手裏拳トンマ

手裏拳トンマ

里を出て町に降りた忍者の少年・目賀トンマが、「殿」と認める殿田洋と共に、伝説の忍具「手裏拳」を狙うさまざまな敵と戦っていく。忍者と殿の絆や日常を、手裏拳をめぐるバトルと共に、ギャグを交えながら描く忍者アクションコメディ。「月刊コロコロコミック」2016年4月号から2018年3月号にかけて連載された作品。

正式名称
手裏拳トンマ
ふりがな
しゅりけんとんま
作者
ジャンル
アクション
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あらすじ

第1巻

新たな殿を探すべく、目賀トンマは故郷の里を出て町に降りて来た。トンマは登校中の殿田洋と出会い、彼を「殿」と呼びながら追いかけ、小学校までついて来る。いきなりつきまとって来るトンマを追い返そうとする洋だったが、トンマは洋がなくしたというボタンを、雨の中探し続けていた。そんな時、火炎流忍者のヒダルマが、トンマの持つ秘伝の忍具「手裏拳」を狙って小学校を襲う。ヒダルマは洋を人質に取り、トンマから手裏拳を奪おうとする。「殿」である洋を何よりも大切に思うトンマは、躊躇なく敵に手裏拳を差し出す。そんなまっすぐなトンマの姿に感動した洋は、ヒダルマに反撃しトンマに協力する。洋の手助けで手裏拳を取り戻したトンマは、必殺技「メガトン拳」を繰り出しヒダルマを撃退する事に成功。こうしてトンマは改めて洋に仕えるようになり、彼の家で居候を始める。しかしトンマの前には、手裏拳を狙う敵の忍者が次々と現れるようになる。トンマと洋は、手裏拳や忍術、そしてまっすぐな心を武器に、さまざまな敵と戦っていく。

第2巻

目賀トンマ殿田洋のクラスメイトと共に海水浴に来ていたが、そこに手裏拳を集めている謎の忍者・破王ザギが現れ、圧倒的な戦闘力でトンマに襲いかかる。ザギの素早いスピードに、トンマは鬼丸の助けも得て「天」の手裏剣で何とか撃退するが、「天」の手裏拳をザギに奪われてしまう。同時にザギが「鬼」の手裏拳を持つ、最強の手裏拳使いである事も判明するが、ザギはそのまま立ち去ってしまう。後日、ザギに奪われた手裏拳を取り返すため、トンマは洋と共に町を離れ、修行のために故郷の「目賀の里」に帰郷する。里の者達と再会し、偉大な父親・目賀天馬の墓参りに来たトンマは、秘術によって1日だけ蘇った父親と共に、厳しい修行を始める。父親と再会したトンマは同時に、7年前に起こった事件、そして父親の仇がザギであった事を知る。そして天馬との激しい修行の中で洋との絆を深めたトンマは、里の守り龍の力を宿した、強力な「龍の闘気」に目覚める。新たな必殺技で天馬に勝利したトンマは、ザギに勝つためにさらに強くなろうと決意するのだった。後日トンマは、洋と共に黒王小学校に向かう。そこは、さまざまな罠が仕掛けられた暗黒武衆のアジトでもあった。強力な闇忍者がトンマを狙って襲う中、鬼丸は剣の使い手である血祭斬鬼と対峙していた。

第3巻

暗黒武衆の刺客達を退けながら黒王小学校を進む目賀トンマ殿田洋は、ついに宿敵・破王ザギのもとへたどり着く。ザギは「王」の手裏拳で時を止めながら、強力な攻撃を仕掛けて来る。さまざな忍法を繰り出しながら、二つの手裏拳を合体させ、トンマはザギを撃破し、奪われていた手裏拳を取り戻す。正気に戻ったザギからは悪の闘気が消えるものの、コロンが真の姿を現す。コロンの正体は、ザギをあやつっていた真の暗黒武衆首領・百狐だった。そしてさまざな事件の本当の黒幕が百狐であった事、さらにザギの過去も判明する。百狐は姿を消し、ザギは百狐にあやつられてさまざまな悪事を繰り返していた自分の過去を恥じ、忍者を辞めようとする。しかし、そんな過去を知ったトンマの励ましを受けてザギは勇気を取り戻し、トンマの仲間として加わるのだった。

