あらすじ
氷菓(第1巻~第3巻)
神山高校に入学したばかりの折木奉太郎は、姉の折木供恵からの手紙によって半ば強制的に、廃部寸前の古典部に入部することになった。そこで出会った千反田えるからさまざまな事件を持ち込まれ、奉太郎は否応なしに色々な謎に立ち向かっていく。その後、えるは個人的に叔父の関谷純に関わる45年前の真実を追っていることを明かし、奉太郎にも協力を依頼する。奉太郎はえるの願いを聞き入れ、同じ古典部に所属する福部里志と伊原摩耶花とともに、謎を追うのであった。
愚者のエンドロール(第3巻~第5巻)
ある日、千反田えるは先輩で親交の深い入須冬実から依頼を受ける。依頼内容はカンヤ祭で2-Fが上映する予定の自主制作映画「万人の死角」を、古典部のメンバーとともに鑑賞するというものだった。メンバーたちは途中までしか撮影されていない映画を鑑賞させられ、「犯人とトリックは何か」と唐突に問いかけられる。
クドリャフカの順番(第6巻~第10巻)
カンヤ祭が今年も開催された。しかし思わぬトラブルで、古典部は文集を予定より多く200部も発行してしまう。その200部を売り切るために、古典部のメンバーは奔走する。そんななか、「十文字事件」と呼ばれる事件が、校内で発生するのだった。
遠まわりする雛(第11巻~第12巻)
春休みに突入して惰眠をむさぼっていた折木奉太郎は、ある日、千反田えるに呼び出された。えるの頼みで生き雛まつりの手伝いをすることとなった奉太郎は、水梨神社の社務所を訪れる。すると、生き雛祭りの行列が通る長久橋で、急に工事が行われるというトラブルが発生。よそ者であるため蚊帳の外に置かれていた奉太郎は、そこでえるから奇妙な言伝を頼まれる。
メディアミックス
TVアニメ
京都アニメーションによるTVアニメ版が、2012年の春から多くの独立局で放送された。監督は武本康弘、シリーズ構成を賀東招二が担当。折木奉太郎役を中村悠一、千反田える役を佐藤聡美、福部里志役を阪口大助、伊原摩耶花役を茅野愛衣が演じている。漫画版とは話の流れが多少異なるが、原作小説と比べると内容は漫画版に近い。
小説
「古典部」シリーズという呼称で米澤穂信による小説が刊行されており、これが本作『氷菓』の原作となっている。原作小説は第5回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門で奨励賞を受賞している。ちなみに「氷菓」とは「古典部」シリーズの第1作目のタイトルで、その後の作品はタイトルが異なるが、漫画版ではすべて『氷菓』というタイトルになっている。原作シリーズ第2作目以降の作品タイトルは、漫画版の各エピソードタイトルにその名残を見ることができる。なお、TVアニメ版や漫画版とは設定の相違点が多い。
キャラクター原案
西屋太志は京都アニメーション所属のアニメーター・キャラクターデザイナー。TVアニメ『日常』で、初めてTVアニメ作品のキャラクターデザインを担当した。近年では『Free!』『聲の形』などでもキャラクターデザインを務めている。
登場人物・キャラクター
折木 奉太郎 (おれき ほうたろう)
神山高校1年生の男子。古典部のメンバーで、何かと千反田えるに振り回されている。「やらなくてもいいことならやらない。やらなければいけないことなら手短に」をモットーにした省エネ精神の持ち主。一度考え出すと何かを閃くことが多く、洞察力や観察力に長けている。しかし自分に推理や推論の才能があるとは思っていない。怠惰であまり人に興味を示さないものの、えるには少なからず好意を抱いている。
千反田 える (ちたんだ える)
神山高校1年生の女子。古典部の部長を務めている。豪農として知られる千反田家の長女。関谷純の事件を皮切りに、折木奉太郎の類まれな推理力を認め、いろいろなことを解決してもらおうと、怠惰な奉太郎を動かすために奔走する。天然な性格で、時に鈍感な一面もある。嗅覚には絶対の自信を持っている。
福部 里志 (ふくべ さとし)
