概要・あらすじ
ある日、唐突にコンピューターが欲しくなった漫画家・寺島令子は、さっそくパソコンの購入を決意。ショップに見積もりをお願いした直後、パソコン雑誌「ログイン」からタイミングよく漫画の仕事が舞い込み、新米パソコンユーザーとして赤裸々なパソコンライフを漫画として綴ることになる。パソコンゲームやインターネット、トレーディングカードゲームにコスプレ、海外旅行や洞窟探索など、時と共に移り変わる「遊び」の数々を令子なりの本気で、とことんまで追求していく。
登場人物・キャラクター
寺島 令子 (てらしま れいこ)
京都でほのぼの4コマ漫画を描いていた女性漫画家。パソコンとは無縁の生活を送っていたが、主にシミュレーションゲームがやりたくなったため、思い立ったが吉日でパソコンを購入。同時に舞い込んだパソコン雑誌「ログイン」の依頼を受け、日々のパソコンライフを描く『墜落日誌』を連載することになった。面白そうなイベントやガジェットにはすぐに飛びつくオタク気質で、多くの事柄に興味を持つアクティブな性格。 トレーディングカードゲームやオンラインゲーム、インターネット、ラジコン、海外旅行、果ては洞窟めぐりに至るまで、さまざまな「面白そうなモノ」を見つけてはどっぷりとハマっていく。連載中に夫の人と結婚し、東京へと引っ越すことになった。 オンラインゲームに傾倒したあたりから、ハードディスクの故障や唐突なハング(パソコンの停止)など、頻繁に機械的なトラブルに見舞われるようになってしまうが、そのつど粘り強く対処していく。作者である寺島令子本人がモデル。
夫の人 (おっとのひと)
『墜落日誌』連載中に唐突に伴侶となった寺島令子の夫。いつもチューリップのお面を被っている。作中では正体不明の男性とされており、令子と同じく基本的にオタク気質な性格。理系出身でコンピューターに精通し、プログラムも書けてなおかつ語学も堪能という万能タイプ。令子の周辺で起こる機械的なトラブルの多くを手際よく解決しており、令子の友人がパソコンを購入する際の相談役としても、白羽の矢を立てられていた。 スペック要求がやや過剰なところがあり、初心者には似つかわしくない高性能なパソコンを買わせようとするのが玉に瑕。
てらしま よしこ
寺島令子の妹で、令子のアシスタントも務めていた漫画家の女性。キックボクシングが大好きで、令子が結婚を機に東京へと引っ越したあとは、観戦のために月一で上京していたこともあるほどのマニア。思ったことをすぐに口に出す性格で、それで令子を困らせることもあった。のちに東京へと移住。
オタク五十嵐 (おたくいがらし)
「ログイン」の編集部員で、『墜落日誌』の初代担当編集者の男性。打ち合わせの際に京都までパソコンを持ってきたり、取材の際は寺島令子に同行して写真撮影をしていた。パソコンに詳しく、各種のセッティングなども担当する。諸事情により連載の途中で出番がなくなる。
みやち
「ログイン」の編集部員で、『墜落日誌』の2代目担当編集者。ゲームや特撮、サッカーに新撰組と、幅広いジャンルを好む懐の深いオタクの女性。若い頃はSFにも傾倒していたため、その筋の知り合いが多い。根性は人一倍あり、盲腸になったにも関わらず入院直前まで我慢して仕事をするほどだった。
さとー
関西に在住する寺島令子の友人の男性。学生時代からコンピューターに詳しく、令子からは「少年おたくのサトー」という異名を付けられていた。パソコン関連のトラブルが発生すると、妙に嬉しそうな顔で解決に注力するという風変わりな性格。
高橋 ピョン太 (たかはし ぴょんた)
「ログイン」の編集長を務める男性。寺島令子と共に長崎のハウステンボスに取材に行った際に、自前で船長風のコスプレをしてネタを作り出すほど仕事に対してマメな性格。コンピューターにも詳しいが、「令子にパソコン関連のことを教えるのは破壊的に難しい」という認識を持っていた。
柴田 (しばた)
「ログイン」の編集部員で、『墜落日誌』の3代目担当編集者の男性。作中ではずっと前歯が抜けた姿で描かれているが、実物は差し歯をしている。若干面倒くさがり屋な性格。
なかとー
「ログイン」に在籍するデザイナーの男性。行動力があるうえ、細かい作業を得意としており、料理やコスプレ衣装作成にその才能を発揮していた。気が利くようでいて肝心なところで忘れ物をする抜けた性格。寺島家に引き取られたくまこにはメロメロだった。
やんも
『墜落日誌』の4代目担当編集者で、テンガロンハットを被った恰幅のいい男性。各地を取材する寺島玲子に同行して写真を撮影していた。食い物が関わると本気を出すタイプで、カニを賭けたオンラインの対戦ゲームにおいてその実力を遺憾なく発揮する。
メケ
「ログイン」の編集部員で、『墜落日誌』の5代目担当編集者。ファンシーなものと犬、さらにジャニーズのアイドルグループ「嵐」に目がない今時の女性。
田中 としひさ (たなか としひさ)
