愛人

愛人

人生の悲哀を感じ始めたサラリーマンが、甘美な不倫に身を投じる中で懊悩する姿を描く。物語はオムニバスの三部構成になっており、「PART1」は愛人バンクで知り合った女子大学生に溺れ会社も家庭も捨てた男の行く末が、「PART2」では部下の妻を奪ったエリート会社員の末路が、「PART3」では銀行員とテレクラで知り合った女子高校生との奇妙な関係が描かれる。

正式名称
愛人
ふりがな
あいれん
作者
ジャンル
不倫
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あらすじ

PART1(第1巻~第3巻)

平凡なサラリーマンの木村武は、父親の急死で得た遺産で「愛人バンク」に登録し、女子大学生の若狭真里と愛人契約を結ぶ。だが、その交際はどこかぎこちなく、真里とのあいだに壁を感じた武は愛人契約を解消しようとする。しかし、医者の一人娘で、親が決めた相手と結婚する将来に嫌気がさしていた真里は、武といる事にやすらぎを感じていた。真里に引き留められ、曖昧な関係が続く中、武は同じ会社の大谷友子と親密な関係になってしまう。同じ頃、武からの連絡がなくなった真里は、申しぶんのない見合い相手・伊藤とデートを重ねるが、本気になれずにいた。やがて、武は今後も友子を愛し続ける自信がなくなり、友子を突き放すのだった。後日、友子が自殺未遂した事を知り、自己嫌悪に陥っていた武は、真里に再会し関係を復活させる。そして、ステレオタイプの人生に嫌気がさした自分を受け入れてくれる真里に、初めて愛情を感じるのだった。なし崩し的に会社も家族も捨ててしまった武は、バーに職を見つけ、真里と同棲を始めるが、ほどなくして、真里は真里の父に監禁されてしまう。逃げ出した真里とようやく再会した武は、改めて現実の壁にぶち当たる。ある日、やつれた武の妻を見かけた武は動揺し、明日が見えない毎日に疲れを感じてしまう。さらに、興信所に追われての逃亡生活を経て、武は真里を家に戻そう決意。自分は家族のもとに戻ると噓をつき、真里を突き放す。抜け殻のようになった武は妻や友子に会いに行き、最後に真里と伊藤の仲睦まじい姿を垣間見る。ある日、そんな武の部屋に訪問客が現れた。

PART2(第4巻~第6巻)

日本海に面した雪国の小都市で大手火災保険会社に勤務する久保洋一は、出世コースを歩んでいた。だが、社宅のとなりに越して来た奥平保雄の妻である奥平今日子に、どうしようもないほど魅かれてしまう。洋一は今日子がいつも佇む防波堤で愛を打ち明け、今日子もまんざらではない様子を見せる。保雄の出張中、今日子と不倫関係になった洋一は、日に日に理性が抑えられなくなっていく。二人の関係は保雄と洋一の妻・久保八重子にも知れ、八重子は実家に帰ってしまう。ある日、洋一と今日子が防波堤で密会していると、保雄が現れて今日子を連れ帰ろうとするが、彼は誤って海に落ちてしまう。洋一は自分が疑われるのを恐れ、その場を離れたが、しばらくして、洋一のもとに脅迫電話がかかって来るようになる。そんな中、洋一の部下の青木が保雄に頼まれ脅迫電話をかけていた事が判明。保雄に会った洋一は、今日子には家庭や仕事を捨てるほどの価値はないと忠告される。だが、すべてに疲れ果てた洋一は今日子と上京し、友人の矢田部昌夫が経営する不動産会社に職を得る。そんな中、都会に感化された今日子は六本木のクラブで働き出し、次第に二人の求めるものにズレが生じていく。今日子を夜の世界から引き放そうと、洋一は矢田部が画策した詐欺に手を染めるが失敗。そんな矢先、深田公一郎のもとへ行くという今日子から別れを告げられる。絶望の中、ユカリに安らぎを見出した洋一だったが、深田が失脚し行方不明となった事で、今日子から復縁を持ちかけられる。

PART3(第7巻~第8巻)

