新クレヨンしんちゃん

新クレヨンしんちゃん

前作『クレヨンしんちゃん』の作者である臼井義人が急逝した後に、そのアシスタントらがキャラクター設定を引き継いで描いた『クレヨンしんちゃん』の続編。前作同様、主人公である野原しんのすけを中心にちょっとおバカな日常を描くギャグ漫画となっており、その作風に違いはない。双葉社「月刊まんがタウン」にて2010年9月号から2024年1月号まで連載。同誌の休刊に伴い、Web漫画サイト「まんがクレヨンしんちゃん.com」に移籍し2024年1月5日から配信。

正式名称
新クレヨンしんちゃん
ふりがな
しんくれよんしんちゃん
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
レーベル
アクションコミックス(双葉社)
巻数
既刊13巻
関連商品
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作風の変遷

前作『クレヨンしんちゃん』は連載誌が青年向けの「Weekly漫画アクション」であったこともあり、初期は「プロレスごっこ」「スキン」「ホテル」と言った性にまつわる表現が度々登場したほか、直接的な性的表現も数多く存在した。しかし、時代と共にファミリー向けに作風を転換することとなり、性に関しての表現は鳴りを潜めていった。本作『新クレヨンしんちゃん』は、ホームコメディを取り入れた後期『クレヨンしんちゃん』の路線を引き継ぎ、連続したストーリー性を持つギャグ漫画となっている。

あらすじ

野原しんのすけはアクションようち園に通うちょっと変わった5歳児。自分のタイプの女性を見かければナンパをして、隙があればどんな相手にもふざけ倒す。自分の家族や友達はもちろんのこと、時には一般人をも巻き込んでやりたい放題をするその様はまさに「嵐を呼ぶ幼稚園児」と呼ぶにふさわしい。

登場人物・キャラクター

野原 しんのすけ (のはら しんのすけ)

アクションようち園のひまわり組に通う5歳児。きれいなお姉さんが好きで、道端で見かけた女性をナンパする癖があるが大抵失敗に終わっている。性格はマイペースで、どんな相手にも物怖じせずふざけ倒すトラブルメーカー。5歳児にも関わらずコミュニケーション能力は高く、物事を器用にこなす要領の良さも兼ね備えているので、老若男女問わずすぐに仲良くなることができる。

野原 ひろし (のはら ひろし)

野原しんのすけの父親で双葉商事に勤める野原一家の大黒柱。妻の野原みさえにはまったく頭があがらない。しんのすけと同様にきれいなお姉さんには滅法弱く、時にはしんのすけと一緒に羽目を外すこともある。

野原 みさえ (のはら みさえ)

お昼寝とワイドショーをこよなく愛する専業主婦。家族からは恐がられており、野原家の中では最も強い権力を持つ。自由奔放な野原しんのすけを叱ることが多いが、時には夫の野原ひろしですらゲンコツで殴ることもある。

野原 ひまわり (のはら ひまわり)

野原しんのすけの妹。母親の野原みさえに似て、イケメンと光ものが好きでこの2つに対しての執着は非常に強い。まだ生まれて間もない0歳児なので言葉は喋れないが、行動で意思疎通を図ることはできる。

シロ

野原一家に飼われている白い犬。飼い主である野原しんのすけにいつも振り回されており、不条理な扱いを受けることが多い。しかし、犬としての知能は高く、しんのすけの言ったことはどのような複雑なことでも理解できる。また、体毛の中が家の鍵の隠し場所になっているため、鍵の番犬にもなっている。

野原 銀の介 (のはら ぎんのすけ)

野原ひろしの父親で、農業を営んでいる。野原しんのすけや野原ひまわりのような丸顔。基本的に軽い感じでとぼけたりふざけたりする性格で、よくしんのすけともふざけ合っている。野原みさえの父親である小山よし治とは性格が合わず、言い争いに発展することも多い。

野原 せまし (のはら せまし)

野原ひろしの兄で、農業を営んでいる。顔がひろしにそっくりであるが性格は異なり、特にドがつくほどのケチという点ではひろしとの争いの種になることもしばしばある。野原家で焼肉を食べる時にも腹が膨れて肉が食べられなくなるという理由でビールを断り、幼少期にも焼肉の枚数を多くするためにわざわざ肉を薄く切ったりしていた。

小山 よし治 (こやま よしはる)

