概要・あらすじ
舞台は現代の山形県。筒井雪隆は高校一年生になったばかりの野球男児である。高校入学と同時に一人暮らしをすることになった雪隆は、これから始まる新たな生活に胸を高鳴らせながら新居のドアを開けた。するとそこには、見ず知らずの胡散臭い金髪の男が椅子に座ってくつろいでいたのである。どうにかして部屋から追い出そうとするものの、あの手この手で居座り続けようとするその男に雪隆は手を焼く。
そんな時、地球にUFOが不時着したというニュースが飛び込んでくる。謎の男は、そのUFOに乗って宇宙からやってきたというが、雪隆には男が冗談を言っているようにか思えない。しかしそんな雪隆も、男の驚異的な身体能力や、現代では考えられないような超科学技術を目の当たりにし、徐々に男の言い分を信じるようになる。
その頃、UFOのサンプルを回収した研究所では、信じ難い事実が判明していた。
登場人物・キャラクター
バカ=キ=エル・ドグラ
本作の主人公。金の髪を長く伸ばした中性的な顔立ちの男性。筒井雪隆が入居する予定だった部屋に突如として現れ、自らを宇宙人と名乗り、居候を続ける謎の男。雪隆にはUFOが墜落したショックで記憶を失ったと説明するが、実は記憶喪失のふりをしていたというだけで、何一つ忘れてはいなかった。その正体はドグラ星の第1王子。 バカ王子は通称かと思われていたが、実は本名であることが判明する。「宇宙一頭のキレる男」とも評され、計算高く頭の回転も早いが、いつもその頭脳を「いかに面白い悪戯をするか」という方向に使っているため、非常にたちが悪い。常に「民衆の支持を下げずにいかに苦しめるか」を考えており、その性格の悪さには護衛隊長クラフトを始め多くの人が困り果てている。 ドグラ星人の特徴として、血が青く、マンションの5階から飛び降りても平気なほど体が頑丈である。
筒井 雪隆 (つつい ゆきたか)
高校入学を機に山形県へと越してきた短髪の若々しい青年。一人暮らしのため、マンションの一室を借りて新しい生活を始めるはずだったが、入居する予定の部屋をバカ王子に乗っ取られてしまう。予想だにしない行動で度々困らせてくるバカ王子に振り回されてばかりの毎日だったが、何だかんだで居候を許している。 中学時代、所属していた野球部が全国大会で優勝したため、入学当初は期待のルーキーとして持て囃されていたが、本人は補欠だったためあまり嬉しくは思っていない。しかし、野球の実力は確かなようで、高校1年生の時点でレギュラーの座を獲得している。お隣同士となった江戸川美歩とは仲が良く、登下校を共にしている。若干チンピラじみたところがある。
江戸川 美歩 (えどがわ みほ)
筒井雪隆の隣部屋に同時期に越してきた女子高校生。雪隆とは同級生である。毎日10kmもの距離をジョギングしているアクティブな少女で、雪隆の周囲の変化をも敏感に察知して首を突っ込んでいく。研究者江戸川 蘭造の娘だが、父の研究内容に関しては詳しくは聞かされていない模様。しかし、研究所の情報を密かに調べ雪隆に教えている。 街中の監視カメラをいつの間にかチェックしていたりと、抜け目がない。
江戸川 蘭造 (えどがわ らんぞう)
江戸川 美歩の父。工学博士をしているが、詳しい研究内容に関しては娘の江戸川 美歩ですら知らない。テレビに解説役として出演する際は、いつも面倒臭そうに話すが、なにか隠し事がある時だけ真面目な顔をして話すという癖がある。その癖を知っていた美歩は、UFOの墜落事件に関して蘭造が何かしらの嘘をついていることを見破った。 研究者ではあるが堅物と言うよりはお調子者でノリが良く、バカ王子が研究所にやってきた時も、彼を監禁するどころか、かなり友好的に接していた様子が、バカ王子の日記から明らかになった。
夢野 九四郎 (ゆめの きゅうしろう)
YUMENOメンタルクリニックの院長を務める怪しい男。庵悟が板倉たち悪ガキ小学生5人に紹介した精神科医。受付の際に、案内板には表示されていない特別コース:Eコースを頼んだときだけ、宇宙人事件の専門探偵としての顔を見せる。探偵として命の保障をする見返りとして、板倉達に高額な調査費用を提示する。
クライブ
『レベルE』に登場する生物。バカ王子が所有している、擬態が可能な軟体生物。ジャクリンS星に生息しており、本当はペットとして飼うことは禁じられている。
クラフト
バカ王子の護衛隊隊長を務めるドグラ星人。宇宙全体のバランスを揺るがしかねないバカ王子の数々の奇行、悪戯に頭を悩ませており、バカ王子を護衛する立場でありながらも、王子がどこかに消えてしまえばいいと密かに思っている。バカ王子にはいいおもちゃとして扱われており、クラフトがより苦しむような悪戯が次々と実行されるため、彼の苦労は絶えることがない。 バカ王子の護衛歴は10年で、バカ王子の性格をもっとも理解しており、彼の行動パターンを「必ず最悪のケースの少し斜め上を行く」と語った。
ラファティ
ディスクン星人の1人。ディスクン星人特有の能力、擬似死を自由自在に扱える数少ない者のうちの1人。彼の周りで擬似死が使えるものは彼しかいない。見た目はヤンキーのようで、最初はそのように演技していたが、中身はいたって温厚で礼儀正しい好青年。バカ王子に殴られた時に前歯が折れてなくなってしまった。 野球界の期待のエースである雪隆を応援している。また、バカ王子やクラフトなどの一部のドグラ星の者たちとも仲が良い。
