口入屋兇次

江戸を舞台に、当時の職業斡旋業である口入屋の兇次とその仲間たちが、数々の難事件の謎を解き明かし、法で裁けぬ悪人に天誅を加えていくハードボイルド時代劇。

正式名称
口入屋兇次
ふりがな
くちいれやきょうじ
作者
ジャンル
時代劇
レーベル
ヤングジャンプコミックス(集英社)
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概要・あらすじ

ある夜、三筋はたまたま夜鷹の女たちが騒いでいるところに通りかかる。事情を聞くと、素人の女が縄張り荒らしをしているのだという。その女・高坂絹から、ある事情で大金を必要としているということを聞いた三筋は、それなら会わせたい人がいると告げ、絹を兇次のもとへと連れて行く。そして絹は兇次の差配で、流行らない女郎屋「桔梗屋」の経営再建の仕事を与えられる。

絹は鮮やかな手腕により「桔梗屋」を立て直すことに成功するが、その後まもなく、絹の夫である高坂数馬が、何者かに殺害されるという事件が発生する。

登場人物・キャラクター

兇次 (きょうじ)

江戸の本所相生町で口入屋をしている年齢不詳の男性。多くの手下を従えて使う立場にいて、自分が表に出て行動することはあまりない。ひとたび剣を抜けば、並外れた力量を見せる。仲間想いだが冷酷で、仲間と認めた人間に仇なす存在に対しては一切の容赦をしない。

三筋 (みすじ)

兇次の手下の、年齢不詳の男性。少年のような外見をしているが、実際は見た目ほど若くはない。女郎屋で生まれ、色町で育ったという経緯から、女心と色町のことについては知らぬことがない。売春関係の斡旋を仕切っているほか、スパイ活動のために女性を籠絡する役回りを演じることもある。夜の女たちからは親しみを込めて「みっちゃん」と呼ばれているが、三筋本人は嫌がっている。

零次郎 (れいじろう)

兇次の手下の、年齢不詳のオカマ。自分で自分のことを「零コ」と呼ぶ。普段は神楽坂で町医者をやっているが、裏の顔は拷問の達人。その手にかかれば、口を割らせられない相手はいない。また毒物の調合などにも精通している。

二葉 (ふたば)

兇次の手下の、年齢不詳の女性。頭脳明晰で、経理や帳簿付けなどに精通している。高坂絹が兇次の紹介で、桔梗屋の経営立て直しの仕事を与えられた時、その指導に当たった。またその後、呉服屋「楓屋」絡みの事件が起きた時は、その裏帳簿を調べ上げ、番頭・亥久蔵による横領を暴き出した。

四狼坊 (しろうぼう)

巨大な山犬とともに、普段は山で暮らしている年齢不詳の僧。兇次と親しく、たまに呼ばれて仕事を手伝うために山から下りて来る。四狼坊自身も怪力かつ棒術の達人で、高い戦闘能力を持つ。それ以上に恐ろしいのは、彼が使役している山犬であり、四狼坊が命じれば、骨すら残さず跡形もなく人を喰らい尽くす。

(りつ)

読売(瓦版)屋を営んでいる年齢不詳の男性。兇次のところに出入りする情報屋でもある。伊助とともに、「当世女」の発行に携わった。もとは人さらいをしていたという経歴の持ち主で、堅気の仕事につけたのは兇次のおかげ。今でもたまに兇次を手伝うため、荒事に加わることもある。

野狐の左団次 (やこのさだんじ)

「万屋(よろずや)」と称する、裏社会の何でも屋をしている年齢不詳の男性。裏社会の人間にはキツネというあだ名で呼ばれている。もめごとの調定などを手掛けることが多く、殺し関係の仕事は、受けはするもののあまり好んではいない。兇次のグループからは独立した立場にいるが、基本的には友好もしくは中立の関係にあり、兇次たちを敵に回すことは避けている。

高坂 絹 (こうさか きぬ)

高坂数馬の妻。年齢は29歳。もともとは日本橋の鰹節問屋「浜治屋(はまじや)」の娘であり、優れた経営手腕を持っている。とある事情から大金を必要としているため、兇次の斡旋を受けて、「桔梗屋」という女郎屋の経営改革に乗り出す。

高坂 数馬 (こうさか かずま)

高坂絹の夫。若い武士。旗本千二百石の家の三男として生まれ、五百石の高坂家へ養子に出された。その後、絹と結婚して家督を継ぐ直前に、同僚を殴るという事件を起こし、役を解かれて長屋住まいの身の上に落ちぶれた。絹に暴力を振るう、酒に溺れるなど素行が悪く、近所の人々の評判も悪いが、博打と遊女買いには手を出さない。