野原みさえの父親。厳格な性格で頑固。絵に描いたような九州男児である。素直ではないが内心は孫である野原しんのすけと野原ひまわりのことを溺愛している。野原ひろしの父親である野原銀の介とは性格が正反対なためか、よく言い争いをすることが多い。

小山 むさえ (こやま むさえ)

野原みさえの妹。カメラマンを目指しており、これまではさまざまな場所を転々としてカメラの修行をしていたが現在は春日部に帰ってきており、写真スタジオで働いている。野原一家が家族写真を撮る時の撮影を担当し、その写真の出来が良かったので写真スタジオのショーウインドウに野原一家の家族写真が飾られた。

風間 トオル (かざま とおる)

アクションようち園のひまわり組に通う野原しんのすけの友達。幼稚園児ながら既に塾に通うなど英才教育を施されていて、英語も堪能。知識も豊富で子供たちのなかでも大人びた常識人のポジションではあるが、しんのすけのおふざけにはいつも手を焼いている。

佐藤 マサオ (さとう まさお)

アクションようち園のひまわり組に通う野原しんのすけの友達。頭の形がおにぎりみたいなので、しんのすけからは裸の大将のモノマネを頼まれたり、自分で自分のことを「塩おにぎり」と呼ぶことがある。とても泣き虫。

ボー

アクションようち園のひまわり組に通う野原しんのすけの友達。つかみどころがない性格で、饒舌に喋ることもないが、要所で鋭い発言をする天才肌タイプ。石集めが趣味で、電話番号の文字盤にちなんだ形の珍しい石を探しており、アクションようち園の近くで工事をしていた作業員の人から譲り受けていた。

桜田 ネネ (さくらだ ねね)

アクションようち園のひまわり組に通う野原しんのすけの友達。リアルままごとという遊びをやろうと常に目論んでおり、その都度友達からは嫌な顔をされている。しかし、その情熱はとてつもなくリアルままごとの台本を徹夜で考えるほど。また、ストレスが溜まると自分の身長程のうさぎのぬいぐるみを殴る行動をとる。

酢乙女 あい (すおとめ あい)

アクションようち園のひまわり組に通う野原しんのすけの友達。お金持ちのお嬢様で、どこへ行くにも常に黒服の黒磯が護衛としてついてくる。身の回りの世話もすべてこの黒磯が担当している。しんのすけに想いを寄せ、彼のことを「しん様」と呼んでいる。一番の好物は酢こんぶ。

二子玉川 タツヤ (ふたごたまがわ たつや)

アクションようち園のひまわり組に転校してきた男の子。弟の二子玉川カズヤとは双子で、頭頂部に出ているアホ毛の数で見分けられる。カズヤが2本なのに対し、タツヤは1本しか生えていない。カズヤといる時は勝気で生意気な性格だが、一人になるとおどおどした泣き虫になってしまう。

二子玉川 カズヤ (ふたごたまがわ かずや)

アクションようち園のばら組に転校してきた男の子。兄の二子玉川タツヤとは双子で、頭頂部に出ているアホ毛の数で見分けられる。タツヤが1本なのに対し、カズヤは2本生えている。タツヤといる時は勝気で生意気な性格だが、一人になるとおどおどした泣き虫になってしまう。のちに組の移動が行われ、タツヤと一緒のひまわり組になった。

水戸 アナ (みと あな)

アクションようち園のばら組に通う女の子。重い病気を患っている姉がおり、その姉を笑わせて元気づけようといつも面白いことをしている野原しんのすけに目をつけお笑いコンビを組もうと持ちかけた。その際、しんのすけとのコンビ名は「もち肌中高年」になった。

チーター河村 (ちーたーかわむら)

アクションようち園のバラ組に通う園児。野原しんのすけたちの通うひまわり組の面々に何かとつっかかっては勝負を挑んでくるバラ組のリーダー的存在。勝負の際には常にその道のプロフェッショナル園児を呼ぶことが多く、ボーリング対決の際には頃樫文五郎を連れてきた。

頃樫 文五郎 (ころがし ふんごろう)

アクションようち園に通う園児。アクションようち園で行われたボーリング大会にて、チーター河村がひまわり組に勝つために連れてきた。転がすことにすべてを懸けた、転がすこと全般を得意とするローリング園児。好きなものはロールケーキとコロコロコミック。