妻子と別居中の銀行員・本城は、テレクラで知り合った女子高校生・果歩と、SEXはしないという条件付きで愛人契約を結ぶ。若い体を前に次第に欲求不満に耐えられなくなった本城は、同じ支店の美女・南川サユリと関係を持つ事に成功。本城は南川に夢中になり、果歩とのデートはどうでもよくなってしまう。そんな中、転勤が決まった宮前新井次長に殴りかかるという事件が起こる。南川は宮前、新井とも関係を持っていたのだ。淫乱な南川の本性を知り、愕然とする本城は、さらに果歩からも、好きな人ができたので愛人関係を解消すると告げられる。しばらくして、家出して来た果歩を居候させる事にした本城だったが、彼氏と関係を持ったのではないかと気が気ではない。一方、南川はたびたびSEXを求めて本城の家を訪れるようになるが、会社の金を横領して来いと言い出された事で、本城は南川との関係を断つ。そんな中、妻との離婚が決まり、転勤を言い渡された本城は、とうとう果歩と結ばれる。だが、日増しに誰にも愛されていないという辛さが倍増し、本城は自分は何を求めているのかと自問自答を繰り返す。思い切って会社を辞めた本城は、果歩との関係を続けながら、ある決意を胸に秘め第二の人生をスタートさせる。

登場人物・キャラクター

木村 武

向島商事に勤める平凡な男性。一男一女の父親で、武の妻の夫。年齢は30代。大学時代はラグビー部に所属しており、休日にはラグビーで汗を流す事もある。幸せな生活を送りながらも、どこか満たされぬ気持を抱えており、父親の遺産の100万円で愛人バンクに登録、女子大学生の若狭真里と愛人契約を結ぶ事になる。優柔不断な性格で、やめようと思いつつも真里との関係を断てないでいる。 彼女から若さをもらい、自分はやすらぎを与え、適当な時期に別れればいいと考えていたが、同僚の大谷友子の相談に乗るうちに、今度は彼女との不倫関係に溺れる。しかし友子の将来に責任を持つ事を恐れ、彼女をつき放してしまう。そんな中、先が見えているサラリーマン人生に急に嫌気がさし、自分を受け入れてくれる真里に心底愛情を感じるようになる。 そして大胆にも、会社と家庭を放り出し、真里と同棲を始めてしまう。蒸発者なので、昼間の仕事に就く事ができず、バーで働くようになるが、その時には風貌が一転、ヒゲ面で得体の知れない世捨て人のようになる。貧乏暮らしをオママゴトのように喜ぶ真里と過ごすうち、不安が募り、真里のためを思い、彼女を家に戻す事を決意する。

久保 洋一

一流の火災保険会社・東都火災保険に勤務する33歳の男性で、営業の課長を務めている。妻の久保八重子と4歳になる息子の洋と社宅で暮らしている。穏やかな性格だが、自分に正直なため、ひとたび欲望に火が点くと自制できない欠点を持つ。2年前、日本海に面した雪国に転勤となったが、出世は順調で、あと1年で東京に戻れる予定だった。 だが、先の見えたサラリーマン人生に嫌気がさして気持ちが落ち込む中、となりに越して来た部下の奥平保雄の妻・奥平今日子に一目惚れし、自分を抑えられなくなる。やがて、今日子との不倫関係を貫き、家庭と仕事を捨てる。今日子と上京し、友人の矢田部昌夫の不動産会社で働くが、贅沢に目覚めてホステスの仕事を始めた今日子とのズレが生じてしまう。 今日子をつなぎ止めるため詐欺に手を染めるが、深田公一郎と深い仲になった今日子に捨てられる。そんな自分に好意を寄せてくれるユカリの優しさに甘え、ユカリとの再出発を決意。そんな矢先、今日子から復縁の言葉を掛けられる。

本城

三友銀行渋谷支店に勤める30代の男性で、自分が平凡だと自覚している温厚な性格の持ち主。妻と子供とは別居中で、寂しい気持ちを抱えながら、テレクラで知り合った女子高校生の果歩と愛人契約を結ぶ。しかし、触れてもいいが最後まではしないという条件付きなため、日増しに欲求不満が溜まっていく。そんな中、同じ支店の南川サユリと関係を持ち、彼女に夢中になる。 だが南川が異常ともいえる多淫な女だと知り、改めて果歩が正常だと実感する。妻との離婚が決まり、転勤を言い渡された時、果歩と関係を持つに至る。しかし、彼女にはぐれ者同志の一体感を感じるものの、共通しているものがなく、最終的には何か物足りなさを感じている。結局会社を辞め、ノンバンクのリース会社に就職。 果歩との関係を続けるも、淋しさを分かち合える相手を強く求めている。

