概要・あらすじ
まろ(光源氏)は、桐壺帝の第二皇子として生まれたが、幼くして母の桐壺更衣とは死別した。父が桐壺更衣とそっくりの藤壺中宮を妃に迎えると、彼女に惹かれてしまう。12歳で葵上と結婚させられるが藤壺中宮への思いは絶ちがたく、ついに想いを遂げてしまう。その後、寂しさから六条御息所や空蝉など様々な女性達と交わりを結ぶ一方で、宮廷での位は上がり、政変に巻き込まれていく。
登場人物・キャラクター
まろ
光源氏のことだが、本作では分かりやすくするためにまろと呼ばれる。栗の実のような顔に描かれている。桐壺帝の第二皇子。母は桐壺更衣。幼い頃に、母・桐壺更衣と死別し、亡き母の面影を追い求め、華やかな女性遍歴を重ねていく。年齢を重ねるうちに位も上がり栄華を誇るが、その陰で人生や夫婦の愛に悩み苦しんでいる。
藤壺中宮 (ふじつぼのちゅうぐう)
桐壺帝の中宮であり、まろより5歳年上で、彼にとっては義母にあたる。まろ(光源氏)の母・桐壺更衣に瓜二つで、永遠のマドンナ。まろ(光源氏)に強引に関係を結ばれてしまうが、彼の子を宿し罪の意識に苦しむ。
葵上 (あおいのうえ)
まろ(光源氏)の最初の妻。まろより4歳年上。自尊心が高く、結婚当初からまろとの夫婦仲は冷え切っていた。まろ(紫上)子の子を宿すが様子がおかしくなり、六条御息所のような声を出し始めた。その後夕霧を産む。
空蝉 (うつせみ)
中流階級の誇り高き女。器量は良くないが人の目を引く雰囲気美人。方違えによって義理の弟・紀伊守の家に泊まった17歳のまろ(光源氏)と一夜の契りを結ぶ。その後は夫の任国に下り、彼から離れて行った。
六条御息所 (ろくじょうのみやすどころ)
先の春宮(皇太子)の未亡人。まろ(光源氏)が藤壺中宮との情事の後、つらい気持ちを紛らすために通い始めた。教養高く優雅な貴婦人だが、源氏への愛と恨みから怨霊となって女君たちに祟る。
夕顔 (ゆうがお)
頭中将の愛人。まろ(光源氏)が六条御息所を訪ねる途中で出会った。その後、お互い素性を隠したまま逢瀬を重ねる。玉鬘の母。
紫上 (むらさきのうえ)
藤壺中宮の姪。行者の加持を受けるために北山に入ったまろ(光源氏)が、散歩の途中で出会った少女。初めはまろ(光源氏)を怖がっていたが、その後打ち解けていく。後にまろ (光源氏)の妻となる。
末摘花 (すえつむはな)
常陸宮の姫君。古風で誇り高いが、稀代の醜女。男が着る黒貂の毛皮を羽織っている。噂を聞いて興味を持ったまろ(光源氏)や頭中将から文を贈られる。
頭中将 (とうのちゅうじょう)
左大臣家の嫡男。本作では豆のような顔に描かれている。まろ(光源氏)の最初の妻、葵上の同母兄。まろ (光源氏)にとっては義兄であり、親友。夕顔や末摘花など同じ女性を巡っての恋のライバルでもあり、後には政敵になる。
冷泉帝 (れいぜいてい)
朱雀帝の後に即位する。まろと藤壺中宮との不義の子。彼の妃の座に、まろ(光源氏)、頭中将、藤壺中宮の兄である兵部卿宮がそれぞれ別の女性を推す。後、まろ(光源氏)に対して譲位を持ちかける。
夕霧 (ゆうぎり)
まろ(光源氏)と葵上の長男。冷泉帝の異母弟。紫上を見て心を奪われそうになったり、玉蔓と父のまろ(光源氏)が一緒に居るのを見て不審に思ったりと、まろ(光源氏)とその周囲の女性達に振り回されている。
玉鬘 (たまかずら)
頭中将と夕顔の娘。筑紫国に下っていたが、まろ(光源氏)に引き取られ花散里によって世話をされて育つ。美しく成長し、多くの男性達から好意を寄せられるが、まろも心を奪われてしまう。
花散里 (はなちるさと)
まろ(光源氏)が一番心安らぐ年上の女性。後に玉鬘や夕霧の母代わりとなる。
女三宮 (おんなさんのみや)
朱雀帝の第三皇女でまろ(光源氏)の姪にあたる。まろの元に嫁ぐが、頭中将の嫡男柏木に言い寄られ、不義の子薫を産む。