概要・あらすじ
帝都学院児童部に通う椿チャコ、卓間クミ、広瀬隆生、栗尾かの子は、いずれも資産家の両親を持つセレブ小学生。彼らは退屈な日常と、その後に待ち受けている中学校生活に漠然とした不満と不安を感じていた。ある日、亡くなった大物資産家ベンツ氏が、自分亡きあと、行方不明の息子と、それを見つけ出した者に会社を継がせるという遺言を残した。
そんなヒントのない宝さがしは、ドイツ語で「ばかげた」という意味の言葉から、レピッシュと名付けられた。そんな極秘のレピッシュ探しを偶然にも知ってしまった隆生たちの前に、一条瑛児と名乗る青年が現れる。彼はレピッシュを探しているうちに、トラブルに巻き込まれたのだという。チャコは、瑛児を住み込みの家庭教師として自分の家に匿い、みんなで一緒にレピッシュを探すことを決めるのだった。
しかし何のヒントもないレピッシュ探しは困難を極める。世界中で先を争うようにレピッシュ探しが行われている中、チャコたちは大きな陰謀の渦に巻き込まれていくのだった。
登場人物・キャラクター
椿 チャコ (つばき ちゃこ)
帝都学園児童部に通う少女、10歳。一代で財産を築き上げた実業家の一人娘。 掴みどころのない性格だが、恐れを知らず、いざという時には頼りになる行動力を持っている。東京タワーが大好きで、将来東京タワーに住むのが夢。一条瑛児のことが大好き。
広瀬 隆生 (ひろせ たかお)
帝都学園児童部に通う少年、10歳。T大教授の次男坊。2人兄弟で、年の離れた20歳の兄の正行がいる。パソコンが得意で勉強が良くできるが、それを含めてもすべてにおいて椿チャコにはかなわない。
卓間 クミ (たくま くみ)
帝都学園児童部に通う少年、10歳。今話題のニューウェーブ保育園グループ理事長の長男で、三つ子の弟がいる。髪の毛をツンツンに立てたパンクファッションが好きだが、その見た目とは裏腹に乳幼児のお世話が得意である。密かに椿チャコに想いを寄せている。
栗尾 かの子 (くりお かのこ)
帝都学園児童部に通う少女、10歳。老舗和菓子屋の4姉妹の末っ子。10歳とは思えない女子力の高いおませさんだが、姉のキスシーンにうろたえるなど、うぶな一面を持ち合わせている。
一条 瑛児 (いちじょう えいじ)
椿チャコの家に突然飛び込んできた謎の多い19歳の青年。レピッシュを探していて、何者かに追われている。基本的には子供思いの優しい青年だが、常に何かを隠している節がある。子供時代を施設で過ごしている。
ベンツ
ヨーロッパ財界をとりしきるやり手の実業家で、「行動する財閥宗主」との異名を持つ。未婚だったため後継ぎでもめていたが、生まれた時に会ったきりの息子がいることを遺言書に記した。
椿 カズミ (つばき かずみ)
椿チャコの父親。一代で財産を築き上げた実業家である。一人娘のチャコをとても大切にしている。生前のベンツ氏とは親交が深かった。
ジェニー=カッセル (じぇにーかっせる)
ドイツから来た8歳の少女。祖父がベンツ氏の側近だった。日本に来て椿チャコたちと共にレピッシュについて調べることに協力することになる。
初老の男性 (しょろうのだんせい)
ジェニー=カッセルの祖父で、ベンツ氏の側近だった男性。当時施設に入れられていた10歳にもならない一条瑛児と、常に電話で連絡を取り合って教育を施していた。そんな電話越しでのコミュニケーションだけで瑛児を立派に育て上げた人物である。
渋沢 米丸 (しぶさわ こめまる)
帝都学園の学園長であり、日本財閥協会の下っ端である。時には「ナゾーマン」となって椿チャコたちのレピッシュ探しを妨害する役割を担うが、いつも失敗に終わる詰めの甘い人。おかまであり、必要以上に一条瑛児に執着している。
その他キーワード
レピッシュ
ドイツの実業家ベンツの行方不明となっている息子の呼び名。ドイツ語で、「ばかげた」「こどもじみた」という意味を持つ。国籍、年齢、性別、その他手がかりが全くない状態から彼を探し出さなくてはならない、すなわち「ばかげた宝さがし」ということでその名が付けられた。