あらすじ
第1巻
夫、八雲を亡くし、一人暮らしをしている未亡人の八雲柊子は、ひょんなことから隣室に住む高校生、大和翔平の晩ご飯を用意するようになる。今日は大和が高校の名門野球部に入って初めての試合の日。柊子は初勝利のお祝いにと、御馳走を用意して待っていた。今晩のメニューは特大ハンバーグ目玉焼きのせ2個。あっという間にご飯を平らげ、おかわりの言葉を発する大和の姿に、柊子はひっそりと幸せをかみしめる。(第1膳「八雲さんは餌付けをしたい。」)
大和は野球部の監督から、「一晩で8杯のご飯を食べるように」と指示を受ける。もともと大和が満足する量のご飯を用意できていなかった柊子は、自宅にある3合炊きの小さい炊飯器を、大きめの炊飯器に買い替える決意をする。家電量販店へと足を運んだ柊子は、店員に勧められるまま、6.5合炊きの最新型炊飯器を購入。柊子は、今までとは段違いに美味しく炊けたピカピカの炊き立てご飯を用意し、満足げに大和にご飯の味の感想を聞くが、帰ってきた答えは「いつも通りでうまい」という拍子抜けなもの。柊子はその様子にがっかりするが、大和の答えにはある理由が隠されていた。(第2膳「八雲さん、炊飯器を買う」)
大和は、高校の名門野球部に入部してからというもの、朝日と共に起床し、学校へと向かう日々を送っていた。そんなハードな生活を送っている大和を、もっとフォローしてあげたいと思いつつ、食事以上のことにはかかわらない努力をしてきた柊子は、ある日、思い立って大和の通う桐聖学院のグラウンドを見に行く。そこでは、監督から容赦ない罵声を浴びせられ、予想以上に厳しい練習に耐える大和の姿があった。そんな大和を元気づけてあげたいと、柊子は自宅へ戻り、特製特大オムライスを用意して、大和の帰りを待つのだった。(第3膳「大和翔平の日常」)
大和が野球の大会を間近に控え、寮に泊まり込むようになったため、柊子はその日は晩ご飯の用意をする必要がなくなった。それならばと、自分のお昼ご飯はカップ焼きそばで済ませ、買い物も必要ないと、とたんに気の抜けたようになってしまう。お散歩ついでに、図書館で野球のルールを学ぶための本を借り、空いた時間を久しぶりにぼんやりと過ごす。(第4膳「八雲柊子の日常」)
友達のドタキャンで花見ができなくなったからと、大量の花見弁当を持って桐聖学院の前に現れた柊子は、練習上がりの大和と合流して、満開の桜の木の下で、夜桜を見ながら弁当を食べる。いつもに増して豪華なおかず満載のお弁当を食べる大和に、ここが以前夫とよく来ていた桜の名所だったと、柊子はぽつりぽつり語りだす。(第5膳「お花見の夜」)
大和の幼なじみ、西原ルイは、ずっと大和に想いを寄せているが、今日も何度目かの告白をあっさり断られていた。幼い頃から野球と共に生きてきた野球狂のルイは、大和が将来大型ルーキーとしてプロ入りするまで育てて見せると、かなりの妄想を含んだ情熱(大部分が妄想)を大和に対して燃やしていた。そんなある日、「大和が隣のお姉さんの家に毎晩通っている」という不穏な噂を耳にしたルイは、真実を確かめるため、大和の部屋がある「つばめ荘」に赴き、隣室に住む柊子のもとを訪れる。(第6膳「暴走JKルイ登場」)
柊子は、夫の墓参りに行った帰り、久しぶりに親友の伊南川由梨と待ち合わせし、ランチをしながら近況報告をし合う。ランチのメニューは、由梨おすすめの「豚の角煮と博多明太子の石焼きご飯」。久しぶりの外食を堪能した帰り、以前から大和に豚の角煮を作ってあげたかった柊子は、意を決し食材を購入し、自宅で調理を始める。出来上がった角煮を口にした大和は、いつものように豪快な食べっぷりを見せず、なぜか残してもいいかと言葉を発する。(第7膳「移ろいゆくモノ」)
第2巻
今日も腹ペコの男子高校生、大和翔平のためにキッチンに立つ八雲柊子は、夕飯のおかずの八宝菜を作っていた。そろそろ帰宅するだろうと、小さなお盆にいくつかのおかずを乗せてテーブルに運ぼうとした時、うっかりお皿をひっくり返して落としてしまう。帰宅した大和に、晩ご飯のおかずがなくなってしまったと告げると、大和はツナ缶をおかずにご飯ををモリモリと食べ始める。(第8膳「至高のおかず」)
