呪術廻戦

類まれな運動神経と精神力を持った高校生が、「呪い」と呼ばれる存在と闘う姿を描くダークファンタジー。作者が、増刊「ジャンプGIGA」で連載していた『東京都立呪術高等専門学校』のリメイク的な作品。「週刊少年ジャンプ」2018年14号から連載。2020年10月テレビアニメ化。

正式名称
呪術廻戦
ふりがな
じゅじゅつかいせん
作者
ジャンル
ダークファンタジー
レーベル
ジャンプコミックス(集英社)
関連商品
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あらすじ

両面宿儺

杉沢第三高校に通う虎杖悠仁は並外れた運動能力を持ちながら、虎杖倭助の見舞いのために5時までには帰宅したいという理由から、自由度の高い心霊現象研究会、通称「オカ研」に所属していた。そんなある日、いつもどおり見舞いに訪れた悠仁に、倭助は人を助けろという遺言を遺して亡くなる。悠仁が悲しみをこらえながら病院で手続きをしていると、伏黒恵という謎の少年が現れ、悠仁が持っている呪物を渡せと言い出す。恵は、悠仁が拾った呪物は学校に吹き溜まる呪いの魔除けになると同時に、邪悪な鬼神「両面宿儺」の指であり、「特級呪物」と呼ばれている危険物だと説明する。しかし悠仁が拾った宿儺の指は、学校に残ったままのオカ研メンバーたちが、すでに封印の札を剝がそうとしていた。恵と悠仁は学校へ急行するが、封印の解かれた呪物は呪いを発現させ、悠仁の先輩たちはすでに襲われていた。悠仁と恵は巨大な呪いの化物に苦戦し、悠仁の物理攻撃は決定打にはならず、彼は呪いを祓(はら)うための呪力を得るために宿儺の指を口に含んで一気に飲み込む。これにより、猛毒で死ぬか体を乗っ取られるかという状態に陥りながら、悠仁は呪物を抑え込むことに成功。呪力を得た悠仁は敵を一蹴し万事解決かと思われたが、恵は呪いと一体化した悠仁を殺すと言い出す。呪術規定に従えば、人間ではなくなった悠仁は祓いの対象なのだ。そこに五条悟が現れ、悠仁が宿儺をコントロールしていることに気づいた五条は、彼を拘束したうえで二つの選択肢を提示する。それは今すぐ死刑になるか、宿儺をすべて取り込んでから殺されるか、という提案だった。悠仁は亡くなった倭助の願いを叶(かな)えるためにも、すべての宿儺の指を見つけて取り込むことを決意。こうして悠仁は、地元を離れて東京にある呪術高専に転校し、修行を重ねたうえで残りの宿儺の指を探すこととなる。だがそれは、呪いや呪物を巡る壮大な戦いの幕開けを意味していた。 

呪胎戴天

虎杖悠仁伏黒恵釘崎野薔薇の三人が呪術高専に集結してからしばらく経ったある日、西東京市にある少年院の上空に謎の呪霊の呪胎が出現するという緊急事態が発生。この呪胎は変態を遂げれば、「特級呪霊」と呼ばれている危険な呪霊に発展する可能性があった。悠仁たち三人は少年院に残った生存者を助けるために派遣されるが、内部に入った途端に無慈悲な現実に直面する。さらには完全変態を遂げていた特級呪霊と対峙(たいじ)した瞬間、野薔薇が消えたことに気づいた悠仁は、恵に彼女の救出を任せて一人で特級呪霊と戦うことになる。しかし、攻撃を繰り返してもまったく歯が立たず、死を直感した悠仁は肉体の主導権を両面宿儺に渡す。目覚めた宿儺は特級呪霊を瞬殺するが、今度は宿儺が恵の命を狙うようになり、悠仁の肉体から心臓を抜き取って人質にする。このままでは悠仁の意識が戻ったとしてもすぐに死んでしまうと考える恵は必死に戦うが、次々と式神を破壊されてしまい、宿儺との格の違いを痛感する。激闘の末に悠仁は宿儺の支配に抵抗し続けながらも、恵の眼前で宿儺と共に命を落とすのだった。悠仁の死を悟った五条悟は、呪術高専の上層部が悠仁に特級呪霊をぶつけることで死に追いやったのではないかと推測し、生徒を守れなかったことの悔しさと行き場のない怒りを嚙み締める。悟は死んだ悠仁の体を医師の家入硝子に預け、宿儺の器でもある彼の肉体の調査を依頼する。一方、悠仁の死に沈み込む恵と野薔薇は、秋に開催される交流戦に向けてやって来た2年生の先輩たちと対面する。

