出たとこファンタジー

出たとこファンタジー

人間はもちろん、それ以外の生物も含め、さまざまな種族が入り乱れて暮らす、剣と魔法の西洋風ファンタジー世界が舞台。奇妙な魔法によって下半身が入れ替わってしまった人魚族の男女カップルが、もとに戻るため悪戦苦闘する物語。樹るうにとって初めてコミックス化された作品。

正式名称
出たとこファンタジー
ふりがな
でたとこふぁんたじー
作者
ジャンル
ファンタジー
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概要・あらすじ

エマ=キャラウェイは、自分にかけられた魔法を解く手段を求め、魔法都市エルーカの魔法学院にやって来た。しかし入学試験に失敗し、キメラ魔法の研究所で助手のリンゼイ=ミントに誘われ、雑用のバイトを始めた。忙殺される日々の中、エマは自分の魔力が次第に高まっていきつつあることを自覚する。その魔力を求め、大国のスカウトまでがエマの前に姿を現すようになり、やがてエマはセージ王国の宮廷魔法使いリーラ=マーシュの陰謀のため、大きなトラブルに巻き込まれる。

登場人物・キャラクター

エマ=キャラウェイ

人魚の一種であるメロウ一族出身の16歳の少女。しかしメロウ一族の長老であるエルマ=キャラウェイによってかけられた魔法の影響で、幼なじみで恋人のハヤタ=クレスと下半身が入れ代わってしまい、現在は雌雄同体の身体となっている。性格は几帳面で、ガムシャラなまでに仕事熱心。ハヤタに熱烈な愛情を抱いており、ケースに入れたハヤタの鱗を肌身離さず持ち歩いている。

ハヤタ=クレス

人魚の一種であるメロウ一族と人間のハーフの16歳の少年。しかしメロウ一族の長老であるエルマ=キャラウェイによってかけられた魔法の影響で、幼なじみで恋人のエマ=キャラウェイと下半身が入れ代わってしまい、現在は雌雄同体の身体となっている。エマ以外の前では寡黙でおとなしいが、実はストレスを内側にため込むタイプであり、限界を超えると突然切れる。 もともと魔力を持たない体質だったが、雌雄同体になった影響で魔法が使えるようになった。

リンゼイ=ミント

猫(マオ)族出身の20歳の女性。魔法学院のキメラ研究所で助手をしている。エマ=キャラウェイの上司にあたる。多情であり、しょっちゅういい男を探しては、とっかえひっかえしている。さらに猫族特有の発情期中には、目についた男という男を片っ端から襲う状態となる。

ゼライスマン

スーパースライム族の雷魔法使いにして賢者。魔法学院のキメラ研究所で教授をしている。エマ=キャラウェイの実質的な雇い主にあたる。年齢は不詳、性別はそもそも存在するのかどうかも分からない。見た目は巨大なゼリー状のスライムで、まったく言葉を発しない。知恵が回り、学者としても有能で、また強大な魔力を持っている。好物はプリン。

ソリタケ=ソレル

侯爵の男性で、キメラ研究所所属の学生。見た目は人間とあまり変わらないが、水に溶けるなどの性質を持つ吸血ヒルという種族に属する。侯爵といっても没落貴族であるため、さして金持ちなわけではない。長いこと学生をしているので、リンゼイ=ミントよりも先輩。初遭遇時、身だしなみをいい加減にしていたことと、種族特性の故にグロテスクな外見になっていたため、以後エマ=キャラウェイからは嫌われている。

ちゅーバット

コウモリとネズミのキメラである召喚獣。ソリタケ=ソレルがキメラ研究を通じて作り出したもの。召喚魔法によって呼び出されるソリタケの使い魔だが、実質的にはペットとしてソリタケに溺愛されているだけの存在で、特に役には立たない。

太郎 (たろう)

リンゼイ=ミントの召喚獣であるグリフォン。グリフォンは非常に格の高い生物であり、召喚に必要な魔力コストが高く、使役することは困難。しかし、太郎はまだグリフォンとしては幼いため、リンゼイでもかろうじて扱うことができる。

