文野さんの文具な日常

文野さんの文具な日常

テレビアニメ化もされた『この会社に好きな人がいます』などで知られる榎本あかまるの代表作の一つ。現代日本のオフィスを舞台に、文房具をこよなく愛する女性社員・文野アヤとその同僚や上司たちの日常を描いたオフィスワークコメディ。徳間書店「月刊コミックゼノン」で2016年12月号から2019年9月号にかけて掲載の作品。

正式名称
文野さんの文具な日常
ふりがな
ふみのさんのぶんぐなにちじょう
作者
ジャンル
サラリーマン
 
日常
レーベル
ゼノンコミックス(徳間書店)
巻数
全4巻完結
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昭和平成レトロ文具が大集合

本作には、「ロケット鉛筆」「多機能筆箱」「スーパーカー消しゴム」「ぺんてるくれよん」「ジャポニカ学習帳」「カラーペン」「ミニ四駆レースえんぴつ」など、昭和から平成にかけて流行した文房具が多数登場する。これらの文房具の機能や楽しみ方が詳細かつユニークに描かれ、登場人物たちに与えた影響も描写されている。さらに、単行本のおまけページでは、作中に登場した文房具が写真と共に作者のコメント付きで紹介されており、カバーにはスペシャルサンクスとして文房具メーカーのクレジットも掲載されている。

文房具をこよなく愛する主人公

営業五課の主任を務める牧田は、隣席で働く文野アヤの対応に頭を悩ませていた。文野は仕事を完璧にこなす一方で、コミュニケーションが苦手で、つねに無表情で冷たい態度を取るため、営業五課の社員たちに一種の畏怖を抱かせていた。そんな中、牧田はかつて流行した珍しい文房具を文野が楽しそうに使っている姿を目にし、彼は小学生時代に同じ文房具を使っていたことを思い出す。文野の文房具に対する愛着は日々深まっていき、ふだんの冷たい印象とは対照的に熱心に文房具を扱う彼女を見て、牧田は文野が決して冷たい人間ではないことに安堵する。

文野を取り巻く女性社員たち

文野アヤが所属する営業五課には、彼女以外にも個性的な女性たちが多数在籍している。営業五課に出入りする業者・新名は、誰に対しても物怖じせず、つねに冷静な文野をも驚かせるほどの強い押しを見せ、文房具に関する知識も彼女に引けを取らない。低身長ながらプライドの高い小手川ましろは、同期の文野に対してライバル心を抱き、何かと競い合おうとする。しかし、文野が文房具に夢中になっていることを知ると、ましろ自身もその魅力に引き込まれ、文房具にハマってしまう。彼女たちはいずれも文野に匹敵する個性を持ち、同僚の男性社員たちからは「なぜウチの女性社員はこうなんだろう」と静かにツッコミを入れられている。

登場人物・キャラクター

文野 アヤ (ふみの あや)

とある会社の営業五課に勤務する新入社員の女性。冷静沈着で他者とのかかわりあいを極力避ける傾向があり、コミュニケーションはつねに最小限で、「はい」「いいえ」「何か?」の3つの言葉だけで構成される。しかし、仕事を完璧にこなし、その能力から周囲に一目置かれている。多少の畏怖の念を抱かれつつも、問題社員として扱われることはなく、同僚たちからは「~さん」と呼ばれることが多い。文房具をこよなく愛し、幼少期や生まれる前に流行した文房具を会社に持ち込み、独自の活用法を編み出しては、周囲が驚くほど有効に使いこなしている。納得のいく活用法を見つけたときの喜びようは、傍目にも明らかである。

牧田 (まきた)

文野アヤが勤務する会社の営業五課で主任を務める男性。アンダーリムの眼鏡をかけている。年齢は35歳。生真面目で面倒見のいい性格で、つねに周囲に気を配り、社員の努力を素直に称賛する。当初はとなりの席に座る文野に苦手意識を抱いていたが、彼女が楽しそうに文房具を扱う姿に親近感を覚え、次第に打ち解けていく。子供の頃は年相応にやんちゃで、「ミニ四駆」や「デジタルモンスター」をモチーフにした文房具を好んでいた。文房具に関する知識は文野に匹敵し、彼女が文房具好きだと知ってからは、持ち込む昔のグッズを通じて小中学生の頃を思い出し、懐かしさを感じている。

書誌情報

文野さんの文具な日常 全4巻 徳間書店〈ゼノンコミックス〉

第1巻

(2017-06-20発行、 978-4199804199)

第2巻

(2018-01-20発行、 978-4199804724)

第3巻

(2018-10-20発行、 978-4199805264)

第4巻

(2019-09-20発行、 978-4199805943)

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