キャリー

アクションようち園のさくら組に転入してきた園児。奇抜な格好をしており、周りの園児からは「オシャレ」と評され転校初日から人気者となった。野原しんのすけの持ってきたムカデの被り物を気に入るなど独特な感性の持ち主。

園長先生 (えんちょうせんせい)

野原しんのすけが通うアクションようち園の園長を務める男性の先生。パンチパーマに眼光の鋭い目つきとヤクザ風の強面のため、しんのすけからは「組長」と呼ばれている。幼稚園内でフリーマーケットを催した際には野原みさえにヤクザと勘違いされ、「ショバ代は必ず払いますから」と泣き出された一幕もあった。

石坂 みどり (いしざか みどり)

野原しんのすけが通うアクションようち園のひまわり組の担任を務める先生。現在は結婚して苗字も変わっているが、しんのすけら園児たちからは以前のように「よしなが先生」と呼ばれている。姑から娘にと送られてくる自分とは趣味の合わないフリルのついた服の処理や、あてつけのような形で送られてくるお惣菜が悩みの種。

まつざか 梅 (まつざか うめ)

野原しんのすけが通うアクションようち園のバラ組の担任を務める先生。ブランド物が好きでイケメンに弱く、婚期を逃さないよう常にいい男を狙っているがうまくいっていない。しんのすけからは「賞味期限ギリギリ」と言われるなどよく結婚ができない女性ネタ絡みでいじられている。

上尾 ますみ (あげお ますみ)

アクションようち園の先生。普段はメガネをかけていて陰気な印象を受けるが、メガネを外すと性格が正反対となり思ったことをなんでも言ってしまうイケイケの性格になる。また、ワラ人形が好きで、作中では「ワラ人形オフ会」というネットを介して知り合った人とのオフ会に参加していた。

大原 ななこ (おおはら ななこ)

野原しんのすけが想いを寄せる女子大生。しんのすけとは家が近所で、野原家にも時々遊びに来るなど親交が深い。軟派なしんのすけだが、大原ななこに対しての想いは他の女性と比べても群を抜いており、好き過ぎるがゆえに握った手を洗わないほど。

大原 四十郎 (おおはら しじゅうろう)

大原ななこの父親。職業は小説家で「豪快シリーズ」というシリーズものの小説の連載を持つほどの売れっ子。野原しんのすけからは「お義父さま」と呼ばれており、しんのすけのことをななこにつく悪い虫だと思っている。

四郎 (よんろう)

東京カスカビアン産業大学、通称「東大」に通う大学生で、メガネに小太りと典型的なオタクのような外見。通っている大学はレベルが低く、世間的には三流大学と認識されているが、四郎はここに合格するまでに三浪している。

北本 (きたもと)

おみやげやおすそわけを野原みさえにくれる人のいいおばさんで、野原家の隣に住んでいる。噂話が好きで自分がすることはもちろん、その手の話になると非常に耳が利くようになる。ロベルトやエマと同居していることもあり、3ヵ国語を使いこなすトライリンガルでもある。

ロベルト

北本の家に住む外国人。普段は英語でしゃべっている。日本のことが好きではあるが日本文化を誤解してしまうところがあり、町内会の慰安旅行では三度笠をかぶってやってきた。

エマ

北本の妹の娘で、普段はフランス語でしゃべる外国人。日本語はよく理解できないものの日本のお笑いが好きで、よく芸人の使用するギャグを真似している。日本語は少しだけ話せるが、ところどころ意味が違っているので意志の疎通は難しい。

ミッチー

野原一家の家の近所に住む、ヨシりんを彼女に持つ若い男性。いつもは仲のいいカップルだが、時々くだらないことで喧嘩をしては野原家を巻き込む。耳そうじは耳かきで行う派で、20年以上愛用しているマイ耳かきを所持している。

ヨシりん

野原一家の家の近所に住む、ミッチーを彼氏に持つ若い女性。いつもは仲のいいカップルだが、時々くだらないことで喧嘩をしては野原家を巻き込む。耳そうじをする際はめん棒派でいつも新品で清潔な方がいいと思っている。

黒磯 (くろいそ)

酢乙女あいのSPを務める男性で、外見は黒いスーツにサングラス。姿は見せなくても常にあいの近くで見守っており、あいが呼べば木の上や天井裏などから急に出てくる。送り迎えの車の運転も担当している。

ロッテン前田 (ろってんまえだ)