若狭 真里

千代田大学に通う女子大学生。年齢は18歳。豪華なマンションに一人暮らしをしており、月に30万円の仕送りをもらっている。「愛人バンク」で木村武を気に入り、月6万円で愛人契約を結ぶ。実は、総合病院の一人娘で、親が決めた医者のタマゴと結婚させられる事に嫌悪感を抱いている。じゃじゃ馬娘の気の強い性格で、真里の父に一度も反抗した事のない、人形のような真里の母を反面教師にしている。 一方で若い男性に興味がなく、年上の男性との出会いを求めて愛人バンクに登録した経緯があり、いっしょにいると落ち着く武に惹かれていく。お嬢様特有の大胆さがあり、貧乏を経験した事がないため、会社と家庭を捨てた武との生活をむしろ楽しんでいる。

武の妻

木村武の妻で、一男一女の母親。地味でおとなしい性格で、節約のため自分の服をほとんど買った事がない。友人の石本から、男性と交際するアルバイトに誘われるが、その世界に足を踏み入れたかは不明。武が浮気を重ねている事に気づいているが確信はなく、武とたびたび衝突を繰り返す。武が蒸発してからは、父親の会社を手伝っていたようで、真里と別れた武が訪ねて来た際には、顔を見るのも嫌だとつっぱねた。

大谷 友子

向島商事の総務部に勤める女性で、28歳の既婚者。「愛人バンク」に入会したという友子の夫の事で悩んでおり、木村武に相談するようになる。明るく飾らない性格で、喜怒哀楽がはっきりしている。別居してアパートで一人暮らしを始め、自分も夫以外の男性を知りたいと武を部屋に誘い、驚くほどSEXの相性がよかったために、親密な付き合いに発展。 だが、武に突き放されて会社を辞めてしまう。嫌々ながら夫のもとに戻るも、家庭内暴力を振るわれ、自殺未遂を起こす。実家で無気力状態になっていたところ、訪ねて来た武と再会するが、恨み言をいっさい言わない気丈なところを見せる。

友子の夫

大谷友子の夫。「愛人バンク」で愛人を作ったため、友子が家を出て行ってしまう。興信所を使い、友子が木村武と付き合っている事実を摑み、武を訪ねて来る。共働きで自分の給料は自分で使う主義なため、金銭的に余裕があり、愛人バンクでは数人の女性と契約を結んでいた。しかし、すれっからしの女性ばかりで精神の荒廃しかないという結論に達し、友子とよりを戻すつもりでいる。 自分の浮気のせいで結婚生活が破たんした事を棚に上げて、友子を捨てた武に恨みをぶつける身勝手な人物。

藤田

若狭真里と同じ大学に通う男子大学生。挫折経験のない甘ったれたお坊ちゃんで、何回拒否されても、真里にしつこくつきまとっている。真里が既婚者の木村武と付き合っている事を知り、相手にされない苛立ちから、武の家にいたずら電話をかける。この頃から精神的におかしくなり、ナイフを持ち歩くようになる。真里と付き合い始めた伊藤の車に何度もいたずらをするようになり、さらに伊藤を刺そうとするが、誤って真里との関係が復活した武を刺してしまう。

伊藤

若狭真里の見合い相手の男性。東大医学部に通う4年生の学生で、医者のタマゴ。個人病院の息子だが、既に兄が跡を継いでいるので、自分一人の力で病院を経営してみたいという気持が強い。真里の病院は自分のスタートとしては理想だという野心を持つが、それ以上に真里に強く魅かれている。スマートな男前で、自分でもモテると自負している。 どこか機械的で無機質なタイプに見えるが、真里への思いを日ごと募らせていく。真里を奪回する時期を見計らっているところがあり、傍観者のような立場で真里と木村武の行く末を見守っている。

石本

武の妻の女友達。高級ブランドの服を何着も買えるほど、金銭的に余裕がある。夫の株が上がったと周囲には話しているが、実は男性と交際するアルバイトをしており、武の妻をそのアルバイトに誘う。夫も外で適当に楽しんでいるんだからと、悪びれる事なくSEXを楽しみながら稼いでいる。

