巴の面

巴の面

美に対する概念をテーマとし、中世日本の封建的武家社会を舞台に描かれる時代恐怖漫画。時代と共に変化する人々の美意識の本質が、残酷な物語として強烈に風刺された短編怪談で、物語の後半は現代と未来に舞台が切り替わるという実験的作品。「週刊少年チャンピオン」1970年1月7日号に掲載された作品で、手塚治虫漫画全集の『ザ・クレーター』第2巻に収録されている。

正式名称
巴の面
ふりがな
ともえのつら
作者
ジャンル
怪談・伝奇
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概要・あらすじ

その昔、中世日本のとある城主の姫君に双子姉妹がいた。そんな姉妹が同時に心を寄せる豪族の子息、本城忠道が結婚相手に選んだ相手は、美貌の妹の伏見姫ではなく、意外にも醜女と評される姉の巴姫だった。しかし、嫉妬に狂った伏見姫の策略によって、巴姫は不幸な運命をたどることとなる。そして、時代は中世から現代、そして未来へと移り、世にも恐ろしい怨念の物語が綴られていく。

登場人物・キャラクター

巴姫 (ともえひめ)

とある城主の娘で伏見姫の双子の姉。顔は不美人だが、清く優しく従順な性格。土佐の豪族の子息である本城忠道の求婚を受け結婚する。結婚後は嫉妬に狂った妹の伏見姫の策略によって痛ましい不幸に見舞われる。

伏見姫 (ふしみひめ)

とある城主の娘で巴姫の双子の妹。顔は絶世の美人だが蛇のように残忍で意地の悪い性格。好意を寄せていた土佐の豪族の子息である本城忠道を姉の巴姫に奪われ、嫉妬心に狂い、巴姫の悪い噂を言いふらす。

手塚 (てづか)

おもちゃ製品のデザイナー。おもちゃ会社の社長に恩義があり、気の進まない仕事でも断れず嫌々ながら引き受けてしまう。深夜に一人で仕事をする時は、酒を飲んで恐怖心を紛らわすほどの臆病な性格。作者である手塚治虫がモデル。

社長 (しゃちょう)

おもちゃ会社の経営者で、儲け第一主義者。最新の流行に敏感で、オカルトブームに便乗し、ある寺に古くから伝わる品を買い取り、デザイナーの手塚にデザイン制作を無理やり押し付ける強引な性格の持ち主。

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