あらすじ
引きこもりの高校生・貫井響は暇な時間を利用し、動画サイトに自作の曲をアップしていた。ある日、自分の曲のファンから、会いたいというメールが送られてくる。訝りながらも待ち合わせ場所に行ってみると、待っていたのは小学5年生の少女3人・五島潤、紅葉谷希美、金城そら。彼女らの暮らす児童養護施設リトルウイングが有する教会を、諸般の事情で手放すことになったため、思い出作りのために教会でライブを行いたい、そのために協力してほしいと頼まれる。3人の演奏に光るものを感じた貫井響は、一緒にバンド活動に取り組むようになる。
メディアミックス
登場人物・キャラクター
貫井 響 (ぬくい きょう)
高校1年生。ある事情から学校に行かなくなり、長い間引きこもっている。暇を持て余して始めたギターに熱中するようになり、「ひびきP」というハンドルネームで、自作の曲を動画サイトにアップするようになった。自分の作った曲を好きだと言ってくれた五島潤に頼まれ、彼女らのバンド活動に協力することを決意。気弱で心配性だが、心優しい性格。 人の心の機微に疎いところがあり、妹の貫井くるみや鳥海桜花の好意に気づいていない。
五島 潤 (ごとう じゅん)
城見台小学校5年2組の少女。リヤン・ド・ファミユのボーカル・ギター担当。リトルウイングの住人の一人。動画サイトにアップされた曲から貫井響を探しだし、バンド活動に協力するよう依頼した張本人。引っ込み思案な性格だが芯は強く、突拍子もない行動を取ることも。非常に耳が良く、別名義で投稿された曲同士から、作者がどちらも響であることを判別した。 生年月日は8月8日で、血液型はA型。愛用の楽器はFender USA Duo-Sonic。「純粋に声が良い」と響に評されている。
紅葉谷 希美 (もみじだに のぞみ)
城見台小学校5年2組の少女。リトルウイングの住人の一人。リヤン・ド・ファミユのベース担当。勝ち気で、細かいことに気が回るお姉さん気質。3人の中ではリーダー格に当たる。父は日本人、母がイギリス人で、両親と死別し、リトルウイングで暮らすようになった。生年月日は10月21日で、血液型はAB型。愛用の楽器はHofner・500/1。 演奏の腕は貫井響に「粗削りだがパワフルで存在感がある」と評されている。
金城 そら (かねしろ そら)
城見台小学校5年2組の少女。リトルウイングの住人の一人。リヤン・ド・ファミユのドラム担当。無口でマイペースな性格。何を考えているのかわからないところがあり、突然大胆な行動に出ては、皆を驚かせる。生年月日は12月1日で、血液型はAB型。愛用の楽器はGretsch bop kit。正確かつブレのない演奏が持ち味で、3人の中で一番上手いと貫井響に評されている。
鳥海 桜花 (とりうみ さくら)
貫井響のクラスメイトの少女。リトルウイングの住人の一人。一見遊んでいそうな風体をした派手目の美人だが、それは孤児であることを、周囲に同情させないためのポーズ。本来はドライでたくましい性格をしている。ある事情から、響のことを気にかけている。随所でアピールもしているが、響には全く伝わらず、歯がゆい思いをしている。 アルバイト先のパン屋「Sanois(サオノア)」に、響が五島潤らと共に訪ねてきたのを切っ掛けに、再び関わるようになった。趣味は釣りで、マスターとよく釣果(ちょうか)を競って張り合っている。
佐渡 正義 (さわたり まさよし)
元神父の男性。現在は児童養護施設リトルウィングの責任者。住人たちの保護者的存在で、マスターと呼び慕われている。豪快な性格で、細かいことを気にしないが、子供たちをとても大事に思っている。かつて音楽をやっていたこともあり、施設内に様々な楽器を所有している。リヤン・ド・ファミユが使用している楽器は、全て彼の私物である。
貫井 くるみ (ぬくい くるみ)
城見台小学校5年2組の女子。貫井響の妹。学校ではクラス委員長を務め、家では家事をこなすしっかり者。兄が大好きで、憎まれ口を叩きながらも、悩み相談に乗るなど、何かにつけて世話を焼く。引きこもっている時は、自分だけのものだった兄が、リトルウイングに関わるようになったことに嫉妬を覚えている。
霧夢 (きりゆめ)