今日の晩ご飯にと、柊子は豚コマカレーを作り、夕飯に備えていた。帰宅した大和を迎え入れると、彼の左目が青く腫れてしまっていることに気づく。大和は野球の練習中に硬球が当たったと説明し、大したことではないと柊子に話して聞かせた。柊子は大和の話から、どんなスポーツにも危険はつきものであると改めて知る。自分の怪我に対して柊子が予想以上に動揺していると気づいた大和は、普段は明るい柊子が、若くして夫、八雲を亡くしたことを再認識する。(第9膳「俺ができる事」)
大和の食事の世話を早々に終え、お風呂を済ませたばかりの柊子は、部屋の壁にゴキブリを発見。キャミソール姿のまま大慌てで大和に助けを求める。大和は柊子のあられもない姿に動揺しながらも、大したことではないとばかりに、あっさりとゴキブリを退治。実家でも同様にゴキブリ退治に尽力してきたと話し、うるさい妹、大和さくらの存在を明かす。(第10膳「恐怖のG」)
高校野球の春季大会に出場する大和の応援のため、柊子は初めて野球場を訪れる。予想以上の盛り上がりに、どうしていいかわからず、右往左往していた柊子に声をかけたのは、客席で熱心に応援していた西原ルイだった。ルイと共に野球観戦を楽しんでいる柊子の姿を見つけた大和は、見に来てくれたことにささやかな喜びを感じつつ、試合に臨むのだった。(第11膳「野球場へ行こう」)
柊子は、高校野球の春季大会で勝利をおさめたお祝いに、大和に手巻きずしを用意しようと決める。さまざまな材料を買い出すためにスーパーを訪れた柊子は、久しぶりの大掛かりな買い物にテンションが上がりっぱなし。帰宅した大和は、生まれて初めての手巻きずしに若干苦戦しながらも、おにぎりのように大きく巻いた巻きずしを、すっかり平らげるのだった。(第12膳「八雲さんのご褒美ご飯」)
学校のテストを間近に控え、勉強を始めた大和。テストの点数が悪いのは部活のせいだと言われないようにと、人並みに努力はするものの、どうしても英語だけはついていけなかった。それを見かねた柊子は、自分が勉強を見てあげようかと提案。勉強中にすぐに寝てしまうので悩んでいた大和のために、スーツ姿の教師モードで、英語の勉強にとりかかろうとする。しかし艶っぽく色っぽいその姿が、かえって大和の集中力をそぐ結果となる。(第13膳「レッツ エンジョイ イングリッシュ!」)
風邪をひき、久しぶりに熱を出した柊子は、大和の食事の支度を断って、すっかり寝込んでしまっていた。部屋にたった一人で、薬を切らし、冷蔵庫も空っぽの状況に、なんだか心寂しさを感じていた。そんな柊子を心配し、夜遅く大和が見舞いに訪れる。風邪薬と飲み物、レトルトのおかゆまで持参して来てくれた大和に、柊子は、甘えモードになってしまう。(第14膳「大和の恩返し」)
第3巻
小学校4年生の大和さくらは、1週間連絡が取れていない兄、大和翔平を心配し、電車で1時間半かかる道のりをものともせずに、たった一人で「つばめ荘」を訪れた。大和の不在を確認し、部屋の前で待っていると、隣に住む八雲柊子が帰宅する。翔平にそっくりな顔だちを見て、すぐに彼女が妹であると察した柊子は、さくらを自室に招き入れ、大和が帰宅するまでいっしょに晩ご飯の準備をしながら待つよう提案。今日のメニューのハンバーグを、さくらといっしょに作ることになる。(第15膳「大和さくらも餌づけがしたい」)
ある日、柊子宛てに宅配便で荷物が届いた。それは、日頃の感謝のしるしとして、大和の母親が送ってきたお礼の品物だった。帰宅した大和と共に中を確認してみると、そこには桐の箱に入った超高級霜降りステーキ肉があった。あまりの神々しさに、柊子はその肉を「お殿様」と命名。めったに出会わない「高貴な方」を、失敗なくおいしいステーキにするために、四苦八苦する。(第16膳「お殿様がやってきた!?」)
