概要・あらすじ
人気漫画家の吾妻ひでおは突然、極度のスランプに陥り、仕事を放棄して失踪する。自殺を図るも死にきれず、そのままホームレス生活を送ることとなる。1度は連れ戻されるものの再び失踪。やがてガスの工事人として働きはじめる。そんな、デビューから売れっ子漫画家への道、そして2度に渡る失踪の記録、アルコール依存症を克服するために強制入院した病院の事情までを描く。
登場人物・キャラクター
吾妻 ひでお (あづま ひでお)
作者である吾妻ひでお本人。容姿は作者が以前から作品内で自身を描くときに使っていたキャラクターで、ぼさぼさの髪に、片目にだけに白目があるのが特徴。
ガス公 (がすこう)
虎じまの大きな猫。誰も漫画家の吾妻ひでおが作者だと気づかなかった。
オカマの兄ちゃん (おかまのにいちゃん)
『失踪日記』に登場する、謎の青年。シケモクをねだってきたことから顔見知りになる。オカマは吾妻の想像で、確認されてはいない。吾妻が正体を突き止めようと後をつけるも、忽然と消えてしまった。
上森さん (うえもりさん)
『失踪日記』に登場する、アル中のじじい。仮名。吾妻を日本ガス社孫請け企業の配管工にスカウト。なにかと面倒見がいいが、寸借詐欺とタカリの常習。同じ会社にガラの悪い弟がいる。
柳井さん (やなぎいさん)
『失踪日記』に登場する、配管工で嫌味な同僚。仮名。吾妻の先輩。話すことは下ネタと嫌味。意地が悪く、その態度が吾妻が配管工を辞めるきっかけになる。
渡辺さん (わたなべさん)
仮名。吾妻が強制入院された病院の最初の同室者。吾妻の手のひらを見て「お前は肝硬変で死ぬ!」と予言。一本気で直情型。看護師にアイスコーヒー用の氷を要求、押し問答となりそれが元で病院から強制退去。
T木さん (てぃーきさん)
『失踪日記』に登場する、コワモテのスキンヘッドを従えたアル中病棟を仕切る女帝。クリスチャン。その威厳ある態度、言葉使いから、吾妻は「ニセアル中」、「本部が送り込んだスパイ」ではないかと疑ったと、後書きで触れている。
社長さん (しゃちょうさん)
二度目の失踪時に、配管工となった吾妻の会社の社長。初日にいきなり五万円を吾妻に渡し、あれこれと助けになってくれた。アットホームな雰囲気を重視している。吾妻いわく、「若いのに大物」。『失踪日記』の中では珍しく最後まで善人である。奥さんはどこかの国の美少女。