八十亀ちゃんかんさつにっき

八十亀ちゃんかんさつにっき

安藤正基の初連載作品にして代表作。もともとは作者がSNSに投稿していた作品で、人気を博したことから誌面での連載が決定した。家庭の事情により名古屋に引っ越した東京都出身の男子高校生の陣界斗と、転校先で出会った名古屋弁を話す女子、八十亀最中との日常を描いた物語。転校後、界斗は名古屋の「地域性」に期待していたが、実際の日常は東京にいた頃とほとんど変わらず、退屈な生活を送っていた。そんなある日、界斗は名古屋に強い愛着を持つ最中と知り合う。そして、彼女をはじめとした地元愛が強すぎる生徒たちとの交流を通じて、名古屋の実情に触れていく。作中には、岐阜県出身の只草舞衣、三重県出身の笹津やん菜といった名古屋以外の東海地方出身の生徒たちも登場し、それぞれの地域性を反映したキャラクターとして描かれている。本作は、名古屋をはじめとする東海地方の文化や方言をテーマにしたご当地4コマコメディ。単なる地域賛美に留まらず、愛情を込めた自虐ネタも特徴で、地域のいい面だけでなく問題点も含めて描写されている。物語は、複数の4コマ漫画で一つのエピソードを構成する1話完結型となっている。各4コマ漫画には「やとがMEMO」と題する編集者による解説が付されており、作中に登場する名古屋の文化や習俗に関する詳細な説明がなされている。一迅社「月刊ComicREX」2016年7月号から2022年11月号まで連載。2020年に「#でらコミ!」第3位を獲得。4期にわたりテレビアニメ化され。第1期が2019年4月から、第2期が2020年1月から、第3期が2021年1月から、第4期が2022年4月から放送された。

正式名称
八十亀ちゃんかんさつにっき
ふりがな
やとがめちゃんかんさつにっき
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
 
部活動
レーベル
REXコミックス(一迅社) / IDコミックス(一迅社)
関連商品
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作品の概要

基本情報

安藤正基の初連載作品にして代表作。もともとは作者がSNSに投稿していた作品で、人気を博したことから誌面での連載が決定した。

要旨と舞台設定

家庭の事情により名古屋に引っ越した東京都出身の男子高校生の界斗と、転校先で出会った名古屋弁を話す女子、最中との日常を描いた物語。現代の名古屋市を舞台に、名古屋の方言や地域文化、県民性をテーマとしたご当地ネタが展開される。

ストーリー展開

転校後、界斗は名古屋の「地域性」に期待していたが、実際の日常は東京にいた頃とほとんど変わらず、退屈な生活を送っていた。そんなある日、界斗は名古屋に強い愛着を持つ最中と知り合う。そして、彼女をはじめとした地元愛が強すぎる生徒たちとの交流を通じて、名古屋の実情に触れることになる。一方、最中は東京を敵視しており、界斗との関係は当初ぎくしゃくしていたが、交流を深めるうちに距離を縮めていく。作中には、岐阜県出身の舞衣、三重県出身のやん菜といった名古屋以外の東海地方出身の生徒たちも登場し、それぞれの地域性を反映したキャラクターとして描かれている。

ジャンル的特徴と位置づけ

本作は、名古屋をはじめとする東海地方の文化や方言をテーマにしたご当地4コマコメディ。単なる地域賛美に留まらず、愛情を込めた自虐ネタも特徴で、地域のいい面だけでなく問題点も含めて描写されている。

作品固有の表現技法と特徴

物語は、複数の4コマ漫画で一つのエピソードを構成する1話完結型となっている。各4コマ漫画には「やとがMEMO」と題する編集者による解説が付されており、作中に登場する名古屋の文化や習俗に関する詳細な説明がなされている。実在する建物や商品が実名で登場する点も特徴的で、現実の名古屋との関連性が強く、地元企業とのコラボレーション企画も頻繁に行われている。

世界観の構築と設定

本作の世界観は、現代の名古屋市内を中心とする現実世界とほぼ同様のものとなっている。名古屋弁をはじめとした地域特有の方言が重要な要素となっており、登場人物の出身地によって異なる方言や県民性が描き分けられている。高校という日常的な舞台を基盤としながら、愛知県を中心とした東海地方の地域文化が物語世界の基本設定を形成している。