第4巻

破王ザギとの戦いを終えた目賀トンマは、超忍の座をかけて戦う超忍決定戦に参加する事となった。超忍決定戦には、百狐だけでなく、全国の強力なライバル忍者達が集結していた。1回戦のトンマの相手は、水の手裏拳を使う柳楽ナガレ。ナガレの強力な水の手裏拳忍法に苦戦するトンマだったが、戦いの中でナガレが超忍を目指す理由を知る。そして水の体になりパンチが通用しなくなったナガレに、鬼丸との修行で会得した新たな手裏拳忍法で立ち向かったトンマは、見事ナガレに勝利する。そしてトンマは、超忍を目指しナガレの願いも叶えると約束する。次の試合は、鬼丸と謎のお面をかぶったくの一の対戦となった。くの一はトンマが持っていた「天」の手裏拳を所有しており、お面の下の正体はトンマと鬼丸の幼なじみの手羅ひまわりだった。そして天の手裏拳のもともとの所有者であったひまわりは、トンマを超える超スピードで、鬼丸に容赦ない攻撃を仕掛ける。ひまわりの忍術に翻弄される鬼丸は、王野光の言葉でかつての誓いを思い出し、妖刀「鬼斬丸」の力を目覚めさせる。

第5巻

超忍決定戦を勝ち進んだ目賀トンマは、破竹の勢いで第5試合の相手である「勝」の手裏拳使い叉ヰサスケも撃破する。見事ベスト4まで進んだトンマは、さらなる戦いに備えようとする。一方で、ライバルの鬼丸破王ザギ、さらには宿敵の百狐も、強力な手裏拳忍法で順調に勝ち進んでいた。そしてトンマは、勝ち進んで来た鬼丸とついにライバル対決の時を迎える事になる。妖刀の力で鬼化し、強力な攻撃を仕掛けて来る強敵・鬼丸との対決に、トンマは苦戦を強いられていた。しかし鬼化して我を忘れてしまった鬼丸を、トンマは必死で止めて正気に戻す。改めて鬼丸と真剣勝負でぶつかり、それは一撃で決まるパンチ勝負となる。そして鬼丸との戦いを制したトンマは決勝戦に進出し、ついに父親の真の仇である百狐と激突する事となる。百狐との決勝戦は究極の忍術バトルの激突となるが、百狐は卑怯な手を使ってトンマに騙し打ちを仕掛けて来た。倒れたトンマの手裏拳を奪った百狐は、10個の手裏拳を使って巨大化し、真の姿「妖狐百帝」の姿を取り戻すのだった。

登場人物・キャラクター

目賀 トンマ (めが とんま)

目賀流忍者の少年。自分が仕える新たな殿を探すべく、里を出て町に降りる。町に来た際に偶然出会った殿田洋を「殿」と呼び、彼に仕えるようになる。秘伝の最強忍具である「手裏拳」の使い手。必殺技は「龍」の手裏拳を使った「メガトンパンチ」や「メガテンパンチ」。また手裏拳以外にも「隠れ身の術」や「分身の術」など、さまざなまな忍法を使う。 幼い頃に亡くした父親の目賀天馬の形見でもある手裏拳を大切にしているが、何よりも自分が仕える殿を大切に思っている。また何があってもあきらめず、ひたむきで熱くまっすぐな心の持ち主。手裏拳を狙って襲って来る、さまざまな敵忍者と戦っている。一人称は「オラっち」で、語尾に「でござるる」と付けるのが口癖。洋に仕えるようになってからは、殿田家に居候している。 帰郷した際に秘術で転生した天馬と修行し、「龍の闘気」に目覚める。破王ザギとの戦いのあと、超忍決定戦に参戦する。

殿田 洋 (とのだ よう)

戦国小学校5年生の男子生徒。平凡な少年で、登校中に里を降りて来たばかりの目賀トンマと出会う。当初はトンマを「ヤバイ奴」と思い相手にしていなかったが、トンマのまっすぐな忠誠心に感動し、戦いに協力するようになる。以来トンマから「殿」と呼ばれるようになり、彼に助けられたり振り回されたりする日々を送っている。トンマの事は大切な友人だと思っており、トンマに助けられるだけでなく励ましたりサポートしたりしている。

花村 姫 (はなむら ひめ)

