概要・あらすじ
登場人物・キャラクター
浅倉 達彦 (あさくら たつひこ)
国資開発計画株式会社に勤務する42歳のエリートサラリーマン。社運を賭けた一大プロジェクトであるアザレアニュータウンの開発担当に抜擢される。軽い気持ちで始めた高村燿子との不倫は次第に抜き差しならぬものになり、家族がギクシャクするようになっていく。不倫関係を維持するために、晨栄建設の古河の廃材利用を見逃す口止め料として現金を受け取るようになる。
浅倉 智子 (あさくら ともこ)
浅倉達彦の妻で37歳の専業主婦。旧姓は岡島。達彦の浮気に疑心暗鬼になっている時にガーデニング教室の講師である篠田俊夫に襲われ、息子の浅倉良介にも篠田との間に何かあったことを気づかれる。達彦の浮気の証拠を見つけてしまい、傷心から家を飛び出した旅先で同じ孤独を抱える後藤と出会い一夜を共にする。世間体を気にする達彦の態度に嫌悪を感じる反面、自分自身も人の目を気にしてしまう性格。
浅倉 良介 (あさくら りょうすけ)
浅倉達彦と浅倉智子の息子で、大学受験を控える高校生。ライブハウスで歌う北島奈津と知り合い、急速に惹かれていく。素直で子供っぽいが故に両親の不和に耐えきれなくなり、これを理由に高校を中退して奈津の部屋に転がり込む。仕事と不倫で家庭を顧みる余裕のない浅倉達彦は、自主性を重んじるとの建前のもと浅倉良介に一切干渉しなくなる。
浅倉 香織 (あさくら かおり)
浅倉達彦と浅倉智子の娘で、15歳の女子高生。マイホームに越してきてから家族に入った亀裂を敏感に感じ取る大人びた少女。仮面をつけた両親の態度に耐えきれない思いを抱く。突拍子もないが自由で正直な矢崎修の考えや生きざまに触れ、言葉にできない何かを感じる。両親のいざこざを見て、死ぬ時には心から涙を流してくれる人がいて欲しいと思うようになっていく。
高村 燿子 (たかむら ようこ)
浅倉智子の運転する車にはねられ軽傷を負った女性。重度のファザコンであり、智子の夫として知り合った浅倉達彦に心を奪われる。出張先の台湾に不倫旅行として同行した際、そこで達彦が白川美沙と関係を持ったことを知って動揺して事故に遭い、旅先の病院に置き去りにされてしまう。
ハッピー
浅倉達彦家に飼われていたゴールデンレトリバー。家族でペットショップに行って選んだ、浅倉良介が欲しがった犬。幸せの象徴のような存在だったが、家族の崩壊が突き進むなか、ウイルス性肝炎に罹り長くはないと医者に告げられる。
矢崎 修 (やざき おさむ)
国資開発計画株式会社の宣伝部に所属する、浅倉達彦の同期の男性。達彦の引っ越し祝いに仮面の置物をプレゼントする。お互いに仮面をかぶって幸せゴッコを演じてもつまらないという考えの根っからの自由人。妻の矢崎江里子のもとへ帰らない日々を送っていたが、江里子が病に倒れた際には献身的に看病する。酔った浅倉香織にいたずらしそうになり、香織に嫌われるが、取り繕わない人間性と江里子への愛情を知るうちに、香織は徐々に矢崎修に惹かれていく。
矢崎 江里子 (やざき えりこ)
矢崎修の妻。結婚してから修と一度も食事に出かけたことがない。夫婦生活においてははらわたが煮えくり返る思いもし、自らも不倫の経験はあるが、それでも自分にも他人にも嘘がつけない修を理解し愛している。自分たちは人間の深いギリギリのところだけで結びついている夫婦だと自覚しており、修には死ぬ時に側にいてくれればいいと思っている。
北島 奈津 (きたじま なつ)
ロックバンドのボーカルを担当し、ライブハウスで歌う若い女性。同じバンドのメンバーにレイプされそうになっていたところを浅倉良介に助けられたことがきっかけで、仲良くなる。父親が浮気を繰り返し、母親が見て見ぬふりをする家庭に耐えきれず、家を飛び出し一人で生きる決意をしたという過去を持つ。男性不信だったが良助の一途さに心を開いていく。 家族間の欺瞞に嫌悪感を持ち、いい父親ぶる浅倉達彦に、達彦の不倫現場を目撃したと告げて「自分のことしか考えていない最低男だ」と罵る。
