戦刻ナイトブラッド

戦刻ナイトブラッド

スマートフォン用ゲーム『戦刻ナイトブラッド』のコミカライズ作品。現実世界から異世界、神牙に飛ばされた少女の結月が、豊臣秀吉をはじめとする勇ましくも美しい武将達と共に過ごす日々や戦いを描く、戦国恋愛ファンタジー。KADOKAWA「月刊コミックジーン」2017年7月号から2018年10月号にかけて連載された。

正式名称
戦刻ナイトブラッド
ふりがな
せんごくないとぶらっど
原作者
『戦刻ナイトブラッド』プロジェクト
漫画
ジャンル
ラブコメ
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

第1巻

現代日本に住む少女の結月はある日、友人の恋愛相談に乗った帰り道に、スマートフォンから放たれた神秘的な音と光に包まれて気を失う。次の瞬間、結月が目覚めたのは武将同士が激しく戦う戦場であった。結月は自分が別の世界に飛ばされたのを自覚するが、そこにイマリを名乗る白タヌキが現れ、ここが「神牙」という異世界であると説明する。さらに神牙は、戦国時代のように武将達が群雄割拠し、天下統一のために奔走と戦いを続けている世界だと告げる。結月はなぜ神牙に引き寄せられたのか理由もわからないまま敵に襲われ、謎の武将に救われる。その武将は豊臣秀吉で、神牙で豊臣軍を率いて戦う武将であった。しばらく豊臣軍に身を寄せる事になった結月は、神牙で行動するうちに秀吉達が「月牙族」と呼ばれる異種族で、人の血を飲む吸血鬼である事を知る。さらに結月には、血を与える事で月牙族のケガを癒せる神秘の女性、姫神子と同様の力が宿っている事が判明。結月の血を吸って彼女が覚醒の力を持っていると確信した秀吉は、彼女と結婚して敵軍から守ると宣言する。こうして豊臣軍の一員となった結月は、さまざまな武将達との出会いや交流を重ねながら、新たな姫神子として神牙の戦乱に巻き込まれていく。

第2巻

織田信長の罠にはまった豊臣秀吉を助けるため、結月は信長に懇願し自ら織田軍に下る。信長に反発する結月は、かつて織田軍に所属していた秀吉が、信長に離反していた事実を知る。一方、脚を負傷した秀吉は回復次第、総動員で織田軍に攻め入って結月を助けると宣言。結月が連れ去られた事に焦りを隠せない秀吉のもとへ、ある武将からの書状が届く。そんな中、結月は信長に連れられて厄魔の巣に向かい、厄魔退治を手伝う事となる。不遜で横暴な言動が多い信長に対し、怯えながらも反発を続ける結月の背後に厄魔が出現。厄魔を倒すために無理やり結月の血を吸って覚醒した信長は、彼女の神秘の力を確信し、臣下として引き入れようとする。織田軍から逃れようとする結月は城に侵入していたイマリと再会するが、元の世界ではなく秀吉達のもとへ帰りたいと願っていた結月は、自分の中で秀吉達の存在がいつの間にか大きくなっていたのを自覚する。しかし、イマリと共に外に出た結月は複数の厄魔に囲まれ、さらなる危機に陥ってしまう。その頃、武田信玄との同盟に迷いがあった秀吉は、今のまま攻め入っても織田軍には勝てないと信玄に指摘される。秀吉は織田軍との戦いを有利にするため、そして結月を救うために、信玄と同盟を結ぼうと一人で武田軍の城へ向かう。