山岸 (やまぎし)

高坂数馬の元同僚である若い旗本の侍。数馬が同僚の浅井を殴るという事件を起こしたその直前、実は数馬が浅井から手ひどい侮辱を受けていたという事実を目撃した、ただ1人の人物。のちに、数馬のもとに再仕官の話を持ってくる。実は博打狂。

浅井 (あさい)

高坂数馬の元同僚である若い武士。数馬が起こした暴力事件で数馬に殴られた当事者であり、事件に際して数馬とともに失職している。浅井自身も博打狂であるため、山岸が博打狂であるということを知っており、そのことをネタに、山岸に事件の真相について口封じを図っている。

伊助 (いすけ)

呉服屋「楓屋」に勤めていた若者。有望な出世株であり、そろそろ番頭かと囁かれていたところで、不祥事を起こしたということで楓屋を首になった。その不祥事は実は濡れ衣であり、伊助の出世を妬んだ同僚によって仕組まれた奸計であった。伊助自身は、兇次の紹介で「我楽多屋」という新しい奉公先を得て、そこで新たな人生を歩むようになる。

嘉助 (かすけ)

呉服屋「楓屋」に勤めている若者。伊助とは同期であるが、自分より有能でとんとん拍子に出世していく伊助に嫉妬と憎しみを抱いていた。番頭の亥久蔵と結託して伊助を罠にかけ、店から追い出した。それだけでは飽き足らず、その後も命を狙い続ける。

亥久蔵 (いくぞう)

呉服屋「楓屋」の番頭を務める中年男性。「楓屋」の主人が伊助を娘婿に迎える計画を練り始めた時、伊助に嫉妬と憎しみを抱き、嘉助と結託して伊助を罠にかけた。強欲な性格であり、長年かけて総額数百両という大金を「楓屋」から横領している。

お貞 (おさだ)

豪商「万疋屋(まんびきや)」の娘。年齢は17歳。呉服屋「楓屋」の嘉助、亥久蔵と結託し、伊助に襲われそうになったと偽って、伊助が「楓屋」を追われることになるきっかけを作った。もともと性的に放埓で素行が悪く、のちに父親に見放されて七仏寺に放り込まれることになる。

七宝院 (しっぽういん)

七仏寺の住職をしている年齢不詳の尼僧。寺の尼たちからは「七様」と慕われている。その過去などは不明だが、背中から腕・胸部までを覆う彫物があり、その迫力は尋常ではない。兇次と三筋の頼みを受け、お貞を更生させるために七仏寺で引き取った。

場所

桔梗屋 (ききょうや)

以前は繁盛していたが、売れっ子を引き抜かれて落ちぶれてしまった女郎屋。多くの賭場や女郎屋を営む「佐吉」という男性が経営者であり、その愛人の「江(ごう)」という女性が女将を務めている。閉店の危機にあったが、高坂絹の経営改革が成功し、店は再び活況を取り戻すようになった。

楓屋 (かえでや)

駿河町呉服屋街にある呉服屋。伊助が不祥事を起こして首になるまで勤めていた。のちに、不祥事の件が濡れ衣であったことが分かった後、伊助を主人の娘である「お菊」の婿に迎えるという形で呼び戻そうとした。しかし、我楽多屋で新たな人生を歩み始めていた伊助に断られる。

我楽多屋 (がらくたや)

「健造」という老人が営んでいる古道具屋。一見するとただの薄汚い店だが、実は店内には値打もののお宝がゴロゴロしている。反物なども扱っていたため、呉服屋「楓屋」を追われたものの「呉服に関わる仕事を続けたい」という伊助に対し、新しい奉公先として兇次が紹介した。伊助はこの店で経営の才覚を発揮し、のちに健造の娘婿となって店を継ぐことになる。

七仏寺 (しちぶつじ)

七宝院が住職を務める寺。療養所を兼ねており、病に侵された女性たちが集められている。基本的に病人しかいないため、体を動かせる程度の元気がある者は、仕事を命じられる。兇次たちの差配によって、お貞が、ここで心を入れ替えるための修行をさせられることになった。

その他キーワード

当世女 (とうせいおんな)

伊助が古道具屋「我楽多屋」に勤める中で考案し、律とともに発行した読売(瓦版)。お勧めの着物の着こなしなどが紹介されている、言ってみればファッション誌のような内容のもの。価格は16文と安くはないが、若い女性を中心に飛ぶように売れた。

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