天まであがれ!

幕末を舞台に、江戸の剣術道場試衛館に集う沖田総司ら若者達が、大志を抱き京へ上る。新選組を結成した若者たちは、希望に夢を膨らませ、恋に悩みながら、勤皇派を相手に命をかけて戦う。彼らの姿を描いた青春群像劇。

正式名称
天まであがれ!
作者
ジャンル
幕末
レーベル
木原敏江全集(角川書店) / 秋田文庫(秋田書店)
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概要・あらすじ

江戸の片隅にある剣術道場試衛館の門弟である沖田総司は、親代わりでもある道場主近藤勇や師範代土方歳三とともに、幕府募集の浪士組に加わり京へと上る。江戸で沖田総司が助けたこよりもまた、松平蓉姫に連れられ京に上る。無事に再会を果たしたものの、こよりの兄羽林風守は勤皇派の主要人物だった。

勤皇派へと姿を変えた浪士組を離れ、近藤勇たちは新選組を結成。沖田総司を慕うこよりと、土方歳三を慕う松平蓉姫に、羽林風守を慕う公家の娘るり子を巻き込みながら物語が紡がれていく。

登場人物・キャラクター

沖田 総司 (おきた そうじ)

9歳から内弟子として試衛館に住み込む。道場では一番年下だが腕は一番上。剣道教師に出向いた村で攫われそうになっていたこよりを助ける。近藤勇土方歳三と共に浪士組に加わり京へ上り、その後新選組隊士として活動するが、肺の病にかかり隊を離れ療養を余儀なくされる。 賊軍となった新選組の行く末を気に掛けながら25歳の若さでその生涯を閉じる。芹沢鴨に気に入られ、何度も口説かれる。実在の新選組隊士沖田総司がモデル。

こより

沖田総司が助けた少女。試衛館に身を寄せていたが、松平蓉姫に連れられ京へ上る。倒幕派の影の実力者、元公家の羽林風守の妹で、頼子というのが本名である。沖田総司の役に立ちたいと男装し新選組に入隊したが、羽林風守のもとへ連れ戻され、倒幕派として戦の中に立ち、爆風に巻き込まれ重症を負う。 瀕死のところを白菊丸に助けられ、最後の力を振り絞り沖田総司の臨終を見守り力尽きた。

土方 歳三 (ひじかた としぞう)

試衛館門下生で師範代を務める。沖田総司曰く、兄代わりで保護者。黙って立っていれば千両役者だが、口が悪い。浪士組に加わり京へ上り、勤皇派へ転じた浪士組を離れ新選組を結成。倒幕派を相手に各地で抵抗するが、奮戦虚しく撤退を続ける。賊軍となり官軍に追い詰められ、函館五稜郭に立てこもり、最後を迎えた。 実在の新選組副長土方歳三がモデル。

近藤 勇 (こんどう いさむ)

武州南多摩の天然理心流剣術道場試衛館の主。沖田総司曰く、強くて先生で保護者。口が大きいが笑うとやさしい顔になる。浪士組に加わり京へ上り、その後新選組を結成し、局長となった。あまり目立たないが、個性豊かな新選組隊士たちを、うまくまとめ、肝心なところでは勇ましく活躍する大きな存在である。 実在の新選組局長近藤勇がモデル。

藤堂 平助 (とうどう へいすけ)

試衛館の居候。大人しいが剣の腕はたつ。浪士組に加わり京へ上り新選組隊士として活躍。池田屋事件で瀕死の重傷を負う。勤皇の志士たちを次々切り捨てる新選組に不安を覚え、分派し別の道を歩むことになる。実在の新選組隊士藤堂平助がモデル。

山南 敬助 (やまなみ けいすけ)

試衛館の居候。北辰一刀流の使い手。学者肌だが、芸者と心を通わせるなど砕けたところもある。浪士組に加わり京へ上り新選組隊士として活躍。いち早く沖田総司の病を知るが強く口止めされたため、何も知らない土方歳三に急に親しくなったと不審がられる。勤皇の志士を次々とを襲ったり、隊内の規則を厳しくする土方歳三のやり方に反発し脱走。 連れ戻され切腹した。実在の新選組隊士山南敬助がモデル。

斉藤 一 (さいとう はじめ)

試衛館の居候。明石藩藩士。試衛館の一同が浪士組に加わり京へ向かう際には、明石藩に許可を得るため一旦離れた。その後は行動を共にし、土方歳三とともに函館五稜郭に立てこもろうとしたが、土方歳三から、「敗者の歴史を伝えて欲しい」と言われ、松平蓉姫を守りながら江戸へ戻る。 実在の新選組隊士斉藤一がモデル。