ゲーム全般をこよなく愛する男性漫画家。パソコンゲームの「ウルティマオンライン」や「EverQuest」を好んでプレイしており、初心者の寺島令子を影に日向にしっかりとサポートしていた。
島本 和彦 (しまもと かずひこ)
ベテランの男性漫画家。寺島令子が急病で原稿を落とした時に代原として『墜落日誌』の「番外編」を描いてくれたり、「ログイン」による東京おもちゃショーへの取材に同行できなくなった際、報告のためだけに待ち合わせ場所の駅に来ていた人格者。「番外編」の内容は島本和彦がアーケードゲーム「バーチャファイター」で編集者のみやちと対戦し、最終的にボコボコにされる顛末を描いたもの。
福田 有宵 (ふくだ ゆうしょう)
「ログイン」誌上で「スーパー占い」のコーナーを担当し、初対面の寺島令子に妹がいることも言い当てていた占いの大家。令子は人生の転機において、そのつど占ってもらっていた。
こーぐち
寺島令子のアシスタントを務めていた男性で、左側のツルがない眼鏡を常時使うほど困窮した生活をしていた。「社会復帰する」ためにアシスタントの職を辞すが、のちにアパートの家賃を6ヶ月払っていないなどの近況報告を令子にする。
星野 恵美子 (ほしの えみこ)
こーぐちと入れ替わりに寺島令子のアシスタントを務めることになった女性。若干そそっかしい面があり、5インチのフロッピーディスクをCDロムドライブに入れてドライブ自体を破壊してしまうこともあった。趣味は同人誌の作成。
けいと
『墜落日誌』の熱心な読者で「寺島令子Un-Official HP」の管理人を務めていた男性。年に1回、寺島令子本人も参加するオフ会を開催し、そのたびに5時間かけて上京していた。
サカモト
テレビのCG製作や雑誌の編集、ゲーム製作などを行っていたマルチなフリー集団「UTLRA」の一員である男性。寺島令子の香港旅行に同行し、パソコンを購入する際に現地人との会話の通訳をしていた。
くまこ
1995年に発生した阪神・淡路大震災後、被災猫として寺島家に引き取られた黒猫。その愛くるしさで数々の来客を魅了する。成長後はパソコンのディスプレーに乗ることが多くなり、寺島令子たちに度々叱られていた。
みるこ
寺島令子が連載中に拾った愛猫。まるで牛のような白黒の柄をしていることからその名前がつけられていた。寺島家先住の愛猫であるくまことも非常に仲がいい。
集団・組織
穴組 (あなぐみ)
「ログイン」編集部内で結成された、日本の各所にある穴(洞窟)を探検するという大人のお遊び的な組織。穴組の活動を紹介するコーナーは当時の「ログイン」における名物となっていたが、のちに隊長の引退によって活動を休止する。
場所
鉄道博物館 (てつどうはくぶつかん)
埼玉県にある鉄道専門の博物館。寺島令子が取材に行くものの、担当編集のやんもの勘違いで開業の1年前に現地を訪れてしまうという失態を犯す。1年後の2008年、令子は開業後に再び取材に行っていた。
その他キーワード
ログイン
アスキーが刊行していた月刊のパソコン雑誌で『墜落日誌』の掲載誌。コンピューターに精通した編集者が多く在籍し、それぞれが「オタク五十嵐」「ステルス松本」「忍者増田」などの珍妙な二つ名を持っていた。
どんどんおーぼ
「ログイン」発の黒色レグホンを模した不思議なマスコットキャラクター。寺島令子の家にぬいぐるみが置かれていたが、いずれの来客からも大変不評だった。実はカモノハシという説もあるなど、キャラクターの設定はかなりいい加減。
ダンジョン・マスター (だんじょんますたー)
地下深くに広がるダンジョンをパーティーで探索する3DタイプのファンタジーRPG。ターン制ではなくリアルタイムで状況が変化し、時間の経過でキャラクターのお腹がすいたりするリアル志向のゲーム。寺島令子が一時期かなりハマっていた。
大戦略Ⅲ (だいせんりゃくすりー)
現代戦を舞台にしたリアルタイムで戦況が変化するシミュレーションゲーム。家庭用ゲーム機のシミュレーションゲームに飽きてしまった寺島令子にとって、このゲームの存在がパソコンを購入する動機のひとつとなった。
EverQuest (えばーくえすと)
美麗な3D空間を特徴とするアメリカ発のオンラインゲーム。寺島令子はバーバリアンの女ウォーリアー「Kum」を操作して数年に渡ってプレイを続け、ゲーム中に遭遇したさまざまなエピソードを作中で面白おかしく披露していた。
ウルティマオンライン
ファンタジー世界を舞台にしたアメリカ発のオンラインRPG。発売当初はそれほど熱心に遊んでいなかった寺島令子だが、コンフィグの書き換えで日本語表記ができるようになってから、どっぷりとハマることになる。
マジック:ザ・ギャザリング
ファンタジー世界を舞台にした、アメリカ生まれのトレーディングカードゲーム。夫の人がスターターパックを購入したのを契機に夫婦でどっぷりとハマり、香港やアメリカの大会にも参加するまで傾倒する。のちに「寺島杯」なるカップ戦も自ら開催していた。