社会的影響

2017年2月27日、本作の登場キャラクターである八十亀最中が、名古屋市より、名古屋の魅力を発信する「名古屋観光文化交流特命大使」に任命された。

連載状況

一迅社「月刊ComicREX」2016年7月号から2022年11月号まで連載。

受賞歴

2020年「#でらコミ!」第3位。

メディアミックス情報

テレビアニメ

第1期『八十亀ちゃんかんさつにっき』:2019年4月から2019年6月までテレビ愛知、TOKYO MXほかにて放送。総監督兼音響監督をひらさわひさよし、陣界斗を市来光弘、八十亀最中を戸松遥、只草舞衣を若井友希、笹津やん菜を小松未可子がそれぞれ演じている。

第2期『八十亀ちゃんかんさつにっき 2さつめ』:2020年1月から2020年3月まで放送。

第3期『八十亀ちゃんかんさつにっき 3さつめ』:2021年1月から2021年3月まで放送。

第4期『八十亀ちゃんかんさつにっき 4さつめ』:2022年4月から2022年6月まで放送。

あらすじ

東京都出身の高校生の陣界斗は、家庭の事情で名古屋に引っ越す事になった。もともと何不自由ない東京での日常は同じ事の繰り返しで、退屈ささえ感じていたために、界斗は新天地の名古屋に対して、ささやかな期待と希望を持っていた。しかしそれは、界斗にねじ曲がった名古屋の知識を植え付ける事になり、実際に名古屋での生活を始めた界斗は、一見東京と変わりない日常に、がっかりするのだった。そんな中、界斗は帰宅途中の公園で、同じ学校の制服を着た1年生の八十亀最中に出会う。彼女は今では珍しいほどの名古屋訛りで話す生粋の名古屋っ子だった。まるで名古屋を体現するかのような少女の存在に、興味津々の界斗は彼女となかよくなろうとするものの、東京を異常なほど敵視する最中のガードは固く、思ったようにその距離は縮まらない。界斗は最中を観察し、最中と共に過ごすうちに等身大の名古屋を知り、その魅力に取りつかれていく。

登場人物・キャラクター

陣 界斗 (じん かいと)

高校2年生の男子で、陣繁華の兄。家庭の都合で東京から名古屋に引っ越し、八十亀最中の通う学校に転校してきた。名古屋に関して、かなり偏りのある誇張された知識を持っており、その知識の中にはまちがったものもある。なお、その偏見は独自の方言や食文化を持つ名古屋に対する敬意と、名古屋を知らない陣界斗自身が、東京との違いに期待を寄せるがゆえのものでもある。東京では進学校に通っており、陸上部に所属していたが、日々の学校生活は退屈なものだった。名古屋では、謎の圧力によって写真部に強制入部させられ、最中や笹津やん菜、只草舞衣らと知り合う。彼女たちと親しくなるにつれ、等身大の名古屋を知り、名古屋の魅力にハマっていく。感情が顔に現れやすく、わかりやすいタイプ。また、頭で考えてから口に出すにもかかわらず、なぜか相手の心をえぐるようなデリカシーのない発言が多いという、筋金入りの無神経さを持つ。定期テストでは学年2位という結果を出した秀才。東京を敵視する最中からは「トーキョー」と呼ばれ、名古屋の常識が通用しないと揶揄(やゆ)されている。猫好きで、あんこが苦手。

八十亀 最中 (やとがめ もなか)

陣界斗と同じ高校に通う1年生の女子。名古屋在住。学校帰りに公園で落とした生徒手帳を拾ってもらった事がきっかけで、界斗と知り合った。祖母のばっちゃの影響を大きく受けて育った事もあり、おばあちゃん子で、今では珍しいほどの名古屋訛りで話す。ある意味で界斗が思い描いている誇張された名古屋を、全力で体現している名古屋の申し子ともいえる。名古屋に対して誰よりも大きな愛情を持つ反面、東京に対して強い対抗意識を持っている。そのため、何かと名古屋の常識が通用しない界斗を、「トーキョー」と呼んで揶揄(やゆ)し、敵視している。猫耳のようなショートヘアに、しゃちほこ付きのカチューシャが特徴。登校前に必ず喫茶店「コメダ珈琲」で新聞を読みながらモーニングを食べるのが習慣となっており、割安でコーヒーが頼める「コーヒーチケット」を利用している。学校では写真部に所属しており、部長の笹津やん菜、クラスメートの只草舞衣と共になかよく和気あいあいと活動中。マイカメラはリサイクルショップ「コメ兵」で購入したコンパクトなデジタルカメラで、主に名古屋特有の食べ物を撮影するのが好き。勝ち気な性格で、扱いが難しいところがあるが、名古屋の事を褒められるとデレる、特殊なツンデレ体質。

