概要・あらすじ
建築家である蔵田徹也との出会いから、「和」の世界への憧れを現実のものとすべく動き始めた漫画家山下和美。知人を集めて和サークルを作り、文楽や落語、お茶などを楽しむうちにますます「和」の世界へ傾倒していく。そんなある日、自宅マンションの賃貸費を巡る些細なトラブルをきっかけに、都内に数奇屋造りの一戸建てを建てること、さらにその家にふさわしい数寄者としての経験を積むことを決意するのだった。
登場人物・キャラクター
山下 和美 (やました かずみ)
以前より「和」の世界にあこがれていたが、体験も知識もまったくなく、そのこと自体に一種のコンプレックスを抱いていた。そして、そのコンプレックスを払拭するために、和の極致である数奇屋を建てることを決意。頼もしい協力者である建築家蔵田徹也と共に、数奇屋にふさわしい数寄者となるための修業を開始する。
蔵田 徹也 (くらた てつや)
まだ20代ながら、茶室を初めとする日本建築に造詣が深い建築家。仕事では主にビル建築を手掛ける。知人に連れられて参加した漫画家の忘年会で山下和美と出会い、彼女の自宅となる数寄屋建築に関わる。
目白 花子 (めじろ はなこ)
山下和美の友人の漫画家で、和サークルメンバーのひとり。山下の和の修業に何度か付き合ってくれる。
S氏
講談社「コミックモーニング」の編集長であり、山下和美の代表作である『天才柳沢教授の生活』の担当編集を務めた人物。数寄の建築にも「和」の修業にも関わらないが、山下和美の本業である漫画家生活が描かれる際に顔を出す。