新選組

新選組

幕末、新選組として集い、徳川幕府のために戦った近藤勇、土方歳三をはじめとする青年たちの人生を、歴史資料を紐解き、当時の様子は話の真偽を検証しながら描く歴史群像劇。黒鉄歴画シリーズの第1作目。

正式名称
新選組
ふりがな
しんせんぐみ
作者
ジャンル
幕末
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概要・あらすじ

幕末、牛込柳町の剣術道場試衛館の近藤勇とその門人である土方歳三沖田総司永倉新八原田左之助山南敬助たちは、将軍徳川家茂の上洛を警護するという、清河八郎の作った浪士組に参加する。しかし清河は京に着くなり、浪士組は将軍家ではなく、天皇の兵となるために集めたものだと掌を返す。

これに怒り、浪士組から決裂した近藤たちは、将軍家のために京都の治安を守る組織を作るべく、京都守護職松平肥後守容保に掛け合い、新選組を結成した。その後中川宮邸放火計画を阻止した池田屋事件でおおいに名を上げた新選組には、多くの個性的な青年たちが集まることになる。

登場人物・キャラクター

近藤 勇 (こんどう いさみ)

『新選組』の主人公のひとり。新選組局長。武蔵国多摩郡上石原村出身。16歳で近藤周助の養子となり、天然理心流の剣術道場試衛館の主となる。清河八郎による浪士組人員募集に試衛館の門人たちと共に参加するも、清河の尊皇攘夷思想を知り、芹沢鴨の一派と共に離脱。京都守護職会津藩松平肥後守容保に嘆願を出し、京都守護職預かりの身となった後、京都の治安維持を目的とした組織新選組を結成した。 愛刀は長曽禰虎徹であったと言われるが、入手経路や銘の有無に諸説あり、真偽のほどは定かでない。鳥羽伏見の戦いの後、甲陽鎮撫隊を率いて薩長土の征討軍と戦う。実在の人物近藤勇を描いたキャラクター。

土方 歳三 (ひじかた としぞう)

『新選組』の主人公のひとり。新選組副長。武蔵国多摩郡石田村出身。六人兄弟の末っ子。実家の「石田散薬」の行商をしながら武士になることを夢見ていた。近藤勇とは15~16歳の頃に知り合い、試衛館の門人として浪士組に加わり京に上る。身長五尺五寸。役者のような美男子だったという。新選組副長としては隊規に厳しく、「鬼の副長」として恐れられた。 一方で、商人風の如才なさを持つ性格でもあったという証言も残されている。鳥羽伏見の戦いの後、甲陽鎮撫隊の敗北から逃れ、幕軍に合流。五稜郭で最後の戦いに挑む。実在の人物土方歳三を描いたキャラクター。

沖田 総司 (おきた そうじ)

新選組一番隊隊長。奥州白河藩の脱藩者。隊内では非常に若い方。剣の腕にかけては天才的で、土方歳三、山南敬助も沖田には敵わず、本気で立ち会えば近藤勇にも勝てると永倉新八に言わしめるほど。試衛館時代は塾頭で、師範代として近藤の代わりに近所の村々の道場に教えに行くこともあった。 鳥羽伏見の戦いの後、病床に就き、27歳で死亡。実在の人物沖田総司を描いたキャラクター。

永倉 新八 (ながくら しんぱち)

新選組二番隊隊長。松前藩を脱藩後、試衛館の門人となり、近藤勇たちと一緒に浪士組に参加し京へ上った。鳥羽伏見の戦いの後、甲陽鎮撫隊の敗北から近藤と意見が衝突。原田左之助と共に別行動をとる。明治維新後も生き延び、新選組当時の思い出を書いた『浪士文久報国記事』を記す。 実在の人物永倉新八を描いたキャラクター。

原田 左之助 (はらだ さのすけ)

新選組十番隊隊長。伊予松山藩を脱藩後、試衛館の門人となり、近藤勇たちと一緒に浪士組に参加し京へ上った。種田宝蔵院流の槍の使い手。鳥羽伏見の戦いの後、甲陽鎮撫隊の敗北から近藤と意見が衝突。永倉新八と共に別行動をとる。上野戦争で死亡したとされるが、一説には大陸に渡り、馬賊となったとも言われる。 実在の人物原田左之助を描いたキャラクター。

