暴力大将

暴力大将

壮絶なバイオレンスで彩られた任侠大河ドラマ。大阪に生まれたガキ大将が屈強な仲間たちと共に、戦前の矯正院、そして太平洋戦争と戦後の焼け野原を舞台に、様々な敵との戦いを勝ち抜き、財閥の後継者にのし上がっていく。

概要・あらすじ

「暴力大将」の異名を持つ力道剛の半生を「尋常小学校編」「中学校編」「矯正院編」「戦争編」「戦後編」「成長編」「飛翔編」の七つに分けて構成。中学在学中に河内矯正院に送られた力道剛は、影の支配者である総部屋長を倒し、日本陸軍への強制入隊後は仲間を率いてアメリカ軍を粉砕。さらに戦後生還した日本で、宿敵の日下部四郎配下の暴力団が牛耳る闇市を、貧しい庶民のものとする戦いを繰り広げる。

登場人物・キャラクター

力道 剛 (りきどう ごう)

1940(昭和15)年、河内から同じく大阪の新庄村福丸尋常小学校6年1組に転校してきたガキ大将。無敵の腕力を誇る喧嘩好きで「河内の暴力大将」の異名を持つ。父親は精米店を営み、母親の玉子(つやこ)、妹の智恵子との四人暮らし。入学試験の答案を書き換えて高山中学校に進学後、彼を疎んじる日下部財閥御曹司日下部四郎が差し向けた大番長一派を打ち倒して、河内矯正院に入れられてしまう。 そこで河内矯正院を影から支配する総部屋長、根室武蔵との全収容生を巻き込んだ戦いに勝利するが、収容生仲間共々日本陸軍に入隊させられ、生きて戻れぬよう企んだ日下部四郎の手引きで南方戦線送りに。 しかし仲間たちと何度も死地を脱し、アメリカ軍と死闘を繰り広げた力道剛は戦後、日本に生還。焼け野原となった大阪・梅田の闇市の用心棒となった後、関西の闇市を牛耳る暴力団佐藤組の妨害をはねのけ、みずから闇問屋力道組を開業する。そして全国に浮浪児救済のための子供市を展開し、日本最大の丸銀財閥の後継者に上り詰めるのだった。

日下部 四郎 (くさかべ しろう)

日下部財閥総帥日下部与一郎の御曹司。大阪で昭和町の子供たちを率いて新庄村の子供たちと対立していたが、小学校卒業時に見下していた新庄村の力道剛に殴り倒される。そのため高山中学校大番長の佐藤鉄正を金で操り、入学した力道剛を子分共々虐待させる。 反撃を受けたため、力動剛を背後から刃物で刺すも、逆襲され重傷を負わせられる。その後、河内矯正院に送られ事件を起こした力道剛を、父に頼んで日本陸軍に入隊させ、必ず戦死させるよう画策。だが戦後に日下部商事社長となり、闇市を通して財閥発展の資金を蓄えていた時、力道剛の生存を知らされて脅えることに。 挙句、暴力団の若組長となっていた佐藤鉄正に暗殺を命じるも失敗したばかりか、力道剛の背後に政財界を陰で支配する丸銀時次郎がいると知った日下部与一郎に叱咤され、日下部商事の株券と慰謝料を力道剛に渡すようにしたうえでアメリカに逃亡。日下部商事ニューヨーク支店をアメリカの有力商社にのし上げ、力道剛以上の力を持とうとする。

佐藤 鉄正 (さとう てっしょう)

大阪の高山中学校の生徒会長にして大番長。日下部財閥御曹司の日下部四郎とは金をもらって従う関係で、戦後に関西一の暴力団佐藤組の若組長となってもその命令で関西の闇市を牛耳り、闇問屋の「大日本興業」を表看板に、闇商品の流通ルート作りと利権獲得のため組員を動かしていた。 傘下の愚連隊村田組による梅田の闇市の掌握に失敗した後は商品供給を止め、闇市を日干にしようとしたが、佐藤組が守っていた旧日本軍の隠匿物資を謎の一味に強奪されしまう。それが生きていた力道剛によるものと知って日下部四郎に抹殺を訴え、許可を得て殺し屋に力道剛を狙わせたが、失敗している。

清水 麗子 (しみず れいこ)

元伯爵令嬢の福丸尋常小学校6年生。美人で気品があるが力道剛に一目惚れされ、伊勢への修学旅行で用便中にお尻を見られてしまう。その後高山女学校に進学。病弱の父親が金を借りている日下部与一郎から、彼の息子日下部四郎の許嫁になることを迫られていた。また力道剛に偽りのラブレターを渡し、喧嘩ができない状態に追い込むことを日下部四郎から強要されたり、無理やり唇を奪われたりと苦しめられている。 終戦直前にアメリカ軍の無差別爆撃で屋敷が焼かれたため、父親と共に婆やの娘が置屋の女将をしている京都に向かい、戦後は置屋の離れで暮らしていた。やがて借金返済のため、祇園の芸者、白菊となって座敷に出ていた時、客になった日下部四郎と再会。 借金を肩代わりする代わりに二号になれと迫られるが、拒み続けた。さらに京都の旅館、清水の女将になった後で、新婚旅行で偶然その旅館を訪れた力道剛と再会するも、共に言葉を交さないまま別れている。