漏瑚急襲

死亡した虎杖悠仁は両面宿儺と契約を結んだことで蘇(よみがえ)り、自分の生存を仲間に知らせぬままで秋の呪術高専の交流会に向けて、五条悟の指導を受けて特訓を始めていた。2年生のメンバーと対面した伏黒恵釘崎野薔薇も、交流戦に向けて特訓をしていた。一方、かつて「百鬼夜行」という最悪の事件を起こした夏油傑が、人間の殲滅(せんめつ)を目論む漏瑚をはじめとする強力な呪霊たちと手を組み、暗躍を始めていた。傑たちは悟を封印するという計画を立て、実行日の10月31日に向けて準備を始める。悠仁に映画鑑賞をさせて精神の修行を命じていた悟は、移動中に漏瑚の奇襲を受ける。しかし悟には攻撃を重ねても決して当たることなく、漏瑚は最強の呪術師と呼ばれている彼の強さを目の当たりにする。一瞬で呪術高専に向かい、修行中だった悠仁を連れて戻って来るほどの余裕を見せた悟に、漏瑚は怒りを爆発させて、ある手段に出る。自らの戦いを悠仁に見学させながら、悟は自分の術を展開して敵を圧倒するのだった。一方、呪術高専で交流会に向けた特訓の合間に、飲み物を買いに来ていた野薔薇と恵の前には呪術高専、京都校の禪院真依と東堂葵が現れ、二人にケンカを吹っかけてくる。葵は恵を腕っぷしで押していき、野薔薇は真依の言葉に嫌悪し彼女を挑発する。

幼魚と逆罰

川崎市の映画館で高校生の変死体が発見されるという怪事件を受け、虎杖悠仁は七海建人と共に修行を兼ねた調査を始めていた。現場に乗り込んだ悠仁と健人は2匹の呪霊に遭遇し戦うが、それがほかの呪霊によって呪霊化された改造人間であることが判明する。調査の結果、この事件の犯人である人型特級呪霊の真人と、現場を見ていた関係者と思われる人間、吉野順平の存在が明らかとなる。順平は学校で陰湿ないじめを繰り返す生徒と映画館で遭遇し、その生徒たちを怪死させた真人に接触していた。後日、悠仁に順平の調査を任せた健人は真人を見つけ出し、一対一のバトルを始める。真人に追い詰められた健人は、呪力の制限を解除して十劃呪法・瓦落瓦落で地下水脈の壁を破壊。瓦礫(がれき)の雨で真人を押しつぶし、その場から抜け出すも負傷してしまう。一方、悠仁は担任教師と話していた順平に接触し、映画の話で意気投合したことでなかよくなる。吉野凪も交えた交流を通して悠仁に友情を感じた順平は、自分をいじめてきた生徒への復讐をやめようと決心しかけるも、次の日には何者かによって凪が殺されてしまう。絶望と困惑の中で、真人との会話を通していじめグループのリーダーである伊藤こそが犯人と思い込んだ順平は学校を奇襲し、真人から学んだ呪術を用いて伊藤を殺そうとする。その場に止めに入った悠仁の拳を交えた必死の説得を受け、戦いを中断した順平は凪が怪死したことを悠仁に話す。順平は改心するも、背後から真人が現れて彼を改造人間に変えてしまう。真人に心酔していた順平はうまく利用され、最初から悠仁と戦うように仕向けられていたのだ。順平の死に激昂した悠仁は真人に明確な殺意を抱き、その場に駆けつけた健人と合流して激闘を繰り広げる。真人は体内に隠していた改造人間を繰り出して悠仁の精神を揺さぶるも、彼はそれを乗り越えて反撃に出る。しかし戦いの途中で、真人の作り出した球体型の領域に健人が閉じ込められてしまう。