神山高校1年生の男子。手芸部と古典部と総務委員会を掛け持ちしているため、古典部にはあまり顔を出せない。いろいろな雑学知識を持っている。しかし、「データベースは結論を出せない」をモットーに、何かと判断を人任せにする部分がある。明るく周囲への気遣いを欠かさない性格だが、デートに遅刻するなど時間にルーズなところがあり、伊原摩耶花に時折怒られている。
伊原 摩耶花 (いばら まやか)
神山高校1年生の女子。漫研部と古典部、図書委員会を掛け持ちしている。福部里志に好意を寄せているが、今一つ手ごたえを得られていない。里志に約束をすっぽかされては、一方的に突っかかっている。当初は折木奉太郎に対して懐疑的だったが、徐々に彼の推理力を信頼するようになる。
折木 供恵 (おれき ともえ)
折木奉太郎の姉。現在世界中を旅して回っている。積極的で行動力があり、奉太郎とは真逆の性格の持ち主。2年前まで神山高校に通っていた。何年かに1回は家には帰って来るが、そのたびに奉太郎にとって「面倒なこと」を押し付けている。
遠垣内 将司 (とおがいと まさし)
神山高校3年生の男子。壁新聞部の部長を務めている。教育関係に強い影響力を持つ遠垣内家の長男でありながら、学校の部室でタバコを吸っている不良。喫煙を知られないために部室を独占していることもあり、他者が部室に入ることを認めていない。
入須 冬実 (いりす ふゆみ)
神山高校2年生の女子。千反田えるとは家同士で付き合いがある。千反田たち古典部のメンバーを、カンヤ祭で上映する予定の自主制作映画「万人の死角」の試写会に招待した。これは折木奉太郎の推理力を利用して、映画を完成させるためであった。冷静沈着で人を使うのがうまいことから、「女帝」のあだ名で呼ばれている。 折木供恵とも親交がある。
関谷 純 (せきたに じゅん)
千反田えるの叔父。10年前にマレーシアに渡航したが、7年前から行方不明になっている。優しい性格の持ち主で、45年前にカンヤ祭で問題が起こった際、他者を巻き込まないようにその矢面に立ち、結果的に神山高校を退学させられたという過去を持つ。
糸魚川 養子 (いといがわ ようこ)
神山高校の司書をしている温和で優しい女性。旧姓は「郡山」で、45年前に神山高校へ通っており、当時、古典部の部長を務めていた。今では関谷純の事件を知っている唯一の人物で、現古典部のメンバーたちに45年前の真実を伝えた。
善名 梨絵 (ぜんな りえ)
小学6年生の少女。青山荘に暮らしている善名家の長女。快活で明るく、思っていることをはっきり言う性格。青山荘の怪異である首吊りの影の話を、千反田えるや伊原摩耶花、福部里志らに語って聞かせた。
善名 嘉代 (ぜんな かよ)
小学4年生の少女。青山荘に暮らしている善名家の次女。姉の善名梨絵とは異なり、引っ込み思案で少々暗めな性格。自己主張もあまり得意ではなく、自分の意見を伝えることが苦手。青山荘の怪異である首吊りの影の話を嫌っている。
本郷 真由 (ほんごう まゆ)
神山高校の女子。2-Fに所属している。カンヤ祭用のビデオ映画の脚本を任されていたが、体調を崩してしばらく学校を休んでいる。これにより脚本の続きが書けなくなってしまったため、入須冬実が彼女から脚本の執筆を引き継いだ。
江波 倉子 (えば くらこ)
神山高校の女子。2-Fに所属している。本郷真由の親友で、クラスで唯一真由のもとにお見舞いに行っている。折木奉太郎たちがビデオ映画について推理合戦をしている時には、淡々とした口調で彼らのコーディネーター役を務めた。
中城 (なかじょう)
神山高校2年生の男子。2-Fに所属している。折木奉太郎たちが繰り広げていた推理合戦に参加していた1人。豪快な性格で、自主制作映画「万人の死角」についても、2時間サスペンスドラマのような単純な結末を提案したが、奉太郎たちに却下された。
羽場 智博 (はば ともひろ)
