地獄のリラックス温泉

地獄のリラックス温泉

三十路の漫画家が、多忙な仕事の合間を縫って日本全国の温泉街を巡り、ご当地の食材を堪能したり、現地の美形な男性との偶然の逢瀬を楽しむ、リラクゼーション感があふれる作品。「ゴーゴーバンチ」Vol.01からVol.09にかけて掲載されたほか、「くらげバンチ」で2015年9月に配信された。

正式名称
地獄のリラックス温泉
ふりがな
じごくのりらっくすおんせん
作者
ジャンル
旅行
関連商品
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あらすじ

第1巻

漫画家のMは、毎日机にかじりついて馬車馬のように働いていた。友人達の多くはすでに家庭を持ち、昔のようにいっしょに遊びに行く事もなくなった。そんなMの最大の楽しみは、仕事の合間に日本各地にある温泉街に旅行をする事。ある日、熱海温泉を訪問したMは、足湯を堪能していた際にハンサムなおじさんに声を掛けられる。旅館を経営しているというおじさんに誘われ、彼の旅館を尋ねたMは、かつては賑わっていたという、古いながらも手入れの行き届いた建物に感銘を受ける。しかし、旅館の温泉に入っていたMは、ついつい長湯をしてしまい、湯当たりしてしまう。おじさんに介抱され、フカフカの布団でゆっくり休み、温泉旅行を終えたM。おじさんに見送られたMは、まだ見ぬ温泉宿に思いを馳せながら、日常へと帰還するのだった。(第1話「静岡県 熱海温泉」。ほか、4エピソード収録)

第2巻

次の仕事までのあいだに、温泉旅行する事を決意したMは、思い切って北海道を訪問。レンタカーを借りて観光地を渡り歩き、北海道ならではの新鮮な食材に舌鼓を打つ。ある日、有名な観光地である青い池を訪問したMは、そこで野生の狐に遭遇。しかし夢中で狐を追っているうちに、道に迷ってしまう。往生していた時にじゃがいも農家の男性に助けてもらったMは、彼の家で美味しいじゃがいも料理を振る舞われる。敷地内にある温泉にも入れさせてもらい、満足したMだったが、突然通行人に呼び止められて夢から覚める。目を覚ました彼女は、自分がずっとレンタカーの中で寝ていたという衝撃の事実を知る。Mは、自分が先ほど会った狐に化かされたのでは、と疑うのだった。(第6話「北海道 白金温泉」。ほか、4エピソード収録)

登場人物・キャラクター

M

三十路の独身の女性漫画家。描いているジャンルは、主に男性同士の恋愛を描くボーイズラブ作品。つねに締め切りに追われる多忙な日々を送っており、仕事と仕事の合間に全国各地の温泉街を旅行し、リフレッシュする事をなによりの楽しみにしている。友達の多くはすでに家庭を築いているため、基本的にほとんどの場合で一人旅となる。まだ見ぬ温泉に思いを馳せ、どれほど高いレベルであったとしても、一度宿泊した温泉宿には再訪しないという独自のルールを定めており、一期一会の出会いを存分に楽しんでいる。家で仕事三昧の日々を送っているため、男性とは縁遠い生活を送っているが、旅先では地元の男性と偶然に出会う事が多い。しかし、その出会いが恋愛に発展する事はなかった。

ハンサムなおじさん

昭和の香りがする中年の男性。颯爽とした雰囲気を漂わせ、静岡県の熱海で温泉旅館を営んでいる。足湯を楽しんでいたMに声を掛け、自分の旅館に泊まらないかと誘った。端正な顔立ちをしたハンサムで、昔はモテモテだったとMに語っていた。経営している旅館は古いが、隅々まで掃除が行き届いて清潔感があり、温泉も上質。そのため、Mは旅館とハンサムなおじさんと、そのイメージをリンクさせていた。

白い肌の美少年

白く透き通った肌を持つ美少年。長野県の白骨温泉を訪問していた際に、温泉旅行に来ていたMと出会った。地元民なので近場の温泉の状況に詳しく、自動車で来たMに対して、道が凍るので早めに温泉に入った方がいいと、的確なアドバイスをしていた。その後、混浴風呂でMと再会を果たす。混浴にも慣れており、ドギマギするMをよそに淡々と温泉について語っていた。