呪術高専交流会・団体戦

それぞれ特訓の末に迎えた呪術高専交流会当日、東京校1年の伏黒恵釘崎野薔薇、そして2年の禪院真希、狗巻棘、パンダが集合し、そこに東堂葵をはじめとする京都校の面々も到着していた。一方、五条悟は呪霊や呪詛師たちと内通している人間が呪術高専内にいると推測し、京都校側の調査を庵歌姫に依頼していた。悟の提案を受けてサプライズを仕掛けることになった虎杖悠仁は、さっそく東京校と京都校が一触即発な空気の中、悟が運んだ箱の中から恵たちの前に現れる。サプライズは失敗に終わり微妙な空気が流れる中、交流会初日の団体戦が開始された。この団体戦は、エリア内に放たれた呪霊を多く倒したチームが勝ちで、敵チームの妨害も許可されているというルールだった。ほぼ飛び入り参加状態の悠仁は、開始直後から東京校メンバーに襲いかかってきた京都校最強の3年生、葵の足止めを担当することになる。好戦的な葵のパワーに圧倒される悠仁だが、彼から唐突に女性の趣味を尋ねられる。最初こそ一方的に悠仁を痛めつけていた葵は、戦いの中で彼を気に入り親友と認める。さらに葵は、悠仁の技「逕庭拳」が特級クラスの強力な呪霊には通じないと指摘しながら、素直に助言を受ける彼を全力で相手しながら導いていく。一方、加茂憲紀をはじめとする京都校メンバーは、楽巌寺嘉伸の命令により、両面宿儺の器である悠仁の抹殺を目論んでいた。葵と行動する悠仁に襲いかかる京都校だったが、葵と東京校の妨害により失敗に終わる。そこから東京校と京都校による呪術のぶつかり合いが始まり、野薔薇パンダと共に、上空から索敵中だった西宮桃を挑発し地上に誘い出そうとする。だが、野薔薇の横にいたパンダに対して究極メカ丸が奇襲を仕掛けてくる。

黒閃

各所で勝敗が見え始めた呪術高専交流会1日目の団体戦の途中で、伏黒恵は加茂家の嫡男、加茂憲紀と対峙していた。自分の血液をあやつる「赤血操術」を使う憲紀に、恵は式神と体術で対抗する。同じ頃、狗巻棘は言霊の術式である「呪言」を活かして戦いを有利に進めていく。だが、森の中で棘が感じた不穏な気配に振り返ると、そこには外部から侵入した謎の呪霊が存在していた。それは真人たちと手を組み、交流戦に乱入して来た植物の特級呪霊、花御だった。さらには傑たちの手下によって結界術「帳」が張られ、恵と棘と憲紀は急遽(きゅうきょ)戦いを中止して花御の攻撃を防ぎながら、帳の外に向かって走り出す。追い詰められる三人だったがそこに禪院真希が参戦し、恵との連携で攻め立てる。しかしそれでもなお、特級呪霊である花御の圧倒的な実力を前に窮地に立たされてしまう。恵は負傷して真希と共に戦線離脱するが、花御討伐を任された虎杖悠仁と東堂葵は、術式を解禁したり黒閃を決めることで、連携プレー反撃していく。葵のトリッキーな術式で敵を攪乱(かくらん)しながら、二人で花御を翻弄していき、五条悟の乱入もあって圧倒的な強さで瀕死(ひんし)に追い込む。撤退した花御と合流した真人は、両面宿儺の指と特級呪物「呪胎九相図1番~3番」を盗み出して呪術高専を離れる。次の日、呪術高専の教師たちは真人らの目的を生徒たちに明らかにできぬまま、交流会中止を検討していたが、生徒たちの意思を汲(く)んで続行することになる。悟が作ったくじ引きの結果、交流会2日目はなぜか呪術に関係ない野球勝負で決着をつけることになった。

起首雷同

呪術高専交流会終了後、三人の男が共通の前兆のあとに、呪霊に刺殺されるという怪事件が発生。虎杖悠仁伏黒恵釘崎野薔薇の三人は補助監督に連れられてさいたま市に訪れるが、事件現場はバラバラなうえに被害者の共通点もわからぬままだった。被害者たちは同じ中学校に在籍していたことが判明し、さっそく中学校に調査に向かうが、現地に着いてみると、その中学校は恵の母校でもあった。恵の意外な中学生時代が明らかになる中、事件の被害者たちはかつて、自殺の名所である心霊スポット「八十八橋」でバンジージャンプをして遊び、橋の下で倒れていたという共通点が判明。さらに恵の同級生の話から、彼の姉である伏黒津美紀も事件に巻き込まれ、彼女がこん睡状態になった原因もその時に受けた呪いである可能性が高くなった。焦りを隠し切れない恵は、呪術高専に津美紀の護衛を要請する。八十八橋で作った結界で息を潜め、マーキングしていた人間をその内側から呪う呪霊が今回の事件を起こしたと推測した恵たちは、深夜に八十八橋に潜入し、呪霊が作った結界に入り込む。だがそれと同時に、夏油傑たちによって蘇った呪胎九相図の壊相と血塗が現れ、悠仁たちと鉢合わせになる。壊相たちの目的は、この事件の呪霊が取り込んだ両面宿儺の指を回収することであった。野薔薇は結界外に連れ去られて壊相と対峙していたが、そこに血塗と高速で追って来た悠仁も加わる。二人とはぐれたままの恵は、結界内で八十八橋の特級呪霊と交戦することとなる。以前に少年院で遭遇した特級呪霊よりも強い敵に一人で苦戦する恵は、津美紀との過去や、最近の修行中に五条悟に指摘されたことを思い出す。一方、壊相と血塗に反撃する悠仁と野薔薇だったが、2匹の毒のような血を浴びたことで、呪術により体内からの腐食が始まってしまう。窮地に立たされたかのように見えた野薔薇は、即座に自らの腕に釘を刺し、「共鳴り」を発動して自分と同様の苦痛を壊相たちに食らわせる。