篠田 俊夫 (しのだ としお)
ガーデニング教室の講師で35歳。浅倉智子に狂気にも似た想いを抱き、花を届けに行った時に耐えきれずレイプしてしまうが、その後自殺未遂を起こして入院する。智子からは、この一件の罪滅ぼしとして浅倉達彦の浮気調査をして欲しいと頼まれることになる。智子への一方的な愛は留まることがなく、陰から智子を守ろうと秘かに行動し続ける。
後藤 (ごとう)
浅倉達彦の浮気を確信した浅倉智子が一人旅に出た先で知り合った中年の男性。智子と一緒に食事をし、妻に浮気をされた自分を見つめ直しにきたことを打ち明ける。同じ境遇に共感し合った2人は一夜を共にするが、その部屋に妻が訪ねて来てしまう。
遠山 (とおやま)
国資開発計画株式会社に勤務する浅倉達彦の部下。当初は達彦を尊敬し慕っており、仲人を頼みに浅倉家を訪れたこともある。晨栄建設がアザレアニュータウンの仕事で廃材を使ったことを嗅ぎつけ、達彦が不正に絡んでいる証拠を掴む。
田口 (たぐち)
ブティックを経営する男性。仕事は順風満帆だが恋人はおらず、自分の友達の華子と来店した高村燿子に一目惚れする。燿子とデートしているところを浅倉達彦に見られ、燿子が惜しくなった達彦にからまれるが、逆に叩きのめしてしまう。
古河 (ふるかわ)
晨栄建設の社長。会社の経営が傾いているため、アザレアニュータウン建設の仕事で廃材を使った。その際、アザレアニュータウン担当の浅倉達彦に責められ、口止め料を払う。達彦を悪の道に引きずり込んだ張本人だが、結果味をしめた達彦に金をせびられ続け、にっちもさっちも行かなくなる。
白川 美沙 (しらかわ みさ)
東立建設の営業部長の若い女性でバリバリのキャリアウーマン。浅倉達彦が高村燿子を伴って行った台湾出張時に知り合う。達彦と燿子の関係を見抜いたうえで、達彦に迫りセックスフレンドとしての付き合いを提案する。これが達彦にこれまでの生き方を捨てさせるきっかけとなった。
柳 (やなぎ)
浅倉智子の高校の同級生。偶然にも智子の近所に住んでいたことから再会する。高校当時はデートをしたのが3回という淡い付き合いをしていた。思い出話に花を咲かせるうちに、当時の気持ちが再熱し不倫の関係に突き進む。智子に対して誠実なふりをしているが、いざとなると智子を引き受ける度量はない。
望月 (もちづき)
高村燿子と別れた浅倉達彦が目を付けた社内の女性。当初は達彦が迫って振られるも、クレジットカードで多額の借金を背負っていることを知り、体の関係と引き換えに買収した。達彦におもちゃにされた挙句、サディストの片岡にあてがわれたのだが、結果的に自分の欲望が満たされることになったため、達彦には本気で感謝している。
片岡 (かたおか)
民自党で建設界のドンと呼ばれる大物。性格が悪く、接待では相手を困らせることしかしない嫌味な人物。片岡の接待役を楠田から任命された浅倉達彦が、その扱い辛さに音をあげたほど。のちに片岡がサディストだと気づいた達彦は、片岡にマゾヒストの望月をあてがうという接待をし、大成功を収める。
楠田 (くすだ)
国資開発計画株式会社の常務。浅倉達彦の悪事には目をつぶる代わりに更に業績を上げることをけしかける。達彦に片岡を上手く丸め込ませようとけしかけたが、どうにもいかないとなると、達彦に責任を押し付けて逃げた。同様に、アザレアニュータウンが欠陥住宅問題で失敗した件についても、責任を達彦一人に押し付けようとする。
ママ
浅倉達彦がアザレアニュータウンの欠陥住宅問題で失踪し、逃げた先の飲み屋のママ。達彦を見て死ぬほど孤独を感じていると察する。子供と2人暮らしだが、男と女の孤独は子供には埋められないと達彦にもらす。達彦と一緒に暮らすことが決まった矢先、高村燿子が浅倉香織を人質に立てこもったという事件がニュースで流れる。
真由 (まゆ)
浅倉達彦がアザレアニュータウンの欠陥住宅問題で失踪し、逃げた先の飲み屋のママの娘。達彦が家に居着き、「あのおじさんがお父さんになってくれたらどうする?」と尋ねてきた母親の幸せそうな姿を見て、ママのために達彦にプレゼントを用意する健気な少女。