永倉 新八 (ながくら しんぱち)

試衛館の居候。江戸っ子。松前藩藩士だが、脱藩して浪士組に加わり京へ上り、新選組隊士として活躍。鳥羽伏見の戦いでの惨敗後、近藤勇、土方歳三とは別行動をとることになる。芹沢鴨一派の水戸藩士野口健司とは、江戸の百合元昇三道場の同門。 実在の新選組隊士永倉新八がモデル。

原田 左之助 (はらだ さのすけ)

試衛館の居候。大飯食らいで、いつも沖田総司の分の飯まで食べてしまう。伊予松山藩に産まれるが出奔し、試衛館に居候する。浪士組に加わり京へ上り、新選組隊士として活躍。鳥羽伏見の戦いでの惨敗後、近藤勇、土方歳三とは別行動をとることになる。 実在の新選組隊士原田左之助がモデル。

井上 源三郎 (いのうえ げんざぶろう)

試衛館に内弟子として住み込む。沖田総司曰く、ずっと年上で物静かで大人しくて兄代わり。浪士組に加わり京へ上り、新選組隊士として活躍する。鳥羽伏見の戦いで敵陣の中にこよりをみつけ、連れ帰って沖田総司に会わせようとするが、砲弾に当たり命を落とした。 実在の新選組隊士井上源三郎がモデル。

羽林 風守 (うりん かざもり)

幕府に謀反を企んだかどで暗殺された、羽林大納言の忘れ形見で、こよりの兄。目の前で殺害された父の無念を晴らそうと、京へ出て反幕府派を集める。能面のように冷たい殺人鬼で、倒幕軍の影の権力者と言われる。沖田総司がこよりを助けた際に現れて、襲った賊を惨殺しキラー・クイーンと名乗り、切り結んだ沖田総司により右腕に深い傷を負わされ、それが元で肘から先を切断した。

松平 蓉姫 (まつだいら ようひめ)

表向きは会津藩主の姪だが、実は藩主が身分の低い女に産ませた娘。女だてらに馬にも乗り剣を振り回すじジャジャ馬。試衛館を訪れ沖田総司と土方歳三と手合わせした際に、女相手に全く手加減をしなかった土方歳三に好意を持った。京で再会してからは、こよりとともに男装して新選組隊士として活動。 賊軍となった土方歳三と最後を共にと願い、沖田総司、近藤勇の訃報を携え函館五稜郭に辿り着くが、「元気に生きろ」と江戸へと返される。木原敏江作『摩利と新吾』に、後年の姿が描かれている。

るり子 (るりこ)

公家の名門、甘露寺家の姫で、羽林風守の許嫁。公家のお姫様らしく、気高く美しいがとても我が儘。羽林風守を住まわせ、松平蓉姫にも屋敷の一部を貸している。羽林風守が必要以上に妹を可愛がることに嫉妬し、ことごとくこよりをいじめる。勤皇派の集会の情報をこよりに流し、兄妹仲を裂こうとするが、急を知った羽林風守も池田屋にかけつけ、生死不明となる要因を作ってしまい、そのショックで気がふれる。

芹沢 鴨 (せりざわ かも)

元水戸天狗党で、神道無念流の剣客。浪士組に参加し京へ上るおり、道中で出会った美少年沖田総司を気に入り、小姓になれとしつこく誘う。兄の伝手で会津藩主松平容保の許可を取り付け、近藤勇、土方歳三とともに新選組を結成し、筆頭局長に収まる。 しかし、兼ねてからの乱行により会津藩から秘密裏に処分の命が下り、土方歳三、沖田総司たちの手によって、その命を落とす。水戸天狗党に所属し、後に新選組筆頭局長として実在した人物の芹沢鴨がモデル。

新見 錦 (にいみ にしき)

水戸藩出身。芹沢鴨について、浪士組に加わり京へ上り、新選組隊士となる。芹沢鴨とともに日夜乱暴狼藉の悪行に及び、会津藩から下った秘密裏に処分の命で、祇園の料亭山の緒にいるところを、土方歳三、沖田総司たちに踏み込まれ、その場で切腹させられる。 実在の新選組副長助勤新見錦がモデル。

野口 健司 (のぐち けんじ)

水戸藩出身。芹沢鴨について、浪士組に加わり京へ上り、新選組隊士となる。芹沢鴨とともに日夜乱暴狼藉の悪行に及び、会津藩から下った秘密裏に処分の命で、土方歳三、沖田総司たちに粛正される。永倉新八とは江戸の百合元昇三道場の同門。実在の新選組副長助勤、野口健司がモデル。

