僕のオリオン

僕のオリオン

大月冴門は周囲からは完璧な人間だと思われているが、実は人間関係を築くのが苦手というコンプレックスを抱いていた。冴門と同じく過去のトラウマから他人と一定の距離を置いてしまう亀平小紘が出会い、お互いに少しずつ惹かれ合っていく様子を描いた青春ラブストーリー。「YOU」2018年3月号から連載の作品。

正式名称
僕のオリオン
ふりがな
ぼくのおりおん
作者
ジャンル
青春
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あらすじ

第1巻

中学時代、美男子で目立つ存在の大月冴門は、三角関係のもつれからクラス内で孤立していた。そんな中、卒業式で亀平小紘は、冴門への思いや感謝の気持ちを綴った観察日記を冴門にプレゼントする。観察日記を読んだ冴門は大きな感銘を受け、失いかけていた自信を取り戻す。そして月日は経ち、冴門は高校2年生に進級すると、新1年生の中に小紘の姿を発見して話し掛ける。しかし、小紘はあくまで冴門のファンでいいと、必要以上に距離を縮めようとしない。また、冴門を追ってアメリカから日本にやって来た中澤エリカの出現もあり、小紘はますます冴門から離れていく。そんな中、冴門は小紘の叔父で教師の火賀から、小紘が友達を作りたがらない理由を告げられる。火賀からアドバイスを受けた冴門が小紘を尾行すると、猫俣という人物が家を度々訪問している事実が判明。そして小紘は冴門に対し、自身が小学校の頃に抱えた人間関係のトラブルを打ち明ける。

第2巻

猫俣は独占欲から、亀平小紘大月冴門と親しくなる事を許せないでいた。猫俣は自殺騒ぎを起こしたり、友達なんていずれ離れていくものだと、小紘のトラウマを呼び起こそうとしたりと、小紘の心に揺さぶりをかける。さらに猫俣は、冴門が本心では小紘を嫌っているという、もっともらしい噓を小紘に突きつける。それにより一時は冴門と友達になろうとしていた小紘だったが、すっかり気持ちが沈み込んでしまう。そんな中、小紘は小学校時代に自分から突然離れていった小森由麻から連絡を受け、謝罪を受ける。小紘は由麻が自分を嫌っていたのではなく、何者かに脅されていた事実を知る。本当の事は本人に直接聞くべきだと悟った小紘は、冴門に対して自分は迷惑ではないかと問うと、冴門はそんな事はないと、ふだんと変わらない笑顔を向けるのだった。こうして小紘は再び冴門と友達になる決意をするが、時を同じくして猫俣が二人の通う高校に転入して来る。そして猫俣は冴門や小紘、由麻に対して悪びれもせず、これまで小紘を独占しようと画策して来た事を語り出す。

登場人物・キャラクター

大月 冴門 (おおつき さもん)

その場にいるだけで周囲の注目を集める美男子。成績優秀で、スポーツ万能と非の打ちようのないパーフェクトな人物。一方でつねに周囲の顔色をうかがって生きているために、自分自身に自信が持てずにいる。中学時代に大月冴門自身に好意を寄せる舞原、舞原に片思いをしている人気者の渦見の三角関係によるトラブルに巻き込まれ、周囲から人が去っていった過去を持つ。その事から、高校生になってからはトラブルになりそうな女性を寄せ付けないように自衛するだけでなく、男友達とも一線を引くようになる。中学時代に1歳年下の亀平小紘と知り合い、卒業式当日に小紘が自分について綴った観察日記をプレゼントされ、失いかけていた自信を取り戻す。以降、小紘とは接する機会はなかったものの、小紘が自分を慕って同じ高校に入学して来た事をきっかけに再会。小紘と親しくなりたいと思っているが、小紘からは、ファンでいたいと断られている。両親が有名芸能人である事から、幼い頃に一時期子役として芸能活動をしていた。

亀平 小紘 (かめひら こいと)