双龍島に住む少女。島の鎮守である「貴龍神社」の御神体「龍の神子」として、身を捧げる使命を背負わされており、神社の外に出ることを禁じられている。せめてもの慰めにと、世話役の相ヶ江柚葉が与えてくれたパソコンで絵を描く楽しみを見つけ、人気絵師として活動している。貫井響とはネットで知り合い、彼の作る曲にイメージイラストを描くようになった。 リトルウイングと関わりはじめたため、あまり相手をしてくれなくなった響を、恨めしく思っている。
相ヶ江 柚葉 (あいがえ ゆずは)
双龍島に住む少女。中学2年生。褐色肌の巨乳美人。代々「龍の神子」の世話をする家系で、当代の神子である霧夢の世話役。神社に閉じ込められている霧夢にパソコンを与え、彼女が絵師として活躍するようになるきっかけを作った。
尾城 小百合 (おぎ さゆり)
双龍島の住人の女性。双龍島観光協会の人間で、島を訪れた貫井響ら一向を出迎え、島内での案内役を務めた。尾城健太は夫。マイペースな性格で、夫が騒いでいても意に介さず、テキパキと案内をこなしていた。
尾城 健太 (おぎ けんた)
双龍島の住人の男性。双龍島観光協会の人間で、島を訪れた貫井響ら一向の案内役を務めた。尾城小百合は妻。釣りが好きで、マスターと鳥海桜花を、絶好の釣りポイントに誘った。仲間内では「オギケン」と呼ばれているという。
ライアン＝ブルネル (らいあんぶるねる)
紅葉谷希美の母方の祖父でイギリス人。ネットにアップされたライブ動画から孫娘の居所を探し出し、彼女を引き取るため日本にやって来た。柔らかい物腰の紳士で、希美をとても大事にしている。リヤン・ド・ファミユの名付け親でもある。
集団・組織
リトルウイング
児童養護施設。オーナーは佐渡正義で、五島潤、紅葉谷希美、金城そら、鳥海桜花の4人が暮らしている。住居棟の建物の隣に教会があり、リヤン・ド・ファミユがライブを行う際は、礼拝堂を会場にしている。教会は規模縮小のため引き払う予定だったが、貫井響の提案で、現在はライブ演奏のためのイベントスペースとして活用している。
リヤン・ド・ファミユ (りやんどふぁみゆ)
五島潤、紅葉谷希美、金城そらが結成したスリーピースバンド。日本語で「家族の絆」を意味するフランス語。活動当初は名前がついていなかったが、ライアン＝ブルネルによって名付けられた。
場所
城見台小学校 (しろみだいしょうがっこう)
五島潤、紅葉谷希美、金城そら、貫井くるみらが通う小学校。以上4名は全員5年2組の生徒であり、くるみは学級委員長を務める。
双龍島 (そうりゅうじま)
伊豆諸島の南側にある離島。温暖な気候で、広い砂浜やヤシの木がある。町おこしイベントで演奏して欲しいということで、貫井響とリヤン・ド・ファミユを含めたリトルウイングの面々が招待された。霧夢、相ヶ江柚葉及び尾城健太、尾城小百合が住んでいる。善悪を象徴する2匹の龍が登場する創成神話があり、善神として「貴龍様」を祭る「貴龍神社」が島中の信仰を集めている。
その他キーワード
TR03
貫井響が作った楽曲。響が現在使用しているハンドルネーム・ひびきPとは別名義で作成されたにも関わらず、五島潤はこの曲が響の手によるものだ、ということがわかり、彼らの出会いの端緒となった。
月へ駆け上がれ (つきえかけあがれ)
貫井響が作った楽曲。教会で開催したリヤン・ド・ファミユのファーストライブで披露された。
教会のうた (きょうかいのうた)
貫井響が作った楽曲。曲を響が作り、作詞は五島潤、紅葉谷希美、金城そらの3人が担当。ライアン＝ブルネルが開催した希美の歓迎記念パーティで披露された。
クレジット
- 原作
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蒼山 サグ
- キャラクターデザイン
-
てぃんくる
書誌情報
天使の3P! 全8巻 KADOKAWA〈電撃コミックスNEXT〉
第1巻
(2014-11-10発行、 978-4048690300)
第2巻
(2015-07-10発行、 978-4048652148)
第3巻
(2016-02-10発行、 978-4048657464)
第4巻
(2016-10-08発行、 978-4048924757)
第5巻
(2017-07-10発行、 978-4048929844)
第6巻
(2017-09-08発行、 978-4048933162)
第7巻
(2018-07-10発行、 978-4048938983)
第8巻
(2018-11-24発行、 978-4049121841)
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