ハナ

エマ=キャラウェイの召喚獣である、ズッキーニナマコという古代生物。見た目にはただのナマコであり、実際に戦闘能力はほとんどない。一方で、非常に高い分裂・再生の力を持つため、使役するには膨大な魔力が必要となる。リスクとリターンが見合っていないこともあり、これまで実際にズッキーニナマコを扱い得た魔法使いは、ほとんどいないとされていた。

リセット=シンシア

伝説的な大魔法使い。エマ=キャラウェイの暮らす今の時代より100年ほど過去の人物。エマが読んだ伝記には、赤毛の女性で、10歳で魔法学院に入学、常人の10倍の速さであらゆる魔法を極め、23歳の時に「リセット魔法」と呼ばれる解法魔術を確立。その後32歳で世を去った、と記されている。

リーラ=マーシュ

セージ王国の宮廷魔法使いをしているライトエルフの女性。リンゼイ=ミントからは「美少女」と言われたほどに幼い外見だが、実年齢は250歳。破壊兵器であるケロケロの開発者でもある。部下のドモン=キャロットの報告を受けてエマ=キャラウェイの魔力に目をつけ、かつて破壊されたケロケロを復元するために、リセット魔法を使わせようとする。

ドモン=キャロット

セージ王国の所属で、リーラ=マーシュの部下の男性の魔法使い。エマ=キャラウェイと召喚獣トーナメントで出会い、この時、エマがズッキーニナマコであるハナを使役していたことを、リーラに報告した。

ヘレネ

セージ王国と対立している、バジル王国の魔法使い。セージ王国のリーラ=マーシュ、ドモン=キャロットらに対抗し、セージ王国を代表してエマ=キャラウェイをスカウトしようとする。なお、若い女性の姿をしているが、実際には手術を受けた元男性で、本名は「ヘラクレス」という。

エルマ=キャラウェイ

エマ=キャラウェイの曾祖母で、メロウ一族の長老。年齢は約120歳。メロウ一族でも非常に高齢。ただでさえボケかけているところに、下半身を入れ替えるという高度な魔法を使ったため、これが決定打となって完全にボケてしまった。そのため、もう一度同じ魔法を使うこともできず、使った魔法がどのような魔法であったのかも、説明することができない状態になっている。

集団・組織

メロウ一族 (めろういちぞく)

人魚の一種で、エマ=キャラウェイ、ハヤタ=クレスらの出身種族。エマの曾祖母であるエルマ=キャラウェイが長老を務めている。男性は鱗のある二本脚の下半身を持ち、女性は魚の下半身を持つ。ほぼ全員が水魔法のエキスパートであり、水中の戦いでは他種族にひけをとることはない。

その他キーワード

下半身を入れ替える魔法 (かはんしんをいれかえるまほう)

エルマ=キャラウェイが若い頃にどこかから見つけ出した、2人の対象者の下半身だけを入れ替える魔法。いつ、何者が、何の目的で開発したのかなど、一切が不明である。雌雄同体の身体を持つ者は、魔法使いとして最高の適性を持つとされており、実際に下半身を入れ替える魔法をかけられたエマ=キャラウェイ、ハヤタ=クレスらは、人並み外れた膨大な魔力を持つ体質を獲得した。

リセット魔法 (りせっとまほう)

すべてを無に帰すとされる魔法。かつての大魔法使いリセット=シンシアが開発したもの。エマ=キャラウェイは、自分にかけられた下半身を入れ替える魔法を解くため、これを習得することを求めて魔法学院にやって来た。シンシアの死後使い手はおらず、究理は困難を極めると言われている。

ケロケロ

リーラ=マーシュが100年ほど昔に開発した超破壊兵器。一国を滅ぼすほどの力を持つが、その力を危険視するリセット=シンシアによって破壊された。もとに戻すためには、シンシアの死とともに失われたリセット魔法を使う以外にない。なお、恐ろしい兵器でありながら、名前の通り、カエルの彫像そのもの、というコミカルな外見をしている。

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