懐玉と玉折

2006年、まだ五条悟と夏油傑が学生だった頃の呪術高専。強力な結界術を持つ呪術界の要、天元に、新たな器である「星漿体」となった人間と、同化する時がせまっていた。2年生になった悟と傑は、星漿体として選ばれた天内理子が天元と同化する時まで、彼女を護衛することとなる。悟たちは理子を狙う者たちを撃退し、時には理子のために沖縄や学校に行ったりしながら同化の日を迎えるが、金目的で理子の命を狙う伏黒甚爾が侵入して来る。彼は呪力がない代わりに凶悪な体術を使いこなす「術師殺し」で、宗教団体「盤星教」の依頼を受け、理子と呪術師たちの殺害を目論んでいた。足止めに来た悟は甚爾と戦うが、激戦の末に敗北し倒れてしまう。一方、理子を連れた傑は天元の近くに到着していたが、理子がまだふつうの少女として生きたいという本音を吐露したところで、内部に侵入していた甚爾が彼女を銃殺。傑のことも打ち負かした甚爾は、理子の遺体を盤星教に引き渡す。任務は失敗と思われたが、反転術式で戻って来た悟が甚爾と再戦する。死闘の末に悟が才能を開花させ、逆転された甚爾は過去や家族のことを思い出しながら命を落とす。理子の遺体を引き取りに向かうも、盤星教信者たちが笑顔で拍手する異様な光景に囲まれた悟たちは、複雑な感情を抱えながら呪術高専に帰還するのだった。この事件から1年後、3年生になった悟と傑は特級呪術師にまで成長していた。悟は最強の呪術師として名を馳せ、実力をさらに伸ばして単独の任務も増えていた。一方の傑は、理子を護衛した去年の事件以降、呪術師は非術師を守るためにあるという理念に歪(ひず)みが生じていた。夏になると九十九由基が訪れ、傑は彼女とのやり取りをきっかけに、非術師を排除すべきという考えを心の底に抱えるようになる。その後は傑も一人でいる時間が増え、後輩の死を体験したことなどから、呪術師のあり方に疑問を覚えるようになる。さらに秋の任務で訪れた田舎では、呪術師の子供が村人たちに迫害を受け、幽閉されているのを目の当たりにする。村人たちに強い怒りを覚えた傑は、ついに非術師の排除に乗り出し、村人を大量虐殺する「百鬼夜行」を起こした末に呪詛師となった。

宵祭り

過去の夢から覚めた五条悟は、彼に呼び出されていた虎杖悠仁たちに新たな任務を伝える。庵歌姫の調査の末に、呪術高専、京都校の2年生である究極メカ丸こと「与幸吉」が、夏油傑一派の内通者だったことが判明したのだ。悠仁たちは幸吉の居場所を調査するが、すでに幸吉は傑、真人と再会していた。幸吉は生まれつき欠損して不自由な体を持ち、メカ丸を傀儡として遠隔操作することで行動していた。そんな幸吉は傑たちに協力する代わりに、真人の能力で自分の体を治してもらうという契約を交わしていた。しかし、幸吉が示していた京都校のメンバーは襲わないという条件を真人たちが破ったのを受け、幸吉は内通者を辞退することを告げたうえで真人に体を治させ、自由に動く肢体を手に入れる。そのまま交渉は決裂し、幸吉は巨大化したメカ丸である装甲傀儡と、ある秘策で真人を追い詰めて撃墜する。勝利を確信した幸吉は死地を脱して友人たちに笑顔で再会することを願うが、次の瞬間には倒したはずの真人が装甲傀儡の中に侵入して来る。