只草 舞衣 (ただくさ まい)

陣界斗と同じ高校に通う1年生の女子。岐阜県在住。岐阜への地元愛は控えめだが、好きなものには猪突猛進タイプ。方言はあまり使う事がないが、たまに使ってもそれが通じず、指摘されるとすぐに訂正する。ストレートのロングヘアで、猫耳のような特徴的な頭巾をかぶっている。学校では写真部に所属しており、兄のお下がりながら、30万円くらいする本格的な一眼レフカメラを使用している。クラスメートにして同じ写真部にも所属する八十亀最中が大好きで、彼女を撮影するのも大好き。しかし自分が最中を撮影すると、彼女のマイナスな部分が引き出せない事に悩み、東京嫌いの最中を狼狽させる材料になると考えて、界斗を写真部に入部させるように働きかけた。ご当地アイドルや美少女フィギュア、メイドカフェなど、自分にないものを持ったキラキラした存在にあこがれを抱いており、只草舞衣本人は認めないがかなり重度のオタク。表立ってはおとなしく、引っ込み思案な性格。幼い頃から好きなものを好きと言えなかったが、愛知万博で最中と出会った事が、少しだけ勇気を出せるきっかけになった。写真部の部長を務める笹津やん菜とも仲がよく、部活内では和気あいあいと活動している。

笹津 やん菜 (ささつ やんな)

陣界斗と同じ高校に通う2年生の女子。三重県在住。頭頂部にある伊勢海老の触角のようなツインテールが特徴で、学校では写真部の部長を務めている。部活では、八十亀最中、只草舞衣と共に和気あいあいと活動しており、新たに界斗が入部する事にはあまり乗り気ではなかった。しかし部員が増えれば、部費が増えると助言した舞衣の言葉に、態度を一転させて界斗の入部を歓迎した。多少の三重訛りはあるが、関西弁に近く、言葉の中に「〜やん」が入る事が多い。移り気な性格で、必要以上にテンションを上げ過ぎると、スイッチが切れて眠ってしまうという特殊な癖がある。一見尖った印象を与えるが、基本的には素直な正直者で、意外にも心配性で寂しがりやなところがある。界斗とはクラスメートだが、朝が弱いのも手伝って滅多に授業には出席しない。そのため、たまに授業に出席すると、クラスメートからは珍しい者扱いを受ける。それにもかかわらず、定期テストでは学年12位という結果を出している。

陣 繁華 (じん としか)

陣界斗の妹で、兄と同じ高校に通う1年生。家庭の都合で東京から名古屋に引っ越し、八十亀最中の通う学校に転校してきた。心配性な性格で、名古屋での生活になかなかなじめずにいる。そのうえかなりのビビり体質で、家族が部屋に入るときでも、小ノック、中ノック、大ノックの順に扉を叩いてから入る事をお願いしているほど。最中と只草舞衣とはクラスメート。特に目つきの悪い最中に苦手意識を持っており、最中の一挙手一投足に怯えては振り回されている。小心者ゆえに、まともに名前すら聞く事ができず、最中の名字である「八十亀」を「はちじゅっかめ」とカンちがいして心の中で呼んでいる。兄といっしょに訪れた名古屋城で、戦国武将の姿で来場者をもてなす「おもてなし武将隊」にはまり、ファンになってしまう。

一天前 紫春 (いてまえ しはる)

