概要・あらすじ
久誓院家の一人娘久誓院馨は、三年前に母親の久誓院節子を亡くし、父の久誓院芳朗と二人暮らしをしていた。一年前から家政婦佐帆淮子が家に通うようになり、芳朗と佐帆が親しく接するのを見て、馨はいらだつようになっていた。二人の再婚を疑った馨は、ある日芳朗を問いただそうと部屋のドアを開けるが、そこで佐帆の足に口づけする芳朗の姿を見てしまう。
登場人物・キャラクター
久誓院 馨 (くぜいん かおる)
久誓院家の一人娘で女子高生。気が強く、周囲の人に威圧感を抱かせてしまう性質の持ち主。三年前に母親を亡くし、父久誓院芳朗と二人で暮らしている。一年前から佐帆淮子が家政婦として家に通うようになり、芳朗と親しく接しているのを見ていらだっている。芳朗の奇行を「病気のようなもの」と思っており、高木との情事を隠し撮りされても、怒鳴りつけられるだけで済ませている。
久誓院 芳朗 (くぜいん よしろう)
久誓院馨の父親で、馨からは「パパ」と呼ばれている。馨の姿をハンディカメラで頻繁に撮影する、という奇行の持ち主。気の小さい性格だが、断りなく髪を短くした馨を殴りつけて叱責したことがある。健康そうに振舞っているが腎臓ガンに侵されており、余命わずかであることを馨に隠している。
佐帆 淮子
久誓院家に通う若い家政婦で、炊事などをしている。常に手足が隠れる長袖のアオザイを着ている。久誓院芳朗に対する好意をとくに隠そうとしていないが、そのことで久誓院馨からは嫌われている。実は訪問看護師だが、芳朗から頼まれて家政婦のふりをしている。
高木 (たかぎ)
久誓院馨の彼氏で、同じ学校に通っている。自称M。久誓院芳朗の口真似をしたり、馨と南波の関係を「同級生を精神支配している」と表現して馨をからかっているが、とくに仲が悪いわけではない。馨に髪を切るように勧める。
南波 (なんば)
久誓院馨の同級生女子。合唱部の部員。間違えて馨の席に座っていたことを馨本人から指摘され、驚いて腰を抜かしたことがある。それがきっかけで一時期いじめにあう。その後、馨とは仲良くなっていじめはなくなるが、馨には敬語で話す。家出した馨を家に泊めた。