神山高校2年生の男子。2-Fに所属している。自主制作映画「万人の死角」の小道具班に所属しており、大量の血のりとザイルを用意した張本人。折木奉太郎たちが繰り広げていた推理合戦に参加していた1人でもある。皮肉家で、奉太郎たちを見下している。映画を見ていなかったため、犯行が成立しない結末を提案し、奉太郎たちに却下された。
沢木口 美崎 (さわきぐち みさき)
神山高校2年生の男子。2-Fに所属している。自主制作映画「万人の死角」で裏方をしており、折木奉太郎たちが繰り広げていた推理合戦に参加していた1人でもある。明るく快活で、エキセントリックな性格をしている。映画の結末を、スプラッター映画さながらの大量殺人事件にしようと提案したが、奉太郎たちに却下された。
田名辺 治郎 (たなべ じろう)
神山高校2年生の男子。総務委員会で委員長を務める。温和な人柄と、総務委員を束ねる手腕で、福部里志も一目置く人物。マンガ「夕べには骸に」の背景を担当しており、一緒に作成していた陸山宗芳や安城春菜と親しい。
河内 亜也子 (こうち あやこ)
神山高校2年生の女子。漫研部に所属している。挑発的な厳しい言葉遣いをするが、なかでも伊原摩耶花に対しては特に言葉がきつい。安城春菜とは友人関係にあるが、彼女が転校した後は会えずにいる。コスプレ好きで、3日間のカンヤ祭の最中、毎日違うコスプレをしていた。
湯浅 (ゆあさ)
神山高校2年生の女子。漫研部の部長をしている。優しく温和な性格で、伊原摩耶花とも仲がいい。河内亜也子とは親友で、彼女が時折きつい物言いをするのを陰でフォローしている。安城春菜がマンガ「夕べには骸に」の原作者だったことを知っている、数少ない人物の1人。
谷 惟之 (たに これゆき)
神山高校2年生の男子。福部里志に突っかかることが好きで、カンヤ祭の時も、どちらが十文字事件を解くことができるか、競い合おうとした。「期待」という言葉を軽々しく使うため、里志からはあまり好かれていない。
十文字 かほ (じゅうもじ かほ)
神山高校1年生の女子。神山市にある荒楠神社という古い神社の一人娘。図書館が大好きで、どことなく大人っぽい雰囲気を漂わせている。千反田えるとは昔から親交があり、えるの憧れの人物でもある。
陸山 宗芳 (くがやま むねよし)
神山高校2年生の男子。生徒会長を務めている。田名辺治郎とは親友で、よく行動をともにしている。昨年のカンヤ祭では、マンガ「夕べには骸に」の作画を担当した。ちなみに総務委員会の近くに貼ってあるポスターは、彼が描いたもの。
安城 春菜 (あんじょう はるな)
元神山高校の女子生徒。現在は転校している。田名辺治郎、陸山宗芳とともにマンガ「夕べには骸に」を描いた人物で、原作を担当した。河内亜也子とは親友だったが、今は連絡をとっていない。次回作「クドリャフカの順番」の原作も担当している。
場所
神山高校 (かみやまこうこう)
折木奉太郎たちの住む神山市にある学校。部活動が非常に盛んで、数えきれないほど多くの部がある。そのため、各部の活動を把握する総務委員会は、常日頃から大きな苦労を強いられている。
青山荘 (せいざんそう)
善名梨絵と善名嘉代が、経営者である親とともに住んでいる温泉旅館。折木奉太郎たち古典部メンバーが関谷純の事件を解き明かした後、お疲れ様会の場所として選んだ。ちなみに奉太郎たちが訪れた時は改装中で、営業していなかった。
イベント・出来事
カンヤ祭 (かんやさい)
神山高校で開催される文化祭。正式名称は「神山高校文化祭」だが、一般的には略して「カンヤ祭」と呼ばれている。昔は5日間開催されていたが、現在は3日間に縮小されている。なお、古典部では45年前の関谷純の事件との関わりもあり、「カンヤ祭」という呼び方は禁句になっている。
『月光』を奏でるピアノ (げっこうをかなでるぴあの)
神山高校の噂話の1つ。音楽室からピアノソナタ「月光」が聞こえてきたため、ある女生徒が音楽室のドアを開けたが、誰もピアノを弾いていなかった。カーテンが締め切られて薄暗い部屋の中には、セーラー服を着てぐったりした女生徒がいた、という内容のもの。