渋谷事変-開門-

2018年10月31日、夏油傑と呪霊たちは以前より企てていた五条悟を封印するための計画「渋谷事変」を実行に移す。特殊な結界術「帳」を、渋谷駅を囲う形で張り巡らせたことでそこにいた一般人も閉じ込められ、呪術師たちは対応に追われていた。渋谷駅地下に単独で向かった悟は、閉じ込められた一般人と呪霊たちに遭遇する。悟が単独で任務をこなそうとする一方で、1級呪術師の七海建人、禪院直毘人、日下部篤也、冥冥が率いる形で複数班に分かれ、昇級査定中でもある虎杖悠仁たちも、次々と渋谷に派遣される。悟は地下に封じられ混乱する一般人を盾に取られながらも戦い続け、逃げ場のない惨烈な状況でも敵を圧倒して花御を撃破し、傑によく似た謎の人物、偽夏油と対峙。悟は死んだはずの傑が生きていたことに驚きながらも、「六眼」の力でそれが本物の傑ではないことを見抜く。だが、敵の手には悟を封印するための決定打があり、強力な結界「獄門彊」の中に悟が封印されてしまう。悟が抵抗を見せたことで封印を動かせないまま、漏瑚たちは誰が悠仁を狙うかで意見が分かれ、彼を巡る競争を始める。一方の悠仁は冥冥の班に入り、真人を追って明治神宮駅構内に入るが、すでに真人は電車で移動していた。そんな中で究極メカ丸が生前に残していた端末型の傀儡が起動し、悠仁たちに悟が封印されたことを伝える。悠仁たちはメカ丸から情報を得ながら、悟を奪還すべく渋谷駅の地下5階を目指す。その中で呪術高専を阻害する帳を解除しようとする悠仁は、帳を守る呪詛師や呪霊を倒していく。だが、呪詛師の降霊が不測の事態に陥り、かつて悟をも苦しめた伏黒甚爾が降霊術を通して蘇り、事態はさらに混迷を深めていく。一方、地下ホームの偽夏油に遭遇した冥冥は、弟の憂憂と共に彼の繰り出した呪霊を撃破し、再び偽夏油にせまる。後輩の補助監督たちが次々と被害に遭っているのを目の当たりにした健人は、今までにないほどの怒りを見せながら、重面春太と交戦する釘崎野薔薇のもとに駆けつける。

渋谷事変-霹靂-

呪術高専が攻勢に出る中、虎杖悠仁は脹相に遭遇し、究極メカ丸の指示を受けながら激闘を繰り広げる。メカ丸の作戦によって一度は脹相を追い詰めた悠仁だったが、不意打ちを受け重傷を負って倒れてしまう。止めを刺そうとする脹相だったが、今までなかったはずの記憶が脳裏に蘇ったことで困惑し、悠仁に何もしないままでその場を離れる。一方、禪院直毘人、禪院真希、七海健人の三人は、恐るべき呪霊へと変態を遂げた陀艮に遭遇していた。能力未知数の陀艮は、その際限なき呪力で次々と猛攻を仕掛け、直毘人たちは連携しながら対抗する。一方、夏油傑を慕う呪詛師たちは、偽夏油に奪われたままの傑の遺体を取り戻すために行動していた。彼らは気を失ったままの悠仁に両面宿儺の指を取り込ませ、悠仁の中で眠っていた宿儺を目覚めさせる。一方、陀艮に苦戦していた直毘人たちは、伏黒恵の参戦と降霊術で蘇った伏黒甚爾の乱入により勝利し、敵の領域から地上に生還する。だが、渋谷駅に現れた漏瑚の炎を受けた直毘人、真希、健人が負傷し、残った恵は甚爾が自分の実父であることに気づかぬまま激闘を繰り広げる。最終的に甚爾が自死したことでその場から離れようとする恵は、重面春太の不意打ちを食らって重傷を負う。一方、覚醒した宿儺は協力を求めてくる漏瑚と一対一になり、周囲を容赦なく巻き込むほどの激闘を繰り広げていた。一時的に自由を得た宿儺の暴虐で渋谷の街に甚大な被害が及ぶ中、重傷を負ったままの恵は、最後の手段に打って出る。恵が相打ち覚悟で呼び寄せたのは、最強の式神、魔虚羅だった。恵が調伏の儀を始めたことに気づいた宿儺は気配を頼りに駆けつけ、彼の命を取り留めたうえで制御不能状態の魔虚羅を止めようとする。