最近になって、部活で特に厳しいしごきを受けるようになった大和は、部活が終わると部室で眠り込んでしまうほど疲弊していた。先輩は、その異常なしごきの理由を「大和が監督のお気に入りになった証」だと語る。例年必ず一人はいるという「お気に入り」は、優秀な能力を持つ生徒が、天狗になって成長が止まってしまわないようにとの理由で、限界をこえる練習が課せられ、肉体的のみならず、精神に至るまでいじめぬくというもの。大和は、日付を超えるほどの時間になるまで続く厳しいしごきに、お腹を空かせながら耐え続けていた。(第17膳「大和の苦難」)
ある日見た夢から、悪い妄想全開になってしまった西原ルイ。いつまでも大和が自分になびかないのは、彼が大人の女にしか興味を抱かなくなったからだと、柊子の存在をやり玉に挙げて嘆き始める。もともと自分が子供っぽく見えるので、少なからずコンプレックスを抱いていたルイは、「大人の女」になろうと決意。まずは外見からと、頭の先から足元まで、さまざまなアイテムを使って見事に変身してみせる。しかし、一見美女風になったルイに声をかけてきたのは、強引でしつこいナンパ男だった。(第18膳「ルイの恋愛道」)
今日の晩ご飯のメニューに悩んでいた柊子は、道すがら手にしたチラシを見て、クリームシチューに決める。買い物を済ませて自室に戻った柊子は、晩ご飯の支度をしながら、クリームシチューを作って出した時の、亡き夫、八雲の不可解な反応について考えを巡らせていた。味に問題がなかっただけに、夫がなぜ不思議な反応を見せたのか、夫が亡くなってしまった今では謎は深まるばかりだった。しかし、事は思わぬところで解決に至る。(第19膳「あなたはドッチ派?」)
大和と一緒に食事をするようになって2か月。食事量の感覚がマヒしたり、料理中の味見などが原因となって、柊子の体重は自己最大となっていた。柊子はこれをなんとかしなければと、健康的なダイエットを決意し、大和に筋トレ指南をお願いする。翌日から始まった大和とのトレーニングに、体がまったくついてこないとわかり、柊子はアラサーを実感する。(第20膳「リミット・ブレイク!!」)
夜の食事を終え、片づけをしていた柊子と大和のもとに、酒に酔った伊南川由梨が乱入して来た。男にフラれて限界まで飲んだ由梨は、柊子の部屋に男子高校生がいるので驚き、オトコを連れ込んでいると大騒ぎ。酔っぱらっているのをいいことに、柊子にキスしたりと好き放題に暴れ出す。大和に自室へ戻るように促した柊子は、由梨と酒を飲み始め、亡き夫の思い出を語る。(第21膳「胸騒ぎの夜」)
第4巻
晩ご飯の買い物の帰り、八雲柊子は、偶然にも帰宅途中の大和翔平と出会う。そのままいっしょに歩いて帰る事にした二人は、途中で激しい夕立に襲われ、ずぶ濡れになってしまったため、公園の屋根の下で雨宿りをする。そこで大和は、夏の大会を目前に控え、甲子園についての想いを語る。(第22膳「夏の予感」)
ある夜、いつものように食事中だった柊子と大和は、悪天候による停電に襲われる。突然の暗闇の中で、テーブルに足を取られて倒れそうになった柊子を、とっさに手を出して支えた大和は、自分の手のひらに「むにゅっ」とした感触を確認する。すぐに停電は復旧したものの、翌日になっても大和の頭の中は、手のひらの感触でいっぱいだった。あれは、柊子のおっぱいだったのか、大和は悶々とし続ける。(第23膳「漢大和、悶々とする。」)
大和のためにと栄養バランスを考えた食事を意識するようになった柊子は、食事の記録を付け始めた。同時に、普段はあまり感想を口にしない大和の、食事に対して見せる反応も、手に取るようにわかるようになってきていた。体のためにとメニューに新たな取り組みを始めたある日、食事を終えた大和は、柊子に何かを伝えようとするが、何も言わずに帰ってしまう。大和が何か言いたいことを言えずに飲み込んだと察した柊子は、口下手な大和に手紙を渡す。(第24膳「大和クン研究レポート」)