第3巻

乱戦をくぐり抜けて織田信長のもとへ到着した豊臣秀吉は、武田軍と連携を取って結月を奪還しようとする。一方、上杉謙信との再戦を果たそうとした武田信玄は持病で体調を崩すが、近くに厄魔の大軍が出現し、謙信から一時休戦を提案される。高坂昌信に助けられた結月は信玄と合流し豊臣軍を目指すが、結月を狙う伊達政宗や強力な厄魔の出現によって場は混乱。結月はそこに現れた秀吉と再会を果たすが、厄魔の攻撃により政宗と共に橋から落ち、行方不明となってしまう。自陣に戻った秀吉達は、倒したはずの厄魔が復活したのを見て神牙に何らかの異変が起きていると推測する。行方不明となった結月を捜すために周囲を探る秀吉は、信玄の提案を受け真田幸村に協力を求める。その頃、秀吉と再び離れてしまった結月は、政宗と共に岩穴で過ごす中で、信長に偽の情報を流したのは政宗であったと知る。結月を庇(かば)ってケガをしていた政宗が本当は優しい性格だと気づいた結月は、体調を崩した彼を癒すため自らの血を与える。岩穴で気を失っていた結月は真田軍に救出されて城に招かれ、領地に出現した厄魔と戦っている幸村と出会う。幸村と話した結月は、これまでの数々の出会いを振り返りながら、自分の進むべき道を考えるのだった。

登場人物・キャラクター

結月 (ゆづき)

現代日本に住む、ごくふつうの少女。友人に会った帰りに謎の光で神牙に飛ばされ、イマリや豊臣秀吉と出会う。秀吉に気に入られてしばらくは豊臣軍に身を寄せる事になるが、姫神子と同様の神秘の力が宿っている事が判明し、秀吉の要望で彼に付き添うようになる。それからは敵軍からも狙われる機会が増え、さまざまな武将と交流しながら、新たな姫神子として神牙の戦乱に巻き込まれていく。ふだんは給仕や雑用などをしながら、秀吉と彼の臣下の護衛役を務め、戦いの際は結月自身の血を与えて仲間を覚醒に導く形でサポートしている。元の世界に戻るため、イマリと共に姿を消してしまった姫神子を探している。当初は異世界から来たのを秀吉達に隠していたが、竹中半兵衛達に怪しまれたのをきっかけに真実を打ち明ける。秀吉と敵対する織田信長に捕まり、しばらくは織田軍に身を寄せるが、秀吉のもとへ帰りたいと願う。イマリの指摘で、元の世界に帰るという当初の目的以上に、秀吉のそばにいたい気持ちが強まっている事を自覚する。その後もさまざまな武将達と出会い、それぞれの野望や思想に触れる中で、戦乱を強く生きる彼らを理解し、力になりたいと考えるようになる。敵味方問わず傷ついた者を放っておけないお人好しだが、その優しさや芯の強さなどから、多くの武将に気に入られている。

豊臣 秀吉 (とよとみ ひでよし)

月牙族の青年で、豊臣軍を率いる吸血鬼の武将。神牙に来たばかりの結月を助けた。闊達で要領がよく、独自に身につけた処世術と話術を活用してお調子者を演じながら、人の懐にすんなりと入るのが得意。軽口が多く、一見後先を考えずに行動しているように見えるが、先を見据える思慮深さを持ち、仲間思いでもあるため臣下からの信頼も厚い。一部の敵将からは「猿」と呼ばれている。かつては織田信長の家臣として共に天下を目指していたが、ある出来事をきっかけに織田軍から離反した。現在は信長と敵対しながら、自分達の力で天下統一を目指している。姫神子と同様の力を持つ結月を気に入り、彼女と結婚してそばに置こうとする。少々嫉妬深い面もあり、一方的な言動や態度で結月を翻弄させている。結月に対しては姫神子の力を持つ女性というだけでなく、特別な感情を抱き大切に思っている。少年時代は貧しく辛い経験をしていたため、強い出世欲を持つと同時に、民がかつての自分のように飢えたり苦しんだりしない世界を目指している。趣味はパーティーを開催する事で、特技は囲碁。好きな食べ物はおかゆで、嫌いな食べ物は瓜。実在の人物、豊臣秀吉がモデル。

イマリ

言葉を話せる白いタヌキ。神牙に来たばかりの結月が遭遇した。足軽のような風貌で、背中に茶釜を背負っている。かつては姫神子のお供として傍にいたが、姫神子が行方不明になってからは神牙の危機を感じ取り、異世界から来た結月に助けを求める。結月が豊臣秀吉のもとに身を寄せたあとも、時おり彼女と会って情報を提供しているが、戦国武将達の事は心底怖いと思っている。結月と協力しながら姫神子を捜している。当初は姫神子を捜すための協力者として結月に接していたが、次第に結月の健気で優しい面に惹かれて慕うようになる。少々臆病な面もあるが、結月に危険が迫った時は身を挺して彼女を守ろうとする。