秘密倶楽部の勧誘メモ (ひみつくらぶのかんゆうめも)
千反田えるの興味を「『月光』を奏でるピアノ」から逸らすために、折木奉太郎が作った話。総務委員会でも把握できない部活があり、その部が許可なく掲示板に勧誘メモを貼って、部員を勧誘しているというもの。
愛なき愛読書 (あいなきあいどくしょ)
毎週金曜日に図書館から「神山高校五十年の歩み」を借りていく女生徒の話。借りる女生徒は数人いて、毎金曜日決まって昼休みに借りに来て、本の貸出期間は2週間なのに、放課後には返している。そのことを伊原摩耶花は疑問に思い、折木奉太郎たちに一緒に考えて欲しいと持ちかけた。
関谷純の事件 (せきたにじゅんのじけん)
45年前に古典部部長の関谷純が事件を起こし、退学になった話。なぜ純は退学になったのか、という謎について千反田えるは知りたがったため、折木奉太郎たちは、えるに請われる形でこの事件の謎を解くことになった。古典部の文集から事件の謎を解き始める。
首吊りの影 (くびつりのかげ)
青山荘で起きた怪異現象。ある日、青山荘の7号室に前金を払って泊まった客が、首を吊って死亡する事件が発生。それ以来、7号室には首吊りのお化けが出るという噂が立つようになった。このせいで、いまでは7号室は宿泊禁止となっている。
十文字事件 (じゅうもじじけん)
カンヤ祭で起きた事件。「十文字」を名乗る怪盗が色々な部活動の持ち物を奪っていった。ただ、「十文字」はカンヤ祭が終わる時には、奪ったものをすべて返すと宣言していた。アガサ=クリスティーの『ABC殺人事件』になぞらえて、事件現場には「カンヤ祭の歩き方」が置いてあった。
手作りチョコレート事件
バレンタインデーに古典部の部室で起きた事件。伊原摩耶花が福部里志に渡すために作り、部室に置いていたチョコレートが何者かに盗まれてしまう。千反田えるが部室にチョコレートが置かれているのを最後に確認したのが午後4時45分頃で、その後、事件が発覚した5時少し過ぎまでの15分あまりの時間内で犯行が行われた。4階のある部室に近い西階段はワックス掛けされたばかりで通行止め、東階段では掲示板で生徒が作業をしている。生徒の目撃情報から、その15分間に通りがかった人物は折木奉太郎、える、里志しかおらず、犯人は4階で作業をしている部活にいると奉太郎は推理する。
生き雛まつり (いきびなまつり)
水梨神社で行われる雛祭り。旧暦に合わせて行われるため、ふつうの雛祭りより1か月ほど遅れて開催される。女の子が着飾って「生き雛」となり、その生き雛を先頭にして行列を作り、方々の集落を巡って雛が穢れを集めるのを役割とする。集落を巡り終わった雛は神社の本殿に入り、集めた穢れを祓う儀式を行う。地元では有名なお祭りで、開催中は生き雛まつりの行列を見に観光客やTV局が訪れるほど賑わう。岐阜県高山市にある飛驒一宮水無神社の「生きびな祭り」がモチーフになっている。
その他キーワード
団結と祝砲 (だんけつとしゅくほう)
45年前の資料の1つ。伊原摩耶花が図書室から見つけてきた。45年前の世相を反映し、先生と対立して記録が記されていた。摩耶花はこの資料から、関谷純が先生に反抗していたのではないかと考えた。
神高月報 (かみこうげっぽう)
神山高校の新聞。新聞部によって45年前から現在まで発行されている。もう100号近くになり、新聞部の誇りでもある。現在、神高月報は部長の遠垣内将司が作成している。カンヤ祭の際には号外も出している。
神山高校五十年の歩み (かみやまこうこうごじゅうねんのあゆみ)
「愛なき愛読書」の際に使われた本。また、折木奉太郎が関谷純の事件を検証する際に使った資料でもある。神山高校の歴史が書かれており、丸を付けられた記録はその年だけに起こったこと、四角を付けられた記録は毎年起こっていること、と区別されている。
血のり (ちのり)