鈴木 金吉 (すずき きんきち)

新庄村の福丸尋常小学校首席で、6年1組のリーダー格のメガネの少年。日下部四郎率いる昭和町の子供たちを相手に、子分の斉藤デン助ら新庄村の子供たちと喧嘩の定期戦を繰り広げていた時、引越してきた力道剛と出会う。翌日、6年1組に転校してきた力道剛にコテンパンにされてしまい、大将になってくれるよう頼み込んだ。 進学した高山中学校では力道剛共々、大番長一派から虐待されて決闘を挑み、被害者であるにも関わらず斉藤デン助と一緒に光国感化院に送られてしまう。そして斉藤デン助と共に退院後、捏造された記事とは知らず、力道剛ら河内矯正院収容生全員が乗った船が遭難したと報じる号外を見て驚愕。 さらに空襲により二人共家族を失い、大阪の浮浪児たちのボスになっていた時に、生還していた力道剛と再会した。以後、闇市で商売を始め、力道組の一員となって活動する。

照庵 (しょうあん)

町で出会った小学6年生の力道剛の顔を見て、「万に一つの天下取りの相」と見抜いた易者にして生臭坊主。その後、力道剛が、大番長一派と日下部四郎を返り討ちにし、警官と共に追跡してきた日下部与一郎に射殺されかけた時、雲水姿で現れ、気絶させて命を救っている。戦後、佐藤組を抜けた村田が腕を斬られて死にかけていたところを助けて天神一家を尋ねた時、闇市の用心棒となっていた力道剛と再会。 闇市運営の窮地を救う提案を続けた後、一番弟子で山伏姿の深石緑念を力道剛の元に差し向けた。その後、政財界の陰の黒幕、丸銀時次郎の命令で協力してきたと力道剛に明かし、闇の総元締めでもあった丸銀時次郎が与えた試練を乗り切った力道剛に対して、丸銀財閥の後継者として認められたことを伝えている。

黒木 栄二郎 (くろき えいじろう)

力道剛と同じ護送車で河内矯正院に収容された無口な青年。三年前に河内少年院に入れられ、半年後に事故死を伝えられた兄黒木栄一郎の、死の真相を探るための入所だった。拳法の使い手で、参謀役、作戦立案者として力道剛に仕え、命を救うことになる。彼の強さを見抜いた力道剛と共に、河内矯正院収容生を束ねる室長や組頭を打ち倒していき、影の支配者である総部屋長、根室武蔵の元から廃人にされていた兄を救出した。 しかし根室武蔵とその父親の院長、薬師寺猿蔵を道連れに兄は亡くなってしまう。日本軍に入隊させられて南方戦線に送られた後は、力道剛率いる元収容生たちの歩兵部隊第十六特別部隊の小銃部隊長となって活躍した。 さらに第十六特別部隊が全滅目的の部隊であることを知って力道剛にこれを伝え、ガタルカナル島からの第十六特別部隊脱出に大きな役割を果たした。戦後に日本に戻ってからも力道剛に従い、闇市の発展に力を尽くしている。

武田 実三 (たけだ じつぞう)

力道剛が入れられた河内矯正院第31号室の室長。部屋の30人全員を叩きのめした力道剛を新室長と仰ぎ、総部屋長の根室武蔵を倒すと宣言した彼に命を預ける。生き残った収容生共々日本軍に入隊させられた後は、力道剛率いる第十六特別部隊の軽機関銃部隊長となって活躍。 日本に帰国した戦後も力道剛に付き従い、闇市の発展に力を尽くした。

増井 弁達 (ますい べんたつ)

河内矯正院収容生が入る五人の組頭の一人で、総勢200人が収容されている第四棟の組頭。総部屋長の根室武蔵に服従し、反抗した力道剛と31号室の収容生を殺そうとした。だが逆に夜襲をかけられ、第四棟収容生全員が31号室の収容生に順に倒されると共に、みずからも力道剛に敗北した。 その後、第二棟第11号室室長、村岡良一一派に殺されかけた自分を救ってくれた力道剛に感激し、命を預ける。日本軍に入隊させられ、力道剛率いる第十六特別部隊の一員となった後は、山砲部隊長となって活躍。日本に帰国後も力道剛に従って、闇市発展に力を尽くした。

三好 空海 (みよし くうかい)

河内矯正院第二棟組長。首から大きな数珠をかけ、絞め殺しの武器として使う。重傷を負った力道剛を総部屋長の根室の命令で襲ったが敗れ、第二棟の収容生共々その軍門に下った。その後、第二棟が根室武蔵一派に放火された時、逃げ遅れたところを力道剛に救われ、彼に付いていくことを決める。 生き残った収容生が日本軍の第十六特別部隊とされた後は、その中で重機関銃部隊長となって活躍。日本に帰国した戦後も力道剛に従い、闇市発展のため力を尽くした。