斉藤 一 (さいとう はじめ)

新選組三番隊隊長兼副長助勤。刀の目利きであったという。数々の暗殺に関わる。思想を異にした伊東甲子太郎が新選組から分派した際は、スパイとして御陵衛士に加わり、近藤勇暗殺計画を防ぐことに成功した。鳥羽伏見の戦いの後、甲陽鎮撫隊の敗北から逃れ、幕軍に合流。 一時は負傷した土方歳三に代わって残存した新選組の指揮を執ったことも。会津藩に残って戦うが、捕虜となる。明治維新後も生き延び、警視庁に採用されたことから西南戦争にも参加。警部補から警部に昇格。東京教育博物館の看守となった。実在の人物斉藤一を描いたキャラクター。

山南 敬助 (やまなみ けいすけ)

新選組総長。仙台藩の脱藩者。試衛館に他流試合に訪れ、近藤勇に剣をはじかれ門人となったという。近藤勇たちと一緒に浪士組に参加し京へ上った後、新選組副長を経て総長となったが、禁門の変の後、新選組を脱走。理由は西本願寺への屯所転出案に対する反対や、勤王運動への決意などさまざま。 沖田総司によって屯所に連れ戻され、切腹を命じられる。介錯は沖田総司。享年33歳。実在の人物山南敬助を描いたキャラクター。

芹沢 鴨 (せりざわ かも)

水戸藩の浪士。元水戸天狗党の人物で、そのときの仲間を引き連れて清河八郎の募集した浪士組に参加するも、清河の掌返しに遭い、近藤勇たちと共に新選組を結成した。体躯は非常に大きく、横暴そのものといった性格。新選組局長となった後も、商人に金子の借用を強要し、断られると大砲を打ち込むなどの粗暴な振る舞いが止まず、新選組の身柄を預かっていた京都守護職松平肥後守容保より近藤勇たちに暗殺の密命がくだされる。 実在の人物芹沢鴨を描いたキャラクター。

清河 八郎 (きよかわ はちろう)

庄内藩の郷士。徳川家茂上洛に際しての警護のため、江戸の過激浪人たちを集めた浪士組の設立を徳川幕府に提案。しかしその本心は尊皇攘夷にあり、集めた浪人たちと共に京都に着くや、一転して浪士組を天皇の親兵とすることを告げた。近藤勇たちがこれに反対し、浪士組から離反した後、賛同者たちと共に江戸に帰還。 横浜大火と黒船焼打計画を練っていたところを老中に察せられ、暗殺される。享年34歳。実在の人物清河八郎を描いたキャラクター。

伊東 甲子太郎 (いとう かしたろう)

新選組二番隊組頭。常陸志筑藩の脱藩者。深川佐賀町の北辰一刀流道場主であり、勤王攘夷論者として一党を作っていた。藤堂平助の紹介により、新選組に入隊。役者のような美男子であったという。後に浪士たちの動静探索と称し新選組から分派、御陵衛士という組織を作る。 間者として御陵衛士に加わった斉藤一により、近藤勇暗殺計画が露見、逆に暗殺されてしまう。実在の人物伊東甲子太郎を描いたキャラクター。

深雪太夫 (みゆきだゆう)

近藤勇が囲っていた妾。元大阪新町の遊女。醒ヶ井の家に囲われていた。十六の時に島原で奉公を始め、十八で太夫となる。落籍されて池田屋の近くに住んでいたところ、浪士をかくまっているという疑惑から新選組に踏み込まれるが、近藤勇が配下を取り鎮めたことのが出会いであるという。 実在の人物深雪太夫を描いたキャラクター。

場所

池田屋 (いけだや)

京都三条小橋にある旅籠。禁裡に火をつけ、京都守護職松平肥後守容保を襲う計画を立てている長州藩、土佐藩の志士が潜伏していたことから、新選組の強襲を受ける。主人池田屋惣兵衛は自ら進んで勤王派に肩入れしていたことから、事件後獄死している。

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