姫神子 (ひめみこ)

月牙族の傷を癒す不思議な力を持った神秘的な女性。イマリの主人。神牙の平和や均衡を守る役割も持っていたが、突如姿を消した。行方不明となった理由には、厄魔の存在が関係している。

とうきち

豊臣秀吉が飼っている元気な子猿。ふだんは秀吉の肩に乗っているが、すばしっこく小さな体を活かして味方の目印代わりになるなど、豊臣軍をサポートしている。

石田 三成 (いしだ みつなり)

豊臣秀吉の家臣の青年。控えめで生真面目な月牙族の吸血鬼。戦下手で、戦いよりも内政を得意とする。不器用で融通が利かない頑固な面もあるが、頭脳明晰な参謀として豊臣軍を支えている。豪快な性格の前田利家とはあまり気が合わない。趣味はこっそりとうきちの足裏を触る事で、特技は暗算。好きな食べ物はニラで、嫌いな食べ物は大きい肉。実在の人物、石田三成がモデル。

竹中 半兵衛 (たけなか はんべえ)

豊臣秀吉の家臣の青年。月牙族の中性的な吸血鬼。蝶柄の華やかな着物をまとい、小型の番傘を持ち歩いている。黒田官兵衛と並ぶ豊臣軍二大軍師の一人で、官兵衛と共に行動する事が多い。切羽詰った状況でも、敵も味方も驚かせるほどのユニークなアイディアを生み出し、豊臣軍を勝利に導いている。趣味は軽い冗談を言う事で、特技は女性に甘える事。好きな食べ物は苺大福で、嫌いな食べ物はしそ。実在の人物、竹中重治がモデル。

黒田 官兵衛 (くろだ かんべえ)

豊臣秀吉の家臣の青年。黒髪の物静かな月牙族の吸血鬼。竹中半兵衛と並ぶ豊臣軍二大軍師の一人で、半兵衛と共に行動する事が多い。口数が少なくおとなしいが、腹黒さや底知れない恐ろしさを秘めており、やや陰湿でミステリアスな雰囲気を持つ。秀吉とは囲碁仲間でもある。趣味は読書と貯金で、特技は兵法。好きな食べ物は黒豆で、嫌いな食べ物はいなごの佃煮。実在の人物、黒田孝高がモデル。

前田 利家 (まえだ としいえ)

豊臣秀吉の家臣の男性。美しくたくましい体格に恵まれた月牙族の吸血鬼。秀吉とは古くからの付き合いで、戦場では槍使いとして活躍している。真っ先に敵陣へ飛び込む暴れん坊で、いつも生傷が絶えない。一本気で裏表のない正直者で、大らかでまっすぐな性格をしている。趣味は筋トレで、特技は金勘定。好きな食べ物はイカで、嫌いな食べ物は粒あん。実在の人物、前田利家がモデル。

織田 信長 (おだ のぶなが)

月牙族の吸血鬼の男性。織田軍を率いるカリスマ的な武将。「第六天魔王」など複数の異名を持つ、絶対的な存在感を放つ独裁者。確かな実力と強運に恵まれる一方で、野望を叶えるための努力は怠らない。冷酷非道に見えるが他人への差別心は持たず、身分の低い者にも気軽に声を掛ける公平さや大らかさを持っている。多くは語らず立ち振る舞いなどから周囲に誤解されがちだが、何手先も見通せる先見の明を持つ武将として、家臣達から敬愛されている。かつての家臣でもある豊臣秀吉とは共に天下統一を目指していたが、とある出来事をきっかけに秀吉が離反して軍を去ったため、現在は敵対関係にある。豊臣軍を探る中で姫神子の力を持つ結月を狙うようになり、秀吉の命と引き換えに彼女を連れ去り、織田軍の臣下に引き入れようとする。天下統一後も民の平和を守るために厄魔の分布調査に力を入れ、すべて退治しようとしている。非常に多趣味で、茶・剣術・鷹狩・乗馬など多くの趣味と特技を持つ。好きな食べ物は干し柿で、嫌いな食べ物は辛い食べ物。実在の人物、織田信長がモデル。