戦国小学校5年生の女子生徒。殿田洋のクラスメイトで、クラス委員を務めている。明るく可憐な女の子で、洋や目賀トンマとも仲がいい。しっかり者で面倒見がいいが、少々天然な性格の持ち主。

王野 光 (おうの ひかる)

鬼丸が仕える戦国小学校5年生の少年で、殿田洋のクラスメイト。西洋の城のような屋敷に住む、お金持ちのおぼっちゃま。何かと洋をライバル視している。ダイヤモンドが散りばめられた高級下着を身につけており、忍者の斬撃にも耐えられる。鬼丸の事は自分に仕える忍者というだけでなく、大切な友人とも思っている。

鬼丸 (おにまる)

「目賀の里」と忍術を競い合う「義賀の里」からやって来た、鋭い目つきの忍者の少年。目賀トンマとは、忍者幼稚園時代からの幼なじみで、彼からは「オニちゃん」と呼ばれている。現在は王野光に仕えており、トンマの事は昔からライバル視している。トンマと同様、殿への忠誠心は厚く王野の事をつねに守っている。忍術以外にも、背中の日本刀を武器に戦う。 また「鬼」の手裏拳の使い手でもあり、必殺技は巨大な刀で鉱物も斬れる「爆裂鬼斬り」。のちにトンマと修行し、超忍決定戦に参戦する。

破王 ザギ (はおう ざぎ)

最凶の闇忍者の少年。「暗黒武衆」と呼ばれる、悪の忍者を従える首領でもある。「王」の手裏拳を使い、スピードも圧倒的だが、実は王の手裏拳で時を止める事ができる。必殺技はカギ爪を使った「暗刻手甲(あんこくクロー)」、時を止めて攻撃する「王魔が時」。また、化け狐のコロンを連れている。左目には王の手裏拳があり、普段は眼帯で隠している。 7年前に「目賀の里」を襲撃し、目賀天馬と戦い死に追いやった。すべての手裏拳を集め、超忍になろうとしている。実は百狐によってあやつられており、目賀トンマとの決戦後に正気を取り戻す。過去の悪事を悔やみ一度は忍者を辞めようとするが、トンマに励まされ、よきライバル忍者となる。のちに超忍決定戦に参戦する。

コロン

破王ザギにつき従う化け狐。見た目は小さな狐だが、強力な盾に変化する事ができ、つねにザギを守っている。

目賀 天馬 (めが てんま)

目賀トンマの父親で、トンマの故郷「目賀の里」の偉大な頭だった忍者。トンマの持つ「龍」の手裏拳のもともとの持ち主。7年前に目賀の里を襲撃した破王ザギと戦い、里を守るために命を落とした。トンマが帰郷した際に、里に伝わる秘術によって1日だけ転生し、トンマの修行相手となった。

破王 ナギ (はおう なぎ)

破王ザギの双子の兄。時渡流忍者の里で、弟のザギと修行しながら暮らしていた。戦略・頭脳・忍法に長けた有能な忍者で、里に伝わる「王」の手裏拳を受け継ぐ候補だったが、心臓を悪くして入院する。ザギが王の手裏拳を受け継いだあとに命が危うくなるが、ザギを利用しようとした百狐によって命を取り留める。

百狐 (びゃっこ)

コロンの正体で、仮面をかぶった忍者の少年。暗黒武衆の真の頭領で、さまざまな事件の黒幕。「命」の手裏拳を持ち、どんな病気やケガでも一瞬で治す事ができる。この力を使って破王ナギを救うが、見返りとして破王ザギをあやつり、利用し続けていた。体には刺青のような紋様があり、胸元に命の手裏拳を装着している。 必殺技は命の手裏拳で植物などを急成長させる「命の輝き(ライフイズ・ビューティフル)」。のちに超忍決定戦に参戦している。かつては巨大な妖狐だったが、初代超忍によって倒され、真の姿を封印されて人間の姿になっていた。このため、すべての忍者を怨んでいる。

柳楽 ナガレ (やぎら ながれ)

柳楽流忍者の青年。超忍決定戦の参加者の一人で、「水」の手裏拳を使う。必殺技は「明鏡止水」や「水の乱舞」。一族は何よりも水を大切にしているが、環境問題による氾濫や水質汚染を取り戻すべく、超忍を目指している。1回戦で目賀トンマと激突し、水の手裏拳忍法でトンマを苦戦させた。