2-Fの自主制作映画「万人の死角」で使われた小道具。羽場智博ら小道具班が、作中で殺人が起こることを想定し、ペットボトルほどの血のりを用意していた。しかし、本来は切り傷に使う程度の少ない量で事足りるはずだった。
ザイル
2-Fの自主制作映画「万人の死角」で使われた小道具。羽場智博ら小道具班が用意したもの。脚本担当の本郷真由は、キャストの1人にザイルを使って、死なない程度の犯行を実行させようとしていたが、それは実現されなかった。
カンヤ祭の歩き方 (かんやさいのあるきかた)
カンヤ祭で配られるパンフレット。出店するすべての部活動が掲載されている。福部里志が総務委員の特権を活かして、古典部が目立つように掲載した。十文字事件では、犯人の「十文字」がこのパンフレットの部活動一覧によって予告状を出す場所を決めていた。
文集 (ぶんしゅう)
古典部の発行する文集。タイトルは「氷菓」。文集のバックナンバーは、部室の薬品金庫の中にしまわれていた。折木奉太郎たちが作った最新号の文集では、45年前に起きた関谷純の事件について言及されている。
夕べには骸に (ゆうべにはむくろに)
昨年のカンヤ祭でひそかに販売されたマンガ。原作を安城春菜、作画を陸山宗芳、背景を田名辺治郎が担当して執筆。合同ペンネームは「安心院鐸波」。伊原摩耶花はこれを購入して以降、とても大事にしている。
古典部 (こてんぶ)
折木奉太郎、千反田える、福部里志、伊原摩耶花の4名が所属している部活。特にやることも決まっておらず、放課後に理由もなく集まっては、本を読んでいることが多い。えるが持ち込んだ謎を奉太郎が解く、という活動をすることが多い。
桁上がりの四名家 (けたあがりのよんめいか)
神山市に居を構えている旧名家の中でも特に有名な4家の総称。4家とは、十文字家、百日紅家、千反田えるの属する千反田家、万人橋家の4家のこと。ちなみに「桁上がりの四名家」という呼称を提唱したのは福部里志であり、特に有名な謂(いわ)れがあるというわけではない。
総務委員会 (そうむいいんかい)
決まりを守っていない部活動への指導を行う委員会。田名辺治郎が総務委員長を務めている他、福部里志が所属している。カンヤ祭も総括的に取り仕切っており、カンヤ祭の期間中は特に忙しくなる。
万人の死角 (ばんにんのしかく)
カンヤ祭用に制作されたミステリー映画。入須冬実が所属している2-Fが自主制作したもの。伊原摩耶花にいわせると、「カメラワークが悪く、見せ方がなっていない」とのことで、途中までしか制作されていなかった。しかし、折木奉太郎が作中の謎を解いたことによって、エンディングまでの流れが確定し、完成した作品はカンヤ祭で評判になった。
クドリャフカの順番 (くどりゃふかのじゅんばん)
マンガ「夕べには骸に」の次回作になる予定だったマンガの原作。安城春菜が原作を作り、田名辺治郎と陸山宗芳に渡されたが、宗芳はこの原作を読んでいない。アガサ=クリスティーの『ABC殺人事件』になぞらえた内容となっている。
安心院鐸波 (あじむたくは)
マンガ「夕べには骸に」の作者名。原作の安城春菜、作画の陸山宗芳、背景の田名辺治郎の苗字と名前を平仮名表記し、それぞれ最初の1文字を取って組み合わせた名前で、彼らの合同ペンネームとなっている。
クレジット
- 原作
-
米澤 穂信
- キャラクター原案
-
西屋 太志(京都アニメーション)
書誌情報
氷菓 16巻 KADOKAWA〈角川コミックス・エース〉
第1巻
(2012-04-24発行、 978-4041202708)
第2巻
(2012-08-23発行、 978-4041202715)
第12巻
(2019-05-25発行、 978-4041035917)
第13巻
(2020-11-25発行、 978-4041097304)
第14巻
(2022-03-25発行、 978-4041123867)
第15巻
(2023-07-25発行、 978-4041141168)
第16巻
(2024-10-25発行、 978-4041156667)