大月冴門より1歳年下の女子。地味で目立たない容姿で、掃除など嫌な事を周囲から押し付けられる事も多い。しかしどんな時でも笑顔を忘れず、与えられた事に全力で取り組んでいる。実家は花屋を経営しており、大雨の際に冴門が偶然軒先で雨宿りをした事で会話を交わすようになる。中学に入学した当初から冴門のファンで、高校も冴門を追って同じ学校に進学している。中学の卒業式当日に、これまでの冴門に対する思いや感謝の気持ちを綴った観察日記をプレゼントし、冴門を感動させた。一方で冴門と恋人関係になりたいという気持ちはまったくなく、あくまでファンといった立場を崩さない。小学生時代に周囲から突然無視をされた経験から、亀平小紘自身の友達は猫俣一人だけでいいと言う思いがあり、周囲と積極的にかかわろうとしない。

中澤 エリカ (なかざわ えりか)

大月冴門の1歳年下の女子。亀平小紘とは同学年で、高校に入学してからクラスメイトになる。小学校から高校に入学するまではアメリカで暮らしていた帰国子女。周りの目はいっさい気にせず、自分の意志をはっきり主張できる。筋肉質な男性よりも華奢でスリムな男性がタイプ。SNSに投稿されていた冴門の写真に一目ぼれをし、単身日本にやって来たという行動力にあふれる人物。冴門の彼女になりたいという思いから追いかけているうちに、小紘とも親しくなる。

東雲 (しののめ)

大月冴門と同じ高校に通う男子。冴門の事を気に入っており、学校内では共に行動する事が多い。ノリのいい適当な性格で、コミュニケーション能力が非常に高い。亀平小紘、中澤エリカともすぐに打ち解けている。冴門に対しては人付き合いに関するアドバイスをする事が多い。

火賀 (かが)

大月冴門達の通う高校の男性教師。亀平小紘の叔父。小紘の事をかわいがっており、彼女と親しくしてくれる冴門に感謝している。小紘が小学生時代に、周囲から突然無視をされた過去も知っている。

猫俣 (ねこまた)

小学校時代、亀平小紘と同じクラスだった男子。小紘からは「猫さん」と呼ばれている。小学生以降は、独学で勉強をすれば十分だと学校には通っておらず、のちにインターネット関連の会社を立ち上げた。その後、小紘を監視するため、大月冴門と同じ高校に入学した。小紘を唯一の友達だと執着しており、小紘がほかに親しい人物を作る事を許さない。小紘の行動を監視するためにGPS装置を仕掛けるなど、過激な行動を繰り返す。小紘が小学校時代に周囲から突然無視をされて孤立した事件も、猫俣が小紘を一人占めするために画策したもの。極度の偏食家でツナサンドしか食べる事ができない。

小森 由麻 (こもり ゆま)

小学校時代、亀平小紘と同じクラスだった女子。クラスで孤立していた小紘に声を掛けて友達になる。しかし、小紘を独占したい猫俣の妨害に遭って、不本意ながら小紘を避けるようになってしまう。以降、ずっと小紘に謝罪をしていたいと考えており、高校生になってからやっとその機会を得た事で再会を果たす。現在は高校に通う傍ら人気アイドルとして活動しており、愛称は「ゆんゆん」。幼い頃、当時子役をしていた大月冴門に、小森由麻自身が出演するはずだったCMの枠を取られた過去があり、冴門にいい印象を抱いていない。

渦見 (うずみ)

大月冴門と同じ中学校出身の男子。冴門のクラスメイトで、サッカー部の主将を務めている。明るい性格もあって周囲からの人気者。舞原に片思いをしている。舞原が冴門に好意を寄せている事は理解しつつも、あきらめきれずにいる。休日に舞原に噓をつかれて呼び出された冴門が、隠れてデートをしていると勘違いし、裏切り者だと断じて、冴門を仲間外れにする。中学校卒業まで和解する事なく違う高校に進学し、以降は冴門と会っていない。

舞原 (まいばら)

大月冴門と同じ中学校出身の女子。冴門のクラスメイト。学年No.1のかわいらしさを誇るが、鈍感で空気の読めない性格をしている。舞原自身は渦見に好意を寄せられている事に気づいておらず、渦見の目の前で冴門にアプローチを続けていた。休日に噓をついて冴門を呼び出し、二人きりでいた場面を渦見と近しい人達に目撃され、デートだと誤解されてしまう。以降、冴門が同級生達から仲間外れにされるようになってからは、かかわり合いを持たないまま、中学校を卒業する。

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