東京レイヴンズ

東京レイヴンズ

偉大な陰陽師の失敗により、霊的な災害が発生するようになってしまった日本。国立陰陽塾に通う高校生たちが、未来の陰陽師を目指して霊や数々の陰謀と戦う和風バトルコミック。「月刊少年エース」2010年6月号から連載の作品。あざの耕平執筆の小説のコミカライズであり、キャラクター原案はすみ兵。

正式名称
東京レイヴンズ
ふりがな
とうきょうれいゔんず
原作者
あざの 耕平
漫画
ジャンル
和風ファンタジー
レーベル
角川コミックス・エース(KADOKAWA)
巻数
既刊14巻
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

陰陽師の家系に生まれた土御門春虎は、安倍晴明の子孫でありながら、陰陽師の才能には恵まれない男子高校生。そのため特に陰陽師を志すこともなく、友人たちと平凡な日々を送っていた。そんなある日、土御門家の次期当主である幼なじみの土御門夏目が春虎のもとにやって来る。かつては将来、陰陽師とその使い魔である「式神」としてともに戦う予定だった2人だったが、春虎の現状に夏目は落胆し、怒って去ってしまう。そこに、自身の陰謀に夏目を利用しようとする大連寺鈴鹿が現れ、春虎と夏目は大事件へと巻き込まれていく。

関連作品

東京レイヴンズ 東京フォックス

関連作品の1つとして『東京レイヴンズ 東京フォックス』がある。こちらは本作『東京レイヴンズ』に登場するコンを主人公にした作品で、コミカライズをCOMTAが手掛けている。

東京レイヴンズ RED AND WHITE

関連作品の1つとして『東京レイヴンズ RED AND WHITE』がある。こちらは本作『東京レイヴンズ』の世界観と設定は同じくしつつ、本編には登場しない別のキャラクターたちを中心に描いた作品で、コミカライズを望月あづみが手掛けている。一部のシーンには『東京レイヴンズ』のキャラクターも登場する。

東京レイヴンズ Sword of Song

関連作品の1つとして『東京レイヴンズ Sword of Song』がある。世界観と設定は同じくしつつ、本作『東京レイヴンズ』には登場しない新キャラクターたちを中心に描いた作品で、コミカライズを久世蘭が手掛けている。また、ストーリーは原作者のあざの耕平の完全新規書き下ろしストーリーとなっている。

東京レイヴンズ ANOTHER×holiday

関連作品の1つとして『東京レイヴンズ ANOTHER×holiday』がある。こちらは本作『東京レイヴンズ』 に登場するキャラクターたちの日常風景を描いた作品で、コミカライズを月ヶ瀬ゆりのが手掛けている。

東京レイヴンズ -Girls Photograph-

関連作品の1つとして『東京レイヴンズ -Girls Photograph-』がある。こちらは大連寺鈴鹿など、本作『東京レイヴンズ』に登場する女性キャラクターたちを主人公にした作品で、コミカライズを横山コウヂが手掛けている。また、構成を待田堂子が担当している。

メディアミックス

TVアニメ

2013年10月から2014年3月にかけて、金﨑貴臣監督によるTVアニメ版がTOKYO MXやサンテレビなどで放送された。シリーズ構成を倉田英之、キャラクターデザインを渡辺敦子が担当し、土御門春虎役を石川界人、土御門夏目役を花澤香菜が演じた。

ドラマCD

2014年4月、あざの耕平による書き下ろし小説と、ドラマCDが同梱された商品『東京レイヴンズ ドラマCDパック』が発売された。ドラマCDのキャストはTVアニメ版同様、土御門春虎役を石川界人、土御門夏目役を花澤香菜が演じた。

Webラジオ

2013年10月から2014年3月にかけて、webラジオサイト「音泉」と「響 -HiBiKi Radio Station-」にて『レヴラジ 東京レイヴンズラジオ』が配信された。パーソナリティは土御門春虎役の石川界人と、阿刀冬児役の木村良平が務めた。

パチンコ

2016年4月、藤商事よりパチンコ『CR東京レイヴンズ』がリリースされた。

登場人物・キャラクター

土御門 春虎 (つちみかど はるとら)