平間 重助 (ひらま じゅうすけ)

水戸藩出身。芹沢鴨について、浪士組に加わり京へ上り、新選組隊士となる。芹沢鴨とともに日夜乱暴狼藉の悪行に及び、会津藩から下った秘密裏に処分の命で、土方歳三、沖田総司たちに粛正される。実在の新選組副長助勤、平間重助がモデル。

平山 五郎 (ひらやま ごろう)

水戸派として芹沢鴨一派に属す。神道無念流の免許皆伝の腕前で、芹沢鴨について、浪士組に加わり京へ上り、共に新選組隊士となる。市中警護をするどころか、筆頭局長芹沢鴨とともに、乱暴狼藉の悪行に及び、会津藩から秘密裏に処分の命が下り、土方歳三、沖田総司たちの手によって、その命を落とす。 実在の新選組隊士平山五郎がモデル。

清河 八郎 (きよかわ はちろう)

将軍徳川家茂の上洛に際して、将軍警護の名目で浪士組を組織することを献策。いずれも腕に覚えのある剣客250名余りが集まった浪士組を引き連れ、将軍にさきがけ京へ上る。だが、京に着くと今度は尊皇攘夷を訴え、浪士組を天皇の配下の兵力とし、江戸へと戻ると宣言し、近藤勇はじめ後の新選組の面子とは袂を分かつ。 実在の清河八郎がモデル。

吉田 稔麿 (よしだとしまろ)

長州藩士。束の間の間、頼子(こより)の許嫁だったが、羽林風守により解消された。学もあり同時に剣の腕も立つ、倒幕派を指導するリーダー的存在。池田屋事件で命を落とす。松陰門下の三秀とされ、池田屋事件で命を落とした実在の吉田稔麿がモデル。

白菊丸 (しらぎくまる)

京の外れに暮らす少年。かつて羽林家に世話になり、密かに羽林家の兄妹を捜していた。初めての京で沖田総司とこよりが道に迷い、寒さを避けるために入り込んだお堂の主で二人を助け、土方歳三に知らせた。勤皇派の影の実力者となった羽林風守の側に仕えながらも、こよりにも心を配り、伏見で瀕死の重症を負ったこよりを密かに助け、江戸の沖田総司の療養先まで送る。

集団・組織

試衛館 (しえいかん)

『天まであがれ!』に登場する剣術道場。江戸の片隅ににある町道場。天然理心流の剣術道場で、道場主は近藤勇。門弟に土方歳三、沖田総司、井上源三郎、山南敬助がおり、他に永倉新八、原田左之助、藤堂平助、斎藤一が居候している。近藤勇とともに京へ上り、新選組隊士として活躍した。 実在した剣術道場の試衛館をモデルとしている。

浪士組 (ろうしぐみ)

『天まであがれ!』に登場する、京の市中を警備するために幕府が募った武装集団。腕に覚えのある浪人が数多く集まり、幕府からの世話役清河新八に率いられ、総勢250名の大所帯で京へ移動した。京へ上ると清河八郎は尊王攘夷論を展開し、浪士組を幕府ではなく天皇家を守る舞台とすると宣言し、再び江戸へ戻っていく。 実在した組織、浪士組をモデルとしている。

新選組 (しんせんぐみ)

『天まであがれ!』に登場する、壬生に本拠をおく武装集団。京の市中を警備するために幕府が募った浪士組から分かれ、京都守護職会津藩主松平容保の預かりとして発足する。筆頭局長に芹沢鴨、局長に近藤勇と新見錦をおき、京都市中の警護にあたった。勤皇派の集会を襲うこともあり、人斬り集団と恐れる者もあった。 実在した組織、新撰組をモデルとしている。

書誌情報

天まであがれ! 全7巻 角川書店〈木原敏江全集〉 完結

第1巻

(1989年10月発行、 978-4048522113)

第2巻

(1989年12月発行、 978-4048522120)

第3巻

(1990年2月発行、 978-4048522137)

第4巻

(1990年3月発行、 978-4048522144)

第5巻

(1990年4月発行、 978-4048522151)

第6巻

(1990年5月発行、 978-4048522168)

第7巻

(1990年6月発行、 978-4048522175)

天まであがれ! 全2巻 秋田書店〈秋田文庫〉 完結

第1巻

(1999年4月発行、 978-4253174879)

第2巻

(1999年6月発行、 978-4253174886)

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