明智 光秀 (あけち みつひで)

織田信長の家臣の青年。黙々と仕事をこなすまじめな月牙族の吸血鬼。かつては信長を裏切った過去を持つが、信長に許された事で強い恩義を感じ、彼に対し生涯忠誠を誓っている。趣味はポエムで特技は折り紙。好きな食べ物はちまきで、嫌いな食べ物は生魚。実在の人物、明智光秀がモデル。

森 蘭丸 (もり らんまる)

織田信長の家臣の少年。銀髪をポニーテールにまとめた月牙族の吸血鬼。中性的な見た目で織田軍の中では最年少だが、冷静なしっかり者でよく気が利く。信長を敬愛しており、彼に関する自慢話をするのが大好き。信長のために敵軍を探る密偵の仕事もこなし、豊臣軍に匿われている結月を狙っている。趣味は信長の自慢話で、特技は情報収集。好きな食べ物は金平糖で、嫌いな食べ物は菜っ葉。実在の人物、森成利がモデル。

柴田 勝家 (しばた かついえ)

織田信長の家臣の青年。多くの戦で先手大将を務めている月牙族の吸血鬼。頭よりも体を使って攻め込む根っからの武人気質だが、頼もしい味方として信長からの信頼も厚い。見た目や言動などから周囲に怖く見られがちだが、情に厚く涙もろい一面もあり、多難な日々を送っていた結月を励ました。趣味は畑作業で、特技は俊足。好きな食べ物は肉類で、嫌いな食べ物はしゃれた食べにくい食べ物。実在の人物、柴田勝家がモデル。

丹羽 長秀 (にわ ながひで)

織田信長の家臣の青年。織田軍の最古参として信長を支え続ける月牙族の吸血鬼。積極的に物事に参加するタイプではないが、器用なため戦から政治まで幅広くこなし、織田軍に欠かせない忠臣となっている。趣味は昼寝で、特技は先回り。好きな食べ物は米で、嫌いな食べ物は特になし。実在の人物、丹羽長秀がモデル。

武田 信玄 (たけだ しんげん)

武田軍を率いる月牙族の人狼の男性。文武両道の熱い武将。ほかの軍勢よりも戦を愛し、天下統一に意欲的で武に長けた猛将達をまとめ上げ、仲間達と固い絆で結ばれている。家臣や民に愛される人柄で、相手の立場や身分などを問わず、実力を素直に評価したうえで仲間に迎えている。戦場で蛮勇を振るう豪傑だが、情報収集は怠らず「負けない戦」にこだわる知的で慎重な一面もある。結月を連れ去られた豊臣秀吉に同盟を持ち掛け、彼と共に強力な織田軍に対抗しようとする。上杉謙信とは深い因縁があり、秀吉に同盟を持ち掛けたのも、織田軍と同盟を結んだ謙信と再び戦うためだった。実は重病を患っている。趣味は厠に籠る事で、特技は匂い袋作り。好きな食べ物はほうとうで、嫌いな食べ物は牛乳。実在の人物、武田信玄がモデル。

山県 昌景 (やまがた まさかげ)

武田信玄の臣下の青年。情熱的な性格の月牙族の人狼。人狼の中でも珍しい小柄な体格だが、危険を顧みず真っ先に敵陣に飛び込んで行く事から、武田軍一勇敢な男と評される。子供っぽいが努力家で、強靭な肉体を持つ馬場信春にあこがれを抱き、大きくなるためになんでもたくさん食べる努力をしている。趣味は鍛錬と相撲で、特技は酒に強い事。好き嫌いはなく、なんでも好んで食べるが、らっきょうだけは少し苦手。実在の人物、山県昌景がモデル。

内藤 昌豊 (ないとう まさとよ)