渋谷事変-変身-

渋谷で目覚めた虎杖悠仁は、灰燼(かいじん)と化した街を目にしながら、両面宿儺による大量殺人を思い出して強いショックを受ける。激しい罪悪感を覚えながらもせめて多くの人を助け出そうと単独行動する悠仁だったが、負傷した七海建人が真人に殺される光景を目の当たりにする。激しい怒りの中で悠仁は真人に戦いを挑むが、真人はひそかに自らの分身を作り出し、その分身は別の場所で釘崎野薔薇と対峙していた。真人の力は野薔薇の呪術と相性が悪く、彼女は目の前にいる真人が分身と気づかぬままで猛攻を仕掛けていく。だが、真人を追って悠仁が野薔薇のもとへ駆けつけた瞬間、真人は分身と入れ替わって野薔薇に不意打ちを食らわせる。顔に重傷を負って倒れた野薔薇の姿を見て、自らの罪の重さに悠仁の精神が限界を超えた時、親友の危機を察知した東堂葵が駆けつける。葵の言葉を受け、悠仁は健人が死ぬ間際に言った言葉を思い出し、士気を取り戻す。交流会の時のように再び葵とタッグを組み、次々と真人を追い詰めるが、真人は自らの魂のイメージを極めて新たな呪霊へと変貌する。葵は片手を失いながらも最後まで悠仁をサポートし、葵が作り出した一瞬のスキを突いた悠仁は真人に勝利。だが、そこに現れた偽夏油によって真人が捕えられ、彼は真人を取り込んで自らの呪霊操術の糧とする。究極メカ丸の仇を打とうと呪術高専、京都校の面々も駆けつけ、渋谷事変の最終局面に呪術師たちが集い、悠仁たちの前で偽夏油は自らの計画について語り出す。それを聞いた脹相は、夏油傑の遺体に寄生し呪霊たちと暗躍を続けていた偽夏油の正体に気づく。

死滅回游

渋谷事変によって東京を中心とする関東地方は大混乱に陥り、政府要人すらも行方不明になるという異常事態が発生。渋谷を蝕んだ多くの呪霊が倒され偽夏油たちが去ったあとも、その爪痕は街のあちこちに残り続けていた。さらにはこの混乱を受け、封印されたままの五条悟が行方不明となったことで、それまで彼が保持し続けた呪術界の均衡が崩れ始める。この影響により、今までは悟の提案で執行猶予がついていた虎杖悠仁に再び死刑の決定が下り、呪術師から命を狙われる立場となる。悠仁は脹相と共に街に残った呪霊を狩っていたが、悠仁の処刑を命じられたのは、以前に悟が話していた特級呪術師、乙骨憂太であった。さらには禪院家当主が命を落としたことで、禪院家の跡目争いを巡って伏黒恵の命を狙う禪院直哉も動き始め、渋谷には各地からの呪術師が集結。恵を捜す直哉は脹相と、憂太は悠仁と戦うことになるが、憂太の実力未知数の剣技と謎の呪霊による不意打ちを食らった悠仁は敗れてしまう。死に瀕した悠仁の脳裏に浮かんだのは在りし日の家族の光景で、そこにはある人物の姿があった。呪術師たちが殺し合う「死滅回游」で事態が急変する中、禪院真希は長らく離れていた実家である禪院家に向かっていた。

関連作品

漫画

本作『呪術廻戦』のプロトタイプにあたる作品として、芥見下々の『東京都立呪術高等専門学校』がある。『東京都立呪術高等専門学校』は呪術高専で起こった過去の事件をはじめ、本作の前日譚(たん)にあたるエピソードを描いたダークファンタジーで、「ジャンプGIGA」2017vol.1から2017vol.4にかけて掲載された。コミックスは2018年12月に『呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校』のタイトルで刊行された。 

メディア化

小説

本作『呪術廻戦』を原作とする、北國ばらっどの小説『呪術廻戦 逝く夏と還る秋』が、2019年5月に集英社 JUMP j BOOKSより刊行された。また2020年1月には、『呪術廻戦 夜明けのいばら道』が刊行された。

テレビアニメ

2020年10月から2021年3月にかけて、本作『呪術廻戦』のテレビアニメ『呪術廻戦』が、毎日放送、TBS系列で放送された。監督は朴性厚、キャラクターデザインは平松禎史が務めている。キャストは虎杖悠仁を榎木淳弥、伏黒恵を内田雄馬が演じている。

劇場版アニメ

2021年12月より、本作『呪術廻戦』と『呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校』を原作とする劇場版アニメ『劇場版 呪術廻戦 0』が公開された。死刑宣告を受けた乙骨憂太が呪術高専に入学し、呪いを巡る戦いに巻き込まれていく姿が描かれる。キャストは、乙骨憂太を緒方恵美、祈本里香を花澤香菜が演じている。