酢乙女あいの好物である酢こんぶを勝手に食べたことによりクビになった黒磯の代わりにSPとなったメガネをかけた女性。黒磯以上に隙がなく、授業中も隠れずにずっとあいの側にいる。

犬髪 キリ子 (いぬがみ きりこ)

シロが毛を切りに行った際にカットを担当したペットサロンのオーナー。仕上がりはわたあめのようになり野原みさえはとても気に入っていたが、本人はトリミングの全国大会に向けて特訓中の身で自分に厳しくなっていたこともあり、納得していない。38歳未婚、お見合いもしているがうまく行かず全敗記録を更新している。

遠出 志奈代 (とおで しなよ)

野原一家が旅行先のプランを決める際に訪れた旅行代理店に勤める女性。客のプランを無駄に膨らませてどんな格安ツアーも相談後には豪華旅行にグレードアップさせてしまう凄腕の持ち主。旅行先の良いところを想像させて野原ひろしと野原みさえをその気にさせていたが、野原しんのすけがひろしのボーナスカットの現実を突きつけた結果、格安の温泉ツアーに申し込まれてしまった。

竿野 志成 (さおの しなり)

野原ひろしと野原しんのすけが海釣りに来た時に出会った釣りのうまい青年。以前、釣り堀や川釣りでもしんのすけと出会っていたが、いずれもしんのすけに完敗している。その際にしんのすけに弟子入りしていた経緯もあり、しんのすけのことを「師匠」と呼んでいる。

八木尾 好実 (やきお このみ)

野原ひろしと野原しんのすけが入ったお好み焼き屋「くるりんぱ」の女店主。突然歌いだしたり、馬券を外して号泣したりと、ひろしからは「変な人」呼ばわりされていた。夫に先立たれた未亡人で、その夫が使用していたソースを切らしてしまったために現在はお好み焼き店を休業している。

岸野 シキ (きしの しき)

野原しんのすけの町に引っ越してきた、ボーに似ている風貌の少年。母親がシャンソン歌手で父親が柔道家で両親共に身長が高い。弟を探しているところ、しんのすけと出会い一緒に弟を探すこととなった。

台本 読人 (だいほん よむと)

劇団四毛の看板俳優で、世間的にも有名な俳優。普段から演技を心掛けており、プライベートでも芝居ががった言動をする。熱愛疑惑が持ち上がった際には、彼のファンだった野原みさえもショックを受けていた。

イエキ

野原一家が町内会の慰安旅行のアテンドを務める42歳。生まれも育ちも豊岡で、豊岡に対する愛情と情熱は人並みならぬものがある。バスの中でのガイドでは、豊岡市で出会った妻とのエピソードを三部構成に渡って話そうとしていた。

とし江 (としえ)

野原しんのすけが拾ったガラケーから現れたガラケーの妖精。見た目はガングロギャルで寝起きの時もガングロメイクは欠かさない。最近のスマホ人気に押されてしまい、すっかりパワーが落ちてしまっているため、しんのすけがガラケーを開くまで自力で外に出られなかった。

集団・組織

かすかべ防衛隊 (かすかべぼうえいたい)

野原しんのすけらが結成した組織。メンバーは他に風間トオル、桜田ネネ、佐藤マサオ、ボーがいる。春日部の愛と平和を守ることを目的としているが、実際には遊びの延長線上の活動内容が多く、まつざか梅や石坂みどりの家を定期的に訪問したりしている。

その他キーワード

リアルままごと

桜田ネネが友達を巻き込んで行うままごとのリアルバージョン。普通のままごととの違いとしてネネが練りに練った台本から考えられた設定が非常に現実的であることが挙げられる。野原しんのすけら友人たちは基本的にこの遊びに巻き込まれることを嫌がり恐れているが、稀にノリノリで参加することもある。

前作

クレヨンしんちゃん

とんでもなくマイペースな5歳の幼稚園児、野原しんのすけが、家族や町内、幼稚園の人間を巻き込んで展開する日常系ギャグ漫画。登場キャラたちが、ファンタジーや時代劇、刑事ドラマを演じる外伝や番外編も、多く描... 関連ページ:クレヨンしんちゃん

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書誌情報

新クレヨンしんちゃん 13巻 双葉社〈アクションコミックス〉

第1巻

(2012-07-13発行、 978-4575943542)

第12巻

(2022-08-10発行、 978-4575946086)

第13巻

(2023-08-04発行、 978-4575946215)

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