概要・あらすじ
江戸末期。吉原遊廓の女郎とその客たちとの情の駆け引きを葛飾北斎や鈴木春信、山東京伝など、浮世絵風の絵柄で描いた作品で、四季にちなんだ「初音」「麻衣」「萩里」「雪野」の4作で描く。
登場人物・キャラクター
初音 (はつね)
吉原江戸町一丁目内にある遊廓の女郎。遊び慣れた叔父に連れられ、初めて吉原に来た商家の息子の相手をすることになる。初音はうぶで純朴な少年に困惑しつつ、一夜を過ごす。
麻衣 (あさぎぬ)
吉原角(すみ)町内にある遊廓の女郎。親に勘当され、揚げ代もろくに支払えなくなったと告白する遊び人の男と一夜を共にする麻衣。丸一年なじんだ客だが、そろそろ潮時かもと見限りながらも、寝顔を眺めてしまう。
萩里 (はぎさと)
吉原伏見町にある遊廓の女郎。客がつかない嵐の夜。とある職人が店(たな)に飛び込んでくる。親方を殺してきたと告白する男に、丁々発止で言い返す度胸の座った萩里。翌日、男の寝顔を見て狂言と見破り、職人に一目置かれる。
雪野 (ゆきの)
吉原京町一丁目にある遊廓の女郎。雪野のなじみの客、萬里(ばんり)は遊び上手。おもしろい話を聞かせるため、部屋に他の遊女が集まってきてしまい、なかなか二人きりになれない。雪野は自分に本気なら「起請(きしょう)」が欲しいと萬里にねだる。
その他キーワード
起請 (きしょう)
将来を約束した男女が神仏に誓ってその決意を書面にあらわしたもの。