日日べんとう

日日べんとう

秋田の禅寺で育った谷黄理子が、東京で働きながら、毎日丁寧にお弁当や料理を作って暮らす物語。登場する料理はレシピとともに漫画の中で紹介される。黄理子の家庭の事情と男性たちとの恋の行方も描かれる。

正式名称
日日べんとう
ふりがな
にちにちべんとう
作者
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概要・あらすじ

秋田の禅寺で育った女性・谷黄理子は、東京のデザイン事務所で働いている。彼女の弁当は糠・粕・麹が利いていて、鼻の良い上司・荒井銀次に換気をしろといつも叱られている。黄理子の母親は女優・谷原紅子だが、紅子が16歳で産んだ黄理子は隠し子として禅寺に預けられたのだった。そんな黄理子は、母親の紅子に反発していた。

黄理子紅子の関係に気づいた銀次は、2人の関係修復を模索する。

登場人物・キャラクター

谷 黄理子 (たに きりこ)

デザイン事務所に所属する32歳の女性デザイナー。女優・谷原紅子の隠し子で、幼い頃は秋田の禅寺創命寺に預けられて育った。料理は寺の典座(てんぞ)から習った。普段は糠・粕・麹の利いた滋味料理を作って食べ、節約して暮らしている。本来は食いしん坊で、他人のおごりなら高級食材や料亭での外食もむしろ大歓迎。 よく食べ、よく働き、規則正しい生活をしているが、他人を素直に受け入れられない少し意地っ張りな性格の持ち主でもある。

谷 青太郎 (たに せいたろう)

谷黄理子の弟。女優の谷原紅子の隠し子だが、紅子の手元で育てられた。黄理子の7つ下の25歳だが、就職せず、母親からのお小遣いで暮らしている。いつか黄理子と紅子と3人で仲良く暮らす日を夢見ている心やさしい青年。年齢の割に幼い子供のような素直さを持っている。紅子に新しい恋人ができるとマンションを追い出され、よく黄理子の家に居候している。

方丈爺 (ほじょじい)

谷黄理子が育った秋田の禅寺創命寺の先代の住職。円卓堂というお堂で、身寄りのない子供たちを引き取って育てていた。3年前に他界している。黄理子の記憶の中では、いつもニコニコしている好々爺。食いしん坊な黄理子に曲げワッパを与え、入る分だけ食べるようにアドバイスした。

荒井 銀次 (あらい ぎんじ)

谷黄理子が所属するデザイン事務所の主任。銀座生まれで37歳のバツイチ。部下からは信頼されている。よく黄理子を居酒屋・晦へ連れて行く。谷原紅子とは晦で知り合った飲み仲間。紅子のファンでもある。極度の偏食家。自宅のマンションで、ココというウサギを飼っている。

谷原 紅子 (たにはら べにこ)

谷黄理子と青太郎の母親。48歳の女優。黄理子を16歳の時に産んだが、女優と母親を両立できず、黄理子を紅子の父の親友である方丈爺に預けた。周囲の親しい人々を除いて、彼女は子供の存在を公表していない。舞台で演じることが生き甲斐で、家事はまったくこなせない。いろいろな男性とつき合っているが、いつも長続きしていない。

藤山 周三郎 (ふじやま しゅうざぶろう)

谷黄理子が好きな文学作家。黄理子は彼の「山里だより」という作品に登場する理想の家族に憧れている。

大川 次郎 (おおかわじろう)

黒主広告代理店の営業部主任。一見人当たりの良いおじさん。谷原紅子と谷黄理子の関係に気づき、それをネタに荒井銀次に仕事を回すよう要求しようとした。会社の過酷な労働環境のおかげで肝臓をこわしかけている。

松井 (まつい)

女優・谷原紅子の女性マネージャー。紅子と谷黄理子や谷青太郎との連絡を取り持ってくれている。背が低く、おかっぱ頭で眼鏡をかけ、いつもニコニコしている優しい女性。

紫藤 カオル (しとう かおる)

30歳の優秀なデザイナー。荒井銀次が一時勤めていたデザイン事務所で学生時代アルバイトをしていて、いまだに銀次を「先輩」と呼んでいる。やがて独立して自分のデザイン事務所を開くことを目指している。父親は建築家で、母親は彼が2歳の時に他界している。創命寺で剣道の合宿をしたことがあり、方丈爺とも面識がある。 創命寺で見かけた谷黄理子のことをずっと気にかけていた。

さち子 (さちこ)

谷黄理子とともに円卓堂で育った女性。もうすぐ40歳。セミロングのストレートヘアで優しい性格の持ち主。黄理子にとっては姉のような存在。現在は結婚して子供もいる。苺と心理テストが好き。

場所

創命寺 (そうめいじ)

『日日べんとう』に登場する禅寺。秋田県大曲の山奥にある臨済宗の禅寺。先代の住職方丈は、円卓堂というお堂で、身寄りのない子供たちを引き取って育てていた。また、紫藤カオルの通っていた東京の剣道道場とつながりがあり、合宿を宿坊で受け入れていた。

円卓堂 (えんたくどう)

『日日べんとう』に登場する秋田の禅寺創命寺にあるお堂。先代の住職方丈は、ここで身寄りのない子供たちを引き取って育てていた。谷黄理子は中学を卒業し上京するまで、さっちんは寮制の中高一貫校に入学するまでここで育てられた。

(つごもり)

『日日べんとう』に登場する小料理居酒屋。文学作品に登場する料理や作家の好物を再現したメニューを出している。客層はクリエイターが多い。荒井銀次や谷原紅子は常連。よく銀次を実験台にし、試作品を食べさせている。一時は銀次のお昼の弁当も作っていた。

その他キーワード

曲げワッパ (まげわっぱ)

『日日べんとう』に登場する谷黄理子のお弁当箱。杉の板でできている。黄理子の育ての親である方丈爺が、彼女の中学入学祝いに贈ってくれたもの。『日日べんとう』の物語の進行役で、漫画のナレーションはこの弁当箱の視点で構成されている。

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