武田信玄の臣下の青年。黒髪と糸目の月牙族の人狼。控えめで温厚な性格で、客観的に広く捉える視野を持ち、戦場で数々の武功を上げている。信玄に大きな信頼を寄せる忠臣で、物欲に乏しく褒美などはいっさい求めず、信玄のために働く事を最大の喜びとしている。趣味は特に持たないが、特技は虫取りと玩具工作。好きな食べ物は煮物で、嫌いな食べ物はないが、初めて見た知らない物は食べられない。実在の人物、内藤昌豊がモデル。

馬場 信春 (ばば のぶはる)

武田信玄の臣下の男性。褐色肌の豪快な月牙族の人狼。力強い体格に恵まれ、武田軍における「強さ」の象徴となっている。小さい事にはこだわらない一方で武士としての誇りを大切に考え、武士らしくない行動は取らない主義。信玄よりも年上で、彼に対しても臆さず積極的に意見する。一度心に決めた事は決して曲げず、最後まで貫き通すまっすぐな性格をしている。趣味は小動物の餌付けで、特技は滝修行とギャンブル。好きな食べ物は自家製塩辛で、嫌いな食べ物は特になし。実在の人物、馬場信春がモデル。

高坂 昌信 (こうさか まさのぶ)

武田信玄の臣下の青年。長髪のおだやかな月牙族の人狼。同盟を結んだ豊臣軍に味方し、豊臣秀吉の頼みでとうきちを連れて結月を助け出す。なにもしなくても自然と女性が寄って来る稀代のモテ男だが、武将としても有能。退却戦や撤退戦を得意とし、女性から逃げている事も多いため、「逃げ弾正」の異名を持つ。内藤昌豊とは特に仲がいい。実在の人物、春日虎綱がモデル。

上杉 謙信 (うえすぎ けんしん)

織田信長と同盟を結んだ月牙族の男性。上杉軍を率いる人狼の武将。気高く正義感の強い軍神。幼少期から禅の修業に励んでいたため、義理堅くつねに正しき道を歩むために、己の心を律する事もある。弱い者にはつねに手を差し伸べる事を家訓とし、その意志は息子の上杉景勝にも受け継がれている。戦国乱世の中で助けを求める人々のために刀を振るい、助けを求められると断らない義将。これらの人柄に惹かれ、上杉軍には物欲を捨て義や信念のために刀を取った武将が集まっている。武田信玄とは深い因縁があり、一騎打ちでの再戦を望んでいる。趣味は和歌と読書で、特に恋愛小説を好む。特技は琵琶の演奏。好きな食べ物は酒と梅干しで、食わず嫌いが多い。実在の人物、上杉謙信がモデル。

甘粕 景持 (あまかす かげもち)

上杉謙信の臣下の青年。上杉軍の殿(しんがり)を務める月牙族の人狼。心優しい魅惑の勇将で、敵に大将と間違われるほどの強さを持つ。親しみやすい人柄だが、少々ミステリアスな雰囲気をまとっている。元は低い身分の出で、謙信に拾われた過去を持つ。このため謙信には多大な恩義を感じ、彼のためならどんな仕事もこなす。趣味は散歩で特技は短眠。好きな食べ物は果物で、嫌いな食べ物は秘密にしている。実在の人物、甘粕景持がモデル。

柿崎 景家 (かきざき かげいえ)

上杉謙信の臣下の青年。顔に傷跡のある月牙族の人狼。武勇に優れた猛将だが、戦だけでなく内政や外交にも積極的に取り組んでいる。まじめな熱血漢だが少々うっかり者で、敬愛する謙信を思うあまり、行き過ぎた行動に走ったり、うっかりミスをしたりなど愚直な一面もある。趣味は畑仕事と漬物作りで、特技は家事。好きな食べ物は鮭のおにぎりで、嫌いな食べ物は特になし。実在の人物、柿崎景家がモデル。

直江 兼続 (なおえ かねつぐ)

上杉謙信の臣下の青年。赤みがかった長髪の月牙族の人狼。実家は代々上杉軍に仕える家系で、謙信への忠誠心も厚い。優れた容貌と知勇兼備の武将で、戦はもちろん政治や外交も幅広くこなせる。口が達者で、誰かに嫌味を言われても、さらに上から目線で言い返すほどの鋼の心を持つ、若き実力者。趣味は自室の掃除で、特技は反物などの目利き。好きな食べ物はカステラで、嫌いな食べ物はトマト。実在の人物、直江兼続がモデル。