国立陰陽塾・地方第五分校に通う1年生の男子。のちに東京の国立陰陽塾に転塾する。前髪を目の上で切ったアッシュブラウンのウルフカットに、顔のサイドの髪の毛先だけが黒く染まった髪型をしている。土御門夏目の使い魔「式神」である証として、左目の下に赤い五芒星のマークがある。実家は陰陽師の家系で、安倍晴明の子孫である土御門家の、分家の人間。 しかし土御門春虎自身は陰陽師になるつもりがなく、才能も乏しいため、特に目標のない漫然とした日々を送っていた。だが夏目と再会を果たし、ともに大連寺鈴鹿の陰謀を止めたこと、そして北斗の死をきっかけに、考えを改めて陰陽師を志すようになる。その際に夏目の「式神」となる契約をし、霊力を可視化できる状態の「見鬼(けんき)」になった。 陰陽術に関する知識には欠けるが、努力家で前向きな、社交的な性格。一方で、周囲の女性の好意に気づかない鈍感なところがある。

土御門 夏目 (つちみかど なつめ)

土御門春虎の幼なじみで、土御門家の次期当主となる少女。東京にある国立陰陽塾の1年生でもある。偉大な陰陽師として知られる土御門夜光の生まれ変わり説があるため、夜光の信者たちからは夜光と同一視され、夜光の別名である「北辰王」と呼ばれることがある。前髪を目の上で切り、両サイドの髪は耳の下で切りそろえ、残りの髪は腰まで伸ばした紫色の姫カットをしている。 女性だが、土御門家のしきたりにより、普段は男装して生活しており、男装時はピンクのリボンで髪をまとめている。生真面目でプライドの高い、自分にも他人にも厳しい性格。さらに土御門家の次期当主というプレッシャーのため、周囲になじめずにいた。しかし春虎と阿刀冬児が東京に転塾して来たのを機に、クラスメイトたちと交流するようになり、倉橋京子や百枝天馬とも親しくなっていく。 陰陽師として素晴らしい実力を持つが、本番に弱く、危機下で実力を発揮しきれないのが弱点。亡くなった春虎の友人である北斗と同名の、竜の式神「北斗」を使役している。

阿刀 冬児 (あと とうじ)

土御門春虎の友人で、国立陰陽塾・地方第五分校に通う1年生の男子。のちに東京の国立陰陽塾に転塾する。肩につくほどまで伸ばした桃色がかった茶髪ストレートヘアを、大きな黒いヘアバンドでまとめている。飄々とした食えない雰囲気の、やや皮肉屋な人物。普段は明るく振る舞っているが、2年前に起きた人為的な霊災「上巳の大祓(じょうしのおおはらえ)」の被災者。 被災時に鬼に取り憑かれ、身体の中に巣くう鬼を制御しながら生活する「生成り(なまなり)」という身体になってしまった。そのため、自身の将来に明るい展望を見出せず、陰陽医である春虎の父親に症状を押さえてもらう生活を送っていた。しかし、春虎が本格的に陰陽師を志したのと同時に、一緒に東京へ引っ越し、国立陰陽塾に通うことになる。 そして塾生活を送りながら、鬼を「抑える」のではなく「コントロールし戦闘に活かす」戦い方を身に着けていく。

北斗 (ほくと)

土御門春虎と阿刀冬児の友人の少女。前髪を目の上で切り、耳の下まで伸ばしたボブヘアをしている。明るく世話焼きなボーイッシュな性格で、一人称は「ぼく」。春虎を常に気にかけており、春虎に陰陽師を目指して欲しいと願っている。しかし春虎自身はその気がないため、よくケンカになっていた。大連寺鈴鹿の陰謀に巻き込まれた際、春虎を救うため亡くなった。 その際に、正体が陰陽師の使い魔「式神」であることが発覚。式神の北斗を操っていた人間こそが真の北斗であり、実際にはどこかで生きていることが明らかとなった。そのため春虎にとっては、真の北斗と出会うことが、陰陽師を志すうえでの大きな目標の1つとなっている。

コン

土御門春虎が父親から譲り受けた使い魔「式神」の霊狐。24時間常に召喚し続ける「護法式」と呼ばれる、術者にとって負担の大きい術を必要とする特別な式神。前髪を眉上で短く切った、銀髪の前下がりボブヘアに、狐の耳としっぽが生えた、幼い少女の姿で現れる。生真面目で一途な性格で、主人である春虎と出会った瞬間から、彼を熱心に慕っている。 そのため、春虎に危害を加えるものには容赦がない。

倉橋 京子 (くらはし きょうこ)