ある日、大和さくらからの手紙で、さくらに会いに行くことになった柊子は、電車で1時間半かけて、大和の実家近くを訪れた。出迎えてくれたさくらと共に、大和が通っていた中学校を見て回り、近くの広場でお昼ご飯を食べる。ピクニックさながらのランチタイムを終え、あまりの心地よさにうとうとしてしまった柊子は、さくらがしゃがみ込んで何かを探しているのに気づく。(第25膳「幸せのクローバー」)
高校野球、夏の大会で、1年生にして異例のスターティングメンバー入りを果たした大和。試合を翌日に控えた日の夜、柊子は大和にがんばってもらおうと、晩ご飯のメニューに、ゲン担ぎしたものを用意する。定番の豚カツだけでなく、ほかにもたくさんあるおかずそれぞれにも意味合いをつけ、柊子はどや顔で説明する。(第26膳「夏の甲子園予選、開幕!!」)
夏の大会3回戦目、大和の所属する桐聖学院野球部は、大和が打ったホームランによって無事勝利をおさめた。そのため、スター選手のようにメディアから取材を受け、インタビューに答える大和の姿を見て、柊子は自分のことの様に喜んでいた。そんな大和へのお祝いに、晩ご飯のメニューには好きなものをリクエストしてほしいと伝えた柊子。大和はその言葉に、「焼きたてのたこ焼きを無限に食べたい」とリクエストする。(第27膳「祝☆ホームラン賞!」)
大和の所属する桐聖学院野球部は、夏の大会で決勝戦進出を果たした。大和は、試合を直前に控え、ルイに頼んで相手校のピッチャーに関する情報を集めるなど、今までにないほど準備に余念がなく、緊張した面持ちだった。そんな大和を真剣な眼差しでフォローしようとするルイや柊子、両親やさくらの存在が、大和の甲子園への想いをより一層強いものにしていた。(第28膳「白球の行方」)
登場人物・キャラクター
八雲 柊子 (やくも しゅうこ)
28歳の女性。若くして夫、八雲を亡くし、アパート「つばめ荘」で一人暮らしをしている。身長154センチ。隣室に住んでいる大和翔平に、炊きすぎたごはんをおにぎりにしておすそ分けしたことがきっかけで、ほぼ毎日大和の夕飯を用意するようになった。料理はもともと好きだったが、夫を亡くしてからはあまり料理に喜びを感じなくなっていた。 しかし、大和のために料理をするようになって、食べてもらえると幸せを感じるようになり、自分が用意した食事が、成長期の大和の体をつくっていることに喜びを感じている。巨乳の持ち主で、最近太り気味でお腹がぷよぷよなのを気にしている。血液型はO型、感情豊かで顔に出やすいタイプ。高校、大学と文学部に所属していたため、読書が好きで、今でも時々図書館に通っている。
大和 翔平 (やまと しょうへい)
桐聖学院に通う高校1年の男子生徒。身長175センチ、体重63キロ、血液型はAB型。アパート「つばめ荘」で一人暮らしをしている。強豪野球部に所属しており、甲子園を目指して厳しい練習の日々が続いている。中学時代は地元でかなり有名な野球選手だったため、今の高校には野球の特待生として越境入学を果たした。日常の食事はカップ麺や出来合いの物がほとんどだったが、隣室に住む八雲柊子からおにぎりのおすそ分けをもらったことがきっかけで食事に来るように誘われ、毎日夕飯を隣室に食べに行くようになった。 厳しい練習のあとであろうと早朝であろうと、状況に関係なく食べられる鉄の胃袋を持っている。特に白いご飯が好きで、監督からは、体重を増やすために、「一晩でご飯8杯」というノルマを課せられている。 ちょっとぼーっとしており、素っ気ないが、礼儀正しく優しい。思春期真っ只中なため、無防備な柊子との二人だけの時間に、思いがけずどぎまぎし、戸惑うことも少なくない。父親はフリーカメラマン、母親は外資系の銀行関係の仕事に就いている。
西原 ルイ (にしはら るい)
