力人伝説 -鬼を継ぐもの-

力人伝説 -鬼を継ぐもの-

力士一家の「花田家」に生まれた花田光司と花田勝が、力士を目指すようになった小学生時代から実際に、力士となって角界で闘っていくまでを描くドキュメンタリー漫画。光司や勝を始め、さまざまな人の相撲に対する情熱や生き様などが描かれている。「週刊少年ジャンプ」1992年52号から1993年23号にかけて連載された作品。原作は宮崎まさる。

正式名称
力人伝説 -鬼を継ぐもの-
ふりがな
ちからびとでんせつ
原作者
宮崎まさる
作者
ジャンル
相撲
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概要・あらすじ

平成3(1991)年5月12日、夏場所の初日、花田光司は横綱の千代の富士との一戦に臨む。光司は千代の富士の気迫に圧されるが、兄の花田勝による助言を受けて、取組の最中に千代の富士の胸中の思いに気づく。そして果敢に攻めた光司は見事金星を上げ、千代の富士から力士魂を、勝と一緒に受け継ぐのだった。力士魂を受け継ぎ、気持ちを新たにして稽古に打ち込む光司と勝を見て、2人の父親で親方でもある花田満は、2人が幼かった頃を思い出す。

登場人物・キャラクター

花田 光司 (はなだ こうじ)

藤島部屋に所属する力士。父親は元大関・貴ノ花こと花田満、伯父は元横綱・若乃花こと花田勝治という力士一家に生まれる。マイペースで穏やかな性格だが、土俵の上では人が変わったかのような鋭い目つきと、対戦相手がとじろぐほどの気迫を見せる。兄の花田勝と一緒に満に弟子入りし、藤島部屋に入門する。猛稽古を繰り返して実力をつけ、幕下昇進や三賞受賞など数々の最年少記録を塗り替える。 しこ名は「貴花田」だったが、大関昇進を機に、満の「貴ノ花」を襲名する。実在の人物である花田光司がモデルとなっている。

花田 勝 (はなだ まさる)

藤島部屋に所属する力士。父親は元大関・貴ノ花こと花田満、伯父は元横綱・若乃花こと花田勝治という力士一家に生まれる。周囲には大雑把な性格に見られがちだが、マイペースな弟・花田光司のフォローにまわる優しい性格。小学生の頃はプロ野球選手になることが夢だった。しかし、光司の中学卒業に合わせて、自分も高校を中退し、一緒に満に弟子入りして藤島部屋に入門する。 力士になると光司と切磋琢磨して、序の口でも優勝。その後は大関まで昇進して、光司とともに横綱を目指す。最初のしこ名は「若花田」で、のちに「若ノ花」に変える。実在の人物である花田勝がモデルとなっている。

花田 満 (はなだ みつる)

花田光司と花田勝の父親で、2人の親方でもある。現役時代のしこ名は「貴ノ花」、引退後は藤島親方となり、藤島部屋で弟子の指導にあたっている。兄は元横綱・若乃花こと花田勝治で、勝治に弟子入りする。元横綱の実弟という血筋と颯爽とした風貌で、「角界のプリンス」とも呼ばれた。大関在位50場所と大記録を残すが、横綱には昇進できないまま引退する。 実在の人物である花田満がモデルとなっている。

花田 憲子 (はなだ のりこ)

花田光司と花田勝の母親。夫の花田満や義兄の花田勝治の相撲にまつわるエピソードを、光司と勝に小さい頃から伝えてきた。光司と勝が藤島部屋に入門してからは、おかみとして2人を支える。実在の人物である花田憲子がモデルとなっている。

花田 勝治 (はなだ かつじ)

花田光司と花田勝の伯父。現役時代のしこ名は「若乃花」で、猛稽古を繰り返して横綱まで上り詰める。貧困の少年期、小さな体、息子の死など、さまざまな不幸に見舞われる。しかし、「こんちくしょう」という言葉を心で叫び続け、気迫のこもった相撲で「土俵の鬼」とも呼ばれた。引退後は二子山親方となり、二子山部屋で弟子の指導にあたる。 弟子の中には実弟の花田満もおり、満が弟子入りした時には鬼のようにしごいた。実在の人物である花田勝治がモデルとなっている。

千代の富士 (ちよのふじ)

昭和を代表する大横綱の1人。小さな体と度重なる怪我を、不屈の精神で乗り越えた人物。花田満から「体が小さくても心と面構えがいい、強くなれる」と言われて力士になった。土俵で対戦した満から、力士にとって大事なものを教えられ、今度は自分が花田光司と花田勝に教えようとする。現役引退後は九重親方となり、弟子の指導にあたる。 実在の人物である千代の富士がモデルとなっている。

曙 太郎 (あけぼの たろう)

東関部屋に所属するハワイ出身の外国人力士。渡辺大五郎が相撲でアメリカンドリームを達成したことに憧れて、渡辺のもとへ弟子入りする。バスケットボールの特待生にも選ばれるほどの運動神経と、身長2メートル、体重152キロの堂々たる体格を誇る。新弟子検査で花田光司、花田勝と出会い、親方同士がライバルだったこともあって、3人それぞれが意識し合って切磋琢磨していく。 のちに外国人初の横綱となる。最初のしこ名は「大海」。その後「曙太郎」に改名し、日本国籍を取得して本名も曙太郎になる。旧名は「ローウェン・チャド・ジョージ・ハヘオ」。実在の人物である曙太郎がモデルとなっている。

渡辺 大五郎 (わたなべ だいごろう)

元関脇・高見山で、現役引退後は高見山親方となり、弟子の指導にあたる。曙太郎の親方でもある。ハワイ出身で、現役時代は初の外国人力士として数々の困難を受けながらも、努力を重ねて関脇まで昇進する。花田満とは名勝負を繰り広げ、相撲の奥深さを知る。今は日本に帰化しており、旧名は「ジェシー・クワウルハ」。実在の人物である渡辺大五郎がモデルとなっている。

クレジット

原作

宮崎まさる

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