勝間田

木村武が勤めるようになったバーのチーフを務めていた中年男性。身寄りがない独り者で、自分の運転する車で交通事故を起こし妻と子供を亡くしたという過去が持ち、背中に大きな傷跡がある。普段は寡黙だが、何か事情がありそうな武を気にかけている。毎日ボトル半分の酒を飲んでおり、寝る場所のない武を家に泊めるが、体調が急変。死ぬ前に持ち金を武に譲った事で、武が若狭真里と住むアパートを借りるのを手助けする事となった。

真里の父

総合病院を経営する医師の中年男性。若狭真里の父親。ずんぐりむっくり体型で眼鏡をかけている。娘を商品としか見ておらず、医者のタマゴの伊藤と結婚させようとしている。娘の気持をまったく理解しておらず、真里が木村武と同棲している事を知り、真里を連れ戻して別荘に監禁する。

真里の母

若狭真里の母親。真里の父と結婚して以来、21年間夫のいいなりだった。過去に夫には何人も愛人がいたのを知っていたが、何のアクションも起こさなかった。まるで真里の父の人形のような存在であり、真里が反面教師にしている人物。

奥平 今日子

結婚2年目の23歳の若妻で、夫は奥平保雄。美人でナイスバディの持ち主。家では退屈を持て余しており、たびたび近くの防波堤で時間を潰している。夫の上司である久保洋一に激しく言い寄られ、洋一と不倫関係になる。仕事を辞め、家庭を捨てた洋一といっしょに東京で暮らすうちに、都会の贅沢を知り、危うい性格が露呈する。スーパーのパートを辞め、六本木のクラブで働きだしてからは、水を得た魚のように輝きを増す。 洋一との生活も贅沢もどちらもほしいという自分を貫くが、深田公一郎に口説き落とされ、洋一を捨てる。

奥平 保雄

一流の火災保険会社・東都火災保険に勤務する27歳の男性。九州支店から転勤して来て、久保洋一の部下となった。妻は奥平今日子で、三重支店にいた時に今日子と知り合った。朴訥とした誠実な人柄だったが、洋一と妻の関係を知り豹変。妻とは絶対別れないと頑なな態度を取るようになる。防波堤で密会していた今日子を連れ戻そうとし、止めに入った洋一を突き飛ばした際、誤って海に落ちてしまう。 しばらく行方不明になっていたが、崖のくぼみに打ち上げられて生還していた事が判明。青木の家に滞在しており、事情を知った洋一との話し合いでは、今日子はそれほど大した女ではない、と洋一に忠告する。この時はネチっこい性格になり果てており、今日子と洋一の破局を見届けようと東京にも姿を現す。 しかし、自分に好意を寄せてくれるバーのホステスと暮らす事になり、洋一に金でカタをつけようと提案。結果的に、今日子を囲う事になった深田公一郎から慰謝料を貰うに至った。

久保 八重子

久保洋一の妻で、社宅で暮らす33歳の女性。4歳になる息子・洋の母親。夫に女がいるのではないかと疑っているが、浮気相手が社宅のとなりに住む奥平今日子だとは思っていない。久保保雄が騒ぎ出した事から、洋一と今日子が不倫関係にあると知り、息子を連れて実家に帰ってしまう。

青木

一流の火災保険会社・東都火災保険に勤務する男性で、久保洋一の部下。眼鏡をかけた人のよさそうな人物。奥平保雄から洋一と奥平今日子の関係を聞き、洋一に対して裏切られたという怒りの感情を密かに抱く事になる。保雄に頼まれ、洋一に脅迫電話をかけていた張本人。

山田

一流の火災保険会社・東都火災保険に勤務する男性で、久保洋一の部下。生まじめで気弱な性格をしている。奥平保雄が蒸発したのは課長の洋一と奥平今日子が原因ではないかと勘ぐっており、その事を同僚の青木に打ち明ける。社宅では奥平夫婦のとなりに住んおり、洋一が奥平宅に入っていくのを目撃している。

矢吹

矢吹不動産を営む、品がなくうらぶれた感じの中年男性。以前、保険の勧誘に来た久保洋一を覚えており、旅先で偶然、洋一と奥平今日子を見かけて声を掛ける。ほどなく、洋一の事を調べ出し、洋一が連れていたのは妻ではないと知り、洋一にまとわりつく。

矢田部 昌夫

矢田部不動産を経営する男性で、久保洋一の学生時代の親友。眼鏡をかけた実直そうな人物。大手企業を辞めた洋一の事情を知り、洋一を雇っている。ある時を境に、ジリ貧から脱却しようと、自社で管理している駅前の土地を所有する南一喜から奪い取ろうと画策し、どんどん人相が悪くなっていく。

