概要・あらすじ
小田原の城下町に住む沢木は、かつて高校の倫理社会教師をしていた。妻を亡くして一人で暮らす沢木は、定年退職後、散歩の日々を過ごしていた。沢木は少しボケ始めており、30年ぶりに会った元教え子の名前を覚えていたかと思えば、その5分後には「今のは誰だ?」と自問するといった具合だった。そんな沢木は、散歩(徘徊)する先々で、元教え子だけではなく、見ず知らずの人にも平気で話し掛ける。トンチンカンなことやキツイことを言うときもあるが、沢木の含蓄に富む言葉と相手への真摯な態度が、人々の頑なな心を溶かしていく。
登場人物・キャラクター
沢木 (さわき)
小田原市に住む元高校教師で、倫理社会を教えていた男性。妻を亡くし、定年後は一人で暮らしており、少しボケ始めている。ソフト帽、丸メガネ、スーツに蝶ネクタイという格好で、リュックサックを背負う。毎日朝6時過ぎから散歩を始める。行き先は決まっておらず、時にはまちがいで浜松まで行ってしまうこともある。現役の頃は、喜怒哀楽がなく生徒と距離を置く教師だったらしい。また、「タクボク」先生というあだ名で呼ばれていた。
クレジット
- 原作
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伴茶 彰