土御門春虎の友人で、東京にある国立陰陽塾に通う1年生の女子。陰陽道の名家である倉橋家の娘。倉橋源司は父親、倉橋美代は祖母にあたる。前髪を目の上で切り、腰まで伸ばしたオレンジ色のロングウェーブヘアをしている。左サイドの髪で、2つのお団子を作っている。かねてから土御門夏目をライバル視しており、さらにイレギュラーな時期に転塾して来た春虎と阿刀冬児を快く思っていない。 春虎と出会った当初は、3人に対し非常に厳しい態度をとっていた。しかし、本来は姉御肌のさっぱりした性格で、春虎たちと、陰陽塾に現れた「土御門夜光信者」を撃退したのをきっかけに、親しくなっていく。さらに、大連寺鈴鹿が転校して来てからは、周囲になじめない鈴鹿と春虎たちの仲を取り持つようになる。 幼い頃に1度だけ会い、親切にしてくれた男子を夏目と思い込み、ひそかに想いを寄せている。実際は、その相手は夏目ではなく、春虎である疑いがある。「白桜(はくおう)」と「黒楓(こくふう)」の2体の式神を操って戦う。

百枝 天馬 (ももえ てんま)

土御門春虎の友人で東京にある国立陰陽塾に通う1年生の男子。倉橋京子の幼なじみでもある。前髪を右寄りの位置で斜めに分けて、襟足まで伸ばしたストレートヘアをしている。眼鏡をかけている。穏やかでおっとりとした性格で、春虎や阿刀冬児とは、出会ってすぐに親しくなる。また、陰陽道についての知識に欠ける春虎に、陰陽道の常識や知識を教えることも多い。

大連寺 鈴鹿 (だいれんじ すずか)

国家一級陰陽師で、トップクラスの陰陽師たち「十二神将」の1人である少女。前髪を左寄りの位置で斜めに分け、金髪ロングヘアを大きく巻いてツインテールにしている。華やかでかわいらしい容姿に加え、史上最年少で国家一級陰陽師の資格を取得した神童。そのため、陰陽道を志す者にとっては憧れのアイドル的存在。大連寺鈴鹿自身も、そのイメージを守るため、普段はかわいらしく振る舞っているが、実際は口が悪く、歯に衣着せぬ性格。 ある日、死者を蘇らせる秘術「泰山府君祭(たいざんふくんさい)」を実行するため、土御門夏目を利用しようと、土御門春虎の地元へやって来る。しかしそこで、夏目と勘違いし、春虎と出会った。「泰山府君祭」を春虎たちに阻止されてからは、呪力を封じられて謹慎状態にあった。 のちに東京にある国立陰陽塾に転入し、春虎たちと一緒に塾生活を送るようになる。

大友 陣 (おおとも じん)

東京にある、国立陰陽塾の講師を務める若い男性。土御門春虎たちの担任。ふんわりとした癖のある髪を肩につきそうなほど伸ばし、前髪を左側は後ろに流し、右側は目が隠れるほど長く伸ばしている。眼鏡をかけており、右足は義足で杖をついて歩く。関西弁で話す。塾生たちには親しみやすい存在だが、陰陽師としての実力は本物。右足を失う前は、トップクラスの陰陽師として「十二神将」の1人に数えられていた。 講師になる前は、陰陽庁の呪術犯罪捜査部で事件解決を行う「呪捜官(じゅそうかん)」として働き、天海大善の懐刀として活躍していた。しかし表舞台には出ず、公にできない事件の解決に努めていたため、「黒子(シャドウ)」という異名のみが知れ渡っていた。一線を退いた現在でも、危険をいち早く察知する能力に長け、塾生たちを守っている。

倉橋 美代 (くらはし みよ)

東京にある、国立陰陽塾の塾長を務める年老いた女性。倉橋京子の祖母でもある。前髪を上げて額を全開にし、耳の下まで伸ばしたボブヘアの頭頂部にお団子を1個作った髪型をしている。小柄でかわいらしい雰囲気の穏やかな性格だが、陰陽師業界の裏の元締めと呼ばれる恐ろしい存在。一流の占星術師でもあり、占いをもとに周囲にサポートを行うことも多い。

土御門 夜光 (つちみかど やこう)

かつて稀代の陰陽師と呼ばれた男性で故人。天才呪術師として軍部の要請に応え、現在陰陽術の基礎となる「帝国式陰陽術」を生み出した偉大な人物。しかし、死者をよみがえらせる禁断の秘術「泰山府君祭(たいざんふくんさい)」を行おうとして失敗。その影響で東京都は現代でも霊的な災害に見舞われるようになってしまった。1000体以上の式神を所有していたが、中でも「飛車丸」と「角行鬼」という2体の式神が有名。