八十亀最中のいとこの女子中学生。年齢は14歳で、大阪府出身。地元愛がかなり強く、地元以外の事をあまりよく知ろうともしないところがある。そのため、岐阜在住の只草舞衣に岐阜県の場所を知らないと言ったり、三重弁を話す笹津やん菜に対して、エセ関西弁だと言い放つなど、悪気がないながらも相手を傷つける事が少なくない。かなり勝気でわがままな性格をしている。つねに自分のペースで事が運ばなければ気が済まないタイプで、思った事をすぐ口にしてしまう。名古屋には特に強い偏見を持っており、発言の端々に悪意を感じるほどで、最中は彼女を苦手としている。実家は剣道の道場を開いている。友人の輿安七帆とは仲がよく、ダメなところを嗜められながらも、いつもいっしょに行動している。

輿安 七帆 (こしやす ななほ)

中学3年生の女子生徒。一天前紫春の友達。京都府出身。地元愛が強く、東京を敵視している。常識人のように振る舞っており、よく考えずにすぐ口に出す紫春に、唯一ガツンと意見が言える貴重な存在。一方で輿安七帆自身は、回りくどい形で本音を漏らすため、予期せず人を激しく傷つける事がある厄介な人物である。

ばっちゃ

八十亀最中の祖母。最中の名古屋訛りに多大な影響を与えた。最中が頭に着けているしゃちほこ付きのカチューシャは、ばっちゃが手作りした物である。最中を非常にかわいがっており、最中が幼い頃はよくいっしょに名古屋城を訪れたため、名古屋城は二人にとって思い出深い場所となっている。最中や周囲の人たちがいわくありげな語り方をするため、まるで故人のような印象を与える事が多いが、現在も元気でいる。

初内 ララ (しょない らら)

陣界斗の通う高校で、写真部の顧問を務める女性教師。静岡県出身で、かなり強い静岡訛りで話す。花模様の帽子をかぶり、茶摘み娘のような恰好をしている。ふんわりのんびりした印象で、歩く速度も極端に遅い。地元愛は強いが、本来東海地方であるはずの静岡県が、愛知県や岐阜県、三重県とは別にされ、東海地方として扱われないという不遇を嘆き、すぐ卑屈になる。静岡県民でありながら、富士山には車を使って五合目までしか登った事がない。なぜか部室のロッカーに潜んでいる事が多い。

土辺 世瑠蘭 (どべ せるら)

一宮出身の女子中学生で、年齢は14歳。わがままなお嬢様然としており、つねに使用人の男性を連れて歩き、頭に大きなリボンを付けている。東京に対して過度なあこがれを抱く一方で名古屋を異様に嫌っており、一刻も早く名古屋を離れたいと考えている。高校受験に伴い、東京の学校を受験したかったが、両親から反対されたため、陣界斗の通う高校の体験入学に参加した。真夏の暑さにやられ、涼しさにつられて写真部の部室に入った時、八十亀最中と知り合い、互いに誤解したまま仲間意識を持つ事になる。進化を意味する「エヴォリューション」から作った造語「エヴォい」と、その反対の意味の「のんエヴォ」が口癖。もともとは界斗を冷たくあしらっていたが、彼が東京出身と知るや否や、態度を180度翻す。

書誌情報

八十亀ちゃんかんさつにっき 全13巻 一迅社〈REXコミックス〉

第1巻

(2016-11-26発行、978-4758066327)

第13巻

(2022-12-27発行、978-4758083911)

八十亀ちゃんかんさつにっき 12巻 一迅社〈IDコミックス〉

第2巻

(2017-06-01発行、978-4758066624)

第3巻

(2017-12-01発行、978-4758066969)

第4巻

(2018-06-01発行、978-4758067324)

第4巻

(2018-06-01発行、978-4758067331)

第5巻

(2018-12-01発行、978-4758067720)

第5巻

(2018-12-01発行、978-4758067737)

第6巻

(2019-06-01発行、978-4758068055)

第6巻

(2019-06-01発行、978-4758068062)

第7巻

(2019-12-01発行、978-4758068277)

第7巻

(2019-12-01発行、978-4758068260)

第8巻

(2020-04-01発行、978-4758068536)

第8巻

(2020-04-01発行、978-4758068543)

第9巻

(2020-11-01発行、978-4758068888)

第9巻

(2020-11-01発行、978-4758068895)

第10巻

(2021-06-01発行、978-4758069090)

第10巻

(2021-06-01発行、978-4758069106)

第11巻

(2021-12-01発行、978-4758069489)

第12巻

(2022-05-01発行、978-4758069755)

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