登場人物・キャラクター

虎杖 悠仁 (いたどり ゆうじ)

宮城県仙台市にある杉沢第三高校に通う男子。明るい茶髪の短髪で、学ランの下に赤いパーカーを着用している。快活で素直な性格をしており、誰に対してもフレンドリーに接する。昔から人間離れした身体能力を持ち、スピード、パワー共に優れているために運動部からのスカウトが絶えない。両親はおらず、たった一人の身内である虎杖倭助を亡くし、彼から「人を助けろ」「死ぬ時は大勢に囲まれて欲しい」という遺言を受ける。両親は生死・行方共に不明で倭助に育てられていたが、両親の詳細にはあまり興味を示していない。学校に現れた呪霊と戦うため、両面宿儺の指を取り込んで彼の呪力を授かった。人間ではなくなったために呪術界から死刑を宣告されるが、宿儺の力をコントロールできることから、五条悟の助けで執行猶予となった。これ以来、全部で20本ある宿儺の指をすべて見つけ出すまで、呪術高専に通い修行を重ねながら、宿儺の指を探している。倭助を失って以来、「正しい死」についてこだわっており、仲間や一般人をはじめ目の前の人間をできる限り救おうとする。本来猛毒とされる呪物を口にしても耐えられるだけでなく、宿儺に取り込まれることなく自我を保つことも可能で、宿儺の封印以来1000年以上生まれなかった宿儺の器として注目・期待される一方、爆弾のような存在として一部の呪術師からは危険視される。宿儺の魂を宿しているために強力な毒耐性を持つと共に、魂の輪郭を自然にとらえることができ、術式がなくとも真人に直接ダメージを与えられる力を持つ。さらに宿儺の影響で真人の「無為転変」も効かないため、真人にとっては天敵となっている。身体能力を活かした肉弾戦が得意で、呪力をまとわせた拳で2度の衝撃を与える「逕庭拳」という技を習得する。呪力をうまくコントロールできずにいたが、いくつかの怪事件や交流会での戦闘を通して経験を積み、黒閃も複数回にわたって成功させている。

伏黒 恵 (ふしぐろ めぐみ)

呪術高専、東京校に通う男子。2級の呪術師で、両面宿儺の指を回収するために、虎杖悠仁の高校に来た際に彼と知り合う。冷静沈着な優等生タイプで融通が利かないところがあるが、心根は優しく仲間思いな性格をしている。身を犠牲にして自分を救ってくれた悠仁には感謝し、一度は呪いと見なして祓おうとした彼が死刑の危機に陥った時は、五条悟に救って欲しいと願っていた。御三家の一つ「禪院家」の血筋であり、禪院家の分家出身とされている。実の両親は亡くなっており、小学生の時から義姉の伏黒津美紀と共に暮らしていた。さいたま市立浦見東中学校を卒業後は呪術高専に入学したが、担任である悟とは幼少期からの知り合いで、父親の伏黒甚爾が亡くなったことも悟から聞いていた。中学時代は不良でケンカばかりしていたが、津美紀が呪いを受けて昏睡(こんすい)状態になったことで彼女に冷たくしていた過去を後悔すると共に、不平等な現実が平等に与えられ善人が救われない現実に疑問を抱く。それでも多くの善人が平等を享受できることを願い、不平等に人を救うことを目指して呪術師になった。式神術「十種影法術」をあやつり、手で影絵を作ることで犬の式神「玉犬」をはじめとする式神を召喚できる。一度に2種類の式神を出すことが可能で、複数の式神を合体させることもできる。影を呪力の媒介としていることから影に呪具を収納することも可能だが、式神で繰り出す遠距離攻撃が戦闘の主流であり、複数の式神を連携させるなど幅広い攻撃ができる。反対に近接戦は苦手で、式神術のために両手を空けておく必要もある。窮地に陥った時の奥の手として、八握剣異戒神将、魔虚羅という式神を持つ。悠仁の体で目覚めた宿儺と戦って以来、目を付けられると同時に気に入られており、命を救われたこともある。高い能力を持ちながら使いこなせていないことや、本気の出し方を知らないことを宿儺や悟に指摘されていたが、八十八橋の事件で一人で戦った際に本気を出し、不完全ながら領域展開も実現した。

五条 悟 (ごじょう さとる)