上杉 景勝 (うえすぎ かげかつ)

上杉謙信の息子で後継者でもある月牙族の人狼。寡黙でまじめな性格で、言われた仕事を黙々とこなす。父親の謙信を尊敬しつつも、密かにコンプレックスを抱いている。無表情で感情表現に乏しく、笑った顔を誰も見た事がない。趣味は植物の育成で、特技は城の模型工作。好きな食べ物は野菜で、嫌いな食べ物は特になし。実在の人物、上杉景勝がモデル。

伊達 政宗 (だて まさむね)

伊達軍を率いる武将で、月牙族の青年。黒髪に垂れた犬耳が生えた人狼で、右目には黒い眼帯をつけている。プライドの高い隻眼の異端児で、臣下には極力弱い姿を見せないようにしている。なかなか素直になれないひねくれ者な性格で、慣れない相手にはツンデレのような態度を取る。戦においては勝利のためなら手段を選ばず、敵の裏をかく奇策で敵を混乱させる。年若く数も少ない発展途上の軍勢だが、数々の奇策と家族同然に育った仲間達との絆を武器に、戦乱の世をかき乱している。結月を狙い、豊臣秀吉達に救出されたばかりの彼女を連れ去ろうとした際に、厄魔の襲撃で結月と共に川に落ちる。岩穴で結月と過ごす中で彼女の優しさと健気さに触れ、最終的に彼女を見逃して自軍に戻った。趣味は鷹狩と料理で、特技は手紙を書く事。好きな食べ物は伊達巻と酒で、嫌いな食べ物は匂いの強い食べ物。実在の人物、伊達政宗がモデル。

片倉 小十郎 (かたくら こじゅうろう)

伊達政宗の臣下の青年。知的で冷静な月牙族の人狼。「知の小十郎」とも呼ばれる名参謀で、知識と知略で伊達軍を支える。厳しい性格だが面倒見がよく、いつも誰かの世話を焼いている。政宗にとっては片腕であると同時に、頼れる兄のような存在。趣味は笛で、特技は剣術。好きな食べ物は羊羹で、嫌いな食べ物はきのこ。実在の人物、片倉景綱がモデル。

伊達 成実 (だて しげざね)

伊達政宗の臣下の青年。政宗のいとこでもある月牙族の人狼。決して後退を選ばない伊達軍随一の剛の者で、「武の成実」とも呼ばれる。片倉小十郎と並ぶ政宗の片腕でもあると同時に、仲のいい友人でもある。少々やんちゃだがまっすぐな性格で、意志や反抗心が強い。いつも強気で元気いっぱいだが、実は繊細で少々傷つきやすい一面もある。匂いには敏感。趣味は川泳ぎで、特技は嗅覚を活かした探索。好きな食べ物は水あめで、嫌いな食べ物は漬物。実在の人物、伊達成実がモデル。

真田 幸村 (さなだ ゆきむら)

真田軍を率いる人狼の武将で、月牙族の青年。温和な性格でほとんど怒らないが、戦では猛々しく刀を振るう男らしさを持つ、戦上手の若き大将。いつもさわやかで明るく、誰とでも分け隔てなく接する優しさと器の大きさから、臣下や民に広く愛されている。臣下や領地の住民と平和に暮らしていたが、ひょんな事から戦乱に巻き込まれ、各地の勢力と刃を交えるようになる。織田軍や豊臣軍のような大軍勢ではないが、領地や仲間達を守ろうとする強い志と絆を武器に、敵勢力や厄魔に立ち向かっている。かつては武田信玄の臣下として働いていたが、とあるきっかけで彼のもとを離れ、自分の軍を持つようになった。現在でも信玄を敬愛し、彼からの要請があれば進んで協力している。豊臣秀吉と信玄の要請を受け、行方不明となった結月を捜索・保護するなど、信玄を通して豊臣軍にも協力する。趣味は子供と遊ぶ事で、特技は子供をあやす事。好きな食べ物はきなこ餅で、嫌いな食べ物はセリ。実在の人物、真田信繁がモデル。

