戦国ゾンビ~百鬼の乱~

戦国ゾンビ~百鬼の乱~

戦国末期を舞台に、武田、徳川、織田の武人たちが、突如出現したゾンビの群れに襲われながらも、それぞれの目的を遂げるため、三つ巴、四つ巴の戦いを繰り広げるという異色の戦国もの。ストーリーの主軸となるのは、織田・徳川連合軍に敗れた武田勝頼の娘武田信勝とこれを守る精鋭たちの逃亡劇であり、ゾンビという異物が登場するにも拘らず、戦国の合戦や御家の存亡といった構図は活かされている。原案:柴田一成、作画:横山仁。

正式名称
戦国ゾンビ~百鬼の乱~
ふりがな
せんごくぞんび ひゃっきのらん
作画
ジャンル
ホラー
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概要・あらすじ

時は戦国末期、武田信玄を失い衰退の途にあった武田勝頼率いる武田軍は、織田・徳川連合軍の前に大敗を喫し、その運命は風前の灯となっていた。大将勝頼は、跡継ぎである武田信勝に武田の再興を託さざるを得なくなる。その信勝は、護衛を務める一騎当千の精鋭赤葬兵たちと共に、この難局を覆す秘策があるという天目山を目指していた。

だが、山中を進む信勝一行に、斬っても死なず獣のように人肉を喰らう鬼人の群れが出現。連合軍の兵と鬼人たち、2つの敵を退けながら一向は天目山への道を進んでいく。一方、鬼人たちは見る間にその数を増やし、連合軍へも襲い掛かるのであった。

登場人物・キャラクター

土屋 昌恒 (つちや まさつね)

武田軍の精鋭である赤葬兵副長であり、少数の手勢と共に武田勝頼の子信勝の守護を役目としている。異常に長い刀身を持つ斬馬刀を得意の得物とし、「千人斬り」の異名で知られる剣の達人である。鬼人たちとの戦いの中、左腕を失い、さらに本多忠勝によって額から腹までを切り裂かれるなど、正に満身創痍となりながらも信勝を守るためひたすらに戦い続ける。 実在人物土屋昌恒がモデル。

武田 信勝 (たけだ のぶかつ)

武田勝頼の娘だが、夭折した兄に代わり11の歳から男児として育てられていた(信勝の名も本来は兄のものである)。作中では刀を取って戦うことはなく、守られるだけの存在ではあるが、武田の総領となる覚悟と見識は持ち合わせている。また信勝が女性であるという事実を知るのは、武田軍首脳陣の一部とその身を守る昌恒ら赤葬兵のみであり、一般には知られていない。 実在人物武田信勝がモデル。

武田 勝頼 (たけだ かつより)

武田軍の総領。父武田信玄と、それを支えた多くの重臣たちを失い弱体化した武田軍を率いてよく戦ったが、織田・徳川連合軍の圧倒的な戦力の前に敗れ、徳川の雑兵に捕らわれた。そのまま徳川家康の元まで送られるはずであったが、本陣到着直前に現れた鬼人の群れに襲われ落命した。実在人物武田勝頼がモデル。

山本 勘助 晴幸 (やまもと かんすけ はるゆき)

武田信玄に仕えた軍師であり、川中島の戦いにおいて命を落としたと思われていたが生き延び、天目山においていずれ訪れるであろう武田の危機を救う秘策として鬼人の研究を続けていた。織田・徳川連合軍との戦いの中、鬼人たちが出現したのも彼の仕業である。ただし、鬼人を戦の武器として用いるという策自体は武田勝頼の命によるものであり、勘助の独断ではなかった。 実在人物山本勘助がモデル。

本多 平八郎 忠勝 (ほんだ へいはちろう ただかつ)

その武勇で天下に名を轟かせた徳川家康配下の武将。強者との戦いを望み、自ら武田信勝の首を取るため天目山へと歩を進める。赤葬兵にとっては鬼人の群れ以上の強敵であり、主人公土屋昌恒も、1度はその槍の前に倒れている。実在人物本多忠勝がモデル。

徳川 家康 (とくがわ いえやす)

徳川軍総大将。織田信長とは従属的な同盟を結んでいるが、天下を狙う野心を抱き続けている。その足がかりとして、武田の治める甲斐・信濃を手に入れることを欲しており、そのためにも織田に先んじて武田勝頼信勝親子の首を取ることを熱望する。実在人物徳川家康がモデル。

織田 信長 (おだ のぶなが)

天下統一に最も近い男。徳川家康に劣らず、武田家を滅ぼすことを望んでおり、自軍の手で武田勝頼信勝親子の首を押さえようとしていた。その最中に出現した鬼人たちの戦略的価値にいち早く目を付け、鬼人を捕らえることを部下に命じる。実在人物織田信長がモデル。

集団・組織

赤葬兵 (せきそうへい)

『戦国ゾンビ~百鬼の乱~』に登場する武田軍の精鋭兵。全員が朱塗りの武具に身を固めている。それぞれの得意分野では常人離れした戦闘力を持ち、主君もしくは世継ぎの護衛を任とする。その精強さは、他国にも広く鳴り響いており、中でも副長である土屋昌恒は、長篠の戦いで散った猛将である兄土屋昌次に匹敵する豪傑として知られていた。

場所

天目山 (てんもくざん)

『戦国ゾンビ~百鬼の乱~』に登場する地名。甲州の一角にある峠。その地中には武田軍の手によって天然の大洞窟を利用した地下城が造られており、山本勘助の指揮の下鬼人の研究が続けられていた。また、この地下城内には、かつての武田家を支えた勇将・猛将の躯が運び込まれており、鬼人の病を利用して彼らを復活させることさえ考えられていた。

その他キーワード

鬼人 (きじん)

『戦国ゾンビ~百鬼の乱~』に登場する生ける死者たち。人の姿はしているが、首を切り落とさない限り、斬っても突いても死なず、生きた人間の肉を貪り食うという怪物たち。その正体は鬼人の病と呼ばれる伝染病に感染した人間であり、鬼人からその毒を受けた者はやがて鬼人と化してしまう。いわゆるゾンビだが、時代劇である作中では鬼人もしくは鬼と呼称されている。 また、鬼人の中にはごく低い確率で、他の鬼人を大きく上回る力を発揮する白い体色の個体が生まれる。

クレジット

原案

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