にしますから」と狸のまましゃべってしまう。ぽんこの事情を聞いて、マスコミに引き渡すという一と保護してこのまま部屋で飼いたいという真の意見が対立。一は「たぬ沢」の情報を聞き出してくれるなら、婚活を手伝い、ここに居候することを許すという条件を出した。ぽんこは自分が「たぬ沢」だということに気づかれないよう、うまく変化をしながら、兄弟と同居し、婚活に励むのだった。
登場人物・キャラクター
ぽんこ
メスの化け狸。もう同種では生き残れないと悟り、山を下りて人間の男とつがうために婚活に励んでいる。盟琳学園に潜入して「たぬ沢蘭子」と名乗り、通学している。人間の姿のときは清楚な美人で潤んだ目で相手を見つめるという小技も持っている。ぽんこが男性に求めるものは健康状態と食料備蓄の量。とにかくなんでもよく食べる。好物はねずみ。空腹になりすぎると人間の姿が保てず変化が解けてしまう。人間の姿「たぬ沢」に変化しつつ、特定人物のみ違う姿に見せかける技も持っている。
二ノ宮 一 (にのみや はじめ)
ぽんこの同級生男子。盟琳学園理事長の孫で狼の血を引く一族。双子の兄弟の兄で二ノ宮家の跡取り。頭の回転が速く、要領がいい金髪のイケメン。人間の姿をしたぽんこ、「たぬ沢蘭子」に恋をしており、彼女の前では骨抜きになる。狸姿のぽんこに対しては冷たい。月に一度、調子を崩して気性が荒くなる。
二ノ宮 真 (にのみや まこと)
ぽんこの同級生男子。盟琳学園理事長の孫で狼の血を引く一族。双子の兄弟の弟で、跡取りである兄の二ノ宮一にコンプレックスを抱いている。まじめな性格で自分も二宮家の役に立ちたいと願っている。黒髪で左目の下にホクロのあるクールなイケメン。一を骨抜きにした「たぬ沢蘭子」のことを男漁りをしている悪女だと嫌っている。狸姿のぽんこを溺愛しており、一生面倒をみるつもりでぽんこの婚活には反対している。狸好きでぽんこの肉球を触ると癒される。