書誌情報
幸せの時間 12巻 双葉社〈双葉文庫名作シリーズ〉
第1巻
(2008-01-01発行、978-4575726572)
第2巻
(2008-01-01発行、978-4575726589)
第3巻
(2008-02-01発行、978-4575726626)
第4巻
(2008-02-01発行、978-4575726633)
第5巻
(2008-03-01発行、978-4575726664)
第6巻
(2008-03-01発行、978-4575726671)
第7巻
(2008-04-01発行、978-4575726701)
第8巻
(2008-04-01発行、978-4575726718)
第9巻
(2008-05-01発行、978-4575726725)
第10巻
(2008-05-01発行、978-4575726732)
第11巻
(2008-06-01発行、978-4575726763)
第12巻
(2008-06-01発行、978-4575726770)
幸せの時間 4巻 双葉社〈アクションコミックス〉
第1巻
(1997-10-27発行、978-4575822847)
第2巻
(1998-01-05発行、978-4575823066)
第4巻
(1998-07-10発行、978-4575823455)
幸せの時間 7巻 双葉社〈Action comics〉
1 (ハジメテ ノ ウラギリ)
(2012-11-01発行、978-4575841503)
2 (カゾク ノ ナカ ノ タニン)
(2012-11-01発行、978-4575841510)
3 (カメン ノ フウフ)
(2012-11-01発行、978-4575841527)
4 (ツマ ノ ヒメゴト)
(2012-11-01発行、978-4575841534)
5 (ヨクボウ ノ ハテ)
(2012-12-01発行、978-4575841657)
6 (モドレナイ フタリ)
(2012-12-01発行、978-4575841664)
7 (センリツ ノ モクゲキシャ)
(2012-12-01発行、978-4575841671)
8 (ヨクボウ ト ゼツボウ ノ ハザマ)
(2012-12-01発行、978-4575841688)
9 (ハメツ ト イウ ゴール)
(2012-12-01発行、978-4575841695)
第7巻
(1999-02-01発行、978-4575823998)
幸せの時間 双葉社
(2003-11-01発行、978-4575991536)
(2004-01-01発行、978-4575991628)
(2004-02-01発行、978-4575991666)
(2004-03-01発行、978-4575991703)
(2004-04-01発行、978-4575991741)
幸せの時間 : 妻・智子の疑念 双葉社〈Action comics〉
ゼンペン
(2011-11-01発行、978-4575995718)
コウヘン
(2011-11-01発行、978-4575995725)
幸せの時間 少年画報社〈YKベスト〉
ホウガ ノ ショウ
(2015-09-01発行、978-4785956110)
メイム ノ ショウ
(2015-10-01発行、978-4785956271)
ウツセミ ノ ショウ
(2015-11-01発行、978-4785956547)
コエイ ノ ショウ
(2015-12-01発行、978-4785956660)
ハトウ ノ ショウ
(2016-01-01発行、978-4785956981)
キョウラン ノ ショウ
(2016-02-01発行、978-4785957049)
シュウエン ノ ショウ
(2016-02-01発行、978-4785957056)







