児玉まりあ文学集成

児玉まりあ文学集成

文学部部長で完全無欠な文学少女の児玉まりあと、文学部入部希望者である少年の笛田の二人が織り成す、特殊で濃密な日常を文学的かつポップに描いた作品。「トーチweb」で2018年4月から配信の作品。

正式名称
児玉まりあ文学集成
ふりがな
こだままりあぶんがくしゅうせい
作者
ジャンル
部活動
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あらすじ

文学部に入部を希望する笛田は、文学部部長である児玉まりあから入部許可を得るため、毎日のように文学部部室へと通いつめていた。そんなある日、笛田はまりあの提案で文学の基本である「例え」の練習をすることになった。まりあによる文学的な比喩のレッスンを存分に受けた笛田は、入部試験としてまりあを何かに例えることを要求される。笛田は少しだけ逡巡(しゅんじゅん)してから、「児玉さんは天使のようにカワイイ」と答えるのだった。

登場人物・キャラクター

児玉 まりあ

文学部の部長を務めている女子高校生。腰まで伸ばした美しいストレートヘアで、聡明で詩的なしゃべり方をする完全無欠な美少女。ちなみにこの外見はあくまで笛田が持つ、外界を自分の理想の姿に変えて見ることができる能力を通してのもので、実際は美少女だがショートカットである。笛田の持つ能力にあこがれており、笛田の理想どおりの女性を演じたうえで、笛田のことを盲目の大文学者として育てようとしている。約50万もの語彙を持つと自称する大変な読書家。文学部唯一の部員で、日々入部志望者である笛田の訪問を受けているが、入部許可をなかなか出さず、笛田の要求をのらりくらりとかわしながら、彼との交流を楽しんでいる。語彙が豊富なためにしりとりが異様に強く、笛田としりとり合戦を始めた際は、1か月にわたって難解な言葉を繰り出し続けた。新しい記号を100個作り出し、それを笛田に試して反応をうかがうなど、発想も非常にユニーク。哲学的な言動と、ふわふわした雰囲気が同居したとらえどころがない性格をしているが、笛田に容姿を褒められると一瞬思考停止してしまうなど、年相応のかわいらしい一面も併せ持つ。

笛田

とある高校に通っている男子高校生。ごく平凡な容姿で、つねにぼんやりしており、あまり感情を表に出さない淡泊な性格の持ち主。文学部部長である児玉まりあを尊敬しており、まりあから文学部に入る許可を得るために、日々文学部に通いつめている。面倒くさがり屋で、学校に来ているのも、まりあに会いたいがため。まりあの知的さと美しい容姿に惹かれているため、彼女との交流を笛田なりに楽しんでいる。目が非常に悪く、眼鏡がないと教科書が読めない。また、人の顔もぼんやりとしか見えないが、面倒がって眼鏡を掛けることはない。目がよく見えない代わりに、周囲を自分の理想像どおりに「訂正」して見る特殊な能力を会得している。まりあのことも本来の容姿ではなく、長髪の美少女に「訂正」して見ており、そのうえで理想上の女性であるまりあに振り回されることを楽しんでいる。のちに試験を突破し、文学部への入部を果たす。笛田本人は自分の能力を自覚していない。橋本からは「フエッタ」「フエータ」と呼ばれている。

杉原

コンピューター研究会に所属している女子高校生。文学部のとなりの部室で活動しており、児玉まりあとは友人同士。電源を借りるため、たまに文学部の部室を訪問している。文学はあくまで作り話で、「学問」ではないとの考えの持ち主。そのせいでまりあと衝突するが、まりあの指示を受けた笛田に文学的な表現で思い切り褒められたことで気恥ずかしくなり、文学部部室から逃走してしまう。まりあと笛田の仲がいいことを知っており、さっさと結婚しろとまりあ本人に告げている。

井上

とある高校に通っている女子高校生。声が小さく、寡黙で存在感の薄い読書好きの文学少女。コミュニケーション能力に難があり、そのせいで学校では孤立している。クラスや喫茶店で人の会話に聞き耳を立てては、印象的な言葉をノートに書き留めている。自分の声が他人に聞こえないと思い込み、長らく自分だけの世界に閉じこもっていたが、児玉まりあの指示を受けた笛田に話し掛けられたことで、自分の言葉が他人に通じていると知る。

吉田

とある高校に通っている女子高校生。小学生のような小柄な体型の少女。語尾に「ぞい」を付けてしゃべるのが特徴。アニメのまねをして語尾に「ぞい」を付けていたら、それが口癖になって直らなくなり、気性が激しくわがままな性格の問題児になってしまった。そのため、文学的な力を買われた児玉まりあが、彼女の口癖を笛田に移したことで元の性格へと戻る。

橋本

とある高校に通っている女子高校生。やや幼い容姿をした少女。優しく陽気で、疑うことを知らない純粋な性格をしている。一方で成績が悪く、よく補習を受けている。児玉まりあと笛田がカップルであると思っていたが、笛田から否定される。カンが鋭く、まりあが笛田に面白い話をしていると、直感的にそのことを察している。笛田のことは「フエッタ」「フエータ」と呼んでいる。

えり

笛田の妹で、ごくふつうの少女。笛田といっしょに暮らしているものの、つい最近まで笛田にはその存在をいっさい認識されていなかった。疑問に思った笛田がまりあに相談したところ、えりは文学部に所属したことでものの見方が変化した笛田が、この世界に創り出した存在であると告げられる。

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