手羅 ひまわり (てら ひまわり)

謎のお面をかぶった少女。超忍決定戦の参加者の一人で、「天」の手裏拳を使う。正体は手羅流忍者のおてんばくの一。語尾に「~っち」を付けて話す。実は目賀トンマの許婚で、トンマや鬼丸と同じ忍者幼稚園に通っていた、幼なじみでもある。しかし「床ドン」など怪力で過激な愛情表現をしてくるため、トンマからは拒絶されている。 トンマの事が好きで、超忍になってトンマとの結婚を叶えようとしている。天の手裏拳のもともとの所有者で、高スピードで攻撃ができる。必殺技は高スピードとクナイで攻撃する手裏拳忍法「天バツ」、灼熱と太陽の光で照らす「天照フラッシュ」。

山隠 ハンゾウ (やまがくれ はんぞう)

超忍決定戦の参加者の一人で、「大」の手裏拳を使う忍者の少年。普段は山伏のように山奥に隠れ、日々修行を重ねている。大柄な体型で巨大化の忍術を使うが、破王ザギに敗北する。

乱魔 コタロウ (らんま こたろう)

超忍決定戦の参加者の一人で、「虎」の手裏拳を使う少年。ジャングルに住まう忍者・乱魔一族の忍者。「ガウ」が口癖で、牙と獣耳がある野生児。田舎者でかなり天然な性格の持ち主。虎の手裏拳の力「百獣の王」によって、象やフクロウなどさまざまな動物に変身できる。百狐との戦いでは何度か彼を苦戦させるものの、「命」の手裏拳の回復能力の前に敗れる。

叉ヰ サスケ (さい さすけ)

超忍決定戦の参加者の一人で、「勝」の手裏拳を使う忍者の少年。荒っぽい不良のような性格をしている。必殺技は使い手に絶対的な強運が訪れる「福男アタック」。しかし強運以外は見かけ倒しで、戦闘力は低い。

以心 デンシン (いしん でんしん)

超忍決定戦の参加者の一人で、「是」の手裏拳を使う忍者の少年。口元をマスクで隠し、不気味な雰囲気をまとっている。是の手裏拳忍法「他心通力」によって、相手の心を読み取る事が可能で、次の攻撃も予測できる。百狐と戦い彼の心を読もうとするが、闇しかないおぞましい心を恐れ、自ら降参する。

グリズリー

超忍決定戦後に、手裏拳を狙って目賀トンマの前に現れた忍者の男性。アメリカ出身で、大柄で筋肉質な体型をしており、語尾に「グリ」を付けて話す。集めると「神忍」になれるという、「神忍手裏拳」を狙っている。必殺技は鋭い爪と拳で殴りかかる「グリズリークラッシュ」。

集団・組織

暗黒武衆 (あんこくぶしゅう)

破王ザギが首領を務める、悪の忍者集団。私立黒王小学校をアジトとしている。このため、黒王小学校にはさまざまな罠や仕掛けがある。

イベント・出来事

超忍決定戦 (ちょうにんけっていせん)

超天空の城にて開催される、手裏拳をめぐる無益な争いをなくしたうえで超忍を決めるための、忍者バトルトーナメント大会。全国に散らばっている、手裏拳を持つ忍者達が参戦している。試合は相手をノックアウトさせた方が勝利となり、勝者は相手が持っている手裏拳を得る事もできる。

その他キーワード

手裏拳 (しゅりけん)

目賀トンマらが持つ忍具。手や武器などに装着する事で、「手裏拳忍法」と呼ばれる、強力な攻撃技や忍術を使える。これを使って戦う忍者は「手裏拳使い」と呼ばれる。トンマが持つ手裏拳は中央に「龍」の文字が書かれており、トンマの父親の形見でもある。また、「龍」以外にも「天」や「鬼」などさまざまな種類があり、それぞれ異なる力を持っている。 忍者にとっての宝のようなアイテムで、さまざまな忍者が狙っている。手裏拳使いが従う殿との絆が深まる事で、手裏拳忍法もパワーアップする。

超忍 (ちょうにん)

忍者の称号の一つ。すべての忍術をマスターし10個の手裏拳を獲得した、究極の忍者の事を指す。忍者達のあこがれであり、目指している者が多い。ほかには「上忍」や「下忍」といった称号がある。

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