ユカリ

バーのホステスをしている女性。久保洋一が日本海に面した雪国に転勤中、関係を持った事がある。洋一とは東京で再会する。以前から洋一に好意を持っており、奥平今日子に捨てられた洋一の事情を知りながらも、暖かく迎え入れ、同居しようと持ちかける。

マスター

奥平今日子が働くようになった六本木のクラブのマスターを務めている、チョビ髭を生やした男性。眼鏡の奥から、つねに今日子を下心のあるまなざしで見つめている。男として生まれた以上、一生に一度だけでも今日子のようないい女を抱いてみたいと考えており、無理を承知でたびたび誘いをかけている。

南 一喜

駅前の駐車場を所有する高齢男性。自宅を含めて12億円ほどの土地を持ち、身内は一人もいない。孤独な生活を送っており、自分を気にかけてくれる矢田部昌夫に心を開いている。

深田 公一郎

一部上場企業のオーナー社長で、50歳の男性。病気がちの妻がいる。会社のほかに個人資産が30億円以上あり、年収は2億円以上。田園調布に邸宅があり、軽井沢と鎌倉に別荘を持つ。男と女の本気の交際を求め、奥平今日子に執心し、六本木のクラブに通い詰めている。今日子を囲い、ホステスを辞めさせようとした矢先、会社が倒産し行方知れずとなる。

花村 広明

ヤクザとつるんでいる悪徳不動産業者の中年男性。悪知恵が働き、矢田部昌夫が南一喜の所有する土地を狙っている事を察知し、先手を打って南の所有する不動産の書類を確保する。話し合いに来た矢田部を監禁し、久保洋一に所持している書類を渡すよう要求する。

果歩

私立聖華学園に通う女子高校生で、かわいくてスタイルも抜群。実家の土地の三分の一が5億円で売れてから、母親はカラオケやホストクラブ通い、父親はクラブのホステスに夢中になり、淋しい思いを抱えている。最初は本当に好きな男性に抱かれたいと思っているが、テレクラで知り合った男性に体を触られるのは別問題だと割り切っている。大人びた発言をする事が多いが、絶対に約束は守る律儀なところがある。 大学生の彼氏ができ、本城との愛人契約を解消するが、のちに家出し、本城の家に居候する事になる。大学生の彼氏の浮気が発覚し、傷心もあってか、転勤が決まった本城と肉体関係を持つに至った。一度きりの人生なのに我慢しているのはナンセンスと言い放ち、会社を辞めるかどうか迷う本城の背中を押す事になる。 それからも本城との関係を続けており、今はお互いが淋しいからくっついているだけという割り切った態度を取るものの、本心かどうかは不明。

南川 サユリ

三友銀行渋谷支店に勤めている女性。清楚な美人で周囲のあこがれの的だが、実際は本城と関係を持つ傍ら、宮前とも付き合っている性悪。実は新井次長とも関係があり、新井に本城が別居している事をばらした張本人。多くの男性とさまざまなSEXがしたいという異常な性癖を持ち、宮前が新井に殴りかかる騒動を起こした事から、銀行を退職し、高級バーのホステスになる。 のちに、泥酔した様子でSEXを求めて本城の家を不定期に訪れるようになる。帰り際、もう二度と来ないからというのが常套句。本城に銀行の金を横領するよう持ちかけるが、その本心は不明。

新井

三友銀行渋谷支店の次長を務める男性で、本城の上司。人間性を無視した無茶なノルマを課し、汚い言葉を吐くため、周囲からは鬼次長と呼ばれ嫌われている。実は南川サユリと関係を持っており、南川からの情報で本城が妻と別居している事を知り問い詰めたり、南川と関係を持った宮前を左遷させようとした浅ましい人物。ちなみに、南川が本城と関係を持っている事は知らない。

宮前

三友銀行渋谷支店に勤める20代の男性。生まじめで思い込みの激しい性格の持ち主。学生時代からの彼女とは仕事が忙しいせいで別れており、現在は南川サユリに好意を寄せており、その進展を本城に打ち明けている。南川と付き合うようになるが、南川が関係を持っていた新井次長に左遷され、会社で新井に殴りかかってしまう。ちなみに、南川が本城と関係を持っている事は知らない。

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