真田 信之 (さなだ のぶゆき)

真田幸村の臣下の青年。幸村の兄でもある月牙族の人狼。強い信念を持ちながらも総大将の座を幸村に譲り、頼れる副将としてサポートしている。武術にも長けているが、政治や外交も器用にこなす、文武両道の秀才。趣味は生け花で、特技は政治と外交。好きな食べ物は醤油餅で、嫌いな食べ物は生魚。実在の人物、真田信之がモデル。

猿飛 佐助 (さるとび さすけ)

真田幸村の臣下の少年。月牙族の人狼。変幻自在のすばしっこい忍者で、勘が鋭く頭の回転も速い。いつも勝ち気で明るい性格ながら、勉強は苦手。動物とすぐ仲よくなる事ができ、特に猿となかよし。落ち込んだ時や悩みがある時は、猿に打ち明けている。霧隠才蔵と由利鎌ノ助とは仲がよく蹴鞠仲間でもあるが、才蔵とは忍術を競うライバルでもある。趣味は蹴鞠で、特技は動物と交流する事。好きな食べ物はバナナで、嫌いな食べ物はネギ。

霧隠 才蔵 (きりがくれ さいぞう)

真田幸村の臣下の少年。月牙族の人狼。天才的な忍者だが、キザでナルシストな性格をしている。見た目はクールで容姿端麗なため、一見育ちがいいように見えるが、実は世間知らずで天然気味。猿飛佐助と忍術比べをして負けた過去を持ち、現在でも根に持って彼に対抗心を燃やしている。趣味は蹴鞠で、特技はキザな演出をする事。好きな食べ物は水ようかんで、嫌いな食べ物は山芋。

由利 鎌ノ助 (ゆり かまのすけ)

真田幸村の臣下の少年。黒いフードをかぶった月牙族の人狼。美しく繊細な容姿だが、戦場では鎖鎌を振り回す豪傑として活躍している。おとなしくマイペースな性格で、周囲の状況を気にせず行動する。仕事をサボって庭で昼寝をする事があり、よく真田信之に怒られている。方向音痴のため、一人で行動するとよく迷子になる。趣味は蹴鞠で、特技は力仕事。好きな食べ物はみたらし団子で、嫌いな食べ物は酢の物。

場所

神牙 (しんが)

結月が飛ばされた異世界。一見、かつての日本の戦国時代のような世界だが、人間以外にも吸血鬼や人狼に似た異種族「月牙族」が存在する。この世界の戦国武将は「戦刻武将」とも呼ばれ、その大半が月牙族。元は姫神子の力で平穏や均衡が保たれていたが、彼女が姿を消してからは、武将達が群雄割拠して天下統一を目指しながら戦う、戦の絶えない戦国乱世となっている。

その他キーワード

月牙族 (げつがぞく)

神牙に存在する、人間とは性質や見た目が異なった異種族の総称。神牙の戦国武将の大半を占める。吸血鬼や人狼を中心に、さまざまな種族が存在している。見た目などはほとんど人間と同じだが、吸血鬼は耳が尖(とが)り、人狼は犬耳と尻尾が生えているなど、種族ごとに身体的特徴がある。また、いずれの種族も姫神子の神秘的な力に惹かれ、血を飲む事で覚醒する力を秘めている。元は姫神子の血を分け与えられた種族が、それぞれの地域の風土に合わせながら枝分かれしていった。

覚醒 (かくせい)

月牙族の中に眠っていた吸血の本能が呼び覚まされた事で得られる特別な力。姫神子の力を持つ結月の血を吸う事で武将の本来の力が覚醒し、傷が癒えて能力も強化される。覚醒すると、髪色などの外見も変化する。

厄魔 (やくま)

神牙に存在する、人間を襲う奇怪な魔物。人間よりもひと回り大きな体で、鋭い爪を持った鬼のような姿をしている。神牙の平和を脅かす存在で、出現した地域の領主である戦国武将によって討伐されている。

クレジット

原作

『戦刻ナイトブラッド』プロジェクト

SHARE
EC
Amazon
logo