地を這う魚 ひでおの青春日記

地を這う魚 ひでおの青春日記

漫画業界に美少女やロリコンなどのフェティシズムを開花させた漫画家・吾妻ひでおの青春時代を描いた自伝的作品。登場人物の多くが擬人化された動物になっており、舞台となる東京も魚が空を飛び、機械人間が闊歩するシュール世界として描かれている。理不尽な待遇や仕事、貧乏生活などストーリーの骨子は悲惨だが、コミカルな絵柄と第三者目線により、重さを感じさせにくい軽妙なタッチの作品になっている。

正式名称
地を這う魚 ひでおの青春日記
ふりがな
ちをはうさかな ひでおのせいしゅんにっき
作者
ジャンル
自伝・伝記
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概要・あらすじ

北海道から上京し、工場で働く青年のあづま。彼には「漫画家になる」という大望があったが、仕事に追われる毎日では望んだ道は歩めないと一念発起して退職。貧乏に耐えつつ、漫画家いててどう太郎の下にアシスタントとして転がり込む。やがて武蔵野荘に、あづまと同じく漫画家を目指す北海道出身の6人が集結。

それぞれが漫画家を目指して歩き始める。

登場人物・キャラクター

あづま

『地を這う魚 ひでおの青春日記』の主人公にして作者・吾妻ひでおの過去の姿。石ノ森章太郎に憧れ、北海道から漫画家を目指して上京した。根暗で無口、心中で毒づくがそれを表立っては言えない小心者。他人の引き出しから小銭をくすねたり、庭の果実泥棒をしたりと小さい悪事を頻繁に行う。若い頃ということで、吾妻ひでおの漫画によく登場する自画像よりも髪の毛が多めに描かれている。

まっちゃん

『地を這う魚 ひでおの青春日記』の登場キャラ。北海道出身。作中ではふくろうの姿をしている。高校生の頃から1人暮らしをしていたため、生活力は高い。佐藤まさあきのアシスタントをしており、北風6人衆の中でもズバ抜けた画力を持っている。モデルは漫画家の松久由宇。

ゆきみ

『地を這う魚 ひでおの青春日記』の登場キャラ。北海道出身。作中ではサイの姿をしている。快活で純真、人に好かれやすい性格をしている。あづまと同じく、いててどう太郎の下でアシスタントをし、秋田書店の『まんが王』編集部に出入りするなど、あづまとは仲の良いライバル関係になる。しかし、後年漫画を描くことに疲れ、北海道へ帰って出版社を興した、モデルは漫画家のきくちゆきみ。

いてて どう太郎 (いてて どうたろう)

『地を這う魚 ひでおの青春日記』の登場キャラ。作中では馬の格好をしている。雑誌でアシスタントを募集し、応募してきたあづまを採用する。それまでアシスタントを雇ったことが無く、アシスタント料の相場を知らないためにあづまを困窮させるが、基本的には弟子想いの先生だった。モデルは『おらぁグズラだど』などを描いた漫画家板井れんたろう。

場所

武蔵野荘 (むさしのそう)

『地を這う魚 ひでおの青春日記』に登場する安アパート。あづまが借りた部屋は、1階3畳押し入れ無し、月5000円(トイレ炊事場共用、風呂無し)だった。あづまの他に北海道出身のわてんまっちゃんゆきみかーばたわへーという漫画家志望の青年がこのアパートに集結。北風6人衆と名乗ることになる。 近隣のアクセス駅は吐立化成駅(実在する西武新宿線、都立家政駅がモデル)。

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