呪術高専、東京校の男性教師。1年生の担任を務める。銀髪で黒っぽい服を身につけ、ふだんは黒い布やサングラスで両目を覆っている。飄々(ひょうひょう)としていい加減なところもあるが、呪術師としての能力は最強で、複数の強力な呪術を使いこなす希少な特級呪術師。御三家の一つ「五条家」の出身でもあり、六眼という特殊な目を生まれ持ち、呪力操作に使ったり術式情報などを見ることができる。これらの力を呪術高専でさらに躍進させ、呪術界全体のパワーバランスをも揺るがした。誰にでもフランクに接するがつかみどころがなく、ふざけたような態度で周囲を振り回すことも多い。しかし周囲の信頼は厚く、会ったばかりの虎杖悠仁からも好印象を抱かれている。上層部の腐敗や保身に走りがちな今の呪術界の革新を目標としており、楽巌寺嘉伸をはじめとする保守派とは対立している。一方で、呪術高専の生徒を含む若い呪術師には期待をかけ、破壊ではなく彼らを正しく育てることで、呪術界を内側から変えようと教師の道を選んだ。五条家に伝わる「無下限呪術」によって「無限」を現実に作り、自分を含む周囲の物体間の距離をあやつる。これを応用し狙った対象を押し潰したり弾き飛ばしたりなどの攻撃や、移動速度を低下させれば防御も可能。さらに領域展開「無量空処」も習得しており、身体能力も高く、自他共に認める最強の呪術師。その実力の高さは学生時代から続き、当時は同級生の夏油傑と二人で最強だったが、天内理子の護衛任務を通して遭遇した事件がきっかけで、傑と道を分かつ原因となってしまう。本来の力を最大限発揮できるのは一人の時で、ふだんは周りの人間を巻き込まないように気を配り、巻き込む際も被害を最小限に抑えようとしている。若くして強大な実力を持つことから呪術高専内でも高い発言力を持ち、その影響力のおかげで悠仁のように死刑を免れている者もいる。しかし渋谷事変で封印されてしまい、それまで保たれていた均衡が崩れようとしている。

釘崎 野薔薇 (くぎさき のばら)

呪術高専、東京校に通う女子。3級の呪術師で、盛岡から4時間かかる田舎から上京して来た。茶髪のボブカットの髪型で、東京をはじめとした都会にあこがれを抱いている。サバサバした性格でやや口が悪いが、芯が強く仲間思いで優しい一面もある。故郷に住んでいた頃、小学生の時に東京から転校して来た沙織という年上の少女と親しくなる。しかし沙織が周囲に仲間外れにされ、僻(ひが)んだ村人たちが家に落書きをするなど陰湿ないじめや嫌がらせを繰り返し、のちに彼女が引っ越してしまったことから、田舎の体質を毛嫌いしている。つねに死のリスクが高まるのを承知で呪術師になったのは、上京資金を気にせずに東京に住めるからと言い張る変わり者だが、閉鎖的な地元に縛られることなく、自分らしく生きるためでもある。上京してからは出会ったばかりの虎杖悠仁たちと東京見物を楽しんだり、ヒマがあれば観光や買い物に出かけたりなど、東京での暮らしをそれなりに満喫している。呪力を込めた釘を打ち込んで相手を攻撃する術式「芻霊呪法」を使いこなし、体の一部など対象から得た部分に釘を打ち込むことで、本体にダメージを与える「共鳴り」や、対象に直接打ち込むことでダメージを与える「簪」などを得意としている。武器は五寸釘や金槌(かなづち)で、時おり藁(わら)人形も使用する。反面、近接戦闘は苦手としている。自分らしさやアイデンティティーを大切しており、丸腰の状態で禪院真依に背後を取られてもケンカを売るなど、肝が据わっている。また、交流会前に出会った禪院真希を尊敬し、慕っている。八十八橋の事件で壊相と血塗と戦った際に、初めて黒閃を成功させた。

場所

東京都立呪術高等専門学校 (とうきょうとりつじゅじゅつこうとうせんもんがっこう)

呪術師を養成する4年制の教育機関。正式名称は「呪術高等専門学校」。日本には東京校と京都校があり、どちらも表向きは宗教系の私立校とされている。卒業生はここを拠点に呪術師として活動し、教育だけではなく呪いや呪物に関する事件を解決する任務の斡旋やサポートも行うなど、呪術界の要となっている。敷地は山奥にあり、天元の結界に囲まれている。結界内に未登録の呪術師が侵入すると警報が鳴り、結界の影響で施設などの配置が変わることがある。学生でも任務への給料が支払われており、任務が減少しやすい秋頃には東京校と京都校による「交流会」が開催されている。呪術師以外にも呪霊を視認できる「窓」という者たちが各地に派遣されており、いち早く呪霊を察知して知らせることで呪術師たちの活動を支えている。

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