伊賀 藤助 (いが とうすけ)

河内矯正院第二棟の収容生で、手裏剣を使い、忍者のような働きをする小男。入浴中の力道剛を刃物で襲い、重傷を与えたが、後に味方となって偵察任務に活躍した。日本軍に入隊させられ後は元収容生による第十六特別部隊の一員として力道剛に従い、爆薬部隊長となって活躍。日本に帰国した戦後も力道剛のため、闇市の発展に力を尽くしている。

根室 武蔵 (ねむろ たけぞう)

河内矯正院の全収容生を支配下に置き、矯正院の治安を思うままにしている巨体の総部屋長。収容生が第一棟から第五棟の建物に収容されているのに対して、第六棟の主として君臨している。かつて第四棟を牛耳った黒木栄一郎に決闘で辛勝した後に拷問を加え、廃人にして第六棟の地下牢に監禁し続けていた。 母心像と呼ばれる不気味な偶像を崇拝し、院長薬師寺猿蔵の厳命によって収容生でありながら親衛隊も手が出せない存在で、後に院長に反旗を翻した親衛隊を全滅させている。力道剛率いる一部収容生たちの反乱に対しては、牛の仮面を付けて総攻撃を指揮するも劣勢となり、仮面の下の醜い顔が暴かれてしまう。そして力道剛との最後の決闘で、彼の背中に隠れていた薬師寺猿蔵が拳銃を向けるが、廃人のはずの黒木栄一郎に飛び掛かられて第六棟の屋根から落下。 三人共に絶命した。その後、根室武蔵と薬師寺猿蔵が、実の親子だったことが明らかになる。

黒瀬 十一郎 (くろせ といちろう)

日下部与一郎と密かに通じる日本陸軍大佐。力道剛ら河内矯正院収容生が日本軍の第十六特別部隊にされた後、第十六特別部隊と陸軍刑務所から強制徴収された関東天海組組員による第四十特別部隊の指揮官となり、両部隊の全滅を目論んだ。しかしガダルカナル島で参謀長になってから、そのことを知った力道剛から鉄拳の嵐を見舞われ、目論見が日下部四郎から発せられたことを明かしてしまう。 その後、全滅必至の作戦を命じられた両部隊が脱走したため、アメリカ軍に偽の暗号を流して第四十特別部隊を日本軍主力部隊と見せかけ、攻撃させた。その隙に本当の主力部隊によるアメリカ軍基地総攻撃が行われたが、制圧寸前に大本営の命令によってガダルカナル島から撤収。 戦後は日下部与一郎の力を借りて大阪梅田警察署署長となり、力道剛らによる闇商品の運搬を妨害するも失敗。さらに力道剛暗殺を請け負った殺し屋を、口封じのため署員に射殺させた後で警察を辞め、日下部財閥グループの情報担当部長になった。

天海 竜馬 (てんかい りゅうま)

東日本最大のヤクザ組織関東天海組五代目組長の長男。喧嘩も強く背中に刺青を背負い、手下から「若」と呼ばれている。そのため日本陸軍二等兵となっても、関東天海組組員によって構成された第四十特別部隊の事実上の隊長を務めていた。ガダルカナル島では自分に従わなかった力道剛と反目。 その後、オーステン山攻略作戦に加われば全滅必至と見て、部隊を率いて軍から脱走するが、逆に日本軍からアメリカ軍を引きつける囮に使われてしまう。やむなく全滅しかけた部隊を洞穴に隠したもののアメリカ軍に見つかり、危ういところを力道剛率いる第十六特別部隊に助けられて、アメリカ軍の駆逐艦を奪ってのガダルカナル島脱出に同行した。 さらに駆逐艦沈没の際、倒れた煙突に挟まれた時も力道剛に助けられている。そのため戦後の日本への生還後、力道剛との別れ際に、改めて子分にしてくれるよう頼みこんだ。それから2年後に新宿の子供市開店のため東京を訪れた力道剛と再会し、子供市全国展開への協力を誓っている。

丸銀 時次郎 (まるぎん ときじろう)

四大財閥をしのぐ資産を持ち、政財界の影の支配者、戦後の日本最大の黒幕と恐れられる78歳の老人。日本のあらゆる産業に根を張る丸銀財閥を一代で築き上げ、軽井沢に邸宅を構えている。マッカーサーが一枚だけ発行した特別通行許可証を渡されているが、それを懐刀の照庵に預け、照庵はさらに一番弟子の深石緑念に預けていた。 子供がいないため10数年前から後継者を探しており、腹心の部下たちが選んだ候補者の中で、照庵が推した力道剛に注目。照庵を通してその活動を助けていた。やがて自分が闇の総元締めとして与えた試練を乗り越えた力道剛を後継者に指名するが、丸銀財閥大幹部会の席で断られ、他界寸前になってようやく受け入れられた。

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