桐聖学院に通う高校1年の女子生徒。大和翔平とは実家が近所の幼なじみであり、親同士も友人関係にある。大和には以前から想いを寄せており、過去に何度か大和に告白しているが、そのたびにフラれている。将来の夢は「大和と結婚すること」。父親の影響で大の野球ファンを超え、野球狂。そのため、「異性の魅力=野球のうまさ」という価値観を持ち、相手は大和しか考えられない状態。 「野球選手の妻は女子アナ」という固定観念を父親から受け継いでおり、女子アナになろうと目指して勉強に励んでいる。身長は147センチで胸も小さく、子供っぽくみられるのを気にしている。血液型はB型で、だまっていればかわいいが、口を開くと暴走型の妄想女であるとまるわかりの、がっかり美少女。 ちなみに名前の「ルイ」は野球の「塁」から付けられており、姉の「ラン」は「RUN=走る」から付けられた。
永井 律子 (ながい りつこ)
桐聖学院に通う高校1年の女子生徒。西原ルイの友人。身長161センチ、血液型はA型。ルイとは、出席番号が前後であることがきっかけで仲よくなった。野球はさっぱりわからないが、野球を熱く語るルイを面白いと感じ、慕っている。中学時代は陸上部に所属し、都大会にも出場した経験がある。また、成績優秀で、高校には首席で合格した文武両道タイプ。 甘いもの、特に生クリームが大好き。野球部の前田宏太とは幼なじみで、姉弟のような関係。
大和 さくら (やまと さくら)
小学校4年の女子。大和翔平の妹。身長138センチ、血液型はA型。兄のことを何かと心配しているしっかり者。翔平の部屋にやって来た際、八雲柊子と知り合い、慕うようになる。大人の女性への憧れを強く持っており、将来の夢は「母親のようなキャリアウーマンになること」。今はその夢に向かって、子供向けの英会話教室に通っている。 柊子からもらったエプロンをことのほか気に入っており、料理の腕を上達させることを今後の目標にしている。今はまだ一人で火を使うことを禁じられているため、父親と一緒に晩ご飯を作って練習中。父親はフリーカメラマン、母親は外資系の銀行関係の仕事に就いている。
伊南川 由梨 (いながわ ゆり)
28歳の女性。身長165センチ、血液型はO型。八雲柊子とは大学時代からの友人で、時間を作っては柊子に会いに来ている。現在は出版社に勤務しており、漫画雑誌の編集者を務めている。趣味はゲームと漫画とお酒とランニング。男勝りでがさつな性格ながら、甘え上手。スポーツ全般が得意で、行動力と決断力があるところが魅力。いつも彼氏はいるものの、付き合いが長続きしない性質で、最近もふられたばかり。 お酒に酔うと柊子にキスしたり抱き着いたり、大騒ぎするなど、見境なく好き放題するため、ちょっと厄介。
前田 宏太 (まえだ こうた)
桐聖学院に通う高校1年の男子生徒。身長162センチ、体重54キロ、血液型はAB型。野球部に所属しており、大和翔平、川井大悟とはチームメイト。中学時代は俊足巧打のリードオフマンだった。身体能力の高さで無事強豪野球部への入部が叶ったが、体格の未熟さから、高校入学後はボールにすら触れない状態が続いている。永井律子とは、親同士も付き合いのある幼なじみで、姉弟のような関係。
川井 大悟 (かわい だいご)
桐聖学院に通う高校1年の男子生徒。身長178センチ、体重70キロ、血液型はA型。野球部に所属しており、大和翔平、前田宏太とはチームメイト。学校では大抵大和と宏太と行動を共にしている。その三人の中では、一番女子に興味を持っているエロネタ大好きなタイプで、思春期にありがちな女子に関する勘違いネタをよく披露している。
八雲 (やくも)
東都大学で教授を務めていた男性。八雲柊子の亡き夫。大学では「古典A」の講義を担当していた。講義のわかりやすさには定評があったが、いつもぼーっとしている。大柄だが痩せていて、食事はもっぱらカロリーメイトで済ませていた。当時教え子だった柊子がそれを見かね、弁当が差し入れされるようになり、交際に発展する。本当は大食いで、酒もご飯もよく食べる大食漢だった。