蘆屋 道満 (あしや どうまん)

平安時代に活躍した伝説の陰陽師。「導摩法師」とも呼ばれ、安倍晴明の最大の宿敵とされている。とうに亡くなった存在と考えられていたが、数々の肉体を乗り継いで現在も生きている疑いがある。前髪を上げて額を全開にし、撫でつけ髪にしてサングラスをかけた、小柄で色黒の老人の姿をして現れる。

鏡 伶路 (かがみ れいじ)

陰陽庁で、単独で霊災害の処理にあたる「独立祓魔官」として働く若い男性。トップクラスの陰陽師たちにのみ与えられる称号「十二神将」の1人。前髪を額が見えるほど短く切った短髪に、額に大きバツ印の傷跡がある。阿刀冬児と同じく、鬼に取り憑かれている「生成り(なまなり)」。自身に取り憑いた鬼を完全にコントロールして戦うので、「鬼喰らい(オーガ・イーター)」の異名を持つ。 かつては呪術犯罪捜査部に所属していたが、祓魔局に移籍し、現在は独立祓魔官として活動している。粗暴で攻撃的な性格で、問題行動の多さから危険人物扱いされている。しかし実力を磨くことには余念がなく、戦いについて議論を始めると止まらない純粋な一面もある。

木暮 禅次朗 (こぐれ ぜんじろう)

陰陽庁で、単独で霊災害の処理にあたる「独立祓魔官」として働く若い男性。大友陣の陰陽塾時代の同期。トップクラスの陰陽師たちにのみ与えられる称号「十二神将」の1人でもある。前髪を右寄りの位置で斜めに分けて、髪全体をツンツンにはねさせた髪型をしている。明るく爽やかな性格で、祓魔局の若きエースとして知られている。

天海 大善 (あまみ だいぜん)

陰陽庁の呪術犯罪捜査部部長を務める年老いた男性。前髪を上げて額を全開にし、肩につくほどの長さの髪を撫でつけ髪にして、顎ひげを生やしている。大友陣のかつての上司でもあり、倉橋美代とも非常に親しい。言霊を自在に操る幻術のプロフェッショナルで、武器として扇を扱うため「神扇」の異名で知られている。

早乙女 涼 (さおとめ すず)

東京にある国立陰陽塾に通う3年生の女子。土御門春虎より1学年先輩で、春虎が2年生に進級してから出会う。前髪を目の上で切って、耳の下まで伸ばした茶髪ボブヘアをしており、頭の両サイドに、三角の猫の耳のような髪飾りを付けている。クールで物静かな雰囲気だが、非常に毒舌家。幼い少女が大好き。春虎とは塾内で偶然出会って以来、会えば話すようになるが、何かと謎が多い存在。 コンのことを非常に気に入っている。

富士野 真子 (ふじの まこ)

東京にある国立陰陽塾で、男子寮の寮母を務める若い女性。前髪を眉上で短く切って、耳の下まで伸ばしたボブヘアをし、眼鏡をかけている。明るく親しみやすいが、ややおせっかいな性格。男性同士の、いわゆるボーイズラブが大好き。そのため塾生たちでボーイズラブ妄想をしている。実際は女性である土御門夏目が、普段は男性として生活しているため、夏目、土御門春虎、 阿刀冬児の3人を、男性3人の三角関係にあると思い込んでいる。

木ノ下 純 (きのした じゅん)

東京にある国立陰陽塾に通う2年生の男子。土御門春虎たちとは1学年年上にあたる。前髪を目の上で切り、肩につくほどの長さのウェーブボブヘアをしている。容姿、性格ともに非常にかわいらしく、春虎の好みのタイプだった。実は男性で、女装趣味を持つ「男の娘」。富士野真子などが流す「春虎は男性も恋愛対象である」という噂を聞きつけ、春虎に手紙を送ってくる。 倉橋京子とは親しく、よくメイクの相談などに乗ってもらっている。

クレジット

原作

あざの 耕平

キャラクター原案

すみ兵

書誌情報

東京レイヴンズ 14巻 KADOKAWA〈角川コミックス・エース〉

第9巻

(2014-06-26発行、 978-4041210598)

第12巻

(2016-02-26発行、 978-4041039250)

第13巻

(2016-09-26発行、 978-4041046777)

第14巻

(2017-02-25発行、 978-4041053409)

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