マッサージ師

マッサージ師をしている老人。落ち着いた性格の紳士で、静岡県の川根にある温泉宿の2階に店舗を構えている。露天風呂を訪れていたMは、SLを見るために身を乗り出していた時に、外を歩いていたマッサージ師と目が合い、さらに裸を見られてしまう。その後、マッサージ店を訪れたMと再会。巧みなマッサージで、Mの疲れ切った体をほぐしていた。Mの見立てでは、若い頃はハンサムだったのではと評された。

謎の少年

浴衣を着ている少年。Mが岐阜県の下呂温泉に宿泊していた際に出会った。いつも一人で行動しており、客として宿泊するには若すぎるため、Mは不審に思っていた。Mの事を「お母さん」と呼んで姿を見せるようになった事から、Mは彼の正体を幽霊ではないかと推察し、宿泊した夜に悪夢を見てしまう。その正体は旅館の従業員の息子で、単に時間を持て余して旅館内をうろついていただけだった。

モダンな従業員

温泉旅館で働いている従業員の男性。栃木県の湯西川温泉にある旅館で給仕として働いている。爽やかな風貌をした、和装も似合う現代的なイケメン。漫画の仕事が間に合わず、旅館のロビーで一人修羅場に突入していたMに懇願され、一時的にMのアシスタントをする事になった。漫画の内容が男同士のボーイズラブであった事から、Mへの一種の羞恥プレイになってしまう。なんとか仕事を間に合わせたMに対し、自身が手伝った漫画の掲載雑誌を購入する事を約束する。

じゃがいも農家の男性

じゃがいもを栽培している農家の男性。北海道在住で、白金温泉に向かっている途中で道に迷っていたMと出会う。立ち往生したMを自宅まで連れていき、美味しいじゃがいも料理を振る舞う。さらに、敷地内にある温泉を紹介し、Mを存分にもてなしていた。しかし、Mが目を覚ますと男性の姿はどこにもなく、温泉もなかった事から、Mは野生の狐に化かされたと考えていた。

一人旅をしている少年

一人で温泉旅行をしている東京在住の少年。誰もがハッとするかわいらしい顔立ちをした美少年。静岡県の箱根にある温泉街を訪問したMが、箱根で一番標高が高い宿に宿泊した際に出会った。友人が急病で来られなくなっていたMが夕食に招待し、いっしょに食事を楽しむ事になる。食事のお礼を申し出た少年に対し、Mは同人誌即売会で自分のブースの売り子をする事をお願いした。

梅夫 (うめお)

梅を栽培している農家の男性。Mが自動車で大阪から自宅へ帰る途中、和歌山にある白浜の山中で立ち往生していたのを見かね、ガソリンを分けてあげていた。その際、梅夫の母親はMの事を彼女と勘違いしていた。その後、残った仕事を仕上げるために帰ろうとしたMを、ほんの一瞬だけ引き留める。

ワイルドな男性

タンクトップを着て、ワイルドな雰囲気を漂わせた男性。年に一度の里帰りをした際、家族会議が長引いたため、疲れを癒す目的で島根県の温泉を巡っていた。飄々とした性格をしており、誰とでもすぐに打ち解けられる。温泉に入っている時に温泉好きな青年に出会い、願いが叶うという玉作湯神社に行く事を勧めた。

温泉好きな青年

温泉が大好きな青年。島根県の玉造温泉を訪問し、温泉を堪能していた。友人とは休みの日程が合わず、また気を遣うからという理由で、一人旅を好んでいる。温泉に入っている時に、ワイルドな男性に話し掛けられ、神様がいるという玉作湯神社へ行く事を勧められる。

お坊さん

九州に住んでいるお坊さん。大分県の別府温泉を訪れるため九州入りしたMが、波止場ではしゃいで海に落ちそうになっているところを助けた。しかし、Mの浮かれっぷりが癇に障ったのか、それから1時間もMを説教する事となった。

白池 (しらいけ)

九州の山中の、とある温泉宿で働いている従業員の男性。白い肌をしており、彼の周辺だけもやがかかっているかのように錯覚してしまうほどの美青年。別府に行く道中で温泉宿に迷い込んだMに、大分まで行くルートを教えていた。熱心なファンの女性が複数おり、彼と話したMをブス呼ばわりして突き飛ばした。

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