清水 良樹 (しみず よしき)
短髪黒髪の小学生。バカ王子によって原色戦隊カラーレンジャーの「青の戦士」に任命された。水の力を操る。小学生五人組の中心的存在で、リーダーの赤川 太陽よりもリーダーらしい。素直で単純な非常に子供らしい性格をしている。勝手な遊びに自分達を巻き込んだバカ王子を打倒しようと意気込む。
赤川 太陽 (あかがわ たいよう)
眼鏡をかけた小学生。バカ王子によって原色戦隊カラーレンジャーの「赤の戦士」に任命された。炎の力を操る。2つの塾に通っており、真面目で勉強ができるが、ヒーロー戦士に関することになるとテンションが異様に高くなる。カラーレンジャーのリーダーを務めている。
横田 国光 (よこた くにみつ)
老け顔の小学生。バカ王子によって原色戦隊カラーレンジャーの「黄の戦士」に任命された。光の力を操る。風体のわりには意外と常識人で、落ち着いた突っ込み役が多い。また、好きな女子を聞かれて恥ずかしがるといった一面もある。
百池 治 (ももち おさむ)
整った顔立ちの小学生。バカ王子によって原色戦隊カラーレンジャーの「白の戦士」に任命された。癒しの力を操る。幼いながらも60人以上の女子をまたにかけるプレイボーイで、一度会ったきりの女の子でも好きになってしまう。祖父が小学校の理事長をしているため、家庭は裕福。
黛 真夜 (まゆずみ まよ)
物静かなおかっぱ頭の小学生。バカ王子によって原色戦隊カラーレンジャーの「黒の戦士」に任命された。闇の力を操る。冷静沈着でよく本を読んでいる。あまり表情を変えず、クラスメイトであっても丁寧語で話す。持ち前の頭の良さで、困難な状況を打破する頼れるアイデアマン。
立花 (たちばな)
原色戦隊カラーレンジャー5人のクラスの担任の先生。長い黒髪を後ろに束ねている。普段は物腰の柔らかい優しい教師を演じているが、その正体は暗殺を生業とした宇宙人で、変装を解くと爬虫類のような異形の姿へと様変わりする。暗殺者とはいっても、悪役しか相手にしないタイプで、赤ん坊などはいくらお金を積まれても殺さない。 教師になるのが夢で地球へとやってきた。生徒への思いやりは強く、人望も厚い。
モハン=キ=エト・ドグラ
ドグラ星の第二王子であると共にバカ王子の弟。不真面目な兄と対照的な、一本気で実直な好青年。バカ王子よりも遥かに王に相応しい人材であるにもかかわらず、自分は王を補佐する役目であると信じて疑わない頑固者。バカ王子とルナをどうにかして結婚させようと尽力する。
ルナ=ミ=マド・マグラ
マグラ星の第一王女であるとともにバカ王子の許嫁。バカ王子の破天荒な性格にも関わらず、バカ王子と結婚することが至上の喜びであると信じて疑わない変わった価値観の持ち主。バカ王子が満20歳となる1か月前にバカ王子の弟モハンとともに地球を訪れ、バカ王子と結婚するための計画を実行する。 結婚を退けようとするバカ王子の一手二手先を読み王子を翻弄する。
サド
バカ王子の護衛隊隊員を務めるドグラ星人。護衛歴は5年。冷静沈着な性格で、生物学者でもあるため、異種族の知識も豊富。
集団・組織
ディスクン星人 (でぃすくんせいじん)
『レベルE』に登場する種族。山形県を統治区域とする異星人。好戦的な戦闘種族で、今までに何百もの他種族を滅ぼしてきた。気性の荒さで有名だが、野球をこよなく愛しており、野球が見れなくなることを恐れ、地球人には一切の手出しをしない。宿敵エラル星人との戦いの中でも決して地球人を巻き込んではいけないという取り決めまでしている。 実は筒井雪隆が住むマンションの管理人もディスクン星人だった。仲間意識は非常に強く、自分の身に危機が迫った時は、超音波を使って遠くの仲間と交信しする。以前は仮死状態になる擬似死という特殊能力を有していたが、現在その能力は退化し、扱える者は少ない。
コンウェル星人 (こんうぇるせいじん)
『レベルE』に登場する種族。人間のきぐるみを着ることによって地球人に化けているが、本来は異形の姿をしている。オスが排卵期のメスを食べることによって、体内で受精、産卵するという特殊な生態系のために、発情期になると女性を食べることで欲求を満たそうとする。
マクバク族 (まくばくぞく)
『レベルE』に登場する種族。性別は雌のみで、異星人の雄と交配することで繁殖していく。交配は女王が一度だけ行い、以後はその星に住み着くのみである。しかし、この交配を行った種族は数世代以内に必ず滅ぶと言われているため、ターゲットにされた種族は全力でこれを阻止しなければならない。
原色戦隊カラーレンジャー (げんしょくせんたいからーれんじゃー)
『レベルE』に登場するヒーロー戦隊。如月小学校の生徒5人が、バカ王子に誘拐され無理矢理改造させられたことによってできた不本意なヒーロー戦隊。専用の腕輪を付けた状態で○○(自分に当てられた色)チャージと叫ぶと声の大きさに応じた時間だけ、カラーレンジャーへと変身することができる。カラーレンジャーにはそれぞれレベルが設定されており、レベルが上昇すると「ぱらぱぱっぱっぱー」という音が鳴り、ステータスの上昇と新しいスキルを手に入れることができる。
場所
ドグラ星 (どぐらせい)
『レベルE』に登場する惑星。バカ王子はドグラ星の第一王子である。ドグラ星とマグラ星の間には支配従属的な関係性があり、マグラ同盟という結社がマグラ星の解放を目論んでいる。